2017/11/06(月) - 11:49
チェコ・ターボルで開催されたシクロクロスヨーロッパ選手権で、オランダのマテュー・ファンデルポールとラース・ファンデルハールがワンツーフィニッシュ。苦戦を強いられたベルギー勢は飛ぶように走る2人に追いつかなかった。
シクロクロスヨーロッパ王者を決める舞台となったのは、チェコの首都プラハの南80kmに位置する名物サーキット、ターボル。ベルギーとオランダが支配するこの競技においては実質的な世界選手権の予行演習の場であり、勝負の行方に大きな注目が集まった。
緩やかに傾斜のついた広場と森を繋ぐコースに向けて好ダッシュを切ったのは、この場所で開催された2015年の世界選手権で勝利しているマテュー・ファンデルポール(オランダ)。チームメイトのラース・ファンデルハール(オランダ)を引き連れ、いきなりレースを強力にリードしていく。
シクロクロス王国の威信に賭けるベルギーだったが、ファンデルポール最大のライバル、ワウト・ファンアールトは世界選手権を見据え調整のために不在。ディフェンディングチャンピオンのトーン・アールツがオランダ勢2人組に喰らいついたが、その表情は既に限界を表していた。
2周目にファンデルポールが独走に持ち込み、アールツは後続グループに吸収。先頭でファンデルポールが、2番手でファンデルハールが刻むハイペースに、ローレンス・スウィークやマイケル・ファントーレンハウト、アールツらベルギー勢は手が出ない。互いに見合いながら走る中、同士討ちのクラッシュを演じるなど、最後まで噛み合わないレースが続いた。
終始ハイペースを刻んだファンデルポールは、この日一度も先頭を譲ることなくポール・トゥー・ウィンを達成。何度もガッツポーズを繰り返しながら、最後は晴れやかな表情でフィニッシュラインを越えた。
これまでジュニア時代に2度タイトルを獲得してきたファンデルポールだが、エリートカテゴリーでのヨーロッパ選手権制覇は初。「ジュニア時代からこのターボルは好きなコース。今日は楽勝のように見えたかもしれないけど、ずっとラースが10秒差をキープしていたのでキツい戦いだった」と振り返る。「世界選手権を狙う上でもここで勝てたのは良かった。スタート直後にミスを誘発しやすい区間があったので、そこに先頭で入る必要があった。もし埋もれてしまえば追走に力を使ってしまう。ほとんど自分だけがバニーホップでクリアできたシケインも戦略上で良い材料になってくれた」。
23秒遅れの2位にはファンデルハールが入り、1分半近く遅れた3位は、最終周回にアタックしたファントーレンハウトをスプリントで交わしたアールツが入った。
「ファンデルポールに対して苦しい戦いになると思っていた」とは、ベルギー勢で唯一食い下がったアールツ。「彼を逃したら終わりだと思っていたので、本当はホールショットを防ぎたかった。なんとか追いついたけど、あれ以上彼らのペースについて行くことができなかった。チャンピオンジャージを失ってしまったが、ファンデルポールはジャージに見合う選手だよ。着慣れたジャージ無しでこれからのレースに臨むのは少し寂しい気がする」。
また、エリート女子レースは世界王者のサンヌ・カント(ベルギー)とルシンダ・ブラント(オランダ)、かつて野辺山シクロクロスを制したアリーチェマリア・アルツッフィ(イタリア)による三つ巴の戦いが繰り広げられ、最終周回にアルツッフィが脱落。
勝負は二人のスプリント合戦に委ねられ、先行するブラントを交わしたカントが勝利。ここ最近勝利を重ねていたマウド・カプテンス(オランダ)は5位に終わった。
最も激しい勝負となった男子U23レースでは、U23初年度の現ジュニア世界王者トーマス・ピッドコック(イギリス)と、前U23世界王者エリ・イゼルビッド(ベルギー)が最終周回中盤から抜け出す展開に。2人に追いつきかけたジョシュア・ドゥバウ(フランス)が最終コーナーで落車する前方で、追い上げるピッドコックのラインを潰しながら先頭を守ったイゼルビッドが先着。スプリントが議論を呼んだものの、イゼルビッドの優勝が確定している。
シクロクロスヨーロッパ王者を決める舞台となったのは、チェコの首都プラハの南80kmに位置する名物サーキット、ターボル。ベルギーとオランダが支配するこの競技においては実質的な世界選手権の予行演習の場であり、勝負の行方に大きな注目が集まった。
緩やかに傾斜のついた広場と森を繋ぐコースに向けて好ダッシュを切ったのは、この場所で開催された2015年の世界選手権で勝利しているマテュー・ファンデルポール(オランダ)。チームメイトのラース・ファンデルハール(オランダ)を引き連れ、いきなりレースを強力にリードしていく。
シクロクロス王国の威信に賭けるベルギーだったが、ファンデルポール最大のライバル、ワウト・ファンアールトは世界選手権を見据え調整のために不在。ディフェンディングチャンピオンのトーン・アールツがオランダ勢2人組に喰らいついたが、その表情は既に限界を表していた。
2周目にファンデルポールが独走に持ち込み、アールツは後続グループに吸収。先頭でファンデルポールが、2番手でファンデルハールが刻むハイペースに、ローレンス・スウィークやマイケル・ファントーレンハウト、アールツらベルギー勢は手が出ない。互いに見合いながら走る中、同士討ちのクラッシュを演じるなど、最後まで噛み合わないレースが続いた。
終始ハイペースを刻んだファンデルポールは、この日一度も先頭を譲ることなくポール・トゥー・ウィンを達成。何度もガッツポーズを繰り返しながら、最後は晴れやかな表情でフィニッシュラインを越えた。
これまでジュニア時代に2度タイトルを獲得してきたファンデルポールだが、エリートカテゴリーでのヨーロッパ選手権制覇は初。「ジュニア時代からこのターボルは好きなコース。今日は楽勝のように見えたかもしれないけど、ずっとラースが10秒差をキープしていたのでキツい戦いだった」と振り返る。「世界選手権を狙う上でもここで勝てたのは良かった。スタート直後にミスを誘発しやすい区間があったので、そこに先頭で入る必要があった。もし埋もれてしまえば追走に力を使ってしまう。ほとんど自分だけがバニーホップでクリアできたシケインも戦略上で良い材料になってくれた」。
