2018/04/28(土) - 09:04
イタリアンバイクブランド、グエルチョッティ初のエアロロードとしてデビューした「EUREKA DX50」をインプレッション。空力性能を高めるエアロなフレーム形状と、6種類ものカーボン素材を使い分けることで剛性・柔軟性をバランスさせたオールラウンドレーサーを紹介しよう。
グエルチョッティ EUREKA DX50 (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
イタリアはミラノに拠点を構えるレーシングバイクブランド、グエルチョッティ。兄イタロと弟パオロのグエルチョッティ兄弟が1964年にサイクルショップを立ち上げたことを発端とし、1975年より本格的なバイクの製造・輸出を開始。その翌年からはプロチームへのサポートを精力的に行い、1979年にはジロ・デ・イタリアでステージ5勝を挙げるなど、レースでの輝かしい成績を以て着実にレーシングブランドとしての地位を築いていった。
また、CXライダーとして活躍したグエルチョッティ兄弟は、ロードバイクだけでなくシクロクロスバイクへの情熱も絶やさなかった。幾人ものシクロクロッサーがグエルチョッティを駆り、世界王者への道を駆け上がっていった。現在もオレンジ色のチームカラーが特徴的なプロコンチネンタルチーム、CCCスプランディ・ポルコウィチェをはじめ、数多くのチームに機材供給を行っており、レースシーンに寄り添った製品開発を続けている。
シートステーは扁平させた細身の形状で振動吸収性を高める
シートチューブは後輪に沿った形状とされエアロダイナミクスを強化
極太のブレード形状が特徴的なフロントフォークが安定感のあるハンドリングを生み出す
そんなグエルチョッティがブランド史上初の本格的なエアロロードバイクとしてリリースしたのが「EUREKA DX50」である。プロ選手も使用するフラッグシップモデル、EUREKA SHM50のフロントセクションとECLIPSE64-14のリアセクションを組み合わせたかのようなフレームワークに、エアロチュービングを加えることでミドルグレードながら高い走行性能を実現した1台に仕上がっている。
グエルチョッティらしい極太のフロントフォークは、ヘッドチューブとダウンチューブへ流れるように繋がるインテグレーテッドデザインが採用される。各チューブ、そしてダウンチューブとフロントホイールの距離を狭めることで空気抵抗を低減した。シートチューブも後輪に沿った形状とされ、乱流の発生を抑えるとともに、専用のエアロシートポストや臼式のシートクランプも前方投影面積を減らす役割を果たしている。
トップチューブは逆三角形型のデザインとされる
ヘッドチューブのダウンチューブ側を大口径に、トップチューブ側を細身にすることでそれぞれに最適な性能を持たせる
リアエンドは高弾性カーボンで補強され剛性を確保、クイックレバーを覆うような造形でエアロにも配慮
フォーククラウンがトップチューブと一体化したインテグレーテッドデザインで空力性能を追求
縦長のエアロ形状が採用されるこれらのセクションに対し、横方向に薄く扁平させたシートステーは振動吸収性を高め、バイクの快適性を向上させる。シートステーの接合位置をやや下げ、シートチューブを跨いでトップチューブに接続する造形もこのバイクの特徴だ。シートポストも工夫が凝らされている。ヤグラ付近につぶしを入れることでしなりを生み出し、路面からの突き上げをいなすことで乗り心地を高めた。
フレームの各所に最適な性能を持たせるため、チューブの断面形状も考え抜かれており、ヘッドチューブとダウンチューブをより広い面積で繋ぐことでボリュームを持たせ、高い推進力を生み出す剛性を確保している。反対にトップチューブ側は細身にすることで振動吸収性を担保。BBはシェル幅の広いBB86とすることで、高いパワー伝達性を獲得した。
フレームに内蔵される臼式のシートクランプはスマートなルックスにも貢献
ダウンチューブはシンプルなスクエア形状を採用
また”NO LIMIT CARBON ENGINEERING”と呼称される同社のカーボンテクノロジーを駆使し、2種類の40HMカーボンと30HMカーボン、3種類の24HMカーボンという計6種類ものカーボン素材を使い分けることで、剛性と快適性のバランスを追求している点もEUREKA DX50の特徴である。
24HMカーボンをメイン素材としつつ、40HMと24HMのクロスカーボンを適材適所に配置することで性能を調整。より強度を持たせたいBBやチューブの接合部などは高強度の24HMカーボンで、大きな力のかかるリアエンドとフロントディレラー取付部には30HMと40HMの高弾性カーボンを加えることで補強を行っている。このように最適化されたカーボンレイアップによって、エアロフレームながらオールラウンドな走行性能を獲得しているのだという。
