2017/06/10(土) - 08:15
ツール・ド・フランスにも登場する超級山岳モン=デュ=シャの急勾配の登りと下りでマイヨジョーヌ候補が激突。精鋭4名のスプリントでヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)が勝利し、リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)が総合首位に立った。
2017年のクリテリウム・デュ・ドーフィネの中で最難関山岳とされる超級山岳モン=デュ=シャ(全長8.7km/平均勾配10.3%)が第6ステージに登場した。平均勾配が10%を超え、中盤にかけてコンスタントに勾配14〜15%を刻む。頂上通過後、テクニカルな15kmのダウンヒル区間を経てフィニッシュを迎える。なお、超級山岳モン=デュ=シャの急勾配の登りとテクニカルな下りの組み合わせは7月のツール・ド・フランス第9ステージにも登場する(ツールのフィニッシュ地点はこの日の7km先)。
ドーフィネ山岳3連戦の初日にあたるこの日は別府史之(トレック・セガフレード)の家に近いヴィラール=レ=ドンブの野鳥公園をスタート。ツールに照準を合わすアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)やソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)はスタートしなかった。
9km地点で形成されたのはセルジュ・パウエルス(ベルギー、ディメンションデータ)やオリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール)を含む6名の逃げグループ。レース中盤に8分半まで広がったタイム差を詰めたのはアージェードゥーゼールとBMCレーシングだった。それぞれロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)とリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)のために集団を率い、逃げグループから4分遅れで超級山岳モン=デュ=シャの登坂をスタートさせた。
急勾配の登りでBMCレーシングがペースを刻むと、マイヨジョーヌのトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)をはじめとして多くの選手が脱落する。すると、頂上まで9kmを残してアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が真っ先にアタック。ここにファビオ・アル(イタリア、アスタナ)やエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)らが追いついたが、バルベルデらの動きはその他の総合優勝候補たちにやがては引き戻される。
先頭単独で粘り続けたナーセンを追う形でヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)らがアタックを仕掛けると、バルベルデやアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)が脱落。単独でフルサングに追いついたファビオ・アル(イタリア、アスタナ)がそのまま先頭ナーセンをパスし、ジロ・デ・イタリア欠場の悔しさを晴らすように超級山岳モン=デュ=シャの頂上を単独でクリアしてみせた。
急勾配の登りでコンタドールらをふるい落としたリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)とクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)は、前走のフルサングに合流すると、先頭アルから12秒遅れで頂上をクリアする。バルベルデ、コンタドール、バルデの追走グループは1分遅れで頂上通過。そこからフィニッシュラインに向かって高低差1,300m近いダウンヒルが始まった。
最も速く超級山岳モン=デュ=シャを下ったのは、2016年ツールのペイルスルド峠を想起させるフルームだった。ポートとフルサングを引き離すほどのダウンヒルテクニックを炸裂させたフルームは下りの中腹で先頭を走るアルに合流。こうして先頭ではフルーム、ポート、アル、フルサングという精鋭4名がグループを形成し、後続を引き離したままステージ優勝をかけたスプリントを繰り広げることに。残り1kmアーチを前にしたフルサングのロングスパートも決まらず、4名のまま最終ストレートにやってきた。
アルとフルームが先に仕掛ける形で始まったスプリント。フルームとフェンスの間に挟まれて踏み遅れながらもポートがポジションを上げ、アルの後ろから加速したフルサングと2人でハンドルを投げ込んでフィニッシュラインを切る。写真判定の結果、タイヤ幅の差でフルサングがポートに先着した。
接戦を制したフルサングは「アスタナは今年不運続きだったが、この勝利ですべてが一つにまとまった気分。ツール・ド・フランスを前に、勝負の世界に戻ってきた。アルと2人で良い状態のままツールに挑むのが楽しみだ」とコメント。2013年ツール総合7位、2016年リオ五輪ロードレース銀メダル獲得の32歳が自身初のUCIワールドツアーレース勝利を飾った。
この日8分遅れたデヘントに代わってマイヨジョーヌはポートの手に。「登りではアタックが繰り返されたものの、落ち着いて状況を判断しながら走った。クレイジーな下りを経て最終的にフルームとフルサング、アルとの勝負に持ち込めてよかったよ。リーダージャージ獲得は嬉しいけど、明日と明後日もスーパーハードな山岳ステージだから気が抜けない」と、フルームから39秒、フルサングから1分15秒の総合リードを得ているポートは語っている。
「ステージ3位に満足していると言うと嘘になる。今日はステージ優勝のために攻め続けたけど、終盤のフルサングのアタックを追走したことと、スプリントの仕掛けが早すぎたことが仇となってしまった」と語るのは総合でポートを追う立場のフルーム。「今大会最高の登坂力をもつ絶好調のリッチー(ポート)と肩を並べてモン=デュ=シャをクリアできたことは朗報。未知の登りだったし、彼についていけないんじゃないかとも思っていた。コーナーが連続する下りは楽しめたよ」。個人TTでは精彩を欠いたもののフルームは「7月に向けて順調な仕上がりであることを確認できた」と自信を見せている。
2017年のクリテリウム・デュ・ドーフィネの中で最難関山岳とされる超級山岳モン=デュ=シャ(全長8.7km/平均勾配10.3%)が第6ステージに登場した。平均勾配が10%を超え、中盤にかけてコンスタントに勾配14〜15%を刻む。頂上通過後、テクニカルな15kmのダウンヒル区間を経てフィニッシュを迎える。なお、超級山岳モン=デュ=シャの急勾配の登りとテクニカルな下りの組み合わせは7月のツール・ド・フランス第9ステージにも登場する(ツールのフィニッシュ地点はこの日の7km先)。
ドーフィネ山岳3連戦の初日にあたるこの日は別府史之(トレック・セガフレード)の家に近いヴィラール=レ=ドンブの野鳥公園をスタート。ツールに照準を合わすアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)やソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)はスタートしなかった。
9km地点で形成されたのはセルジュ・パウエルス(ベルギー、ディメンションデータ)やオリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール)を含む6名の逃げグループ。レース中盤に8分半まで広がったタイム差を詰めたのはアージェードゥーゼールとBMCレーシングだった。それぞれロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)とリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)のために集団を率い、逃げグループから4分遅れで超級山岳モン=デュ=シャの登坂をスタートさせた。
急勾配の登りでBMCレーシングがペースを刻むと、マイヨジョーヌのトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)をはじめとして多くの選手が脱落する。すると、頂上まで9kmを残してアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が真っ先にアタック。ここにファビオ・アル(イタリア、アスタナ)やエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)らが追いついたが、バルベルデらの動きはその他の総合優勝候補たちにやがては引き戻される。
