2017/12/14(木) - 09:17
エアロダイナミクスに優れたハイパフォーマンスホイールをラインアップするZIPP(ジップ)より、定番の「303」をベースとしたバリューモデル「302」カーボンクリンチャーをインプレッション。ブランド史上最も高いコストパフォーマンスを謳った新型ホイールを紹介しよう。
アメリカのモータースポーツを象徴するインディ500の開催地でもあり、経済や文化の中心地として様々な最先端技術が集積するインディアナポリスに拠点を置くジップ。カーボンホイールの先駆者として卓越した技術力を持ち、エアロダイナミクス性能に秀でたホイールを数多くラインアップするブランドとして、レーサーの間で高い支持を獲得しているブランドである。
そんなジップから今回インプレッションを行ったのは、2017年モデルで新登場しブランド史上最も高いコストパフォーマンスと謳う「302」カーボンクリンチャー。今まで同社がラインアップしてきた”Firecrest”シリーズや2016年から登場している”NSW”シリーズといったハイパフォーマンスモデルとは異なり、ジップホイールのエッセンスを残しつつコストダウンを図ったバリューモデルとして展開されるホイールとなる。
この302はジップのラインアップの中でもオールラウンドに幅広いシーンで使用されている「303」シリーズをベースとしたモデル。45mmのリムハイトや幅25.6mmのワイドリム設計を継承しつつ、上位モデルに搭載されるディンプル加工等のエアロディテールを省いたシンプルなリムを採用する。それでいて他のジップホイール同様、インディアナポリスのファクトリーでテストを繰り返すことで空力性能を追求していることに変わりはない。
ブレーキトラックには同社”Firecrest”シリーズで培った技術を盛り込むことで耐熱性を向上させ、上位モデルと同等の制動性能を獲得している。加えてリムベッドは303カーボンクリンチャーと共通の形状とし、スムースなタイヤの着脱が可能なデザインとされた。
また新型の76/176ハブや、サピム社のCXスプリントスポークなどを組み合わせることで価格を抑えつつ、練習からレースまで使える耐久性を備えたホイールに組み上がっている。トラディショナルなJベンドスポークや工具無しで着脱可能なフリーボディなどによる高いメンテナンス性も特徴だろう。
バリューモデルであるものの、リムはOEM等で外部に委託することなく、他のジップホイールと同様にインディアナポリスで製造される。ホイール組みに関しても同工場で一貫して行われることで、ハイエンドホイールと同等の製造品質を実現しているのもポイントの1つ。ジップの妥協しないものづくりの精神が垣間見える製品となっている。
重量は前後セットで1645g。価格はフロントが84,600円(税抜)、リアが107,800円(税抜)で、同価格にてディスクブレーキモデルもラインアップする。今回はクオータのKRYONにアセンブルしテストした。それではインプレッションに移ろう。
― インプレッション
「短い登りを含むアップダウンコースで真価を発揮するホイール」辻本尚希(L-Breath Bike)
ジップのカーボンホイールということで、従来の303シリーズのエアロ性能を上手く引き継いでいると思います。バリューモデルではありますが高速域の平坦巡航は申し分ないですし、惰性が効くようなアップダウンのコースでもその真価を発揮できると思います。加えて値段を抑えてあるので、ジップを自分のホイールバリエーションに加えたいという人にも最適ですね。
303をベースに設計されているということですが、リムのディンプル加工等のエアロ性能に寄与する部分がオミットされることで、50km/h以上の速度域になるとやはり上位モデルより劣る部分はあると思います。ただ、それより下の速度域ではほぼ変わらないエアロダイナミクスを発揮してくれますので、この302で十分だという方のほうが多いのではないでしょうか。
重量に関していえば、やや重さはありますので、長い登りとなると少し不向きな点はあると思います。ただ平坦や下りの勢いでこなすことが出来るような短い登りを含むアップダウンコースには非常に有効で、ハイトルクで回していくと、よく走ってくれると思いますね。そういったコースであればレースユースでも全く問題ないことと思います。
Firecrestなどのハイエンドシリーズと比べてしまうと、ハブとスポークを変更しているせいか若干反応性が落ちている気もします。ただ、一般的にディープリムのカーボンホイールというと、もう少し値段が高いものも多いですし、20万円ほどのプライスで憧れのジップが手に入ると言うのは非常に嬉しいですね。性能と価格のバランスで言えば同社の中でもピカイチではないでしょうか。
ジップ 302 Carbon Clincher
リム高:45mm
リム幅:25.6mm
ハブ:ジップ 76/176(リムブレーキ)
スポーク:サピム CXスプリント
価格:フロント84,600円(税抜)、リア107,800円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
辻本尚希(L-Breath Bike)
管洋介氏率いるAVENTURA AIKOH VICTORIA RACINGのエースライダーとしてロード競技を続けつつ、普段はL-Breath Bike 御茶ノ水店のスタッフとして働く。順天堂大学時代は自転車競技部の主将を務めるとともに、2013年の学生選手権個人ロードチャンピオンにも輝く。現在はアスリート社員として自転車のソフト面の強化に力を入れており、チームやショップが行うスクールの企画・運営・講師も務める。
