2017/08/24(木) - 03:18
最大勾配20%の3級山頂フィニッシュでアレクセイ・ルツェンコが逃げ切り勝利。セレクションがかかったメイン集団はアルベルト・コンタドールを先頭にフィニッシュし、クリストファー・フルームがマイヨロホを守った。
2017年のブエルタ・ア・エスパーニャには合計9つの山頂フィニッシュが設定されている。第5ステージに登場する3級山岳エルミタ・デ・サンタルチア(長さ3.4km/平均4.2%)が今大会最初の山頂フィニッシュ。バレンシア州の山岳地帯を進む175.7kmコースは序盤から2級、3級、2級、2級とカテゴリー山岳が連続し、最後はアルコセブレの街と地中海を見下ろすサンタルチア修道院に続く山道を進む。公式発表の平均勾配4.2%という数字に反して実際の平均勾配は9%オーバーで、最大勾配20%の急勾配区間も登場する激坂フィニッシュが選手たちを待ち受けた。
体調不良によって欠場を決めたジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)を欠く192名がスタート。すでに総合タイムを失っているジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)やマルク・ソレール(スペイン、モビスター)、メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ)を含む17名の逃げが開始早々に始まった。
メイン集団から概ね3〜4分半のリードを得た逃げグループ。序盤から連続して登場した4つのカテゴリー山岳はいずれも山岳賞ジャージを着るダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)の手に渡る。この日だけで18ポイントを稼いだヴィレッラは山岳賞ランキングの首位を独走中だ。
フィニッシュまで50kmを残した最後の2級山岳セッラテッリャ峠通過時点で、逃げグループとメイン集団のタイム差は依然として4分40秒。チームスカイに逃げ吸収の意志はなく、山岳系アシストではない大柄なクリスティアン・クネース(ドイツ)とイアン・スタナード(イギリス)が長時間にわたってメイン集団を牽引した。
逃げ切りが濃厚となった先頭17名の中から最初に動いたのは、2級山岳の下りを利用して飛び出したマルコ・ハラー(オーストリア、カチューシャ・アルペシン)。ここにマテイ・モホリッチ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)とアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)が合流して先頭は3名。力尽きたモホリッチの脱落によってルツェンコとハラーの2名が逃げ続ける展開となり、追走グループに30秒差、メイン集団に7分30秒差をつけて残り10kmアーチを通過していく。
そして残り4kmを切って始まった3級山岳エルミタ・デ・サンタルチアの登坂。本格的な登りが始まると先頭2名の登坂力に差が出始め、本来スプリンターのリードアウト役を務めるハラーが脱落してルツェンコの独走が始まる。ペースを守って急勾配区間を登りきったルツェンコが、単独追走したクドゥスやソレールらを振り切った。
チームスカイではなくBMCレーシングがリードするメイン集団は6分遅れで登りに突入。最大勾配20%の急勾配区間でマイヨロホのためにジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)が先頭でペースを作ると、ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)やロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)が相次いで脱落していく。
モスコンが仕事を終えると残り600mでフルームがアタック。真っ先に反応したのはエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)で、アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)、マイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック)だけがマイヨロホに食らいついた。こうして形成された精鋭グループの中にヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)やファビオ・アル(イタリア、アスタナ)の姿はなかった。
ダンシングを多用するコンタドールがシッティング&ハイケイデンスで進むフルームを抜いて先頭へ。前々日のアンドラステージで胃腸トラブルによって2分以上遅れながらもコンディションを戻したコンタドールが4分31秒遅れの集団先頭でフィニッシュした。
コンタドールと同タイムでフィニッシュしたのはフルーム、ウッズ、チャベスの3名だけ。フルームを基準にすると、ヴァンガーデレンは8秒、アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)やニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング)、アルは11秒、ニーバリは26秒、バルデは49秒遅れる結果となった。
ブエルタらしい激坂フィニッシュで逃げ切り勝利を射止めたルツェンコは「最後の登りはとてもハードだった。カチューシャの選手(ハラー)の助けも得て逃げたけど、向かい風が強くて苦しんだよ。大好きなブエルタで厳しいステージを制することができてよかった。ブエルタでは初出場の2014年にステージ2位。ツール・ド・フランスで落車してしまったものの、しっかり回復してこのブエルタに照準を合わせていたんだ。ロード世界選手権に向けても良いコンディショニングができている。これがキャリアで最高の勝利だ」と、今シーズン初勝利を喜ぶ。2016年にパリ〜ニースで逃げ切り勝利を飾っているが、グランツールのステージ優勝はこれが初めて。
そしてマイヨロホはフルームがキープした。「たった3kmの登りだったけど、徐々に総合成績のタイムが定着してきた。ツールを良い形で終えて、再び調子を作ってブエルタに挑むことができている」と、フルームは自身のコンディションに満足している様子だ。「今日はライバルたちの調子が良く分かった。エステバン・チャベスの登坂力は今大会最高クラスで、アルベルト・コンタドールも復活。ティージェイ・ヴァンガーデレンも強かったし、ニコラス・ロッシュもいるBMCレーシングには選択肢がある。逆にヴィンチェンツォ・ニーバリやファビオ・アル、ロマン・バルデの失速は意外だった。でもブエルタはまだ長い。標高のある山岳が登場すると様相がガラッと変わるかもしれない」。
