2018/02/26(月) - 07:31
Jプロツアー第2戦の「第1回JBCFおきなわロードレースDay-2」が、前日の開幕戦に引き続き沖縄県金武(きん)町で開催され、鈴木譲が優勝。宇都宮ブリッツェンが開幕2連勝を挙げた。女子はLive GARDEN BICI STELLEが2日連続のワン・ツーフィニッシュで、宇都宮勢が沖縄2連戦を制した。
Jプロツアー沖縄2連戦の2日目も、前日と同じ金武ダム周辺の1周4.2kmコースを使用して行われる。距離はどのクラスタも長くなるため、第1戦とは違った作戦・戦略が求められる。
この日の沖縄の天気は雨の予報。金武町周辺ではP1クラスタのレース序盤頃に雨が降ってくると言われていたが、およそその通りに降りだした。一時はスコールのように強く降ったものの、レース終盤に向けて急速に回復し、晴れ間が見えるようになった。しかし路面を乾かすほどにはならず、選手にとってはハードなコンディションでのレースとなった。
鈴木譲が優勝して宇都宮ブリッツェンが開幕2連勝
P1クラスタのレースは、前日の倍となる25周105km。スタート直後から逃げと吸収を何度も繰り返しながらハイスピードで進行。7周目、大雨が降り出す中15名が先行する。その中から10名が逃げ集団を形成し、メイン集団に最大で2分20秒以上の差をつける。
メンバーは、宇都宮ブリッツェンの増田成幸と飯野智也、シマノレーシングの入部正太朗と横山航太、吉田悠人(那須ブラーゼン)、トム・ボシス(東京ヴェントス)、白川幸希(ヴィクトワール広島)、安田京介(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム)、原田裕成(チームブリヂストンサイクリング)、水野恭平(eNShare-エルドラード)。
メイン集団はシマノレーシングがコントロールしていたが、チームブリヂストンサイクリング、宇都宮ブリッツェンも協力し、15周目には30秒以内まで差を詰める。
一方、逃げ集団では増田がアタック。これにより逃げ集団は崩壊し、増田以外はメイン集団に吸収される。独走する増田は、集団との差を30秒から40秒で維持して逃げ続ける。しかし、レース終盤に向けてシマノレーシングが再び集団コントロールを開始するとタイム差は詰まり始め、残り3周となる23周目に吸収される。
増田が吸収された直後、鈴木譲、鈴木龍、岡篤志、小野寺玲の宇都宮ブリッツェン4人と、窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)西尾勇人(那須ブラーゼン)の6人が抜け出す。これが最終列車となり、集団との差は20秒から30秒と開きはじめる。
最終周回、残り2km付近から鈴木譲がアタック。これが決まり、独走のままフィニッシュ。宇都宮ブリッツェンが開幕2連勝した。
「今日は中盤以降チームで仕掛けて行き、決まらなければスプリンターで勝負する作戦でした。増田さんの逃げが捕まったところで、ブリッツェン4人で抜け出すことができました。窪木選手と西尾選手はあまり行きたくない感じでしたが、逃げ切りたかったので自分が犠牲になってペースを維持しました。最終的に1人で抜け出せたのは牽制もあったと思うけれど、チームメイトの3人が強かったおかげです。」と、レースを振り返る。
「次の修善寺はマトリックスパワータグも出てくるので、本当の勝負が始まる。この勢いを維持して仕上げていきたいです」と、次戦に向けての目標を語った。
レース中盤から逃げた増田は「行けるところまで行こうと全力で踏みました。残り距離も長かったので逃げ切れるとは思っていませんでしたが、チームメイトの助けになればと。最後の方までうまく逃げが続き、泳がされずにスピードを保って行ければ、僕が捕まったあとのカウンターでブリッツェンが有利になるし、実際そうなったので今日の展開は完璧だったと思います。
今年はチームが万全を期して走れるようにしていきたい。選手のコンディションは良いので、これを維持しながらJプロツアーだけでなくUCIレースやレベルの高いレースも戦えるようにしていきたいです」と、語った。
一方、ルビーレッドジャージは窪木が獲得。2015年以来のジャージ獲得は「嬉しいけれど勝って着たかったです」と複雑な表情。「天気が荒れて厳しいレースになると予想していた通りになりました。逃げとの差が2分まで開いた時はやばいなと思ったのですが、追走にシマノとブリッツェンも協力してくれてました。結果的に増田さんの逃げは捕まえられましたが、そういう展開にならないようにしないといけないから、僕らのチームはまだまだですね」とコメントした。
