2017/04/29(土) - 19:21
ようやくツール・ド・ロマンディに訪れた好天気。無数のアタック合戦の末に勝負は集団スプリントに持ち込まれ、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)が勝利。28歳のイタリアンスプリンターが1年以上ぶりの勝ち星を挙げた。
連日の集団牽引を担った別府史之(トレック・セガフレード) photo:TDWsport
ツール・ド・ロマンディ2017第3ステージの舞台は、スイス西部にある風光明媚なヌーシャテル湖の南岸を複雑に縫って走る187kmで、中盤からは3級山岳が4か所連続するレイアウト。標高400m〜700mの間を上下するジェットコースターのようなコースプロフィールが特徴だ。
ここまで悪天候続きのロマンディ。この日も選手たちが宿泊した山間のホテル周辺は雪化粧に包まれたためステージキャンセル/短縮が予想されたものの、幸いヌーシャテル湖周辺は快晴に。ようやくプロトンは青空のもとでスタートを切った。
2日連続の逃げ切りを目指してルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)やダヴィデ・マルティネッリ(イタリア、クイックステップフロアーズ)、そして前日逃げを追いかけたものの合流できなかったトムス・スクインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック)、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)といったメンバーが逃げたものの、この日こそスプリントに持ち込みたい集団は3分差でがっちりと間隔をキープした。
ポイント賞ジャージを着用する前日覇者、シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) photo:CorVos
終日にわたって集団牽引を行ったバーレーン・メリダ photo:CorVos
特に積極的にペースコントロールを担ったのが、前日に集団の頭を押さえたソニー・コロブレッリ(イタリア)での勝利を狙うバーレーン・メリダだった。「逃げのメンバーが有力なメンバーだった為、昨日の反省で序盤からタイム差を開きすぎないように中国人選手のワン・メイをローテーションに入れた」とは新城幸也の談。
ゴールまで約60kmでレースが活性化したため、バーレーン・メリダはこれらの動きを封じ込めながら残り36km地点で早々に逃げを吸収せざるをえない状況となる。予想通りカウンターでサイモン・クラーク(オーストリア、キャノンデール・ドラパック)が飛び出し、トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ソウダル)とFDJ2名(セバスティアン・ライヒェンバッハとアルノー・クールテイユ)が追いついた。
しかし4名のアタックは活性化する集団に抑え込まれ、次いでアレックス・ダウセット(イギリス、モビスター)がゴールまで20km以上を残し単独走行に入る。持ち前のスピードを活かしたダウセットは約30秒のリードを暫く守ったが、クイックステップフロアーズやバーレーン・メリダらの猛烈なペースアップには敵わない。エリア・ヴィヴィアーニのためにアシストをこなすクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)とボーラ・ハンスグローエが激しく列車を並べ合う展開のままラスト1kmのアーチをくぐった。
最終盤にバーレーン・メリダ(2番手が新城幸也)とボーラ・ハンスグローエが集団を牽引 photo:CorVos
ソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)を抑えて突き進むエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ) photo:CorVos
ステージ優勝を飾ったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ) photo:CorVos
オウェイン・ドゥール(イギリス、チームスカイ)の後ろでヴィヴィアーニがタイミングを窺う中、後方からは突如アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット)がロングスパートを敢行する。勢いよく加速したエドモンソンは1車身以上のリードを築いたが、すかさずヴィヴィアーニとコロブレッリが噛みついた。
残り50mでエドモンソンをパスしたヴィヴィアーニが先着し、ミカエル・シュワルツマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が3位に。ティレーノ〜アドリアティコやコッピバルタリ、シュヘルデプレイスなどで2位が続いていたヴィヴィアーニにとっては嬉しい今季初勝利。「1年以上勝利が無くスプリンターにとっては辛かった。でも今日はフルームにリードアウトしてもらって勝つというスペシャルな勝利で闇を抜けることができた」とリリース内でコメントしている。
総合首位を守ったファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
「(チームが)3位、2位、ときてるので次は優勝ですね! 自分の調子も良かったし、明日は山岳きついがイザギレの為に頑張ります」と語る新城は14秒遅れ、集団牽引に力を使った別府史之(トレック・セガフレード)は8分43秒遅れで翌日に繋げている。
ツール・ド・ロマンディ2017第3ステージ結果
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ) 4h27’42”
2位 ソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
3位 ミカエル・シュワルツマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
4位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット)
5位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)
6位 ヨウゼフ・レグイグイ(アルジェリア、ディメンションデータ)
7位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ)
8位 モレーノ・ホフランド(オランダ、ロット・ソウダル)
9位 ヴィアチェスラウ・クズネツォフ(ロシア、カチューシャ・アルペシン)
10位 ファンホセ・ロバト(スペイン、ロットNLユンボ)
117位 新城幸也(バーレーン・メリダ) +14”
145位 別府史之(トレック・セガフレード) +8’43”
個人総合成績
1位 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 12h40’24”
2位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) +8"
3位 ヘスス・エラダ(スペイン、モビスター)
4位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) +9"
5位 ホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +12"
6位 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)
7位 ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン) +13"
8位 ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター)
9位 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・スコット) +14"
10位 ホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)
ポイント賞
1位 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) 66pts