第5ステージを終えて総合首位フルームと総合2位ヴァンガーデレンのタイム差は10秒、総合3位チャベスとの差は11秒。復調したコンタドールは3分10秒遅れている。スプリンター向き&逃げ切り向きの2ステージを挟んで、総合争いは第8ステージで再び熱を帯びる。
2017年のブエルタ・ア・エスパーニャには合計9つの山頂フィニッシュが設定されている。第5ステージに登場する3級山岳エルミタ・デ・サンタルチア(長さ3.4km/平均4.2%)が今大会最初の山頂フィニッシュ。バレンシア州の山岳地帯を進む175.7kmコースは序盤から2級、3級、2級、2級とカテゴリー山岳が連続し、最後はアルコセブレの街と地中海を見下ろすサンタルチア修道院に続く山道を進む。公式発表の平均勾配4.2%という数字に反して実際の平均勾配は9%オーバーで、最大勾配20%の急勾配区間も登場する激坂フィニッシュが選手たちを待ち受けた。
体調不良によって欠場を決めたジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)を欠く192名がスタート。すでに総合タイムを失っているジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)やマルク・ソレール(スペイン、モビスター)、メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ)を含む17名の逃げが開始早々に始まった。
メイン集団から概ね3〜4分半のリードを得た逃げグループ。序盤から連続して登場した4つのカテゴリー山岳はいずれも山岳賞ジャージを着るダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)の手に渡る。この日だけで18ポイントを稼いだヴィレッラは山岳賞ランキングの首位を独走中だ。
フィニッシュまで50kmを残した最後の2級山岳セッラテッリャ峠通過時点で、逃げグループとメイン集団のタイム差は依然として4分40秒。チームスカイに逃げ吸収の意志はなく、山岳系アシストではない大柄なクリスティアン・クネース(ドイツ)とイアン・スタナード(イギリス)が長時間にわたってメイン集団を牽引した。
逃げ切りが濃厚となった先頭17名の中から最初に動いたのは、2級山岳の下りを利用して飛び出したマルコ・ハラー(オーストリア、カチューシャ・アルペシン)。ここにマテイ・モホリッチ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)とアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)が合流して先頭は3名。力尽きたモホリッチの脱落によってルツェンコとハラーの2名が逃げ続ける展開となり、追走グループに30秒差、メイン集団に7分30秒差をつけて残り10kmアーチを通過していく。
そして残り4kmを切って始まった3級山岳エルミタ・デ・サンタルチアの登坂。本格的な登りが始まると先頭2名の登坂力に差が出始め、本来スプリンターのリードアウト役を務めるハラーが脱落してルツェンコの独走が始まる。ペースを守って急勾配区間を登りきったルツェンコが、単独追走したクドゥスやソレールらを振り切った。
チームスカイではなくBMCレーシングがリードするメイン集団は6分遅れで登りに突入。最大勾配20%の急勾配区間でマイヨロホのためにジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)が先頭でペースを作ると、ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)やロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)が相次いで脱落していく。
モスコンが仕事を終えると残り600mでフルームがアタック。真っ先に反応したのはエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)で、アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)、マイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック)だけがマイヨロホに食らいついた。こうして形成された精鋭グループの中にヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)やファビオ・アル(イタリア、アスタナ)の姿はなかった。
ダンシングを多用するコンタドールがシッティング&ハイケイデンスで進むフルームを抜いて先頭へ。前々日のアンドラステージで胃腸トラブルによって2分以上遅れながらもコンディションを戻したコンタドールが4分31秒遅れの集団先頭でフィニッシュした。
コンタドールと同タイムでフィニッシュしたのはフルーム、ウッズ、チャベスの3名だけ。フルームを基準にすると、ヴァンガーデレンは8秒、アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)やニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング)、アルは11秒、ニーバリは26秒、バルデは49秒遅れる結果となった。
ブエルタらしい激坂フィニッシュで逃げ切り勝利を射止めたルツェンコは「最後の登りはとてもハードだった。カチューシャの選手(ハラー)の助けも得て逃げたけど、向かい風が強くて苦しんだよ。大好きなブエルタで厳しいステージを制することができてよかった。ブエルタでは初出場の2014年にステージ2位。ツール・ド・フランスで落車してしまったものの、しっかり回復してこのブエルタに照準を合わせていたんだ。ロード世界選手権に向けても良いコンディショニングができている。これがキャリアで最高の勝利だ」と、今シーズン初勝利を喜ぶ。2016年にパリ〜ニースで逃げ切り勝利を飾っているが、グランツールのステージ優勝はこれが初めて。
そしてマイヨロホはフルームがキープした。「たった3kmの登りだったけど、徐々に総合成績のタイムが定着してきた。ツールを良い形で終えて、再び調子を作ってブエルタに挑むことができている」と、フルームは自身のコンディションに満足している様子だ。「今日はライバルたちの調子が良く分かった。エステバン・チャベスの登坂力は今大会最高クラスで、アルベルト・コンタドールも復活。ティージェイ・ヴァンガーデレンも強かったし、ニコラス・ロッシュもいるBMCレーシングには選択肢がある。逆にヴィンチェンツォ・ニーバリやファビオ・アル、ロマン・バルデの失速は意外だった。でもブエルタはまだ長い。標高のある山岳が登場すると様相がガラッと変わるかもしれない」。
第5ステージを終えて総合首位フルームと総合2位ヴァンガーデレンのタイム差は10秒、総合3位チャベスとの差は11秒。復調したコンタドールは3分10秒遅れている。スプリンター向き&逃げ切り向きの2ステージを挟んで、総合争いは第8ステージで再び熱を帯びる。