Fクラスタ 伊藤杏菜が優勝、Live GARDEN BICI STELLEが2連勝
女子のFクラスタは8周33.6km。2周目に伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE)がアタックし、後続に約30秒差をつけて独走する。4周目には前日優勝の吉川美穂(Live GARDEN BICI STELLE)が合流。2人はそのまま逃げ続け、最後は伊藤を先頭にフィニッシュ。Live GARDEN BICI STELLEが2日連続のワン・ツーフィニッシュで開幕2連勝。シスターローズジャージは吉川から伊藤に移った。
伊藤は「昨日よりも距離が長いとは言え8周しかないので、序盤から積極的に行こうという作戦でした。それで今日は自分から先に動いたのですが、吉川選手が追いついてきてくれて心強かったです。シスターローズジャージを着るのは久々ですが、次のレースで着て走ることを考えると今からそわそわします」と話す。
開幕2戦は昨年総合優勝の唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が不在だったが、「昨年は唐見さんになかなか勝てなかったので、今年は勝てるようにしたいです」と、今後の目標を語った。
伊藤の優勝をサポートした吉川は、「このあと海外遠征があって次の修善寺は出られないので、リーダージャージは私より伊藤が持っていた方がチームのためにも良いだろうと思い、今日は勝ってもらいました。ワン・ツーを2回連続出来たので、良い結果になりました」とコメントした。
一方、2日連続3位の西は「2日とも(吉川と伊藤の)2人に振り回されました」と苦笑い。「コミュニケーションが取れていてチームプレーがうまく出来ているので、2対1になると不利でした。昨日はそれで2人の動きに反応していたら足がなくなってしまったので、今日は片方は見逃そうと考えていました。でも吉川選手が伊藤選手を追った時の登りのアタックが強烈で、おいて行かれてしまいました。
このコースは練習でも走っているのですが、テクニカルで下りも踏まないと逃げられないので面白くて良いコースですね。来年も開催して欲しいですね。」と、2日間を振り返った。
E1クラスタは、前日にアタックを繰り返した石井祥平(アーティーファクトレーシングチーム)が2日目もアタックを繰り返す。終盤にはオープン参加のジョン・シェレクブリス(沖縄選抜)と抜け出して逃げ切り、最後はシェレクブリスを下して優勝した。
石井は「今年はシクロクロスをやっていて、ベースを下げずにシーズンオフを過ごしたのが勝因と思います。せっかく沖縄まで来たし、昨日も今日も決まるまでやってやろうと思ってアタックしました。チームとしては集団にスプリンターもいたので、自分は攻撃に専念しました。勝てて良かったです」と、語った。
Jプロツアー沖縄2連戦の2日目も、前日と同じ金武ダム周辺の1周4.2kmコースを使用して行われる。距離はどのクラスタも長くなるため、第1戦とは違った作戦・戦略が求められる。
この日の沖縄の天気は雨の予報。金武町周辺ではP1クラスタのレース序盤頃に雨が降ってくると言われていたが、およそその通りに降りだした。一時はスコールのように強く降ったものの、レース終盤に向けて急速に回復し、晴れ間が見えるようになった。しかし路面を乾かすほどにはならず、選手にとってはハードなコンディションでのレースとなった。
鈴木譲が優勝して宇都宮ブリッツェンが開幕2連勝
P1クラスタのレースは、前日の倍となる25周105km。スタート直後から逃げと吸収を何度も繰り返しながらハイスピードで進行。7周目、大雨が降り出す中15名が先行する。その中から10名が逃げ集団を形成し、メイン集団に最大で2分20秒以上の差をつける。
メンバーは、宇都宮ブリッツェンの増田成幸と飯野智也、シマノレーシングの入部正太朗と横山航太、吉田悠人(那須ブラーゼン)、トム・ボシス(東京ヴェントス)、白川幸希(ヴィクトワール広島)、安田京介(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム)、原田裕成(チームブリヂストンサイクリング)、水野恭平(eNShare-エルドラード)。
