2018/03/22(木) - 22:40
今年2回目の開催となるステージレース「ツール・ド・とちぎ」が、3月23日から25日の3日間に渡り、栃木県内を舞台に開催される。出場チームや各ステージのコースなど、見どころを紹介する。
栃木県内を舞台にUCI2.2のステージレースとして開催されるツール・ど・とちぎ。今年は個人タイムトライアルを含む3日間3ステージ計259.2km。栃木県を南北に往復するようにレースは進む。各ステージを紹介しよう。
3月23日・第1ステージ 渡良瀬遊水地 タイムトライアル7.2km
初日は7.2kmのタイムトライアル。栃木県、群馬県、埼玉県の3県境の近くにある広大な渡良瀬遊水地の1周7.2kmのコースを使用して行われる。アップダウンがまったく無いコースではあるが、遮蔽物の無い遊水地に沿って走るコースは風の影響を受けやすく、天候とスタート順によっては思わぬ結果が出る事もある。折しも、大会前日まで悪天候が続いており、当日は強めの風が吹く可能性もある。
また、タイム差が確実に付く上に、第2ステージ以降での挽回が難しくなると予想されるため、総合優勝を狙う選手・チームは初日から気を抜けないステージとなるだろう。
なお、渡良瀬遊水地では、一般参加レースと大学生のレースも行われる。
3月24日・第2ステージ 小山市〜日光市 105km
2日目は、栃木県南部の小山市をスタートして北上し、世界中から観光客が集まる日光市にフィニッシュするロードレースだ。コース前半は地平線が見えそうな広々とした平坦地が続く。2kmから3km続く長い直線路が繰り返され、ここでアタック合戦が勃発しそうだ。
後半は宇都宮市の西に位置する鹿沼市に入り、この日唯一の山岳賞ポイント「名もなき峠」へ。登りは8つのつづら折れが続き、距離は短いものの斜度はかなりあり、道幅の狭さとあいまって集団は長く伸ばされてバラけるだろう。登り切ると日光市に入り、ゴールのだいや川公園までは約20km。日光市内への道はカーブやコーナーが連続するため、登りで先行する集団が形成されるとそのまま逃げ切る可能性がある。
3月25日・第3ステージ 那須町〜真岡市 147km
3日目は、2015年の全日本選手権ロードレースが開催された那須町をスタートして南下し、宇都宮市の東に位置する真岡市にフィニッシュするロードレース。
全日本選手権のスタート・ゴール地点となった那須町スポーツセンター前をスタートし、栃木県内を南北に流れる那珂川に沿って走る。第2ステージと変わって丘のようなアップダウンが連続し、コース中盤以降に2ヶ所の山岳賞が設定される。特にコース中盤にある1つ目の山岳賞ポイントまでの登りと下りは車1台がやっと通れるくらいの狭い道が続くため、集団が分断されるポイントになりそうだ。ただし、残り30km付近からのコース終盤は平坦な直線区間が続くため集団が逃げを追いやすいと思われ、最後は集団スプリントになる可能性は高い。
出場チーム・選手
すでに発表されている通り、海外5チーム、国内10チームの計15チームが出場する。
リュブリャナ・グスト・ザウラムは、昨年個人総合優勝のベンジャミン・ヒルと、ヒルを強力にアシストしたティモシー・ガイが出場。また、昨年インタープロサイクリングアカデミーに所属していた西寅太郎がこのチームから出場する。
チームノボノルディスクは昨年のジャパンカップに続く日本でのレース。1型糖尿病の選手で構成されるチームは、オランダ、フランス、イギリス、イタリア、アルゼンチン、アメリカと、多国籍な選手が揃う。
他にオーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト、香港のHKSIプロ・サイクリング・チーム、韓国のLXサイクリングチームが出場する。
地元チーム宇都宮ブリッツェンは、増田成幸を筆頭にJプロツアーで2勝目を挙げたばかりの岡篤志、ツール・ド・台湾で新城幸也の総合優勝をアシストした雨澤毅明ら3選手が出場する。
同じく地元チームの那須ブラーゼンは、キャプテンの下島将輝を筆頭に、新加入の吉田悠人、樋口峻明らが出場。第3ステージはホームの那須町スタートとなるだけに、存在感を見せたいところだ。
