2017/08/26(土) - 09:27
ユネスコ世界遺産に登録された城塞都市クエンカに至るブエルタ第7ステージで、マテイ・モホリッチ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が独走勝利。メイン集団ではチームスカイが鉄壁の走りを貫いた。
ブエルタ・ア・エスパーニャ7日目は、リリアからクエンカまでを走る今大会最長距離となる207km。レース中盤から標高1,000m前後の高地を進み、ユネスコ世界遺産に指定された城塞都市クエンカにたどり着く。
一旦クエンカ市内のスプリントポイント通過後に、選手たちは最後の3級山岳カスティーリョ峠(長さ2km/平均7.2%)にアタックする。残り11.7km地点でピークを迎えるこの登りは旧市街を貫くメインストリートで、その路面は全面石畳。道幅3mほどの石造りの城門も通過する。予想通りこの登りが勝負を分けることとなる。
この日はリアルスタート前に落車が起きニュートラル区間が延長される波乱の幕開け。逃げグループにチャンスがあるコース設定であるため、アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)、アレクシ・グジャール(フランス、AG2Rラモンディアール)、マテイ・モホリッチ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)ら、逃げの常連メンバー14名が11km地点で逃げ始めた。
マイヨロホのクリストファー・フルーム(イギリス)擁するチームスカイはペースを緩め、逃げを容認。「今日は全てをコントロール下に置き続けることができたと思う。昨日ほどクレイジーな展開ではなかったし、イアン・スタナードとクリスティアン・クネースがプロトンを牽き切ってくれた。彼らに大きな感謝を伝えたい」とフルームが言うように、元イギリス、元ドイツ王者がタイム差を8分程度でコントロールし続けた。
快調にペースを刻む先頭グループでは、2つの3級山岳をいずれもデヘントが先頭通過し、山岳ポイント首位を独走するダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)に次いで2位に浮上する。
後方のメイン集団では、前日にティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)の落車に巻き込まれたカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、モビスター)がDNF。レース中盤を過ぎて起きた落車ではメルハウィ・クドス(エリトリア、ディメンションデータ)がリタイアに追い込まれてしまう。ディメンションデータは第1週にして4人目のリタイアを出す結果に。
残り45kmからは数kmに渡る吹きさらしの強風区間が登場し、一時中切れも発生したが、第2ステージでクイックステップが見せたような横風分断作戦は発動せず。総合系メンバーは全員集団前をキープしたことで、大きな展開には繋がらなかった。
全力でローテーションを続ける先頭14名は終盤にかけてタイム差を9分台までに広げたことで、逃げ切りに青信号を灯らせる。すると残り20kmを切って、ランドアバウトを利用したモホリッチのアタックを機にステージ優勝に向けた戦いがスタートした。
モホリッチと、追従したグジャールは10秒ほどのリードを得て最後の3級山岳カスティーリョ峠に突入する。破壊力のある石畳の直登でグジャールが遅れ、後方を走っていたラファエル・レイス(ポルトガル)はオートバイと接触して落車。プッシュを続けたモホリッチにはデヘント、パウェル・ポリャンスキー(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)、ホセ・ロハス(スペイン、モビスター)が合流したものの、続くアップダウンで再びモホリッチの独走が始まった。
ダウンヒルで「フルームポジション」を駆使して逃げるモホリッチ。「終盤のコースレイアウトは僕のスキルにぴったりマッチしていた」と振り返る元ジュニア世界王者は、必死に追走するデヘントらを大きく引き離して最終ストレートに到達し、最後はジャージのUAEをアピールしつつガッツポーズ。2016年10月のツアー・オブ・ハイナン第6ステージに続く勝利を収めた。
「信じられない気分だよ!暫く勝利から遠ざかっていたのでとても嬉しい。別の日にも逃げに加わっていたけれど、その時はコースが自分向きではなくてベストを尽くしたものの4位に終わってしまっていた。今日はとても体調が良かったこともあってチームが逃げに送り込んでくれ、そのあとは終盤に向けてなるべくエネルギーを消費しないように努めていたんだ。チャンスをくれたチームに報いる勝利になったよ」とモホリッチはゴール後のインタビューで喜びを語っている。
メイン集団はチームスカイ勢を先頭に8分半遅れでフィニッシュ。逃げに乗ったイェツセ・ボル(オランダ、マンサナ・ポストボン)が総合7位にジャンプアップしている。メイン集団では最後のカスティーリョ峠では抜け出しも掛かったが、鉄壁の防御を見せたチームスカイが封じ込め、その後のアップダウン区間でもハイペースを刻んでアタックを一切許さなかった。
翌第8ステージは、ゴールまでわずか1.9kmの場所に1級山岳ショレト・デ・カティ頂上が置かれている。ステージ全体の難易度が低いため、最大勾配18%にも至るこの登坂では激しいあアタック合戦が繰り広げられるはず。激坂を得意としないフルームがどう守るかに注目が集まる。
ブエルタ・ア・エスパーニャ7日目は、リリアからクエンカまでを走る今大会最長距離となる207km。レース中盤から標高1,000m前後の高地を進み、ユネスコ世界遺産に指定された城塞都市クエンカにたどり着く。
