2017/10/10(火) - 09:43
茨城県取手市で開催されたJCXシリーズ開幕戦で、狙い通りにライバルを振り落とした小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)が勝利。女子は地脚を見せつけた唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が圧勝を飾った。
先々週に茨城で動き出した国内シクロクロスカレンダーは、10月の3連休最終日に本格的なシーズンインを告げるJCXシリーズ初戦を迎えた。今年UCIレースに格上げされた茨城シクロクロス第2戦には各カテゴリー合わせて500名近い過去最高人数が集い、会場は大きな盛り上がりに包まれた。
一部区間を除き、常時シクロクロスの練習用に解放されている小貝川リバーサイドパーク。今年はUCI化に伴ってストレート区間が伸び、テクニカル区間が簡略化されたためパワーライダー有利なコースが出来上がった。加えてこの日は季節外れの暑さが会場を包み、大多数のエリート選手たちがバイクや背中にボトルを装備する中で熱戦が繰り広げられることとなる。
男子エリートレースに挑んだのはMTBシーズン終盤の海外遠征を行っている全日本王者の沢田時(ブリヂストンアンカー)と、ヨーロッパ遠征中の竹之内悠(東洋フレーム)を除く86名のトップレーサーたち。60分間の戦いは9月末に開催されたCoupe du Japon妙高で表彰台に乗るなど好感触を掴んでいた小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)の好スタートで幕開けた。
テクニックの差が現れるセクションが少ないため、地脚に秀でる選手がパックを率いる一方、悪コンディションに長ける選手達は苦しい戦いを強いられる。小坂と前田公平&織田聖の弱虫ペダルサイクリングチームコンビ、重田兼吾(TeamCUORE)、アメリカでワールドカップ2連戦を走った中里仁(Speedvagen Family Racing)、斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)、門田基志(TEAM GIANT)、丸山厚(BOMA/ROND BICYCLE)、國井敏夫(MilePost BMC Racing)というメンバーが一丸となって高速巡航した。
小坂と、レース前に体調を崩していたという前田がハイペースを刻むその後ろでは、一人、また一人とパックから脱落し、中盤になる頃には中里を含めた3名に絞り込まれる。すると「(中里)仁がコーナーで苦戦していること、(前田)公平にミスが目立ってキツそうにしていることに気づいていた」と言う小坂が攻撃を仕掛けた。
断続的なペースアップに「まだ下手な部分が多くコーナーの度に若干遅れ、回復に力を使ってしまった」と振り返る中里が遅れ、次なるアタックで前田も後退。狙い通りにライバルを振り落とした小坂がフィニッシュまで続く独走に持ち込んだ。
ぐいぐいとリードを築く小坂の後ろでは、脚攣りによってペースダウンした前田に中里が合流する。2人はパックを組んだものの、スムーズな走りで逃げる小坂は20秒以上先。独走となってからもペースを落とさず、3周回を走りきった小坂が先頭でフィニッシュ。平均速度26.63km/hという高速レースを制し、ここ小貝川で大会3連覇を成し遂げた。
今年のグリーンシーズンはミヤタ・メリダバイキングチームの一員としてMTBに集中してきた小坂。レース頻度こそ下がったものの、パワーデータ上では従来よりも高い数値を出すなど良い状態でCXシーズンインできたという。「中国2連戦(千森杯)はあまり上手くいかなかったので、今回勝利できて安心しました。もちろん今年の目標は全日本ですが、今年は国内UCIレースが増えたので、世界選手権で有利に進める上でも積極的にUCIポイントを重ねていきたいと考えています」。
小坂が独走勝利したおよそ30秒後、前田と中里が激しくスプリント勝負を繰り広げた。中里先行だったものの、スプリント中のバンプの処理で失速し、対してロスなくこなした前田が先着し2位を確保。その後ろでは後続グループから抜け出た中村龍太郎(SNEL CYCLOCROSS TEAM)が単独4位でフィニッシュした。
「昨年2位だった全日本選手権で今年は勝ちたい」と語る前田。「4月からずっとレースをこなしているのですが、全日本にピークを上手く持っていきたい」、とも。対して3位に敗れた中里は「まだまだテクニック面で学ばなければいけないことがたくさんある。けれどアメリカ遠征で世界トップ選手の走りを見たことは大きな刺激になりました。全日本と、チームの本拠地である野辺山シクロクロスにピークを合わせたい」と抱負を口にした。
17名が出走したCL1では、スタート直後から地脚で他を圧倒する唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)と今井美穂(CO2bicycle)の2人が抜け出す展開に。「今日は唐見さんのコースだったので、どこまで付いていけるかが課題だった」と振り返る今井に対して、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)は先頭に立って淡々とペースを刻んでいく。2周目の長いストレートで今井が遅れると、後は唐見の独壇場。そのままテンポを刻み、この大会2年連続勝利を飾った。