23秒遅れの2位にはファンデルハールが入り、1分半近く遅れた3位は、最終周回にアタックしたファントーレンハウトをスプリントで交わしたアールツが入った。
「ファンデルポールに対して苦しい戦いになると思っていた」とは、ベルギー勢で唯一食い下がったアールツ。「彼を逃したら終わりだと思っていたので、本当はホールショットを防ぎたかった。なんとか追いついたけど、あれ以上彼らのペースについて行くことができなかった。チャンピオンジャージを失ってしまったが、ファンデルポールはジャージに見合う選手だよ。着慣れたジャージ無しでこれからのレースに臨むのは少し寂しい気がする」。
また、エリート女子レースは世界王者のサンヌ・カント(ベルギー)とルシンダ・ブラント(オランダ)、かつて野辺山シクロクロスを制したアリーチェマリア・アルツッフィ(イタリア)による三つ巴の戦いが繰り広げられ、最終周回にアルツッフィが脱落。
勝負は二人のスプリント合戦に委ねられ、先行するブラントを交わしたカントが勝利。ここ最近勝利を重ねていたマウド・カプテンス(オランダ)は5位に終わった。
最も激しい勝負となった男子U23レースでは、U23初年度の現ジュニア世界王者トーマス・ピッドコック(イギリス)と、前U23世界王者エリ・イゼルビッド(ベルギー)が最終周回中盤から抜け出す展開に。2人に追いつきかけたジョシュア・ドゥバウ(フランス)が最終コーナーで落車する前方で、追い上げるピッドコックのラインを潰しながら先頭を守ったイゼルビッドが先着。スプリントが議論を呼んだものの、イゼルビッドの優勝が確定している。
男子エリート結果
1位 | マテュー・ファンデルポール(オランダ) | 57’37” |
2位 | ラース・ファンデルハール(オランダ) | +23” |
3位 | トーン・アールツ(ベルギー) | +1’26” |
4位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー) | |
5位 | デーヴィッド・ファンデルポール(オランダ) | +1’29” |
6位 | イェンス・アダムス(ベルギー) | +1’31” |
7位 | ミカエル・ボロス(チェコ) | +1’32” |
8位 | ローレンス・スウィーク(ベルギー) | +1’34” |
9位 | コルヌ・ファンケッセル(オランダ) | +1’36” |
10位 | ケヴィン・パウエルス(ベルギー) |
女子エリート結果
1位 | サンヌ・カント(ベルギー) | 41’57” |
2位 | ルシンダ・ブラント(オランダ) | |
3位 | アリーチェマリア・アルツッフィ(イタリア) | +15” |
4位 | アンマリー・ワースト(オランダ) | +45” |
5位 | マウド・カプテンス(オランダ) | +1’06” |
6位 | エヴァ・リヒナー(イタリア) | +1’10” |
7位 | エレン・ファンロイ(ベルギー) | +1’25” |
8位 | ヘレン・ワイマン(イギリス) | +1’32” |
9位 | ダニス・ベトセマ(オランダ) | +1’34” |
10位 | パヴア・ハヴリコヴァ(チェコ) | +1’40” |
男子U23結果
1位 | エリ・イゼルビッド(ベルギー) | 53’19” |
2位 | トーマス・ピッドコック(イギリス) | |
3位 | シーベン・ワウテルス(オランダ) | +07” |
4位 | ジョシュア・ドゥバウ(フランス) | +12” |
5位 | イェンス・デッケル(オランダ) | +17” |
6位 | アントワン・ベノワ(フランス) | +22” |
7位 | ヤニック・ピータース(ベルギー) | +25” |
8位 | サンディ・デュジャルダン(フランス) | +31” |
9位 | タイス・アールツ(ベルギー) | +32” |
10位 | イェーレ・スフールマンス(ベルギー) | +35” |
女子U23結果
1位 | キアラ・テオッキ(イタリア) | 35’36” |
2位 | ラウラ・フェルドンショット(ベルギー) | |
3位 | ニコラ・ノスコヴァ(チェコ) | +04” |
4位 | セリル・デルカルメンアルヴァラード(オランダ) | +17” |
5位 | ヤラ・カステライン(オランダ) | +28” |
6位 | ナーヤ・ヘイグル(オーストリア) | +32” |
7位 | マーガレーナ・ミソノヴァ(チェコ) | +36” |
8位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア) | +44” |
9位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ) | +52” |
10位 | アデラ・サファロヴァ(オランダ) | +57” |
男子ジュニア結果
1位 | ローリス・ルイイェ(スイス) | 39’16” |
2位 | トマス・コペッキー(チェコ) | +02” |
3位 | ベン・トゥレット(イギリス) | +08” |
4位 | ライアン・カンプ(オランダ) | +12” |
5位 | ピム・ロンハール(オランダ) | +23” |
6位 | シーン・フライン(イギリス) | +46” |
7位 | ヤルノ・ベレンス(ベルギー) | +54” |
8位 | ヴィンス・ファンデンエインデ(ベルギー) | +57” |
9位 | アルノ・ファンデンブロック(ベルギー) | +1’06” |
10位 | ピオトル・クリンスキー(ポーランド) | +1’08” |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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