2017/08/31(木) - 22:44
学連所属選手が頂点に位置付けるインカレが松本市美鈴湖自転車競技場で始まった。スプリント予選で沢田桂太郎(日本大)が10秒302で学連新、岡本二菜(日本体育大)が11秒442で大会新など初日トラック予選では各種目で好記録が続出した。
今年は高速バンクの美鈴湖とロードは大町美麻
全日本大学対抗選手権自転車競技会、通称インカレが8月31日(木)から4日間の日程で長野県松本市美鈴湖自転車競技場で始まった。3日間は美鈴湖競技場(333m)でのトラック競技で、最終日は大町市美麻でのロードレースだ。学連所属選手にとって大学対抗の名を冠するこの大会は各校が威信をかけて戦うものであり、最もステータスの高い大会として知られる。会場には各校の応援旗が並び、多くのOBやOGが集結する晴れの舞台だ。
団体2種目の配点が約1.5倍に変更
初日はトラックの各予選が行われたが、標高1000mの高速バンクで好記録が続出。レベルの高い大会になっている。各種目の個人成績はもちろんだが大学対抗の総合成績が大きく注目の的となる。大会初日の結果は強豪校・強豪選手はおおむね順当に予選を通過しており、日本大がやや有利な状況だ。今年からの変更点はトラック団体種目(チームパーシュート、チームスプリント)の配点が約1.5倍になったことだ。たとえば1位は9点から14点へ、2位は7点から12点、3位は6点から10点などだ。
男子スプリント予選では沢田が小原佑太(朝日大)の持つ大会記録10秒392そして野上竜太の持つ学連記録10秒361を上回るタイムで1番時計。沢田はロード全日本チャンピオンの経歴や、10日前までマディソンのレースでドイツに遠征するなど多方面に活躍しており、極短距離でも才能を見せている。女子スプリント予選は岡本が塚越さくらの大会記録11秒645を破る11秒442で1番時計。なお学連記録=日本記録は前田佳代乃の11秒014だ。
タンデムスプリントは日本大と法政大が大会記録を更新した。いっぽうで総合優勝を狙う鹿屋体育大は入賞圏外となった。個人追抜きの始まった14時過ぎからは曇り空が広がり肌寒さを感じるほど。風が終始吹くようになり軒並みタイムが最低でも5秒は落ちる状況に。その中で女子は梶原悠未(筑波大)が3分46秒917でトップタイムだ。梶原は昨年にこの美鈴湖で3分37秒112の日本記録を樹立しており、風の影響がうかがい知れよう。
男子個人追抜きは松下綾馬(京都産業大)が4分37秒884のトップタイムを出し、第一人者の今村駿介(中央大)や松本憲斗(鹿屋体育大)らより上に位置している。女子チームスプリント予選でも日本体育大と八戸学院大が大会記録を出した。八戸学院大はスタートが乱れたため、決勝では僅差の戦いが予想される。
気になる総合成績は、日本大学がやや有利で鹿屋体育大が続く状況だ。だがまだ初日であり、1種目に2人出られるもう一つの1kmTTやポイントが約1.5倍になる団体2種目のウェイトが大きいため、まだどの大学にも可能性がある。昨年まで男子総合4連覇の鹿屋体育大に今年大きく立ちはだかるのは、多くの強豪選手をそろえる日本大だ。2012年まで男子総合30連覇の金字塔を打ち立てたその強さの復活なるか、あるいは御三家の中央大、法政大そして各大学がいかに立ち向かうか、大いに注目される。
以下に予選結果をお伝えしよう。
男子スプリント予選 200m
1位 沢田桂太郎(日本大)10秒302 学連新
2位 堀航輝(鹿屋体育大)10秒402
3位 荒川仁(明治大)10秒430
4位 坂井洋(日本大)10秒445
女子スプリント予選 200m
1位 岡本二菜(日本体育大)11秒442 大会新
2位 西島叶子(鹿屋体育大)11秒727
