2018/04/17(火) - 19:40
4月18日(水)、ベルギーのワロン地域で第82回ラ・フレーシュ・ワロンヌが開催される。バルベルデの5年連続6勝目なるか?最大勾配が26%に達する「ユイの壁」にフィニッシュする激坂バトルの見どころをチェック。
前半にリエージュエリアを通過 合計3回登場する「ユイの壁」で決する
アルデンヌクラシックの一つに数えられ、毎年アムステルゴールドレースとリエージュ〜バストーニュ〜リエージュに挟まれた水曜日に開催されるラ・フレーシュ・ワロンヌ。ツール・ド・フランスやリエージュと同じA.S.O.(アモリー・スポルト・オルガニザシオン)が主催するワンデーレースで、2018年で開催82回目を迎える。
レースの舞台となるのはベルギー南東部のワロン地域。「北のクラシック」の舞台であるベルギー北西部のフランデレン地域ではフラマン語(オランダ語)が話されているが、このワロン地域ではフランス語が公用語として話されている。「フレーシュ」はフランス語で「矢」を意味しており、レース名は「ワロンを貫く矢」の意味だ。
距離の短い上りが連続して登場するコースレイアウトはアルデンヌクラシックならでは。他のアルデンヌ2戦とは異なり毎年スタート地点が転々とするのが特徴で、第82回大会はリエージュ近郊のセランでスタートが切られる。このスタート地点の移動により走行地域も東に大きく移動し、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュのエリアも一部通過。これにより例年よりも高低差の大きな上りが前半に登場する。
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュにも登場する「コート・ド・ラ・ルドゥット」を含む4つの上りをこなしてから、残り58km地点でユイの街を起点にした周回コースに突入。コート・デレッフ(2,100m/5%)、コート・ド・シュラーブ(1,300m/8.1%)、そしてミュール・ド・ユイ(1,300m/9.6%)という3つの上りを含む29km周回を2周。上りの間には横風区間もあり、周回突入後は一瞬の油断も許されないナーバスな展開となる。
2015年に導入された残り5.5km地点のコート・ド・シュラーブでセレクションがかかった状態で、最後のミュール・ド・ユイ(ユイの壁)に突入することになるだろう。長さ1,300m、高低差121m、平均勾配9.3%の登りが「壁」と呼ばれる由縁は、最大勾配が26%(公称19%)に達する激坂ぶりにある。全長1,300mの登りのうち、前半は比較的幅のある緩斜面であり、残り1kmアーチを通過し、ラスト800mで幹線道路から右に曲がって脇道に入ると「壁」がスタートする。
登りが進むにつれて勾配が増し、勝負が決まるのはラスト400mから始まる急勾配区間。コンスタントに20%オーバーを刻む「壁」で飛び出した選手が激坂ハンターの称号を手にする。
前半にリエージュエリアを通過 合計3回登場する「ユイの壁」で決する
アルデンヌクラシックの一つに数えられ、毎年アムステルゴールドレースとリエージュ〜バストーニュ〜リエージュに挟まれた水曜日に開催されるラ・フレーシュ・ワロンヌ。ツール・ド・フランスやリエージュと同じA.S.O.(アモリー・スポルト・オルガニザシオン)が主催するワンデーレースで、2018年で開催82回目を迎える。
レースの舞台となるのはベルギー南東部のワロン地域。「北のクラシック」の舞台であるベルギー北西部のフランデレン地域ではフラマン語(オランダ語)が話されているが、このワロン地域ではフランス語が公用語として話されている。「フレーシュ」はフランス語で「矢」を意味しており、レース名は「ワロンを貫く矢」の意味だ。
距離の短い上りが連続して登場するコースレイアウトはアルデンヌクラシックならでは。他のアルデンヌ2戦とは異なり毎年スタート地点が転々とするのが特徴で、第82回大会はリエージュ近郊のセランでスタートが切られる。このスタート地点の移動により走行地域も東に大きく移動し、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュのエリアも一部通過。これにより例年よりも高低差の大きな上りが前半に登場する。
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュにも登場する「コート・ド・ラ・ルドゥット」を含む4つの上りをこなしてから、残り58km地点でユイの街を起点にした周回コースに突入。コート・デレッフ(2,100m/5%)、コート・ド・シュラーブ(1,300m/8.1%)、そしてミュール・ド・ユイ(1,300m/9.6%)という3つの上りを含む29km周回を2周。上りの間には横風区間もあり、周回突入後は一瞬の油断も許されないナーバスな展開となる。