シートチューブを跨いでトップチューブに接続するシートステーの造形が特徴的
専用のエアロシートポストはヤグラ付近につぶしを入れることで快適性を向上させる作り
シックに仕上がるグレーとゴールドのカラーリング
これらの素材に高い圧力をかけて余分な樹脂を除去するEPS(発泡ポリスチレン成型)テクノロジーによってフレームは形作られ、プリプレグ同士の隙間や気泡を排除し、剛性と強度を高めつつ軽量化にも貢献している。完成したフレームはトルク試験を経て出荷されており、ねじれ耐性や安全性にも十分に配慮されている。
販売はフレームセットで行われ、価格は26万円(税抜)。フレーム重量は1,030gとエアロロードとしては軽量に仕上がっている。今回はコンポーネント、ホイールともにシマノデュラエースで揃えた試乗車にてテストした。それでは、インプレッションに移ろう。
― インプレッション
「踏んだ分しっかり進んでくれる加速感が印象的」高木友明(アウトドアスペース風魔横浜)
ミドルグレードモデルですが、フレームの芯がしっかりしている印象で、踏み込んだ分だけきちんと前に進んでくれる推進力を感じるバイクですね。パワーをかけた時も素直に加速してくれる反応性を持っており、気持ちよく走ることができます。ハンドリングも安定しており、高速域でも扱いやすい印象がありました。エアロなルックスですがオールラウンドに使えるバイクだと思います。
「踏んだ分しっかり進んでくれる加速感が印象的」高木友明(アウトドアスペース風魔横浜)
フレームの剛性を確かに感じる踏み心地で、踏み込んだ力が確実にスピードに繋がる高いパワー伝達性を有しています。踏み味的にはしっとりした印象で、ケイデンス低めの高いトルクで踏み込むとしっかりとバイクが応えてくれますね。逆に高いケイデンスで回していく回転系の走り方だとマッチしづらいかもしれませんね。
コーナーリングに関しては扱いやすく安定感のあるフィーリングで気持ちよく曲がる事ができます。エアロロードというと一般的に直進安定性が強く、アンダーステアが出やすいですが、このEUREKA DX50は高速でコーナーに進入しても恐怖感なくバイクを倒すことが出来ます。かといってクイックなハンドリングということではなく、扱いやすい範囲に収まっている印象です。これなら下りのワインディングが楽しくなってしまいますね。
エアロロードという位置づけですが、登坂も必要十分に走ってくれます。今回はデュラエースのチューブラーホイールだったこともあり、より軽さが際立っていましたが、逆に言えばホイールをしっかりチョイスすればヒルクライムにも対応してくれる汎用性の高さがある証明にもなっていると思います。そう考えると、登りも下りも平地もオールラウンドにこなせるバイクという事になりますね。
またマッシブなフレームワークも格好良いポイントですよね。直線的なデザインはアグレッシブな印象を受けます。カラーリングもグレーをベースにゴールドのロゴやラインデザインという、大人の雰囲気漂う感じで高級感がありますよね。特に今回のデュラエースのコンポーネントとホイールとのアセンブルは、ラグジュアリーな雰囲気にマッチしていると思います。
オールラウンドに使える性能ですから、普段のサイクリングやロングライドからレース、さらにはホイールを的確に選択すればヒルクライムでも使えると思います。使うシーンを選ばない汎用性の高さは大きな特徴でしょう。ただ、やはりパワーをかけて加速していく走りが気持ち良いバイクですから、ある程度トレーニングするとより性能を引き出せると思います。2台目によりレース向きなバイクにアップグレードしたいと考えるライダーにもオススメですね。
「エアロロードの乗り味とはかけ離れた快適性の高さ」坂本聡(スポーツサイクル サカモト)
「エアロロードの乗り味とはかけ離れた快適性の高さ」坂本聡(スポーツサイクル サカモト) エアロロードというと往々にしてスパルタンな乗り味が多いですが、このバイクは長く乗っていられる乗り心地の良さが印象的ですね。それでいてフレームの奥には芯のような剛性があるため、パワーを掛けた分だけしっかりと推進力に変えてくれます。それと、重量もそこまで重くないのでヒルクライムも楽しめます。自転車をオールラウンドに楽しみたい人には良い選択肢の1つになると思いますね。
一見、エアロなフォルムゆえにアグレッシブな走行性能を期待しがちですが、第一印象として感じたのは快適性の高さでした。少し荒れた道を走っても身体にストレスを感じませんね。シートステーも細く出来ているので、そういった部分で振動をいなしているのだと思うのですが、それでも私の思っていたエアロロードの乗り味とはかけ離れた快適性の高さだったので、驚いてしまいました。