タンデムスプリント予選 333m
1位 日本大(照井、山本)17秒087 大会新
2位 法政大(鈴木、高橋)17秒231 大会新
3位 東北学院大(中込、鈴木)17秒343
4位 早稲田大(中井、安倍)17秒441
5位 明治大(田川、甲斐)17秒485
6位 日本体育大(佐々木、桑名)17秒593
7位 中央大(村田、東矢)17秒681
8位 朝日大(中村、畝木)17秒768
女子3km インディヴィデュアルパーシュート予選
1位 梶原悠未(筑波大)3分46秒917 決勝戦へ
2位 中井彩子(鹿屋体育大)3分50秒818 決勝戦へ
3位 古山稀絵(日本体育大)3分50秒985 3-4位決定戦へ
4位 橋本優弥(鹿屋体育大)3分51秒394 3-4位決定戦へ
5位 中村愛花(日本体育大)4分04秒551 以下順位確定
6位 菅原朱音(八戸学院大)4分05秒405
男子4km インディヴィデュアルパーシュート予選
1位 松下綾馬(京都産業大)4分37秒884 決勝戦へ
2位 今村駿介(中央大)4分39秒572 決勝戦へ
3位 松本憲斗(鹿屋体育大)4分40秒714 3-4位決定戦へ
4位 永田吏玖(朝日大)4分42秒782 3-4位決定戦へ
5位 貝原涼太(日本大)4分44秒681 以下順位確定
6位 眞砂英作(明治大)4分45秒559
7位 安田開(日本体育大)4分45秒864
8位 畑頌聡(慶應義塾大)4分47秒194
女子チームスプリント予選
1位 日本体育大(岡本、松本)46秒996 学連新 決勝戦へ
2位 八戸学院大(清水、伊藤)47秒734 学連新 決勝戦へ
3位 鹿屋体育大(西島、内村)48秒776 3-4位決定戦へ
4位 順天堂大(横山、平井)49秒110 3-4位決定戦へ
5位 早稲田大(池田、小泉)49秒722 以下順位確定
6位 新潟大(澤口、高橋)57秒588
photo&text:高木秀彰
今年は高速バンクの美鈴湖とロードは大町美麻
全日本大学対抗選手権自転車競技会、通称インカレが8月31日(木)から4日間の日程で長野県松本市美鈴湖自転車競技場で始まった。3日間は美鈴湖競技場(333m)でのトラック競技で、最終日は大町市美麻でのロードレースだ。学連所属選手にとって大学対抗の名を冠するこの大会は各校が威信をかけて戦うものであり、最もステータスの高い大会として知られる。会場には各校の応援旗が並び、多くのOBやOGが集結する晴れの舞台だ。
団体2種目の配点が約1.5倍に変更
初日はトラックの各予選が行われたが、標高1000mの高速バンクで好記録が続出。レベルの高い大会になっている。各種目の個人成績はもちろんだが大学対抗の総合成績が大きく注目の的となる。大会初日の結果は強豪校・強豪選手はおおむね順当に予選を通過しており、日本大がやや有利な状況だ。今年からの変更点はトラック団体種目(チームパーシュート、チームスプリント)の配点が約1.5倍になったことだ。たとえば1位は9点から14点へ、2位は7点から12点、3位は6点から10点などだ。
男子スプリント予選では沢田が小原佑太(朝日大)の持つ大会記録10秒392そして野上竜太の持つ学連記録10秒361を上回るタイムで1番時計。沢田はロード全日本チャンピオンの経歴や、10日前までマディソンのレースでドイツに遠征するなど多方面に活躍しており、極短距離でも才能を見せている。女子スプリント予選は岡本が塚越さくらの大会記録11秒645を破る11秒442で1番時計。なお学連記録=日本記録は前田佳代乃の11秒014だ。
