2017/07/16(日) - 06:02
ロデーズの600m登りスプリントでベルギー勢を下したマイケル・マシューズがステージ優勝。ポジションを落とした状態で登りに挑んだファビオ・アルがタイムを失い、クリストファー・フルームがマイヨジョーヌを奪回した。
中央山塊(マシフ・サントラル)を走るツール第14ステージ。トゥールーズをスタートする前半は比較的平坦だが、後半にかけて2つの3級山岳を含む細かいアップダウンが組み込まれている。しかもロデーズのフィニッシュ地点はパンチのある登り基調。残り600mから平均勾配9.6%の登りが続くためピュアスプリンター向きではない。
正式スタートとともにトマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)がアタックすると、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)、マキシム・ブエ(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)、ティモ・ルーセン(オランダ、ロットNLユンボ)の3名がすぐにジョイン。レト・ホレンシュタイン(スイス、カチューシャ・アルペシン)が出遅れながらも追走の末に合流し、14km地点で先頭では5名の逃げグループが形成された。
3分まで広がったタイム差をすぐに詰めにかかったのはBMCレーシングで、サンウェブとバーレーン・メリダもここに合流する。登れるスプリンターやパンチャーを抱えるこれらのチームの集団コントロールによってタイム差が2分前後で推移したままレースは進んだ。
逃げグループから遅れること2分でスプリントポイント(55.5km地点)に差し掛かったメイン集団ではこの日1回目のスプリントが繰り広げられ、マイヨヴェールを着るマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)がマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)を下している(それぞれ10ポイントと9ポイント獲得)。途中リタイアしたファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)を欠くメイン集団が、逃げる5名を2分遅れで追う展開のままレースは後半に入った。
後半のアップダウン区間に入ってもサンウェブとBMCレーシングが集団コントロールを続け、横風が吹いたことも影響してピュアスプリンターたちが脱落していく。先頭では徐々に脚の差が出始め、デヘントとヴォクレールの2人が逃げを継続。2つの3級山岳はいずれもデヘントの手に渡っている。
メイン集団とのタイム差が縮まりつつある中、デヘントがヴォクレールを置き去りにして単独での逃げを敢行した。ペースを上げて追撃するメイン集団相手に最後まで抵抗したデヘント。しかし残り20kmで1分というリードは小さすぎた。ステージ敢闘賞を獲得したデヘントは残り13kmで吸収されている。
細かい登りと下りを繰り返すコースで続いてトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)がアタックを仕掛けたものの、サンウェブが世界TTチャンピオンの動きを封じる。カチューシャ・アルペシンは攻撃の手を緩めず、続いてマウリス・ラメルティンク(オランダ)がアタック。ここにダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)とニキアス・アルント(ドイツ、サンウェブ)がチェックに入り、遅れてピエールリュック・ペリション(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)も合流した。
協調体制を築けない先頭4名はペースが上がらず、チームスカイ率いるメイン集団によって吸収。そこからはディメンションデータやクイックステップフロアーズが主導権を握り、ロデーズの街に向かうダウンヒルをハイスピードでこなした。チームメイトに守られたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)が集団前方をキープした一方で、単騎のファビオ・アル(イタリア、アスタナ)はポジションを落としてしまう。
フラムルージュを過ぎ、残り600mのコーナーを曲がって登りに突入するとまずベルギーチャンピオンのオリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール)がアタック。登りで徐々に勢いを失ったナーセンに代わって先頭に立ったのは前ベルギーチャンピオンのフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)だった。
しかし新旧ベルギーチャンピオンの登りスプリントはいずれも伸びず、残り200mで今度はグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)が先頭を奪う。すると、コーナー外側から鋭く加速したマシューズがヴァンアーヴェルマートに並び、登りの頂上を目視で確認してから下を向いてスプリントを継続。登りでヴァンアーヴェルマートを振り切ったマシューズが先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた。
ツールで2年連続ステージ優勝を飾ったマシューズは「すべてが作戦通りだった。チームは一日中メイン集団の先頭に立って状況をコントロール。逃げグループとのタイム差を抑え込むために力を使ったので最後はチームメイトから孤立すると思っていたけど、最後まで2〜3人が自分の周りにいてくれた」と、チームメイトに感謝する。