チーム右京は、ロード全日本チャンピオンの畑中勇介、新加入の吉岡直哉、ロビー・ハッカー、レイモンド・クレダーらが出場。昨年アジアツアーランキング1位のチーム力は見ものだ。
キナンサイクリングチームは、現在マレーシアで開催中のツール・ド・ランカウィと平行しての出場。今回は雨乞竜巳、中島康晴、新城雄大ら日本人選手のベテランと若手で出場する。
マトリックスパワータグは、ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア、アイラン・フェルナンデス・カサソラのスペイン人2人に、佐野淳哉、土井雪広ら日本人選手で構成。
ツール・ド・とちぎ初出場となる愛三工業レーシングチームは、早川朋宏、住吉宏太ら登りをこなせる選手に加え、スプリント力のある岡本隼を揃えるほか、愛三工業初の外国人選手となるダミアン・モニエが出場する。
シマノレーシングチームは、新キャプテン木村圭介に、Jプロツアーで好調さを見せる横山航太や黒枝咲哉らが若手選手が出場。黒枝のスプリント力が活かされる場面が期待される。
栃木県選抜チームは、シクロクロス全日本チャンピオンの小坂光(宇都宮ブリッツェン・シクロクロスチーム)を筆頭に、栃木県出身の石原祐希(順天堂大学)、中村魁斗(日本体育大学)らが出場する。
大学チームは日本大学と鹿屋体育大学の2チーム。日本大学は、昨年のツール・ド・北海道で活躍した草場啓吾、インカレロード優勝の武山晃輔らを揃える。鹿屋体育大学は、栃木県の隣の群馬県出身の石井駿平、昨年のツール・ド・沖縄で逃げた重満丈らが出場する。
今年も「FRESH!」が全ステージをライブ中継
各ステージのスタート・ゴール地点では、屋台の出店やステージイベントが行われるほか、昨年同様「FRESH!」がライブ中継を行うので、リアルタイムでレースの模様を見ることができる。公式サイトには第1ステージのスタートリストとタイムトライアルのスタート順も発表されている。タイムトライアルのスタートは13時30分だ。
text&photo:Satoru Kato
栃木県内を舞台にUCI2.2のステージレースとして開催されるツール・ど・とちぎ。今年は個人タイムトライアルを含む3日間3ステージ計259.2km。栃木県を南北に往復するようにレースは進む。各ステージを紹介しよう。
3月23日・第1ステージ 渡良瀬遊水地 タイムトライアル7.2km
初日は7.2kmのタイムトライアル。栃木県、群馬県、埼玉県の3県境の近くにある広大な渡良瀬遊水地の1周7.2kmのコースを使用して行われる。アップダウンがまったく無いコースではあるが、遮蔽物の無い遊水地に沿って走るコースは風の影響を受けやすく、天候とスタート順によっては思わぬ結果が出る事もある。折しも、大会前日まで悪天候が続いており、当日は強めの風が吹く可能性もある。
また、タイム差が確実に付く上に、第2ステージ以降での挽回が難しくなると予想されるため、総合優勝を狙う選手・チームは初日から気を抜けないステージとなるだろう。
なお、渡良瀬遊水地では、一般参加レースと大学生のレースも行われる。
3月24日・第2ステージ 小山市〜日光市 105km
2日目は、栃木県南部の小山市をスタートして北上し、世界中から観光客が集まる日光市にフィニッシュするロードレースだ。コース前半は地平線が見えそうな広々とした平坦地が続く。2kmから3km続く長い直線路が繰り返され、ここでアタック合戦が勃発しそうだ。
後半は宇都宮市の西に位置する鹿沼市に入り、この日唯一の山岳賞ポイント「名もなき峠」へ。登りは8つのつづら折れが続き、距離は短いものの斜度はかなりあり、道幅の狭さとあいまって集団は長く伸ばされてバラけるだろう。登り切ると日光市に入り、ゴールのだいや川公園までは約20km。日光市内への道はカーブやコーナーが連続するため、登りで先行する集団が形成されるとそのまま逃げ切る可能性がある。
3月25日・第3ステージ 那須町〜真岡市 147km
3日目は、2015年の全日本選手権ロードレースが開催された那須町をスタートして南下し、宇都宮市の東に位置する真岡市にフィニッシュするロードレース。
