2017/06/24(土) - 14:52
6月23日開催の全日本選手権ロードレースU23はサバイバルレースの様相を呈し、横山航太(シマノレーシング)が3名のスプリントを制して勝利を遂げた。レース終盤に単独先行していた野本空(明治大学)が2位、3位に山本大喜(鹿屋体育大学)が入った。
青森県階上町の14.0kmのコースを10周する合計140.0kmのU23のレースは、梅雨とは思えぬ太陽が照りつける中、午前8:00にスタート。1周目は5名の逃げが形成され、23秒差で4名が追走、集団とは最大39秒差がついた。
2周目に入ると前半、集団から新城銀二(那須ブラーゼン)ら3名ほどが飛び出すも、5名全てを集団が吸収、ほぼ1つとなってコントロールラインを通過していく。
3周目の途中から、新城銀二と新田東弥(鹿屋体育大学)がアタック。集団と25秒差をつける。そこから新城銀二が単独先頭となり、新田に5秒差をつけて残り4km地点を過ぎるまでそのままで推移した。周回終盤に差し掛かると北野龍人(立命館大学)が集団から飛び出して新城銀二に合流し、2名の逃げに変わる。集団からは30秒程度の差をつけるも、集団も差を詰め、約20秒差で4周目へと入った。
4周回目で再び集団は一つになり、細かいアタックがあるものの、集団にすぐに反応され、吸収する展開を繰り返した。70名ほどに絞られた集団の中からは鹿屋体育大学の冨尾大地が終盤の上りで飛び出し、周回終了時には11秒の差をつけていく。
5周目でこの逃げに集団から横山航太、岡本隼(愛三工業レーシング)、渡邊歩(La Bande)が抜け出しを図り、冨尾に追いつく。さらに6名ほどが先頭への追走を試みるも、集団がこれを許さず結局集団は1つとなった。
この周回の終盤に入り、新城雄大(EQADS)が単独アタックを敢行。このアタックにより集団も分断し、新城雄大の後に25-6名、さらに離れて10数名と続き、レース中盤を迎えて徐々に選手間の力の差が出始める。新城雄大と後続集団は10秒ほどの差を保ち、ゴール前の上りをクリアしていった。
6周目の後半には集団からアタックが起き、新城雄大も含み先頭の人数は7名に。そのすぐ後を岡本隼、横山航太、武山晃輔が追う。彼らが追いつきつつ10〜11名の小集団で7周回目を迎えた。
レース終盤に差し掛かり、追走集団も人数が絞られてコンパクトになりつつも、この小集団を捉える。花田聖誠がアタックする場面も見られたが、これも集団は許さなかったが、ようやく2名のアタックが発生。メンバーは中井唯晶(京都産業大学)と冨尾大地。そこへ単独で野本空(明治大学)が追いつき3名となった。集団との差は徐々に開き、最終的に33秒差をつけて8周回目へ。この時点で追走集団は19名ほどに。第3集団は2分14秒差となる。8周回に入ったのは出走125名中39名となった。
3名と集団とのタイム差は徐々に広がり、約1分程。この間に横山航太が単独で追走を図り、30秒後ろで追いかける。集団からは横山を追って山本大喜がアタック。単独で横山との差を詰めて、2人での追走となる。この周回の1回目の上りで、レース中盤を積極的に展開していた新城雄大がパンクして遅れる。マヴィックカーのサポートを受けてホイールを交換し復帰するも、集団には戻れないままゴールする事となった。
先頭は中井、富尾、野本3名変わらず、横山と山本大喜まで47秒差、集団には55秒をつけ、残り2周回。9周回目に入ることのできた選手は僅か29名。ここでは差をつけることが出来なかった横山と山本がひとまず集団に合流。この集団はすでに絞られて9名となり、先頭3名を45秒で追いかける形となった。
協調していた先頭の3名も上りで分解。協調体制が崩れ、ここから野本が独走を開始した。中井と冨尾は集団に吸収され、集団もさらにドロップがあり、メンバーを入れ替えて9名の人数を保った。
この野本の独走は力強く、集団とのタイムギャップは47秒まで開いていった。この時点で集団のメンバーは、岡本隼、横山航太、小山貴大(シマノレーシング)、安田京介(京都産業大学)、中井唯晶、山本大喜、大町健斗、冨尾大地、渡邉歩。ここから一時渡邊が遅れた。