フレームは硬すぎない剛性感で足への反発も少なく、疲労が溜まりにくい踏み心地だと感じました。フラッグシップモデルのような鋭い走行性能と言う印象ではないため、ライダーのレベルに関係なく楽しめる扱いやすさがありますね。それでいてパワーがスポイルされるような作りではなく、きちんと剛性バランスが取れていますので、どのシーンでも優れた推進力を発揮してくれますね。
エアロロードですが、登坂も中々良かったと思います。登っていてもフレームの重さをあまり感じませんでした。登りをメインにタイムを競う人はより軽量バイクが良いと思いますが、単純にヒルクライムイベントを楽しむバイクとしては何の不満もないでしょう。ホイールはより軽量なものに変更すると走りが軽くなりますし、今回のデュラエースのC40-TUホイールも登りにはマッチする性能でしたね。
これでフレームセット26万円というプライスはコストパフォーマンスが高いと思います。1台目でロードバイクの楽しさを知った人が、より格好良くて、大事に楽しめるバイクが欲しいと考えたときに選択肢に挙がってくると思いますね。グエルチョッティというブランドも日本ではまだ少数派なので、他とは違うバイクが欲しい人にも良いですね。
グエルチョッティ EUREKA DX50 (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
グエルチョッティ EUREKA DX50(フレームセット)
フレーム:40HM、30HM、24HMカーボン
フォーク:カーボンモノコック
重量:1030g
ヘッド規格:1-1/8 - 1-1/2
BB規格:プレスフィットBB86
サイズ:XS、S、M、L
価 格:260,000円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
高木友明(アウトドアスペース風魔横浜) 高木友明(アウトドアスペース風魔横浜)
横浜駅から徒歩10分、ベイサイドエリアに店舗を構えるアウトドアスペース風魔横浜の店長。前職メッセンジャーの経験を活かし自転車業界へ。自身はロードバイクをメインに最近はレース活動にも力を入れる実走派だ。ショップはロード・MTBの2本柱で幅広い自転車遊びを提案している。物を売るだけでなくお客さんと一緒にスポーツサイクルを楽しむことを大事にし、イベント参加なども積極的に行っている。
CWレコメンドショップページ
アウトドアスペース風魔横浜 ショップHP
坂本聡(スポーツサイクル サカモト) 坂本聡(スポーツサイクル サカモト)
60年以上続く新潟県三条市のプロショップ、スポーツサイクル サカモトの3代目代表を務める。ロードはゆったり楽しみたいロングライド派で、MTBやトライアスロン、小径車など幅広くスポーツサイクルを嗜む。お客さんにはむやみに安い製品は売らず、高くても良いものをオススメすることを重視。人との繋がりや家族との時間を大事にすることが自身のポリシー。
CWレコメンドショップページ
スポーツサイクル サカモト ショップHP
ウェア協力:シマノ
text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
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イタリアはミラノに拠点を構えるレーシングバイクブランド、グエルチョッティ。兄イタロと弟パオロのグエルチョッティ兄弟が1964年にサイクルショップを立ち上げたことを発端とし、1975年より本格的なバイクの製造・輸出を開始。その翌年からはプロチームへのサポートを精力的に行い、1979年にはジロ・デ・イタリアでステージ5勝を挙げるなど、レースでの輝かしい成績を以て着実にレーシングブランドとしての地位を築いていった。
また、CXライダーとして活躍したグエルチョッティ兄弟は、ロードバイクだけでなくシクロクロスバイクへの情熱も絶やさなかった。幾人ものシクロクロッサーがグエルチョッティを駆り、世界王者への道を駆け上がっていった。現在もオレンジ色のチームカラーが特徴的なプロコンチネンタルチーム、CCCスプランディ・ポルコウィチェをはじめ、数多くのチームに機材供給を行っており、レースシーンに寄り添った製品開発を続けている。
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そんなグエルチョッティがブランド史上初の本格的なエアロロードバイクとしてリリースしたのが「EUREKA DX50」である。プロ選手も使用するフラッグシップモデル、EUREKA SHM50のフロントセクションとECLIPSE64-14のリアセクションを組み合わせたかのようなフレームワークに、エアロチュービングを加えることでミドルグレードながら高い走行性能を実現した1台に仕上がっている。