「今日はちょっとバテてしまいました。30分くらいで腕が上がってしまいペースが落ちたのですが、今日は勝ちだけを目指してきたので結果的には良かったですね。後続とどのくらい差を付けられるかが自分のテーマだったのですが、他の選手は私よりもテクニックがあるので、直線で離しても差を詰められたりと若干苦しかった。今年は全日本選手権でしっかり勝負に絡む目標があるのですが、そのためにはもっとテクニックを磨かないといけません。そこまでにレベルの上がるJCXレースを上手く利用して、身体の使い方などを上達させていければと考えています」。
先々週に茨城で動き出した国内シクロクロスカレンダーは、10月の3連休最終日に本格的なシーズンインを告げるJCXシリーズ初戦を迎えた。今年UCIレースに格上げされた茨城シクロクロス第2戦には各カテゴリー合わせて500名近い過去最高人数が集い、会場は大きな盛り上がりに包まれた。
一部区間を除き、常時シクロクロスの練習用に解放されている小貝川リバーサイドパーク。今年はUCI化に伴ってストレート区間が伸び、テクニカル区間が簡略化されたためパワーライダー有利なコースが出来上がった。加えてこの日は季節外れの暑さが会場を包み、大多数のエリート選手たちがバイクや背中にボトルを装備する中で熱戦が繰り広げられることとなる。
男子エリートレースに挑んだのはMTBシーズン終盤の海外遠征を行っている全日本王者の沢田時(ブリヂストンアンカー)と、ヨーロッパ遠征中の竹之内悠(東洋フレーム)を除く86名のトップレーサーたち。60分間の戦いは9月末に開催されたCoupe du Japon妙高で表彰台に乗るなど好感触を掴んでいた小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)の好スタートで幕開けた。
テクニックの差が現れるセクションが少ないため、地脚に秀でる選手がパックを率いる一方、悪コンディションに長ける選手達は苦しい戦いを強いられる。小坂と前田公平&織田聖の弱虫ペダルサイクリングチームコンビ、重田兼吾(TeamCUORE)、アメリカでワールドカップ2連戦を走った中里仁(Speedvagen Family Racing)、斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)、門田基志(TEAM GIANT)、丸山厚(BOMA/ROND BICYCLE)、國井敏夫(MilePost BMC Racing)というメンバーが一丸となって高速巡航した。
小坂と、レース前に体調を崩していたという前田がハイペースを刻むその後ろでは、一人、また一人とパックから脱落し、中盤になる頃には中里を含めた3名に絞り込まれる。すると「(中里)仁がコーナーで苦戦していること、(前田)公平にミスが目立ってキツそうにしていることに気づいていた」と言う小坂が攻撃を仕掛けた。
断続的なペースアップに「まだ下手な部分が多くコーナーの度に若干遅れ、回復に力を使ってしまった」と振り返る中里が遅れ、次なるアタックで前田も後退。狙い通りにライバルを振り落とした小坂がフィニッシュまで続く独走に持ち込んだ。
ぐいぐいとリードを築く小坂の後ろでは、脚攣りによってペースダウンした前田に中里が合流する。2人はパックを組んだものの、スムーズな走りで逃げる小坂は20秒以上先。独走となってからもペースを落とさず、3周回を走りきった小坂が先頭でフィニッシュ。平均速度26.63km/hという高速レースを制し、ここ小貝川で大会3連覇を成し遂げた。
今年のグリーンシーズンはミヤタ・メリダバイキングチームの一員としてMTBに集中してきた小坂。レース頻度こそ下がったものの、パワーデータ上では従来よりも高い数値を出すなど良い状態でCXシーズンインできたという。「中国2連戦(千森杯)はあまり上手くいかなかったので、今回勝利できて安心しました。もちろん今年の目標は全日本ですが、今年は国内UCIレースが増えたので、世界選手権で有利に進める上でも積極的にUCIポイントを重ねていきたいと考えています」。
小坂が独走勝利したおよそ30秒後、前田と中里が激しくスプリント勝負を繰り広げた。中里先行だったものの、スプリント中のバンプの処理で失速し、対してロスなくこなした前田が先着し2位を確保。その後ろでは後続グループから抜け出た中村龍太郎(SNEL CYCLOCROSS TEAM)が単独4位でフィニッシュした。
「昨年2位だった全日本選手権で今年は勝ちたい」と語る前田。「4月からずっとレースをこなしているのですが、全日本にピークを上手く持っていきたい」、とも。対して3位に敗れた中里は「まだまだテクニック面で学ばなければいけないことがたくさんある。けれどアメリカ遠征で世界トップ選手の走りを見たことは大きな刺激になりました。全日本と、チームの本拠地である野辺山シクロクロスにピークを合わせたい」と抱負を口にした。
17名が出走したCL1では、スタート直後から地脚で他を圧倒する唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)と今井美穂(CO2bicycle)の2人が抜け出す展開に。「今日は唐見さんのコースだったので、どこまで付いていけるかが課題だった」と振り返る今井に対して、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)は先頭に立って淡々とペースを刻んでいく。2周目の長いストレートで今井が遅れると、後は唐見の独壇場。そのままテンポを刻み、この大会2年連続勝利を飾った。