全日本選手権のスタート・ゴール地点となった那須町スポーツセンター前をスタートし、栃木県内を南北に流れる那珂川に沿って走る。第2ステージと変わって丘のようなアップダウンが連続し、コース中盤以降に2ヶ所の山岳賞が設定される。特にコース中盤にある1つ目の山岳賞ポイントまでの登りと下りは車1台がやっと通れるくらいの狭い道が続くため、集団が分断されるポイントになりそうだ。ただし、残り30km付近からのコース終盤は平坦な直線区間が続くため集団が逃げを追いやすいと思われ、最後は集団スプリントになる可能性は高い。
出場チーム・選手
すでに発表されている通り、海外5チーム、国内10チームの計15チームが出場する。
リュブリャナ・グスト・ザウラムは、昨年個人総合優勝のベンジャミン・ヒルと、ヒルを強力にアシストしたティモシー・ガイが出場。また、昨年インタープロサイクリングアカデミーに所属していた西寅太郎がこのチームから出場する。
チームノボノルディスクは昨年のジャパンカップに続く日本でのレース。1型糖尿病の選手で構成されるチームは、オランダ、フランス、イギリス、イタリア、アルゼンチン、アメリカと、多国籍な選手が揃う。
他にオーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト、香港のHKSIプロ・サイクリング・チーム、韓国のLXサイクリングチームが出場する。
地元チーム宇都宮ブリッツェンは、増田成幸を筆頭にJプロツアーで2勝目を挙げたばかりの岡篤志、ツール・ド・台湾で新城幸也の総合優勝をアシストした雨澤毅明ら3選手が出場する。
同じく地元チームの那須ブラーゼンは、キャプテンの下島将輝を筆頭に、新加入の吉田悠人、樋口峻明らが出場。第3ステージはホームの那須町スタートとなるだけに、存在感を見せたいところだ。
チーム右京は、ロード全日本チャンピオンの畑中勇介、新加入の吉岡直哉、ロビー・ハッカー、レイモンド・クレダーらが出場。昨年アジアツアーランキング1位のチーム力は見ものだ。
キナンサイクリングチームは、現在マレーシアで開催中のツール・ド・ランカウィと平行しての出場。今回は雨乞竜巳、中島康晴、新城雄大ら日本人選手のベテランと若手で出場する。
マトリックスパワータグは、ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア、アイラン・フェルナンデス・カサソラのスペイン人2人に、佐野淳哉、土井雪広ら日本人選手で構成。
ツール・ド・とちぎ初出場となる愛三工業レーシングチームは、早川朋宏、住吉宏太ら登りをこなせる選手に加え、スプリント力のある岡本隼を揃えるほか、愛三工業初の外国人選手となるダミアン・モニエが出場する。
シマノレーシングチームは、新キャプテン木村圭介に、Jプロツアーで好調さを見せる横山航太や黒枝咲哉らが若手選手が出場。黒枝のスプリント力が活かされる場面が期待される。
栃木県選抜チームは、シクロクロス全日本チャンピオンの小坂光(宇都宮ブリッツェン・シクロクロスチーム)を筆頭に、栃木県出身の石原祐希(順天堂大学)、中村魁斗(日本体育大学)らが出場する。
大学チームは日本大学と鹿屋体育大学の2チーム。日本大学は、昨年のツール・ド・北海道で活躍した草場啓吾、インカレロード優勝の武山晃輔らを揃える。鹿屋体育大学は、栃木県の隣の群馬県出身の石井駿平、昨年のツール・ド・沖縄で逃げた重満丈らが出場する。
今年も「FRESH!」が全ステージをライブ中継
各ステージのスタート・ゴール地点では、屋台の出店やステージイベントが行われるほか、昨年同様「FRESH!」がライブ中継を行うので、リアルタイムでレースの模様を見ることができる。公式サイトには第1ステージのスタートリストとタイムトライアルのスタート順も発表されている。タイムトライアルのスタートは13時30分だ。
text&photo:Satoru Kato
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