グエルチョッティらしい極太のフロントフォークは、ヘッドチューブとダウンチューブへ流れるように繋がるインテグレーテッドデザインが採用される。各チューブ、そしてダウンチューブとフロントホイールの距離を狭めることで空気抵抗を低減した。シートチューブも後輪に沿った形状とされ、乱流の発生を抑えるとともに、専用のエアロシートポストや臼式のシートクランプも前方投影面積を減らす役割を果たしている。
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縦長のエアロ形状が採用されるこれらのセクションに対し、横方向に薄く扁平させたシートステーは振動吸収性を高め、バイクの快適性を向上させる。シートステーの接合位置をやや下げ、シートチューブを跨いでトップチューブに接続する造形もこのバイクの特徴だ。シートポストも工夫が凝らされている。ヤグラ付近につぶしを入れることでしなりを生み出し、路面からの突き上げをいなすことで乗り心地を高めた。
フレームの各所に最適な性能を持たせるため、チューブの断面形状も考え抜かれており、ヘッドチューブとダウンチューブをより広い面積で繋ぐことでボリュームを持たせ、高い推進力を生み出す剛性を確保している。反対にトップチューブ側は細身にすることで振動吸収性を担保。BBはシェル幅の広いBB86とすることで、高いパワー伝達性を獲得した。
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また”NO LIMIT CARBON ENGINEERING”と呼称される同社のカーボンテクノロジーを駆使し、2種類の40HMカーボンと30HMカーボン、3種類の24HMカーボンという計6種類ものカーボン素材を使い分けることで、剛性と快適性のバランスを追求している点もEUREKA DX50の特徴である。
24HMカーボンをメイン素材としつつ、40HMと24HMのクロスカーボンを適材適所に配置することで性能を調整。より強度を持たせたいBBやチューブの接合部などは高強度の24HMカーボンで、大きな力のかかるリアエンドとフロントディレラー取付部には30HMと40HMの高弾性カーボンを加えることで補強を行っている。このように最適化されたカーボンレイアップによって、エアロフレームながらオールラウンドな走行性能を獲得しているのだという。
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これらの素材に高い圧力をかけて余分な樹脂を除去するEPS(発泡ポリスチレン成型)テクノロジーによってフレームは形作られ、プリプレグ同士の隙間や気泡を排除し、剛性と強度を高めつつ軽量化にも貢献している。完成したフレームはトルク試験を経て出荷されており、ねじれ耐性や安全性にも十分に配慮されている。
販売はフレームセットで行われ、価格は26万円(税抜)。フレーム重量は1,030gとエアロロードとしては軽量に仕上がっている。今回はコンポーネント、ホイールともにシマノデュラエースで揃えた試乗車にてテストした。それでは、インプレッションに移ろう。
― インプレッション
「踏んだ分しっかり進んでくれる加速感が印象的」高木友明(アウトドアスペース風魔横浜)
ミドルグレードモデルですが、フレームの芯がしっかりしている印象で、踏み込んだ分だけきちんと前に進んでくれる推進力を感じるバイクですね。パワーをかけた時も素直に加速してくれる反応性を持っており、気持ちよく走ることができます。ハンドリングも安定しており、高速域でも扱いやすい印象がありました。エアロなルックスですがオールラウンドに使えるバイクだと思います。
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フレームの剛性を確かに感じる踏み心地で、踏み込んだ力が確実にスピードに繋がる高いパワー伝達性を有しています。踏み味的にはしっとりした印象で、ケイデンス低めの高いトルクで踏み込むとしっかりとバイクが応えてくれますね。逆に高いケイデンスで回していく回転系の走り方だとマッチしづらいかもしれませんね。
コーナーリングに関しては扱いやすく安定感のあるフィーリングで気持ちよく曲がる事ができます。エアロロードというと一般的に直進安定性が強く、アンダーステアが出やすいですが、このEUREKA DX50は高速でコーナーに進入しても恐怖感なくバイクを倒すことが出来ます。かといってクイックなハンドリングということではなく、扱いやすい範囲に収まっている印象です。これなら下りのワインディングが楽しくなってしまいますね。