先頭単独で粘り続けたナーセンを追う形でヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)らがアタックを仕掛けると、バルベルデやアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)が脱落。単独でフルサングに追いついたファビオ・アル(イタリア、アスタナ)がそのまま先頭ナーセンをパスし、ジロ・デ・イタリア欠場の悔しさを晴らすように超級山岳モン=デュ=シャの頂上を単独でクリアしてみせた。
急勾配の登りでコンタドールらをふるい落としたリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)とクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)は、前走のフルサングに合流すると、先頭アルから12秒遅れで頂上をクリアする。バルベルデ、コンタドール、バルデの追走グループは1分遅れで頂上通過。そこからフィニッシュラインに向かって高低差1,300m近いダウンヒルが始まった。
最も速く超級山岳モン=デュ=シャを下ったのは、2016年ツールのペイルスルド峠を想起させるフルームだった。ポートとフルサングを引き離すほどのダウンヒルテクニックを炸裂させたフルームは下りの中腹で先頭を走るアルに合流。こうして先頭ではフルーム、ポート、アル、フルサングという精鋭4名がグループを形成し、後続を引き離したままステージ優勝をかけたスプリントを繰り広げることに。残り1kmアーチを前にしたフルサングのロングスパートも決まらず、4名のまま最終ストレートにやってきた。
アルとフルームが先に仕掛ける形で始まったスプリント。フルームとフェンスの間に挟まれて踏み遅れながらもポートがポジションを上げ、アルの後ろから加速したフルサングと2人でハンドルを投げ込んでフィニッシュラインを切る。写真判定の結果、タイヤ幅の差でフルサングがポートに先着した。
接戦を制したフルサングは「アスタナは今年不運続きだったが、この勝利ですべてが一つにまとまった気分。ツール・ド・フランスを前に、勝負の世界に戻ってきた。アルと2人で良い状態のままツールに挑むのが楽しみだ」とコメント。2013年ツール総合7位、2016年リオ五輪ロードレース銀メダル獲得の32歳が自身初のUCIワールドツアーレース勝利を飾った。
この日8分遅れたデヘントに代わってマイヨジョーヌはポートの手に。「登りではアタックが繰り返されたものの、落ち着いて状況を判断しながら走った。クレイジーな下りを経て最終的にフルームとフルサング、アルとの勝負に持ち込めてよかったよ。リーダージャージ獲得は嬉しいけど、明日と明後日もスーパーハードな山岳ステージだから気が抜けない」と、フルームから39秒、フルサングから1分15秒の総合リードを得ているポートは語っている。
「ステージ3位に満足していると言うと嘘になる。今日はステージ優勝のために攻め続けたけど、終盤のフルサングのアタックを追走したことと、スプリントの仕掛けが早すぎたことが仇となってしまった」と語るのは総合でポートを追う立場のフルーム。「今大会最高の登坂力をもつ絶好調のリッチー(ポート)と肩を並べてモン=デュ=シャをクリアできたことは朗報。未知の登りだったし、彼についていけないんじゃないかとも思っていた。コーナーが連続する下りは楽しめたよ」。個人TTでは精彩を欠いたもののフルームは「7月に向けて順調な仕上がりであることを確認できた」と自信を見せている。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2017第6ステージ結果
ステージ成績
1位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 3h41'48" |
2位 | リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) | |
3位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | |
4位 | ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) | |
5位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | +50" |
6位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) | |
7位 | ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) | |
8位 | オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール) | +1'06" |
9位 | アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) | |
10位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | +1'14" |
個人総合成績
1位 | リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) | 20h52'34" |
2位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | +39" |
3位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | +1'15" |
4位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | +1'20" |
5位 | ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) | +1'24" |
6位 | アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) | +1'47" |
7位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) | +2'14" |
8位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | +2'30" |
9位 | ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) | +2'49" |
10位 | ラファエル・バルス(スペイン、ロット・ソウダル) | +3'16" |
ポイント賞
1位 | アルノー・デマール(フランス、エフデジ) | 59pts |
2位 | フィル・バウハウス(ドイツ、サンウェブ) | 47pts |
3位 | ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー) | 36pts |
山岳賞
1位 | クーン・ボウマン(オランダ、ロットNLユンボ) | 24pts |
2位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) | 19pts |
3位 | ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) | 15pts |
ヤングライダー賞
1位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 20h55'04" |
2位 | ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール) | +50" |
3位 | サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) | +56" |
チーム総合成績
1位 | アージェードゥーゼール | 62h46'57" |
2位 | オリカ・スコット | +2'08" |
3位 | モビスター | +3'42" |
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