マシューズはこの日と同じフィニッシュレイアウトの2015年第13ステージで17位。リベンジを達成したマシューズは「2年前もこのロデーズで勝利を狙っていたのに、落車で肋骨を4本折った状態だったので勝負できなかった。だからこのステージに舞い戻って、勝利で締めくくるなんて夢のようだ」と語っている。ステージ優勝によってマイヨヴェールのキッテルとの差は99ポイントまで縮まっている。
集団前方のステージ7位(1秒遅れ)でフィニッシュしたフルームに対し、登り始めの時点で後方に沈んでいたマイヨジョーヌのファビオ・アル(イタリア、アスタナ)はステージ30位(25秒遅れ)。これにより総合成績が逆転し、フルームがマイヨジョーヌに返り咲いた。
「2年前にこのフィニッシュを経験していたことが大いに役立った。マイヨジョーヌ奪回はチームワークの賜物。無線を通してチームメイトから『アルの位置が悪い』と聞いて、登りでプッシュし続けた。ツールも後半に入り、1秒も無駄にできない状況が続いている。マイヨジョーヌに再び袖を通すことは信じられない気持ちだ」と、再びマイヨジョーヌに袖を通したフルーム。第14ステージを終えて総合2位アルとのタイム差は18秒。総合争いは依然として僅差の状態が続いている。
中央山塊(マシフ・サントラル)を走るツール第14ステージ。トゥールーズをスタートする前半は比較的平坦だが、後半にかけて2つの3級山岳を含む細かいアップダウンが組み込まれている。しかもロデーズのフィニッシュ地点はパンチのある登り基調。残り600mから平均勾配9.6%の登りが続くためピュアスプリンター向きではない。
正式スタートとともにトマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)がアタックすると、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)、マキシム・ブエ(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)、ティモ・ルーセン(オランダ、ロットNLユンボ)の3名がすぐにジョイン。レト・ホレンシュタイン(スイス、カチューシャ・アルペシン)が出遅れながらも追走の末に合流し、14km地点で先頭では5名の逃げグループが形成された。
3分まで広がったタイム差をすぐに詰めにかかったのはBMCレーシングで、サンウェブとバーレーン・メリダもここに合流する。登れるスプリンターやパンチャーを抱えるこれらのチームの集団コントロールによってタイム差が2分前後で推移したままレースは進んだ。
逃げグループから遅れること2分でスプリントポイント(55.5km地点)に差し掛かったメイン集団ではこの日1回目のスプリントが繰り広げられ、マイヨヴェールを着るマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)がマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)を下している(それぞれ10ポイントと9ポイント獲得)。途中リタイアしたファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)を欠くメイン集団が、逃げる5名を2分遅れで追う展開のままレースは後半に入った。
後半のアップダウン区間に入ってもサンウェブとBMCレーシングが集団コントロールを続け、横風が吹いたことも影響してピュアスプリンターたちが脱落していく。先頭では徐々に脚の差が出始め、デヘントとヴォクレールの2人が逃げを継続。2つの3級山岳はいずれもデヘントの手に渡っている。
メイン集団とのタイム差が縮まりつつある中、デヘントがヴォクレールを置き去りにして単独での逃げを敢行した。ペースを上げて追撃するメイン集団相手に最後まで抵抗したデヘント。しかし残り20kmで1分というリードは小さすぎた。ステージ敢闘賞を獲得したデヘントは残り13kmで吸収されている。
細かい登りと下りを繰り返すコースで続いてトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)がアタックを仕掛けたものの、サンウェブが世界TTチャンピオンの動きを封じる。カチューシャ・アルペシンは攻撃の手を緩めず、続いてマウリス・ラメルティンク(オランダ)がアタック。ここにダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)とニキアス・アルント(ドイツ、サンウェブ)がチェックに入り、遅れてピエールリュック・ペリション(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)も合流した。
協調体制を築けない先頭4名はペースが上がらず、チームスカイ率いるメイン集団によって吸収。そこからはディメンションデータやクイックステップフロアーズが主導権を握り、ロデーズの街に向かうダウンヒルをハイスピードでこなした。チームメイトに守られたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)が集団前方をキープした一方で、単騎のファビオ・アル(イタリア、アスタナ)はポジションを落としてしまう。
フラムルージュを過ぎ、残り600mのコーナーを曲がって登りに突入するとまずベルギーチャンピオンのオリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール)がアタック。登りで徐々に勢いを失ったナーセンに代わって先頭に立ったのは前ベルギーチャンピオンのフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)だった。
しかし新旧ベルギーチャンピオンの登りスプリントはいずれも伸びず、残り200mで今度はグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)が先頭を奪う。すると、コーナー外側から鋭く加速したマシューズがヴァンアーヴェルマートに並び、登りの頂上を目視で確認してから下を向いてスプリントを継続。登りでヴァンアーヴェルマートを振り切ったマシューズが先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた。