CWレコメンドショップページ
L-Breath BIKE 御茶ノ水店 ショップHP
アメリカのモータースポーツを象徴するインディ500の開催地でもあり、経済や文化の中心地として様々な最先端技術が集積するインディアナポリスに拠点を置くジップ。カーボンホイールの先駆者として卓越した技術力を持ち、エアロダイナミクス性能に秀でたホイールを数多くラインアップするブランドとして、レーサーの間で高い支持を獲得しているブランドである。
そんなジップから今回インプレッションを行ったのは、2017年モデルで新登場しブランド史上最も高いコストパフォーマンスと謳う「302」カーボンクリンチャー。今まで同社がラインアップしてきた”Firecrest”シリーズや2016年から登場している”NSW”シリーズといったハイパフォーマンスモデルとは異なり、ジップホイールのエッセンスを残しつつコストダウンを図ったバリューモデルとして展開されるホイールとなる。
この302はジップのラインアップの中でもオールラウンドに幅広いシーンで使用されている「303」シリーズをベースとしたモデル。45mmのリムハイトや幅25.6mmのワイドリム設計を継承しつつ、上位モデルに搭載されるディンプル加工等のエアロディテールを省いたシンプルなリムを採用する。それでいて他のジップホイール同様、インディアナポリスのファクトリーでテストを繰り返すことで空力性能を追求していることに変わりはない。
ブレーキトラックには同社”Firecrest”シリーズで培った技術を盛り込むことで耐熱性を向上させ、上位モデルと同等の制動性能を獲得している。加えてリムベッドは303カーボンクリンチャーと共通の形状とし、スムースなタイヤの着脱が可能なデザインとされた。
また新型の76/176ハブや、サピム社のCXスプリントスポークなどを組み合わせることで価格を抑えつつ、練習からレースまで使える耐久性を備えたホイールに組み上がっている。トラディショナルなJベンドスポークや工具無しで着脱可能なフリーボディなどによる高いメンテナンス性も特徴だろう。
バリューモデルであるものの、リムはOEM等で外部に委託することなく、他のジップホイールと同様にインディアナポリスで製造される。ホイール組みに関しても同工場で一貫して行われることで、ハイエンドホイールと同等の製造品質を実現しているのもポイントの1つ。ジップの妥協しないものづくりの精神が垣間見える製品となっている。
重量は前後セットで1645g。価格はフロントが84,600円(税抜)、リアが107,800円(税抜)で、同価格にてディスクブレーキモデルもラインアップする。今回はクオータのKRYONにアセンブルしテストした。それではインプレッションに移ろう。
― インプレッション
「短い登りを含むアップダウンコースで真価を発揮するホイール」辻本尚希(L-Breath Bike)
ジップのカーボンホイールということで、従来の303シリーズのエアロ性能を上手く引き継いでいると思います。バリューモデルではありますが高速域の平坦巡航は申し分ないですし、惰性が効くようなアップダウンのコースでもその真価を発揮できると思います。加えて値段を抑えてあるので、ジップを自分のホイールバリエーションに加えたいという人にも最適ですね。
303をベースに設計されているということですが、リムのディンプル加工等のエアロ性能に寄与する部分がオミットされることで、50km/h以上の速度域になるとやはり上位モデルより劣る部分はあると思います。ただ、それより下の速度域ではほぼ変わらないエアロダイナミクスを発揮してくれますので、この302で十分だという方のほうが多いのではないでしょうか。
重量に関していえば、やや重さはありますので、長い登りとなると少し不向きな点はあると思います。ただ平坦や下りの勢いでこなすことが出来るような短い登りを含むアップダウンコースには非常に有効で、ハイトルクで回していくと、よく走ってくれると思いますね。そういったコースであればレースユースでも全く問題ないことと思います。
Firecrestなどのハイエンドシリーズと比べてしまうと、ハブとスポークを変更しているせいか若干反応性が落ちている気もします。ただ、一般的にディープリムのカーボンホイールというと、もう少し値段が高いものも多いですし、20万円ほどのプライスで憧れのジップが手に入ると言うのは非常に嬉しいですね。性能と価格のバランスで言えば同社の中でもピカイチではないでしょうか。
ジップ 302 Carbon Clincher
リム高:45mm
リム幅:25.6mm
ハブ:ジップ 76/176(リムブレーキ)
スポーク:サピム CXスプリント
価格:フロント84,600円(税抜)、リア107,800円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
辻本尚希(L-Breath Bike)
管洋介氏率いるAVENTURA AIKOH VICTORIA RACINGのエースライダーとしてロード競技を続けつつ、普段はL-Breath Bike 御茶ノ水店のスタッフとして働く。順天堂大学時代は自転車競技部の主将を務めるとともに、2013年の学生選手権個人ロードチャンピオンにも輝く。現在はアスリート社員として自転車のソフト面の強化に力を入れており、チームやショップが行うスクールの企画・運営・講師も務める。
CWレコメンドショップページ
L-Breath BIKE 御茶ノ水店 ショップHP
リンク
Amazon.co.jp