雨で濡れた前橋シクロクロス第1戦で、中里仁(Speedvagen Family Racing)との一騎打ちを制した織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が優勝。多くのジャンプを決めて大いに会場を沸かせた。



広島中央森林公園でのJCX第2戦、白樺湖でのシクロクロスミーティング、富士見パノラマでのCoupe du Japonなど各地でレースが開催された10月15日(日)、群馬県前橋市では2年目を迎えた前橋シクロクロス第1戦が開催された。

自身もC2カテゴリーを走ったオーガナイザーの高橋祐樹さん。「一般カテゴリーの方々にこそ楽しめる大会を」自身もC2カテゴリーを走ったオーガナイザーの高橋祐樹さん。「一般カテゴリーの方々にこそ楽しめる大会を」 photo:So.Isobe大きな水たまりや泥区間がコース上に出現大きな水たまりや泥区間がコース上に出現 photo:So.Isobe


地元クラブのCycleClub.jpが運営し、一貫して「トップ選手を優遇するのではなく、キッズやファミリー、女子、一般カテゴリーの方にこそ楽しんでもらえること」をテーマに据えるこの大会にエントリーしたのは294人。JCX戦ではないが、アットホームな雰囲気や常設パンプトラックを組み込んだコースが人気を呼び、昨シーズン第2戦のエントラントは350名を超えた。まだスタートしたばかりながら出展ブースも多く、会場を訪れるたびに指折りの人気大会に成長しそうな居心地の良さを感じる。

2017-2018シーズンの第1戦、会場は折からの雨に濡れ、C1レースが始まる頃には完全なるウェットコンディションに。一部平坦区間には深い泥も現れ、今シーズン初の本格的泥レースが参加者のテクニックを試すことになった。

織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)は全周回2連シケインを飛び切った織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)は全周回2連シケインを飛び切った photo:So.Isobe平坦区間で織田との差を詰める中里仁(Speedvagen Family Racing)平坦区間で織田との差を詰める中里仁(Speedvagen Family Racing) photo:So.Isobe


トップカテゴリーのC1で好ダッシュを決めたのは、前週のJCX茨城でトップ集団を形成した中里仁(Speedvagen Family Racing)と、昨年の全日本選手権U23で2位に入った織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)。ここに食らいついていた野辺山シクロクロスのオーガナイザー、矢野大介(Speedvagen Family Racing)が遅れると、若い2名による一騎打ちの様相を呈していく。

BMXをルーツに持つ織田がパンプトラックセクションで加速し、Jプロツアーを走る中里が短い直線で追いつく展開。途中織田がチェーン落ちによって大きく遅れる場面もあったが、コースを味方につけて挽回。そして追いつきざまに攻撃を仕掛けた。

単独3番手をひた走る國井敏夫(MilePost BMC Racing)単独3番手をひた走る國井敏夫(MilePost BMC Racing) photo:So.Isobe2番手を走る中里仁(Speedvagen Family Racing)2番手を走る中里仁(Speedvagen Family Racing) photo:So.Isobe

最終周回の大きな連続ジャンプで会場を沸かせた織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)最終周回の大きな連続ジャンプで会場を沸かせた織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:So.Isobe

長いパンプセクションで速度に伸び悩む中里に対して、身体を大きく使って加速していく織田。次第にその差は脚力で埋められないものとなっていき、後半に差し掛かったところで勝負あり。2連シケインを全周回飛び切り、最終周回は大きな連続ジャンプで会場を沸かせた織田が、1分50秒差で圧勝を飾った。

「最前列スタートだったので先行逃げ切りを目指していたのですが、なかなかリードが奪えず苦しみました。得意な区間で差をつけて平坦は淡々とこなしていきました」と言う織田が目指すのは、昨年2位に終わった全日本選手権U23での優勝だ。「今日はライバルがいてくれて良かった。いい練習になりました。本当は全周回大きなジャンプを跳びたかったのですが、泥で上手くいかず。見て楽しんでもらえる走りができたので良かったです」。

リードを1分50秒まで広げフィニッシュラインにたどり着いた織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)リードを1分50秒まで広げフィニッシュラインにたどり着いた織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:So.Isobe「織田選手とはいい意味でライバル関係にある」と言う中里仁(Speedvagen Family Racing)「織田選手とはいい意味でライバル関係にある」と言う中里仁(Speedvagen Family Racing) photo:So.Isobe