ツールで2年連続ステージ優勝を飾ったマシューズは「すべてが作戦通りだった。チームは一日中メイン集団の先頭に立って状況をコントロール。逃げグループとのタイム差を抑え込むために力を使ったので最後はチームメイトから孤立すると思っていたけど、最後まで2〜3人が自分の周りにいてくれた」と、チームメイトに感謝する。
マシューズはこの日と同じフィニッシュレイアウトの2015年第13ステージで17位。リベンジを達成したマシューズは「2年前もこのロデーズで勝利を狙っていたのに、落車で肋骨を4本折った状態だったので勝負できなかった。だからこのステージに舞い戻って、勝利で締めくくるなんて夢のようだ」と語っている。ステージ優勝によってマイヨヴェールのキッテルとの差は99ポイントまで縮まっている。
集団前方のステージ7位(1秒遅れ)でフィニッシュしたフルームに対し、登り始めの時点で後方に沈んでいたマイヨジョーヌのファビオ・アル(イタリア、アスタナ)はステージ30位(25秒遅れ)。これにより総合成績が逆転し、フルームがマイヨジョーヌに返り咲いた。
「2年前にこのフィニッシュを経験していたことが大いに役立った。マイヨジョーヌ奪回はチームワークの賜物。無線を通してチームメイトから『アルの位置が悪い』と聞いて、登りでプッシュし続けた。ツールも後半に入り、1秒も無駄にできない状況が続いている。マイヨジョーヌに再び袖を通すことは信じられない気持ちだ」と、再びマイヨジョーヌに袖を通したフルーム。第14ステージを終えて総合2位アルとのタイム差は18秒。総合争いは依然として僅差の状態が続いている。
H3
ツール・ド・フランス2017第14ステージ結果
ステージ成績
1位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | 4:21:56 |
2位 | グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) | |
3位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | 0:01 |
4位 | フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | |
5位 | ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
6位 | ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
7位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | |
8位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) | |
9位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック) | |
10位 | ティエシー・ブノート(ベルギー、ロット・ソウダル) | 0:05 |
118位 | 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) | 12:03 |
敢闘賞 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 59:52:09 |
2位 | ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) | 0:18 |
3位 | ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール・ラモンディアール) | 0:23 |
4位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック) | 0:29 |
5位 | ミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ) | 1:17 |
6位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) | 1:26 |
7位 | サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) | 2:02 |
8位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 2:22 |
9位 | ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAEチームエミレーツ) | 5:09 |
10位 | アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) | 5:37 |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ) | 373pts |
2位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | 274pts |
3位 | アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) | 187pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
チーム総合成績
1位 | チームスカイ | 179:42:14 |
2位 | アージェードゥーゼール | 19:07 |
3位 | モビスター | 1:02:31 |
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