一旦クエンカ市内のスプリントポイント通過後に、選手たちは最後の3級山岳カスティーリョ峠(長さ2km/平均7.2%)にアタックする。残り11.7km地点でピークを迎えるこの登りは旧市街を貫くメインストリートで、その路面は全面石畳。道幅3mほどの石造りの城門も通過する。予想通りこの登りが勝負を分けることとなる。
この日はリアルスタート前に落車が起きニュートラル区間が延長される波乱の幕開け。逃げグループにチャンスがあるコース設定であるため、アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)、アレクシ・グジャール(フランス、AG2Rラモンディアール)、マテイ・モホリッチ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)ら、逃げの常連メンバー14名が11km地点で逃げ始めた。
マイヨロホのクリストファー・フルーム(イギリス)擁するチームスカイはペースを緩め、逃げを容認。「今日は全てをコントロール下に置き続けることができたと思う。昨日ほどクレイジーな展開ではなかったし、イアン・スタナードとクリスティアン・クネースがプロトンを牽き切ってくれた。彼らに大きな感謝を伝えたい」とフルームが言うように、元イギリス、元ドイツ王者がタイム差を8分程度でコントロールし続けた。
快調にペースを刻む先頭グループでは、2つの3級山岳をいずれもデヘントが先頭通過し、山岳ポイント首位を独走するダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)に次いで2位に浮上する。
後方のメイン集団では、前日にティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)の落車に巻き込まれたカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、モビスター)がDNF。レース中盤を過ぎて起きた落車ではメルハウィ・クドス(エリトリア、ディメンションデータ)がリタイアに追い込まれてしまう。ディメンションデータは第1週にして4人目のリタイアを出す結果に。
残り45kmからは数kmに渡る吹きさらしの強風区間が登場し、一時中切れも発生したが、第2ステージでクイックステップが見せたような横風分断作戦は発動せず。総合系メンバーは全員集団前をキープしたことで、大きな展開には繋がらなかった。
全力でローテーションを続ける先頭14名は終盤にかけてタイム差を9分台までに広げたことで、逃げ切りに青信号を灯らせる。すると残り20kmを切って、ランドアバウトを利用したモホリッチのアタックを機にステージ優勝に向けた戦いがスタートした。
モホリッチと、追従したグジャールは10秒ほどのリードを得て最後の3級山岳カスティーリョ峠に突入する。破壊力のある石畳の直登でグジャールが遅れ、後方を走っていたラファエル・レイス(ポルトガル)はオートバイと接触して落車。プッシュを続けたモホリッチにはデヘント、パウェル・ポリャンスキー(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)、ホセ・ロハス(スペイン、モビスター)が合流したものの、続くアップダウンで再びモホリッチの独走が始まった。
ダウンヒルで「フルームポジション」を駆使して逃げるモホリッチ。「終盤のコースレイアウトは僕のスキルにぴったりマッチしていた」と振り返る元ジュニア世界王者は、必死に追走するデヘントらを大きく引き離して最終ストレートに到達し、最後はジャージのUAEをアピールしつつガッツポーズ。2016年10月のツアー・オブ・ハイナン第6ステージに続く勝利を収めた。
「信じられない気分だよ!暫く勝利から遠ざかっていたのでとても嬉しい。別の日にも逃げに加わっていたけれど、その時はコースが自分向きではなくてベストを尽くしたものの4位に終わってしまっていた。今日はとても体調が良かったこともあってチームが逃げに送り込んでくれ、そのあとは終盤に向けてなるべくエネルギーを消費しないように努めていたんだ。チャンスをくれたチームに報いる勝利になったよ」とモホリッチはゴール後のインタビューで喜びを語っている。
メイン集団はチームスカイ勢を先頭に8分半遅れでフィニッシュ。逃げに乗ったイェツセ・ボル(オランダ、マンサナ・ポストボン)が総合7位にジャンプアップしている。メイン集団では最後のカスティーリョ峠では抜け出しも掛かったが、鉄壁の防御を見せたチームスカイが封じ込め、その後のアップダウン区間でもハイペースを刻んでアタックを一切許さなかった。
翌第8ステージは、ゴールまでわずか1.9kmの場所に1級山岳ショレト・デ・カティ頂上が置かれている。ステージ全体の難易度が低いため、最大勾配18%にも至るこの登坂では激しいあアタック合戦が繰り広げられるはず。激坂を得意としないフルームがどう守るかに注目が集まる。
ステージ成績
1位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 4:43:35 |
2位 | パウェル・ポリャンスキー(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:16 |
3位 | ホセ・ロハス(スペイン、モビスター) | |
4位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) | |
5位 | アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、 BMCレーシング) | 0:00:27 |
6位 | フローリス・デティエ(ベルギー、ロットNLユンボ) | |
7位 | イェツセ・ボル(オランダ、マンサナ・ポストボン) | 0:00:29 |
8位 | ルイス・マテマルドネス(スペイン、コフィディス) | 0:01:21 |