エアロロードという位置づけですが、登坂も必要十分に走ってくれます。今回はデュラエースのチューブラーホイールだったこともあり、より軽さが際立っていましたが、逆に言えばホイールをしっかりチョイスすればヒルクライムにも対応してくれる汎用性の高さがある証明にもなっていると思います。そう考えると、登りも下りも平地もオールラウンドにこなせるバイクという事になりますね。
またマッシブなフレームワークも格好良いポイントですよね。直線的なデザインはアグレッシブな印象を受けます。カラーリングもグレーをベースにゴールドのロゴやラインデザインという、大人の雰囲気漂う感じで高級感がありますよね。特に今回のデュラエースのコンポーネントとホイールとのアセンブルは、ラグジュアリーな雰囲気にマッチしていると思います。
オールラウンドに使える性能ですから、普段のサイクリングやロングライドからレース、さらにはホイールを的確に選択すればヒルクライムでも使えると思います。使うシーンを選ばない汎用性の高さは大きな特徴でしょう。ただ、やはりパワーをかけて加速していく走りが気持ち良いバイクですから、ある程度トレーニングするとより性能を引き出せると思います。2台目によりレース向きなバイクにアップグレードしたいと考えるライダーにもオススメですね。
「エアロロードの乗り味とはかけ離れた快適性の高さ」坂本聡(スポーツサイクル サカモト)
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一見、エアロなフォルムゆえにアグレッシブな走行性能を期待しがちですが、第一印象として感じたのは快適性の高さでした。少し荒れた道を走っても身体にストレスを感じませんね。シートステーも細く出来ているので、そういった部分で振動をいなしているのだと思うのですが、それでも私の思っていたエアロロードの乗り味とはかけ離れた快適性の高さだったので、驚いてしまいました。
フレームは硬すぎない剛性感で足への反発も少なく、疲労が溜まりにくい踏み心地だと感じました。フラッグシップモデルのような鋭い走行性能と言う印象ではないため、ライダーのレベルに関係なく楽しめる扱いやすさがありますね。それでいてパワーがスポイルされるような作りではなく、きちんと剛性バランスが取れていますので、どのシーンでも優れた推進力を発揮してくれますね。
エアロロードですが、登坂も中々良かったと思います。登っていてもフレームの重さをあまり感じませんでした。登りをメインにタイムを競う人はより軽量バイクが良いと思いますが、単純にヒルクライムイベントを楽しむバイクとしては何の不満もないでしょう。ホイールはより軽量なものに変更すると走りが軽くなりますし、今回のデュラエースのC40-TUホイールも登りにはマッチする性能でしたね。
これでフレームセット26万円というプライスはコストパフォーマンスが高いと思います。1台目でロードバイクの楽しさを知った人が、より格好良くて、大事に楽しめるバイクが欲しいと考えたときに選択肢に挙がってくると思いますね。グエルチョッティというブランドも日本ではまだ少数派なので、他とは違うバイクが欲しい人にも良いですね。
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グエルチョッティ EUREKA DX50(フレームセット)
フレーム:40HM、30HM、24HMカーボン
フォーク:カーボンモノコック
重量:1030g
ヘッド規格:1-1/8 - 1-1/2
BB規格:プレスフィットBB86
サイズ:XS、S、M、L
価 格:260,000円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
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横浜駅から徒歩10分、ベイサイドエリアに店舗を構えるアウトドアスペース風魔横浜の店長。前職メッセンジャーの経験を活かし自転車業界へ。自身はロードバイクをメインに最近はレース活動にも力を入れる実走派だ。ショップはロード・MTBの2本柱で幅広い自転車遊びを提案している。物を売るだけでなくお客さんと一緒にスポーツサイクルを楽しむことを大事にし、イベント参加なども積極的に行っている。
CWレコメンドショップページ
アウトドアスペース風魔横浜 ショップHP
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CWレコメンドショップページ
スポーツサイクル サカモト ショップHP
ウェア協力:シマノ
text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
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