一級山岳クンブレ・デル・ソルでマイヨロホが力を見せつけたブエルタ・ア・エスパーニャ第9ステージ。9日間の戦いを終え、休息日を前にした選手たちのコメントを紹介していきます。



久しぶりのステージ勝利を果たしたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)

マイヨロホのリードを更に広げたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)マイヨロホのリードを更に広げたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Unipublic/Photogomez Sport
2年前のこの峠で、デュムランに敗北を喫したことが今朝も頭の中にあった。その時のビデオをチームバスの中で何度も見返し、どこでアタックするのが最適なのかを分析してきたんだ。脚はとても素晴らしい調子で、いいポジションで登りに入ることが出来た。

でもチャベスがラスト300mで追いついてきたのを確認したときは、デュムランの様なアタックを仕掛けるのではないかと思ったよ。だから、それを阻止するために最後は全てを出し切ったんだ。この勝利を掴みとれたのは本当に嬉しい気分だ。チームは今日もいい仕事をしてくれたよ。特にニエベの働きは最高だった。僕にとってこれ以上ないペーシングをしてくれたんだ。

ステージ2位に入り総合でも2位につけるエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)

フルームに勝てる、と思ったんだ。でも残り100mで彼は僕らを見ると、もう一度アタックした。負けてしまったけれど、僕にとってみればいい結果だよ。2年前はもっと多くのタイムをこの峠で失ったのはとても苦い記憶だ。その時より今は経験を積んで、より成長し冷静に走ることが出来たのは、とても大切なことだと思う。

総合でのポジションをキープし、他のライバル達に差を付けることが出来たのはとても良かった。チームは、いつものようにスーパーな仕事ぶりだったよ。本当に彼らには頭が上がらない。ここまで9日間を走ってきたけど、明日はやっと一息つけるよ。

ステージ4位に入ったウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)

ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)とイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ)は8秒遅れの4位と5位ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)とイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ)は8秒遅れの4位と5位 photo:CorVosどんどん調子が良くなっていくのを感じている。クンブレ・デル・ソルへのアプローチで、チームは僕をしっかりと集団の前へ送り届けてくれた。

とにかく、最後の直登では全力で走ったけれど、スプリントで4位に入ることが出来るくらいには脚が残っていた。サム(・オーメン)と一緒に8位に入ることが出来たのも、とても素晴らしい結果だと思う。

ステージ6位 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)

アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)は12秒遅れのステージ6位アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)は12秒遅れのステージ6位 photo:CorVosラストのヒルクライムはかなり短かったね。いいパフォーマンスを発揮できる日もあれば、そうじゃない日もある。今日の僕は、ステージを獲るための脚が無かったけれど、振り返ってみればそう悪い結果では無かった。

キャノンデールは一日中集団を牽引して、とても辛そうだったね。クンブレ・デル・ソルは驚くほど速いペースだった。フルームがアタックするだろうとは思っていたんだ。彼はとても強く、ライバルたちに圧倒的な差を付けることを好む選手だ。僕に対しては大きなタイム差を付けているけれど、総合上位につける選手たちに対してはまだ決定的な差はつけられていないから、今日彼がアタックしたことは何も不思議じゃない。

第1週目はとても良い走りが出来た、と言いたいところだけれども、アンドラのステージで多くのタイムを失ってしまった。でも、実はかなり楽観的に構えてもいるんだ。ここからのステージは、なにが起こってもおかしくない。フルームの強さは明らかだけれど、マドリードはまだまだ先だ。

ステージ7位 ダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ)

12秒差のステージ7位でゴールするダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ)12秒差のステージ7位でゴールするダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ) photo:CorVos今日の登りはこれまで走ったことが無かったんだ。正直、仕掛けたのは早すぎたと思っているし、失敗だった。でも、ほとんどタイムを失うことが無かったのはとてもいい傾向だと思う。このブエルタで、僕がどれくらいの強さなのか、それも大体わかってきた。

総合でも1分と少しの差で、来週の山岳ステージには自信を持って臨むことが出来る。明日の休息日はとても大切な一日になるはず。そこから先はとても厳しいステージが続くから、可能な限り回復に努める必要がある。

総合3位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング)

今日はこれまでとは異なる、とてもジメジメとした暑さだった。海が近いからだろう。僕は乾燥した地域でよく練習しているから、今日のような天気はかなり堪えるね。とにかく集団から離れないようにしつつ、自分のペースを守って走ることに専念していた。ラストの500mは、100%以上の力を出し切る必要があると思っていたからね。

ライバルたちが最終コーナーでアタックを掛けていたけれど、僕にとっては遠すぎると感じた。コーナーを回って、ラスト500mのストレートに入ったとき、もうフィニッシュラインまでもがききる以外の選択肢が無いと悟ったよ。とにかくこのハードな9日間を走り切ることが出来て幸せだよ。この休息日を今の順位で迎えることが出来たのは、チームメイトたちの助けがあったからこそ。明日からは、また違ったタイプの山岳ステージが現れる。来週の戦いも、きっと今週と同じように激しいものになるだろうね。

総合7位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)

明日の休息日を満喫するつもりだよ!という冗談はさておき、ブエルタの最初のパートを終えることができた。ツール明けで、少し疲労が溜まっていたことは否めない。でも、ブエルタにはまだまだチャレンジングなステージが残っている。総合では決定的なタイム差はまだついていない。残る2週間で自分の調子が上向いてくることを願っているよ。

敢闘賞を獲得したマルク・ソレール(スペイン、モビスター)

敢闘賞を獲得したマルク・ソレール(スペイン、モビスター)敢闘賞を獲得したマルク・ソレール(スペイン、モビスター) photo:Unipublic/Photogomez Sport
今年のブエルタはかなり良い調子でレースを進めることが出来ている。ステージを経るごとにいい方向へと向かっているんだ。エスケープが出来た時、チーム総合成績で争っているUAEが集団を牽き始めたけれど、キャノンデールがバトンを受け継いだ。彼らは3分以上の時間を僕らに許してはくれなかった。

逃げ切るのは難しいだろうと思っていたけれど、出来ることは全て試したよ。僕らを捕まえるのはかなり難しいことだと示すことは出来たはずだ。ルドウィグソンと最初の登りをこなした時、タイム差が思ったよりも縮まらなかったから、出来るところまで逃げてみようと話し合った。

まだこのブエルタで何か大きなことを成し遂げるチャンスはあると感じている。2週目の登りは、これまでより長くなるけれど、斜度は緩くなる。1週目のような激坂よりも自分にはマッチしているはずなんだ。ただ、多くのライバルがいるから、そうそう上手くいくとは思えないけどね。

text:Naoki.Yasuoka
photo:CorVos

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