ステージ成績
1位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 4:24:58 |
2位 | メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ) | 0:00:42 |
3位 | マルク・ソレール(スペイン、モビスター) | 0:00:56 |
4位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 0:01:11 |
5位 | アレクシ・グジャール(フランス、AG2Rラモンディアール) | 0:01:24 |
6位 | マルコ・ハラー(オーストリア、カチューシャ・アルペシン) | 0:01:37 |
7位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) | 0:01:40 |
8位 | イェツセ・ボル(オランダ、マンサナ・ポストボン) | 0:02:04 |
9位 | マトヴィ・マミキン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) | 0:02:18 |
10位 | ジェレミー・メゾン(フランス、エフデジ) | 0:02:31 |
13位 | アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) | 0:04:31 |
14位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | |
15位 | マイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック) | |
16位 | エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット) | |
17位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) | 0:04:39 |
18位 | アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) | 0:04:42 |
19位 | ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング) | |
20位 | ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) | |
30位 | ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:04:57 |
39位 | ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:05:20 |
DNS | ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード) | |
DNF | ヨウセフ・レグイグイ(アルジェリア、ディメンションデータ) | |
敢闘賞 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) |
マイヨロホ(個人総合成績)
1位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 18:07:10 |
2位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) | 0:00:10 |
3位 | エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット) | 0:00:11 |
4位 | ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング) | 0:00:13 |
5位 | ダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ) | 0:00:23 |
6位 | ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:00:36 |
7位 | ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) | 0:00:49 |
8位 | アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) | 0:00:50 |
9位 | サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) | 0:01:09 |
10位 | マイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック) | 0:01:13 |
マイヨプントス(ポイント賞)
1位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 49pts |
2位 | ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 31pts |
3位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 29pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)
1位 | ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) | 30pts |
2位 | ルイス・マス(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA) | 11pts |
3位 | アレクサンドル・ジェニエス(フランス、アージェードゥーゼール) | 10pts |
マイヨコンビナーダ(複合賞)
1位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 15pts |
2位 | エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) | 26pts |
3位 | ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング) | 37pts |
チーム総合成績
1位 | アスタナ | 53:49:09 |
2位 | モビスター | 0:01:58 |
3位 | オリカ・スコット | 0:02:01 |
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