難易度5つ星のドロミテステージ。ステージを争ったティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)とミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ)、そして総合上位陣の言葉で振り返ります。



ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)

ステージ初優勝を飾ったティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)ステージ初優勝を飾ったティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
ランダのスプリントはとても掛かりが良いので、頭を使ってスプリントに持ち込んだ。最後は若干下り基調かつコーナーがあったので、先頭に立ってインサイドを取ったんだ。ランダが寄せてきたけれど、”絶対にブレーキは握らない!”と決めて突っ込んだ。もし接触してクラッシュしたとしても絶対にブレーキを掛けない気持ちでいた。

今日は幾つもの登りをこなすタフステージだったけれど、過去に何度も何度もトレーニングキャンプで走っているので登りについてはよく知っていた。今はただただ信じられないような気分。二人で抜け出したタイミングも良かったと思う。

グランツアー初勝利だけど、素晴らしい気分さ。今回のジロは総合成績を狙いにきたものの前半から身体が思うように動かなくてクラック(遅れて)してしまったが、腐ることなく目標をステージに切り替えて狙ってきていた。よく知っている地域だけに地元で勝った気分すらしているんだ。

最後の1級山岳ポンティヴェスでアタックするティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)最後の1級山岳ポンティヴェスでアタックするティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) ランダとのスプリント一騎打ちに勝利したティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)ランダとのスプリント一騎打ちに勝利したティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)

念願のステージ優勝を手にしたティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)念願のステージ優勝を手にしたティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
今プロ8年目で、ようやくグランツアーで勝てた。ここ数年は様々な方法で勝利を模索してきたけど、ようやくこうして実になったのでゴール直後はとても感情的になっていた。上り調子の時もあれば下り調子の時もあって、今は紛れもなく上り調子。このままの調子でシーズンを過ごせれば良いと思う。第3週目にステージを獲れたので、コンディションも落ちてはいないということ。前向きに次のチャンスを狙っていきたい。

僕はイタリアが好きで、ジロが好き。プロ初年度あたりはトスカーナのルッカに住んでいたので、その土地のことは知り尽くしているんだ。すべてのルートを覚えているし、情熱的で明るいイタリアの人たち、それから美しい景色も大好きさ。ジロを通して再びこの地を訪れて、ガッツポーズできたことはある意味驚き。またこの場所に戻ってきたい。

ステージ2位に甘んじたミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ)

とても落ち込んでいる。僕のために素晴らしい働きをしてくれているチームのために勝ちたかった。まだゴールまで2日チャンスがあるので狙っていきたい。マリアアッズーラは僕のモチベーションになってくれている。ミラノまで持って帰れるためにチームとして動くことができた。

マリアローザのトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)

ライバルたちのアタックを封じ込めたトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)がマリアローザをキープライバルたちのアタックを封じ込めたトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)がマリアローザをキープ
ものすごく調子が良くて、1秒もタイムロスを被らなかったので良かった。アタック合戦が起こった時、自分自身に冷静でいろと言い聞かせ、自分の走り方で防戦に回った。ライバルたちと一緒にフィニッシュまで生き残ることができたので嬉しいし、また明日も良い走りができると思うので楽しみだ。

総合2位、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)

2級山岳ガルデーナ峠でメイン集団からアタックしたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)2級山岳ガルデーナ峠でメイン集団からアタックしたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) 今日は攻撃に出なければならない1日だった。チーム一丸となってアシストしてくれ、僕のアタックを助けてくれた。1日を通して速くキツい時間続いたが、序盤からモビスターとして持てるカードは全て切った。けれどデュムランは彼の走り方で上手くしのぎ切った。

デュムランと同タイムフィニッシュだったが、これまでのタフな山岳が彼の脚を苦しめていると思っている。今日僕は自ら攻撃してみたが、マリアローザは上手くピノやポッツォヴィーヴォの動きを利用して追いついてきた。何度も言っているように彼のコンディションは完璧な状態だ。体重で見れば僕有利な険しい山岳が続いているけれど、どの選手もジロを目指して整えてきただけにコンディションはイコールだと思う。明日金曜のフィニッシュはよりタフで、状況も違ってくるだろう。僕らはチャレンジャーで、まだまだ攻撃の手を緩めることはない。

総合3位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)

ナイロと一緒にデュムランに対して攻撃していったが、彼の反応は素早かった。明日もアタック可能な山場ステージなので、仕掛けない理由が無い。

猛追して総合タイム差を詰めた、総合4位のティボー・ピノ(フランス、エフデジ)

全ての登りでセブ(ライヘンバッハ)がアシストしてくれたことが大きかった。彼のようなチームメイトがいることはものすごく大きな意味を持つ。昨日のステージから良く回復できて、良く眠れたので今日はスタート前から良い1日になると感じていたんだ。これからのステージでも積極的に攻めていく。デュムランまでは遠いけれど、総合表彰台が僕の目標だ。

3番手でフィニッシュを目指すティボー・ピノ(フランス、エフデジ)3番手でフィニッシュを目指すティボー・ピノ(フランス、エフデジ) 1級山岳ポンティヴェスで抜け出したティボー・ピノ(フランス、エフデジ)とドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール)1級山岳ポンティヴェスで抜け出したティボー・ピノ(フランス、エフデジ)とドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール)


ピノと共に抜け出したドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール)

残り3kmの一番急勾配になる区間でアタック合戦が始まり、誰もが同じように限界に達していると感じた。自分がアタックするとピノだけがついてきたので、タイムを縮める絶好のチャンスと感じたんだ。(全員が疲れていたので)反応が遅れてリードを生み出せると感じて攻撃に出たけれど、その通りになった。ステージ優勝にも手がとどくかと思ったが、逃げる2人までは少し遠すぎた。ただ最終日に向けて上位陣とのギャップが詰まったので、モチベーションは高い。良い日になった。

総合7位のバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) 

1日中ずっとアクセル全開だった。自転車の上で過ごした中で最も過酷な1日だったように思う。ただし体調自体は上々で、山頂付近で一度アタックしてみた。吸収されて次に飛び出したピノとポッツォヴィーヴォに逃げられてしまったが、ユンゲルスやフォルモロに対してはタイムを稼ぐことができたので良かった。なかなか忘れられないほどタフだったね。

マリアビアンカを取り戻したアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)

ユンゲルスが遅れたためマリアビアンカはアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)の手にユンゲルスが遅れたためマリアビアンカはアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)の手に
決してイージーな1日ではなかったが、マリアビアンカを取り戻すことができてハッピー。すごく待ち望んでいた結果だよ。けれど最終日に個人TTがあることを考えると、28秒差はスペシャリストでるユンゲルスに対してはまだ部が悪い。まだまだ山岳でリードを奪っていかないといけない。

28秒先のマリアビアンカを狙うボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)

いわゆるバッドデイで、最初3つの山岳では脚が上手く回らずに集団から脱落してしまった。ラスト50kmを単独追走しなければならなかったが、プッシュしている内に感触も良くなってきた。けれど最終的にマリアビアンカを失ってしまって残念だ。

text:So.Isobe

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