メイン集団はシマノレーシングがコントロールしていたが、チームブリヂストンサイクリング、宇都宮ブリッツェンも協力し、15周目には30秒以内まで差を詰める。
一方、逃げ集団では増田がアタック。これにより逃げ集団は崩壊し、増田以外はメイン集団に吸収される。独走する増田は、集団との差を30秒から40秒で維持して逃げ続ける。しかし、レース終盤に向けてシマノレーシングが再び集団コントロールを開始するとタイム差は詰まり始め、残り3周となる23周目に吸収される。
増田が吸収された直後、鈴木譲、鈴木龍、岡篤志、小野寺玲の宇都宮ブリッツェン4人と、窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)西尾勇人(那須ブラーゼン)の6人が抜け出す。これが最終列車となり、集団との差は20秒から30秒と開きはじめる。
最終周回、残り2km付近から鈴木譲がアタック。これが決まり、独走のままフィニッシュ。宇都宮ブリッツェンが開幕2連勝した。
「今日は中盤以降チームで仕掛けて行き、決まらなければスプリンターで勝負する作戦でした。増田さんの逃げが捕まったところで、ブリッツェン4人で抜け出すことができました。窪木選手と西尾選手はあまり行きたくない感じでしたが、逃げ切りたかったので自分が犠牲になってペースを維持しました。最終的に1人で抜け出せたのは牽制もあったと思うけれど、チームメイトの3人が強かったおかげです。」と、レースを振り返る。
「次の修善寺はマトリックスパワータグも出てくるので、本当の勝負が始まる。この勢いを維持して仕上げていきたいです」と、次戦に向けての目標を語った。
レース中盤から逃げた増田は「行けるところまで行こうと全力で踏みました。残り距離も長かったので逃げ切れるとは思っていませんでしたが、チームメイトの助けになればと。最後の方までうまく逃げが続き、泳がされずにスピードを保って行ければ、僕が捕まったあとのカウンターでブリッツェンが有利になるし、実際そうなったので今日の展開は完璧だったと思います。
今年はチームが万全を期して走れるようにしていきたい。選手のコンディションは良いので、これを維持しながらJプロツアーだけでなくUCIレースやレベルの高いレースも戦えるようにしていきたいです」と、語った。
一方、ルビーレッドジャージは窪木が獲得。2015年以来のジャージ獲得は「嬉しいけれど勝って着たかったです」と複雑な表情。「天気が荒れて厳しいレースになると予想していた通りになりました。逃げとの差が2分まで開いた時はやばいなと思ったのですが、追走にシマノとブリッツェンも協力してくれてました。結果的に増田さんの逃げは捕まえられましたが、そういう展開にならないようにしないといけないから、僕らのチームはまだまだですね」とコメントした。
Fクラスタ 伊藤杏菜が優勝、Live GARDEN BICI STELLEが2連勝
女子のFクラスタは8周33.6km。2周目に伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE)がアタックし、後続に約30秒差をつけて独走する。4周目には前日優勝の吉川美穂(Live GARDEN BICI STELLE)が合流。2人はそのまま逃げ続け、最後は伊藤を先頭にフィニッシュ。Live GARDEN BICI STELLEが2日連続のワン・ツーフィニッシュで開幕2連勝。シスターローズジャージは吉川から伊藤に移った。
伊藤は「昨日よりも距離が長いとは言え8周しかないので、序盤から積極的に行こうという作戦でした。それで今日は自分から先に動いたのですが、吉川選手が追いついてきてくれて心強かったです。シスターローズジャージを着るのは久々ですが、次のレースで着て走ることを考えると今からそわそわします」と話す。
開幕2戦は昨年総合優勝の唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が不在だったが、「昨年は唐見さんになかなか勝てなかったので、今年は勝てるようにしたいです」と、今後の目標を語った。