タンデムスプリントは日本大と法政大が大会記録を更新した。いっぽうで総合優勝を狙う鹿屋体育大は入賞圏外となった。個人追抜きの始まった14時過ぎからは曇り空が広がり肌寒さを感じるほど。風が終始吹くようになり軒並みタイムが最低でも5秒は落ちる状況に。その中で女子は梶原悠未(筑波大)が3分46秒917でトップタイムだ。梶原は昨年にこの美鈴湖で3分37秒112の日本記録を樹立しており、風の影響がうかがい知れよう。
男子個人追抜きは松下綾馬(京都産業大)が4分37秒884のトップタイムを出し、第一人者の今村駿介(中央大)や松本憲斗(鹿屋体育大)らより上に位置している。女子チームスプリント予選でも日本体育大と八戸学院大が大会記録を出した。八戸学院大はスタートが乱れたため、決勝では僅差の戦いが予想される。
気になる総合成績は、日本大学がやや有利で鹿屋体育大が続く状況だ。だがまだ初日であり、1種目に2人出られるもう一つの1kmTTやポイントが約1.5倍になる団体2種目のウェイトが大きいため、まだどの大学にも可能性がある。昨年まで男子総合4連覇の鹿屋体育大に今年大きく立ちはだかるのは、多くの強豪選手をそろえる日本大だ。2012年まで男子総合30連覇の金字塔を打ち立てたその強さの復活なるか、あるいは御三家の中央大、法政大そして各大学がいかに立ち向かうか、大いに注目される。
以下に予選結果をお伝えしよう。
男子スプリント予選 200m
1位 沢田桂太郎(日本大)10秒302 学連新
2位 堀航輝(鹿屋体育大)10秒402
3位 荒川仁(明治大)10秒430
4位 坂井洋(日本大)10秒445
女子スプリント予選 200m
1位 岡本二菜(日本体育大)11秒442 大会新
2位 西島叶子(鹿屋体育大)11秒727
タンデムスプリント予選 333m
1位 日本大(照井、山本)17秒087 大会新
2位 法政大(鈴木、高橋)17秒231 大会新
3位 東北学院大(中込、鈴木)17秒343
4位 早稲田大(中井、安倍)17秒441
5位 明治大(田川、甲斐)17秒485
6位 日本体育大(佐々木、桑名)17秒593
7位 中央大(村田、東矢)17秒681
8位 朝日大(中村、畝木)17秒768
女子3km インディヴィデュアルパーシュート予選
1位 梶原悠未(筑波大)3分46秒917 決勝戦へ
2位 中井彩子(鹿屋体育大)3分50秒818 決勝戦へ
3位 古山稀絵(日本体育大)3分50秒985 3-4位決定戦へ
4位 橋本優弥(鹿屋体育大)3分51秒394 3-4位決定戦へ
5位 中村愛花(日本体育大)4分04秒551 以下順位確定
6位 菅原朱音(八戸学院大)4分05秒405
男子4km インディヴィデュアルパーシュート予選
1位 松下綾馬(京都産業大)4分37秒884 決勝戦へ
2位 今村駿介(中央大)4分39秒572 決勝戦へ
3位 松本憲斗(鹿屋体育大)4分40秒714 3-4位決定戦へ
4位 永田吏玖(朝日大)4分42秒782 3-4位決定戦へ
5位 貝原涼太(日本大)4分44秒681 以下順位確定
6位 眞砂英作(明治大)4分45秒559
7位 安田開(日本体育大)4分45秒864
8位 畑頌聡(慶應義塾大)4分47秒194
女子チームスプリント予選
1位 日本体育大(岡本、松本)46秒996 学連新 決勝戦へ
2位 八戸学院大(清水、伊藤)47秒734 学連新 決勝戦へ
3位 鹿屋体育大(西島、内村)48秒776 3-4位決定戦へ
4位 順天堂大(横山、平井)49秒110 3-4位決定戦へ
5位 早稲田大(池田、小泉)49秒722 以下順位確定
6位 新潟大(澤口、高橋)57秒588
photo&text:高木秀彰
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