9位 | アントニー・ペレス(フランス、コフィディス) | 0:01:32 |
10位 | アルノー・クールテイユ(フランス、エフデジ) | |
18位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 0:08:38 |
19位 | サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) | |
21位 | エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット) | |
22位 | アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) | |
24位 | ダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ) | |
26位 | ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング) | |
33位 | ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
39位 | マイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック) | |
41位 | ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) | |
43位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) | |
DNF | ラリー・ワーバス(アメリカ、アクアブルースポート) | |
DNF | ヨナス・ヴァンヘネヒテン(ベルギー、コフィディス) | |
DNF | メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ) | |
DNS | カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、モビスター) | |
敢闘賞 | ルイス・マテマルドネス(スペイン、コフィディス) |
マイヨロホ(個人総合成績)
1位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 27:46:51 |
2位 | エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット) | 0:00:11 |
3位 | ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング) | 0:00:13 |
4位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) | 0:00:30 |
5位 | ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:00:36 |
6位 | ダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ) | 0:00:40 |
7位 | イェツセ・ボル(オランダ、マンサナ・ポストボン) | 0:00:46 |
8位 | ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) | 0:00:49 |
9位 | アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) | 0:00:50 |
10位 | マイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック) | 0:01:13 |
マイヨプントス(ポイント賞)
1位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 49pts |
2位 | パウェル・ポリャンスキー(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 44pts |
3位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 43pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)
1位 | ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) | 38pts |
2位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) | 17pts |
3位 | ダルウィン・アタプマ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | 12pts |
マイヨコンビナーダ(複合賞)
1位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 14pts |
2位 | エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) | 32pts |
3位 | ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング) | 42pts |
チーム総合成績
1位 | モビスター | 83:39:47 |
2位 | UAEチームエミレーツ | 0:02:45 |
3位 | アスタナ | 0:08:27 |
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