集団からは再び横山と山本大喜がアタックをかけ、さらに小山と安田、大町が追いつき5名で野本への追走を開始する。これに遅れを取った3名に平坦路で渡邊復帰して第3集団は4名に。最終周回へと向かう上りでも野本が独走をキープしたが、5名とは28秒まで詰まり、長い直線ではその背中が見える状況となった。第3集団は渡邊が引いて最終周回へと入り、前半積極的な走りを見せた新城銀二が3分以上遅れ単独通過していく。
独走を続ける野本だったが、1対9ではあまりにも分が悪かった。残り10kmを過ぎて20秒とタイムギャップの短縮を許し、後続集団にも動きがあり、大町、安田がドロップ。追走は横山、山本大喜、小山に、さらにここから横山と山本大喜が先行し、この2名が野本を追い詰めていく。
1つめの上りに入ると、野本がついに吸収され、先頭は3名となる。山本大喜が1回目の上りを終えて飛び出し、単独先行した状態での勝利を狙うも横山が反応し、この攻撃を潰した。2回目の上りに入ってからは、野本と横山が先行。アタックで脚を使った山本大喜はここで一旦遅れを取ったが、上り終えてから復帰した。この3名の後は、小山と安田が追走。その後に岡本隼、冨尾大地、大町が追った。
残り3キロを切って再度山本大喜がアタックしたが、これも横山が反応して決まらず。野本がやや遅れるも追いつくなど、アタック合戦の様相を呈しつつ最後の上りに差し掛かった。一旦塊となった3名は、残り300メートルあたりから、スプリントを開始。この上りスプリントで横山航太が野本空を2秒、山本大喜を5秒引き離してゴール。力強く右拳を振り上げ、U23の全日本チャンピオンジャージを手にした喜びを表した。
青森県階上町の14.0kmのコースを10周する合計140.0kmのU23のレースは、梅雨とは思えぬ太陽が照りつける中、午前8:00にスタート。1周目は5名の逃げが形成され、23秒差で4名が追走、集団とは最大39秒差がついた。
2周目に入ると前半、集団から新城銀二(那須ブラーゼン)ら3名ほどが飛び出すも、5名全てを集団が吸収、ほぼ1つとなってコントロールラインを通過していく。
3周目の途中から、新城銀二と新田東弥(鹿屋体育大学)がアタック。集団と25秒差をつける。そこから新城銀二が単独先頭となり、新田に5秒差をつけて残り4km地点を過ぎるまでそのままで推移した。周回終盤に差し掛かると北野龍人(立命館大学)が集団から飛び出して新城銀二に合流し、2名の逃げに変わる。集団からは30秒程度の差をつけるも、集団も差を詰め、約20秒差で4周目へと入った。
4周回目で再び集団は一つになり、細かいアタックがあるものの、集団にすぐに反応され、吸収する展開を繰り返した。70名ほどに絞られた集団の中からは鹿屋体育大学の冨尾大地が終盤の上りで飛び出し、周回終了時には11秒の差をつけていく。
5周目でこの逃げに集団から横山航太、岡本隼(愛三工業レーシング)、渡邊歩(La Bande)が抜け出しを図り、冨尾に追いつく。さらに6名ほどが先頭への追走を試みるも、集団がこれを許さず結局集団は1つとなった。
この周回の終盤に入り、新城雄大(EQADS)が単独アタックを敢行。このアタックにより集団も分断し、新城雄大の後に25-6名、さらに離れて10数名と続き、レース中盤を迎えて徐々に選手間の力の差が出始める。新城雄大と後続集団は10秒ほどの差を保ち、ゴール前の上りをクリアしていった。
6周目の後半には集団からアタックが起き、新城雄大も含み先頭の人数は7名に。そのすぐ後を岡本隼、横山航太、武山晃輔が追う。彼らが追いつきつつ10〜11名の小集団で7周回目を迎えた。
レース終盤に差し掛かり、追走集団も人数が絞られてコンパクトになりつつも、この小集団を捉える。花田聖誠がアタックする場面も見られたが、これも集団は許さなかったが、ようやく2名のアタックが発生。メンバーは中井唯晶(京都産業大学)と冨尾大地。そこへ単独で野本空(明治大学)が追いつき3名となった。集団との差は徐々に開き、最終的に33秒差をつけて8周回目へ。この時点で追走集団は19名ほどに。第3集団は2分14秒差となる。8周回に入ったのは出走125名中39名となった。
