ドイツの総合バイクブランド、キューブよりTTバイクの「AERIUM C:68」がフルモデルチェンジを果たし登場。UCI規定に縛られない自由なフレーム設計と風洞実験を繰り返すことで、エアロダイナミクスを極限まで追求したトライアスロン専用バイクとして再誕した。



キューブ AERIUM C:68 SLTキューブ AERIUM C:68 SLT (c)SHIONO BICYCLE
1993年に創業し、現在世界60カ国以上に進出しているキューブ。日本ではまだまだ目新しいブランドではあるが、ロードバイクはじめMTB、E-バイク、シティバイクやアパレル、ギア類など幅広い製品を取り扱う一大ブランドである。そんな同社から2018年モデルの新作として登場したのが、フルモデルチェンジを果たしたトライアスロンバイク「AERIUM C:68」である。

フレームはスイスのホイールブランドでありトライアスロンチームを持つ「SWISS SIDE」の協力のもと起こされた完全新規設計。CFD解析上のモデリングや風洞実験を繰り返し行うことで性能を煮詰めたのだという。元アイアンマン世界記録保持者であるアンドレアス・ラエラート氏をテストライダーとして風洞実験を繰り返すことで、バイク単体だけでなく、ライダーとセットとなった実走環境でのエアロダイナミクス向上を追求したものとなっている。

フロントブレーキはカーボン製のカバーで完全に覆うことで空力性能を強化フロントブレーキはカーボン製のカバーで完全に覆うことで空力性能を強化 (c)CUBE細かく調整が可能なハンドルシステムを採用し様々なポジションを実現可能だ細かく調整が可能なハンドルシステムを採用し様々なポジションを実現可能だ (c)CUBE

空気を切り裂くようなダイナミックな造形が成されたシートチューブ空気を切り裂くようなダイナミックな造形が成されたシートチューブ (c)CUBEトップチューブにはAERIUMのロゴデザインが入るトップチューブにはAERIUMのロゴデザインが入る (c)CUBE


トライ&エラーを繰り返し決定した同バイクに特徴的なディテールが、独自のツインヘッドチューブである。ヘッドチューブにスリットを入れたこのデザインは、前方からの風が滑らかに後ろへ流れる整流効果を発揮する。加えて斜めや横からの風に対しては船の帆のような効果を生み出し、理想的なエアロ効果を実現するようデザインされている。

フロントブレーキはTTバイクで度々アセンブルされるマグラのRT Aero Carbonを採用し、その上をカーボンカバーで覆うことでエアロな流線形状を維持。また極太のフロントフォークや縦方向に扁平した各部のチュービング、シートチューブ下部に接合するシートステーなど、UCIレギュレーションにとらわれない形状を多用することで、圧倒的とも言えるエアロダイナミクス性能を獲得している。

キューブ AERIUM C:68 SLT(ハイベースバー仕様)キューブ AERIUM C:68 SLT(ハイベースバー仕様) (c)SHIONO BICYCLEキューブ AERIUM C:68 フレームセットキューブ AERIUM C:68 フレームセット (c)SHIONO BICYCLE
キューブ AERIUM C:68 SLキューブ AERIUM C:68 SL (c)SHIONO BICYCLE
トライアスロン専用設計のバイクらしく、飲料水や補給食を収納できるハイドレーションシステムをエアロバー中央に装備。有害物質BPAを含まないプラスチックで成形された水分補給システムは650mlの容量で、かつ取り外しも容易となっており、ライド毎に洗浄して使うことが可能だ。またトップチューブ上部には工具や補給食を収納できるギアボックスも完備しており、長いバイクパートに対応した隙のないスペックが盛り込まれている。

長時間のエアロポジションを取る上で欠かせないのが自由度の高いフィッティングシステムだ。その点に関しても AERIUM C:68は抜かりなく、ヤグラを前後に可動できる専用のシートポストシステムや、2種類の高さを選択できるベースバー、細かな位置調整が可能なDHバーとアームパッドなどにより柔軟な調整が可能となっているのも大きな特徴だろう。

UCI規定に縛られないエアロモンスターマシンとして誕生したAERIUM C:68UCI規定に縛られないエアロモンスターマシンとして誕生したAERIUM C:68 (c)CUBE
また、ガーミンEDGEシリーズを取り付けられるマウントもハイドレーションシステム上に搭載されており、各種ストレージシステムを使用していてもサイクルコンピューターが見やすいよう設計されている。その上、パイオニア、POWER2MAX、クォーク、SRM、シマノなどの各種クランク式パワーメーターにも対応したフレームクリアランスも確保した。

販売はフレームセット、スラム RED eTap完成車の「AERIUM C:68 SLT」、シマノ アルテグラDi2完成車の「AERIUM C:68 SL」という3種類で行われ、AERIUM C:68 SLTにはSWISS SIDE製スーパーディープリムホイールがアセンブルされる。価格はそれぞれ587,000円(税抜)、1,453,000円(税抜)、922,000円(税抜)で、XS、S、M、Lの4サイズがラインアップされる。取り扱いはSHIONO BICYCLE。




キューブ AERIUM C:68 フレームセット
フレーム:Aerium C:68 Monocoque Advanced Twin Mold Technology, Twin Head Tube
フォーク:Aerium C:68 Aero, Full Integrated
ブレーキ:Magura RT Aero Carbon, Hydr. Rim Brake
サイズ:XS、S、M、L
カラー:carbon‘n‘red high/carbon‘n‘red low
価 格:587,000円(税抜)

キューブ AERIUM C:68 SLT
メインコンポーネント:スラム RED eTap
ホイール:Swiss Side HADRON Ultimate 800+
タイヤ:コンチネンタル Grand Prix Attack & Force Kevlar
重 量:8.9kg
サイズ:XS、S、M、L
カラー:carbon‘n‘red high/carbon‘n‘red low
価 格:1,453,000円(税抜)

キューブ AERIUM C:68 SL
メインコンポーネント:シマノ R8050系アルテグラDi2
ホイール:フルクラム Racing 44, C17, QR/QR
タイヤ:コンチネンタル Grand Prix Attack & Force Kevlar
重 量:9kg
サイズ:XS、S、M、L
カラー:carbon‘n‘white high/carbon‘n‘white low
価 格:922,000円(税抜)

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