メカトラに見舞われながらも3位に入った國井敏夫(MilePost BMC Racing)メカトラに見舞われながらも3位に入った國井敏夫(MilePost BMC Racing) photo:So.Isobeオーガナイザーの一人、渡辺 将大(CycleClub.jp)は追い上げて4位にオーガナイザーの一人、渡辺 将大(CycleClub.jp)は追い上げて4位に photo:So.Isobe

前橋シクロクロス2017-2018第1戦、C1表彰台前橋シクロクロス2017-2018第1戦、C1表彰台 photo:So.Isobe
「シケインのたびに差が開いていく悔しい展開でしたが、泥を含めて楽しめたし、良いトレーニングになったし、UCIやJCXと違って久々に楽しいレースでした」と振り返ったのは、チームの本拠地で開催される野辺山シクロクロスと全日本選手権を目指す中里。「織田選手とはいい意味でライバル関係にあるので、切磋琢磨しながら良いレースをできるようにしたいですね」。

3位には途中メカトラに見舞われながらも安定したペースを刻み、コースオーガナイザーの一人である渡辺将大(CycleClub.jp)を振り切った國井敏夫(MilePost BMC Racing)が入った。CL1では地元の西形舞(TRCPanamaReds)が勝利し、C2では秋元昌夫(Honda 栃木)が勝利しC1への昇格切符を獲得。CM2+3、CL2+3、U15の混走となった第4レースではU15の綾野尋(cycleclub 3UP.)が全体のトップでフィニッシュした。
C1
1位 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) 1h01’11”
2位 中里仁(Speedvagen Family Racing) +1’50”
3位 國井敏夫(MilePost BMC Racing) +3’37”
4位 渡辺 将大(CycleClub.jp) +3’39”
5位 池田翔平(champion system japan test team) +4’06”
6位 佐川祐太(BOUNCE) +4’23”
7位 山邊誠司(チーム埼玉県人) +4’34”
8位 大塚将悟(Team CUORE)
9位 根本学(Cycleclub3UP) +4’56”
10位 佐藤文明(FLAT立川/多摩湖朝練部) +5’09”
CL1
1位 西形舞(TRCPanamaReds) 38’03”
2位 高橋織江(PEDAL NATION) +1’02”
3位 綿貫通穂(臼杵レーシング) -1lap
C2
1位 秋元昌夫(Honda 栃木) 33’59”
2位 菊地健一(SNEL) +03”
3位 堀智昭(FastlaneRacing) +15”
C3
1位 小野沢亮(β-endorphin) 22’40”
2位 内田恭太(メイドさん学科自転車部) +02”
3位 黄田昭彰(T-serv) +40”
C4A
1位 茂野洋介(β-endorphin) 26’01”
2位 木村亮輔(高崎経済大学) +22”
3位 柳沼龍佑(東京ヴェントス) +45”
C4B
1位 狩野敦(上毛レーシング) 26’13”
2位 岡野陽一(エルニーニョ・ケンポク) +31”
3位 河辺健 +52”
CL2
1位 綾野桂子(cycleclub 3UP.) 26’52”
2位 砂川美穂子(monokusa racing) +47”
3位 新田孝美(BOUNCE) +1’29”
CM1
1位 佐々木正(CICADA UNITED) 34’33”
2位 海口秀幸(F(t)麒麟山Racing CX Team) +20”
3位 水野康弘(FRIETEN) +39”
CM2+3
1位 山本健一(Roppongi Express) 24’12”
2位 臼井清貴(CICADA UNITED) +10”
3位 山口健(Golosa) +32”
CK3
1位 蕨雄之進(イオンバイクジュニアアカデミー) 11’58”
2位 関口直人(FELT-mistral) +1’35”
3位 高野哲徳 +4’52”
CK2
1位 飯塚嵐(RinRinRacing) 10’58”
2位 石川太郎(TEAM AGRI withAST) +38”
3位 山田駿太郎(茨城CXレーシング) +1’00”
CK1
1位 郷津輝 13’35”
2位 石川竜大(TEAM AGRI withAST) +1’10”
3位 阿部晴太朗(石神井らいだーず(仮)) +2’08”
U15
1位 綾野尋(cycleclub 3UP.) 23’47”33

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