3名と集団とのタイム差は徐々に広がり、約1分程。この間に横山航太が単独で追走を図り、30秒後ろで追いかける。集団からは横山を追って山本大喜がアタック。単独で横山との差を詰めて、2人での追走となる。この周回の1回目の上りで、レース中盤を積極的に展開していた新城雄大がパンクして遅れる。マヴィックカーのサポートを受けてホイールを交換し復帰するも、集団には戻れないままゴールする事となった。
先頭は中井、富尾、野本3名変わらず、横山と山本大喜まで47秒差、集団には55秒をつけ、残り2周回。9周回目に入ることのできた選手は僅か29名。ここでは差をつけることが出来なかった横山と山本がひとまず集団に合流。この集団はすでに絞られて9名となり、先頭3名を45秒で追いかける形となった。
協調していた先頭の3名も上りで分解。協調体制が崩れ、ここから野本が独走を開始した。中井と冨尾は集団に吸収され、集団もさらにドロップがあり、メンバーを入れ替えて9名の人数を保った。
この野本の独走は力強く、集団とのタイムギャップは47秒まで開いていった。この時点で集団のメンバーは、岡本隼、横山航太、小山貴大(シマノレーシング)、安田京介(京都産業大学)、中井唯晶、山本大喜、大町健斗、冨尾大地、渡邉歩。ここから一時渡邊が遅れた。
集団からは再び横山と山本大喜がアタックをかけ、さらに小山と安田、大町が追いつき5名で野本への追走を開始する。これに遅れを取った3名に平坦路で渡邊復帰して第3集団は4名に。最終周回へと向かう上りでも野本が独走をキープしたが、5名とは28秒まで詰まり、長い直線ではその背中が見える状況となった。第3集団は渡邊が引いて最終周回へと入り、前半積極的な走りを見せた新城銀二が3分以上遅れ単独通過していく。
独走を続ける野本だったが、1対9ではあまりにも分が悪かった。残り10kmを過ぎて20秒とタイムギャップの短縮を許し、後続集団にも動きがあり、大町、安田がドロップ。追走は横山、山本大喜、小山に、さらにここから横山と山本大喜が先行し、この2名が野本を追い詰めていく。
1つめの上りに入ると、野本がついに吸収され、先頭は3名となる。山本大喜が1回目の上りを終えて飛び出し、単独先行した状態での勝利を狙うも横山が反応し、この攻撃を潰した。2回目の上りに入ってからは、野本と横山が先行。アタックで脚を使った山本大喜はここで一旦遅れを取ったが、上り終えてから復帰した。この3名の後は、小山と安田が追走。その後に岡本隼、冨尾大地、大町が追った。
残り3キロを切って再度山本大喜がアタックしたが、これも横山が反応して決まらず。野本がやや遅れるも追いつくなど、アタック合戦の様相を呈しつつ最後の上りに差し掛かった。一旦塊となった3名は、残り300メートルあたりから、スプリントを開始。この上りスプリントで横山航太が野本空を2秒、山本大喜を5秒引き離してゴール。力強く右拳を振り上げ、U23の全日本チャンピオンジャージを手にした喜びを表した。
全日本選手権ロードレース2017 U23 結果
1位 | 横山航太(シマノレーシング) | 3h39'05" |
2位 | 野本空(明治大学) | +00'02" |
3位 | 山本大喜(鹿屋体育大学) | +00'05" |
4位 | 安田京介(京都産業大学) | +00'40" |
5位 | 小山貴大(シマノレーシング) | +00'55" |
6位 | 岡本隼(愛三工業レーシング) | +02'19" |
7位 | 大町健斗(チームユーラシア・IRCタイヤ) | +02'20" |
8位 | 冨尾大地(鹿屋体育大学) | +02'26" |
9位 | 中井唯晶(京都産業大学) | +04'30" |
10位 | 渡邉歩(La Bande) | +04'38" |
photo: Hideaki Takagi
text: Yuichiro Hosoda, So Isobe
text: Yuichiro Hosoda, So Isobe
Amazon.co.jp