伊藤の優勝をサポートした吉川は、「このあと海外遠征があって次の修善寺は出られないので、リーダージャージは私より伊藤が持っていた方がチームのためにも良いだろうと思い、今日は勝ってもらいました。ワン・ツーを2回連続出来たので、良い結果になりました」とコメントした。
一方、2日連続3位の西は「2日とも(吉川と伊藤の)2人に振り回されました」と苦笑い。「コミュニケーションが取れていてチームプレーがうまく出来ているので、2対1になると不利でした。昨日はそれで2人の動きに反応していたら足がなくなってしまったので、今日は片方は見逃そうと考えていました。でも吉川選手が伊藤選手を追った時の登りのアタックが強烈で、おいて行かれてしまいました。
このコースは練習でも走っているのですが、テクニカルで下りも踏まないと逃げられないので面白くて良いコースですね。来年も開催して欲しいですね。」と、2日間を振り返った。
E1クラスタは、前日にアタックを繰り返した石井祥平(アーティーファクトレーシングチーム)が2日目もアタックを繰り返す。終盤にはオープン参加のジョン・シェレクブリス(沖縄選抜)と抜け出して逃げ切り、最後はシェレクブリスを下して優勝した。
石井は「今年はシクロクロスをやっていて、ベースを下げずにシーズンオフを過ごしたのが勝因と思います。せっかく沖縄まで来たし、昨日も今日も決まるまでやってやろうと思ってアタックしました。チームとしては集団にスプリンターもいたので、自分は攻撃に専念しました。勝てて良かったです」と、語った。
H3
第1回JBCFおきなわロードレースDay-2 結果
P1クラスタ(105km)
1位 | 鈴木 譲(宇都宮ブリッツェン) |
2位 | 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) |
3位 | 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) |
4位 | 黒枝咲哉(シマノレーシング) |
5位 | 鈴木 龍(宇都宮ブリッツェン) |
6位 | 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) |
ルビーレッドジャージ 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)
ピュアホワイトジャージ 小山智也(イナーメ信濃山形)
ピュアホワイトジャージ 小山智也(イナーメ信濃山形)
Fクラスタ(33.6km)
1位 | 伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE) |
2位 | 吉川美穂(Live GARDEN BICI STELLE) |
3位 | 西加南子(LUMINARIA) |
Jフェミニンリーダー 伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE)
E1クラスタ(63km)
1位 | 石井祥平(アーティファクトレーシングチーム) |
OPEN | ジョン・シェレクブリス(沖縄選抜) |
2位 | 大杉直敬(SPADE・ ACE) |
3位 | 武井 裕(アーティファクトレーシングチーム) |
4位 | 藤田涼平(サイタマサイクルプロジェクト) |
5位 | 中尾 峻(沖縄選抜) |
6位 | 八幡光哉(FORCE) |
E2クラスタ(42km)
1位 | 上手勇輝(Team Kermis Cross) |
2位 | 松田真和(VC FUKUOKA(エリート)) |
3位 | 山口和来(AVENTURA AIKOH VICTORIA) |
4位 | 安宅将貴(湾岸サイクリングユナイテッド) |
5位 | 藤井倫洋(モジュマ エリアゼロナナゴ) |
6位 | 佐藤竜也(湾岸サイクリングユナイテッド) |
E3クラスタ(33.6km)
1位 | 吉野拓海(アーティファクトレーシングチーム) |
2位 | 芦田勇樹(soleil de lest) |
3位 | 鹿内勇佑(eNShare Cycling Team) |
4位 | 酒井 駿(Team SHIDO) |
5位 | 小林 亮(soleil de lest) |
6位 | 富名腰聡智(TEAM OKINAWA) |
text&photo:Satoru Kato
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