12月24日に開催された東北シクロクロス第3戦郡山ラウンドをレポート。C1カテゴリーではブリヂストンアンカーでのラストレースとなった鈴木龍が勝利した。



先頭を走る鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)	と積田連(Team CHAINRING)先頭を走る鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) と積田連(Team CHAINRING) photo:Masakazu.Abe
全日本シクロクロス選手権も終わり、シーズン後半に向けて各選手昇格、あるいは残留のための活動に主眼が置かれる時期となった。そんなクリスマスイブの日曜日、福島県郡山市大槻公園で行われた東北シクロクロスシリーズ第3戦郡山ラウンドのコースは、例年とほぼ同じレイアウトの1周2.5km。

早朝気温は氷点下4℃。降った雨が凍結したグランドは前日の試走で刻んだ無数の轍がそのまま凍りつき、コンクリートの外周路や橋に設定されたコース部分は薄く張った氷に覆われスケートリンクとなっていた。一見解りずらい路面状況に朝の試走では何人もの選手が転倒する姿が見られた。

メインレースのC1には13が名出走。例年ロードシーズンが終わるこの時期には地元出身のプロロード選手が出場するが、この日はブリヂストンアンカー所属としては最後、来季から宇都宮ブリッツェンに移籍する鈴木龍がフロントローに並んだ。

また、山田大介(PAXPROJECT)や、先の全日本選手権ジュニアで2位に食い込んだ積田連(TEAM CHAINRING)が40分の時間制限付で走るのも東北シクロクロスシリーズではお馴染みの光景となった。
 
独走する鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)独走する鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) photo:Masakazu.AbeCJ C1の2位で走る積田蓮(Team CHAINRING)CJ C1の2位で走る積田蓮(Team CHAINRING) photo:Masakazu.Abe

落車でペースを乱した山田大介(PAX PROJECT)落車でペースを乱した山田大介(PAX PROJECT) photo:Masakazu.AbeC1表彰台C1表彰台 photo:Masakazu.Abe


レースは山田大介のホールショットで幕を開けた。しかし北の林間丘陵エリアから鈴木龍を従えてグランドに戻ってきたのは後方からスタートしたジュニアの積田。ギャップや轍で荒れた路面を上手く抜重しながらいなすバイクコントロールは見ていても軽快で気持ちがいい。

ここに鈴木が合流し、積田と接近戦を演じるも、コンスタントに8分台のペースを刻む鈴木に積田が遅れ、全体の2位をキープしたまま40分でレースを離脱。その後鈴木は後方を脅かす存在無いまま後続に3分近い差をつけて優勝。自ら移籍に華をそえた。続いたのは落車でペースを崩しながらも粘った山田、3位は山田まで2秒差に詰め寄った霜山誠一(PAXPROJECT)が入った。

CL1 優勝した高橋織江(PEDAL NATION)CL1 優勝した高橋織江(PEDAL NATION) photo:Masakazu.AbeCM1 優勝した須藤大輔(VOLCAオードビーBOMA)CM1 優勝した須藤大輔(VOLCAオードビーBOMA) photo:Masakazu.Abe

C2 小久保登志貴(TEAM AGRI with AST)がC1への切符を掴むC2 小久保登志貴(TEAM AGRI with AST)がC1への切符を掴む photo:Masakazu.Abeクリスマスプレゼントににっこりクリスマスプレゼントににっこり photo:Masakazu.Abe


宮崎優花(Cyclesta)の飛び出しで始まったCL1は、高橋織江(PEDAL NATION)が先頭に立ち、須藤むつみ(Ready Go JAPAN)を引き離して勝利。マスターズは勝負勘の強さを見せつけた須藤大輔(VOLCAオードビーBOMA)が、C2は毎回ポディウムに上がる小久保登志貴(TEAM AGRI with AST)が優勝しC1への昇格を決めた。

オーガナイザーの菅田氏:「次の第4戦蔵王は来年度UCIレースとする計画がありです」オーガナイザーの菅田氏:「次の第4戦蔵王は来年度UCIレースとする計画がありです」 photo:Masakazu.Abe菅田大会オーガナイザー
「気温の低い中、カテゴリーの時間帯によってコースコンディションが大きく変わることになりましたが地元の方やボランティアの皆さんのご協力の元、無事開催終了することができて何よりでした。次の第4戦蔵王ステージですが寒河江と並んで来季はUCIレースを開催する計画があります。したがって年明けの蔵王はUCIをイメージしたコース設定をする予定ですので 是非また参加をお願いいたします」
 
C1優勝 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)
「東北シリーズの第1戦UCI寒河江で3位、ここ郡山で昨年に続き優勝できて良かったです。ブリヂストンアンカーのジャージで走るのも今日が最後になりますが、来年宇都宮ブリッツェンジャージでも引き続き東北シクロクロスには出場しようと考えています。」
 
CL1優勝 高橋織江(PEDAL NATION)
「スタートは上手くいかなかったですが、その後は自分のペースでミス無く走れました。コースについてはテクニカルな箇所が多かったので、登りのキャンバーなどを特に念入りに試走しました。泥になるという事も分かっていたのでそこは頑張って踏む所という意識で行きました。このところ(須藤)むつみさんと近いところでレースになることが多く、しかし中々勝てなかったので今日は良かったです。」

CL1表彰台CL1表彰台 photo:Masakazu.AbeCM1表彰台CM1表彰台 photo:Masakazu.Abe


CJ優勝 積田蓮(Team CHAINRING)
「全日本は勝てませんでした。村上君とは10秒差と悪くは無かったですが、もうちょっとだったなと。今日もC1の皆さんと走らせていただけました。鈴木龍さんや大介さん達について行くことを目標にしてました。終盤は脚がパンパンで垂れてしまいましたが、良いレースができたと思います。」
 
CM1優勝 須藤大輔(VOLCAオードビーBOMA)
「猪苗代以来風邪が治りきらず体調は悪く、周りも強い選手なので、どうやったら勝てるのか考えながら走ってました。先頭に出たものの残り3周で先もまだ長いなと思ったので、一旦2位の海口さんに前にも出てもらい半周ほど苦手なところが無いか観察して、ミスしたところを狙ってまた前に出るという相変わらずせこい勝ち方でした。あれこれ算段しなくても力勝負で勝てるようになりたいですね。」
C1   2.5km x 8周回
1位 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 1:03:01.675
2位 山田大介(PAX PROJECT) +03:13.548
3位 霜山誠一(PAX PROJECT) +03:14.947
4位 本多拓貴(F(t)麒麟山Racing CX Team) +03:53.978
5位 後藤啓(県北ぼっちフレンズ) +04:06.042
6位 久保田冬吾(東北学院大学自転車競技部CX班) +05:06.345
CL1   2.5km x 4周回
1位 高橋織江(PEDAL NATION) 0:38:03.472
2位 須藤むつみ(Ready Go Japan) +01:23.461
3位 林口ゆきえ(Live GARDEN BiciStelle) +01:31.581
CJ   2.5km x 6周回
1位 積田連(Team CHAINRING) 0:47:35.426
CM1   2.5km x 5周回
1位 須藤大輔(VOLCAオードビーBOMA) 0:43:37.384
2位 海口秀幸(F(t)麒麟山Racing CX Team) +00:09.288
3位 米山修(チーム埼玉県人) +01:05.150
text&photo:Masakazu.Abe

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