「今日はちょっとバテてしまいました。30分くらいで腕が上がってしまいペースが落ちたのですが、今日は勝ちだけを目指してきたので結果的には良かったですね。後続とどのくらい差を付けられるかが自分のテーマだったのですが、他の選手は私よりもテクニックがあるので、直線で離しても差を詰められたりと若干苦しかった。今年は全日本選手権でしっかり勝負に絡む目標があるのですが、そのためにはもっとテクニックを磨かないといけません。そこまでにレベルの上がるJCXレースを上手く利用して、身体の使い方などを上達させていければと考えています」。
男子エリート(2.5km×11周回=27.5km)
1位 | 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム) | 1h01’58” |
2位 | 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +28” |
3位 | 中里仁(Speedvagen Family Racing) | +29” |
4位 | 中村龍太郎(SNEL CYCLOCROSS TEAM) | +1’10” |
5位 | 重田兼吾(TeamCUORE) | +1’12” |
6位 | 國井敏夫(MilePost BMC Racing) | |
7位 | 斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT) | +1’27” |
8位 | 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +2’03” |
9位 | 宮津旭(PAX PROJECT) | +2’16” |
10位 | 門田基志(TEAM GIANT) | +2’20” |
女子エリート(2.5km×7周回=17.5km)
1位 | 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 43’37” |
2位 | 今井美穂(CO2bicycle) | +1’38” |
3位 | 西山みゆき(ToyoFrame) | +2’56” |
4位 | 西形舞(TRC PanamaReds) | +2’59” |
5位 | 坂本沙弥(TeamCUORE) | +3’19” |
6位 | 福本千佳(Live GARDEN Bici Stelle) | +3’38” |
7位 | 上田順子(ダム部) | +4’07” |
8位 | 林口ゆきえ(Live GARDEN Bici Stelle) | +4’20” |
9位 | 松本璃奈(TEAM GRM) | +5’03” |
10位 | 智野真央(SNEL CYCLOCROSSTEAM) | +5’16” |
C2
1位 | 小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM) | 36’16” |
2位 | 重田恵杜(TeamCUORE/市立柏高校) | +50” |
3位 | 秋葉龍之助(RinRinRacing) | +51” |
4位 | 中川峻太郎(042-703-9122) | +57” |
5位 | 積田連(Team CHAINRING) | +1’09” |
6位 | 小林正樹(TeamRuedaNAGOYA) | +1’28” |
C3
1位 | 松本一成(TEAM SCOTT) | 24’51” |
2位 | 上野悠佑太(TEAM GRM) | +09” |
3位 | 中島渉(Limited Team 846/Team-K) | +46” |
C4A
1位 | 川崎隼輔(カレーハムスターCX Team) | 25’40” |
2位 | 小川浩司(team-giro-cx) | +04” |
3位 | 鷲巣悟(RiseRide) | +17” |
C4B
1位 | 明瀬颯磨 | 25’14” |
2位 | 田中将人(TANAKA BEE YARD) | +01” |
3位 | 塙亜樹徳 | +02” |
CM1
1位 | 岡部智仁(竹芝サイクルクロスレーシング) | 37’31” |
2位 | 浜頭恭(AX) | +00” |
3位 | 伊澤一嘉(Tonic CX Team Japan) | +04” |
CM2+3
1位 | 米山修(チーム埼玉県人) | 19’40” |
2位 | 朝倉誠(サイクルショップマティーノ) | +04” |
3位 | 賀来成能(茨城CXレーシングチーム) | +15” |
CL2
1位 | 渡部春雅(GIANT港北Liv) | 20’38” |
2位 | 野口祈 | +1’03” |
3位 | 中島瞳(Limited Team 846/Team-K) | +1’10” |
CK1
1位 | 三上将醐(チーム隼アスリチューン) | 17’27” |
2位 | 郷津輝 | +53” |
3位 | 伊勢田朱生(Team AKUS) | +1’11” |
CK2
1位 | 飯塚嵐(RinRinRacing) | 15’36” |
2位 | 佐竹清亮(イオンバイクJr.レーシング) | +10” |
3位 | 山田駿太郎(茨城CXレーシングチーム) | +15” |
CK3
1位 | 高橋翔(cycleclub3UP) | 13’45” |
2位 | 遠藤弓弦 | +19” |
3位 | 水上央渉(ブリッツェン ステラ) | +1’06” |
U15
1位 | 永野昇海(イナーメ信濃山形) | 27’17” |
2位 | 小林温(ProRide) | +12” |
text:So.Isobe
photo:Kei.Tsuji
photo:Kei.Tsuji
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