2015年に導入された残り5.5km地点のコート・ド・シュラーブでセレクションがかかった状態で、最後のミュール・ド・ユイ(ユイの壁)に突入することになるだろう。長さ1,300m、高低差121m、平均勾配9.3%の登りが「壁」と呼ばれる由縁は、最大勾配が26%(公称19%)に達する激坂ぶりにある。全長1,300mの登りのうち、前半は比較的幅のある緩斜面であり、残り1kmアーチを通過し、ラスト800mで幹線道路から右に曲がって脇道に入ると「壁」がスタートする。
登りが進むにつれて勾配が増し、勝負が決まるのはラスト400mから始まる急勾配区間。コンスタントに20%オーバーを刻む「壁」で飛び出した選手が激坂ハンターの称号を手にする。
登場する11ヶ所の上り
No. | 距離 | 残り距離 | 名称 | 全長 | 平均勾配 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 65km | 133.5km | コート・ド・ラ・ヴェッケ | 6,200m | 5.3% |
2 | 82km | 116.5km | コート・ド・ラ・ルドゥット | 2,000m | 8.9% |
3 | 100km | 98.5km | コート・ド・モン | 2,000 | 5.7% |
4 | 126.5km | 72km | コート・ダメイ | 1,400m | 6.7% |
5 | 140.5km | 58km | ミュール・ド・ユイ(1回目) | 1,300m | 9.6% |
6 | 153km | 45.5km | コート・デレッフ | 2,100m | 5.0% |
7 | 164km | 34.5km | コート・ド・シュラーブ | 1,300m | 8.1% |
8 | 169.5km | 29km | ミュール・ド・ユイ(2回目) | 1,300m | 9.6% |
9 | 182km | 16.5km | コート・デレッフ | 2,100m | 5.0% |
10 | 193km | 5.5km | コート・ド・シュラーブ | 1,300m | 8.1% |
11 | 198.5km | 0km | ミュール・ド・ユイ(3回目) | 1,300m | 9.6% |
激坂ハンターたちが集結 バルベルデが5年連続6勝目を狙う
過去4年間連続で「ユイの壁」を制しているアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が今年も優勝候補の筆頭だ。37歳の大ベテランは2006年、2014年、2015年、2016年、2017年の大会で優勝しており、ここまでの通算5勝は歴代最多勝記録。今シーズンは(今シーズンも!)ボルタ・ア・バレンシアナ総合優勝、アブダビツアー総合優勝、ボルタ・ア・カタルーニャ総合優勝、GPミゲールインデュライン優勝と好調で、直前のアムステルゴールドレースでは上りで抜群の登坂力を見せて5位に入っている。
モビスターにはミケル・ランダ(スペイン)やカルロス・ベタンクール(コロンビア)が控えており、様々なレース展開に対応可能。シンプルなユイの登坂勝負に持ち込まれれば、今年もバルベルデの独壇場になるだろう。
これまで3回(2014年2位、2016年3位、2017年2位)表彰台に上っているダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)や、2回(2015年2位、2016年2位)表彰台フィニッシャーのジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)がモビスターの牙城を崩しにかかるだろう。アラフィリップは2011年の優勝者フィリップ・ジルベール(ベルギー)を味方につける。
ベルギーのティム・ウェレンス(ロット・スーダル)やディラン・トゥーンス(BMCレーシング)、フランスのロマン・バルデ(アージェードゥーゼール)やワレン・バルギル(フォルトゥネオ・サムシック)、ポーランドのミカル・クウィアトコウスキー(チームスカイ)やラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ)らも優勝候補の一角。ライバルたちはバルベルデ対策として早めに仕掛けてくるだろう。
これまで7回出場し、2012年の8位が最高位(同年サンレモ3位、リエージュ2位)のヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)は、アムステルゴールドレースと同様にイサギレ兄弟(スペイン)やエンリーコ・ガスパロット(イタリア)とともにスタートラインに並ぶ。2017年に8位と9位に入ったルディ・モラール(フランス)とダヴィ・ゴデュ(フランス)の若い21歳グルパマFDJコンビの成長ぶりに注目したい。
text:Kei Tsuji
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