カチューシャに移籍したキルシェン　万全の態勢でアルデンヌに挑む

ロシアのカチューシャに移籍したキム・キルシェン（ルクセンブルク）は今年、再び世界のトップレースシーンでの活躍を胸に誓う。カチューシャの強力なサポートを受けるキルシェンの目標はあるデンヌ・クラシックとツール・ド・フランス。イタリアで行なわれたチームプレゼンテーションでグレゴー・ブラウンが訊いた。

昨年ツール・ド・スイスでステージ優勝を飾ったキム・キルシェン（ルクセンブルク） photo:www.tds.ch「クラシックレースにおいて、カチューシャはトップクラスの戦力を誇っている。今シーズンはまだまだ世界のトップライダーたちと対等に闘えるということを証明しなければならない」。

ルクセンブルク出身のキルシェンは、キャリア前半をファッサ・ボルトロで過ごし、ジャンカルロ・フェレッティ監督のもとで走った。Tモバイル（チームコロンビア）に移籍した2005年以降、その才能が開花。強雨に見舞われたフレーシュ・ワロンヌで優勝を飾り、ツール・ド・フランスで総合トップ10フィニッシュを2度果たした。

キルシェンの2009年シーズンは、鎖骨骨折で台無しになったと言っても良いだろう。2月のツアー・オブ・カリフォルニア第4ステージで落車して鎖骨を骨折。アルデンヌ・クラシックを含め、シーズン前半を棒に振った。

キルシェンはアルデンヌ・クラシックにおける強力なサポート態勢を求め、今年アンドレイ・チミル監督が率いるカチューシャに移籍した。カチューシャにはアレクサンドル・コロブネフ（ロシア）を始め、2009年のアムステル・ゴールドレース覇者セルゲイ・イワノフ（ロシア）、そしてリエージュ〜バストーニュ〜リエージュでバルベルデの2勝をお膳立てしたホアキン・ロドリゲス（スペイン）がいる。


チームプレゼンテーションに出席したキム・キルシェン（ルクセンブルク、カチューシャ） photo:Gregor Brown「僕はチームをコロコロ変えるタイプの選手ではない。でもこのチームは自分に合っている感じだ。居心地が良い」。

アルデンヌ・クラシックの後に控えているのはツール・ド・フランス。キルシェンはウラディミール・カルペツ（ロシア）とのダブルエース態勢でツールに挑む。キルシェンは2007年から2年連続でツール総合7位フィニッシュ。彼にはまだ上位を狙えるという自信がある。

「総合トップ5に入る能力はある。タイムトライアルが得意で、山岳は（トップ選手には敵わないが）ペースを崩さずに登ることが出来る。総合上位を視野に入れながらステージ優勝を同時に狙うよ。決して不可能なことではない」。

キルシェンは2月7日にスペインで開催されるチャレンジ・マヨルカで2010年シーズンをスタートさせる。その後はトロフェオ・ライグエリア、オンループ・ヘットフォルク、クールネ〜ブリュッセル〜クールネ、モンテ・パスキ・エロイカ、ティレーノ〜アドリアティコ、ミラノ〜サンレモ、E3プライス・フラーンデレン、ロンド・ファン・フラーンデレンに出場。アルデンヌ3連戦（アムステル・ゴールドレース、フレーシュ・ワロンヌ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ）は全戦出場予定だ。

text&photo:Gregor Brown in Desenzano del Garda, Italy
translation:Kei Tsuji