2位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット) 58pts
3位 アンドリー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) 55pts
山岳賞
1位 サンデル・アルメ(ベルギー、ロット・ソウダル) 39pts
2位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 24pts
3位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEアブダビ) 16pts
ヤングライダー賞
1位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) 12h40’32”
2位 ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ) +08"
3位 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・スコット) +11"
チーム総合成績
1位 モビスター 38h01’39”
2位 ロットNLユンボ +01"
3位 トレック・セガフレード +07"
text:So.Isobe
photo:CorVos,TDWsport
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ツール・ド・ロマンディ2017第3ステージの舞台は、スイス西部にある風光明媚なヌーシャテル湖の南岸を複雑に縫って走る187kmで、中盤からは3級山岳が4か所連続するレイアウト。標高400m〜700mの間を上下するジェットコースターのようなコースプロフィールが特徴だ。
ここまで悪天候続きのロマンディ。この日も選手たちが宿泊した山間のホテル周辺は雪化粧に包まれたためステージキャンセル/短縮が予想されたものの、幸いヌーシャテル湖周辺は快晴に。ようやくプロトンは青空のもとでスタートを切った。
2日連続の逃げ切りを目指してルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)やダヴィデ・マルティネッリ(イタリア、クイックステップフロアーズ)、そして前日逃げを追いかけたものの合流できなかったトムス・スクインシュ(ラトビア、キャノンデール・ドラパック)、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)といったメンバーが逃げたものの、この日こそスプリントに持ち込みたい集団は3分差でがっちりと間隔をキープした。
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特に積極的にペースコントロールを担ったのが、前日に集団の頭を押さえたソニー・コロブレッリ(イタリア)での勝利を狙うバーレーン・メリダだった。「逃げのメンバーが有力なメンバーだった為、昨日の反省で序盤からタイム差を開きすぎないように中国人選手のワン・メイをローテーションに入れた」とは新城幸也の談。
ゴールまで約60kmでレースが活性化したため、バーレーン・メリダはこれらの動きを封じ込めながら残り36km地点で早々に逃げを吸収せざるをえない状況となる。予想通りカウンターでサイモン・クラーク(オーストリア、キャノンデール・ドラパック)が飛び出し、トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ソウダル)とFDJ2名(セバスティアン・ライヒェンバッハとアルノー・クールテイユ)が追いついた。
しかし4名のアタックは活性化する集団に抑え込まれ、次いでアレックス・ダウセット(イギリス、モビスター)がゴールまで20km以上を残し単独走行に入る。持ち前のスピードを活かしたダウセットは約30秒のリードを暫く守ったが、クイックステップフロアーズやバーレーン・メリダらの猛烈なペースアップには敵わない。エリア・ヴィヴィアーニのためにアシストをこなすクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)とボーラ・ハンスグローエが激しく列車を並べ合う展開のままラスト1kmのアーチをくぐった。
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オウェイン・ドゥール(イギリス、チームスカイ)の後ろでヴィヴィアーニがタイミングを窺う中、後方からは突如アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット)がロングスパートを敢行する。勢いよく加速したエドモンソンは1車身以上のリードを築いたが、すかさずヴィヴィアーニとコロブレッリが噛みついた。
残り50mでエドモンソンをパスしたヴィヴィアーニが先着し、ミカエル・シュワルツマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が3位に。ティレーノ〜アドリアティコやコッピバルタリ、シュヘルデプレイスなどで2位が続いていたヴィヴィアーニにとっては嬉しい今季初勝利。「1年以上勝利が無くスプリンターにとっては辛かった。でも今日はフルームにリードアウトしてもらって勝つというスペシャルな勝利で闇を抜けることができた」とリリース内でコメントしている。
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「(チームが)3位、2位、ときてるので次は優勝ですね! 自分の調子も良かったし、明日は山岳きついがイザギレの為に頑張ります」と語る新城は14秒遅れ、集団牽引に力を使った別府史之(トレック・セガフレード)は8分43秒遅れで翌日に繋げている。
ツール・ド・ロマンディ2017第3ステージ結果
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ) 4h27’42”
2位 ソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
3位 ミカエル・シュワルツマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
4位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット)
5位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)
6位 ヨウゼフ・レグイグイ(アルジェリア、ディメンションデータ)
7位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ)
8位 モレーノ・ホフランド(オランダ、ロット・ソウダル)
9位 ヴィアチェスラウ・クズネツォフ(ロシア、カチューシャ・アルペシン)
10位 ファンホセ・ロバト(スペイン、ロットNLユンボ)
117位 新城幸也(バーレーン・メリダ) +14”
145位 別府史之(トレック・セガフレード) +8’43”
個人総合成績
1位 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 12h40’24”
2位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) +8"
3位 ヘスス・エラダ(スペイン、モビスター)
4位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) +9"
5位 ホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +12"
6位 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)
7位 ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン) +13"
8位 ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター)
9位 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・スコット) +14"
10位 ホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)
ポイント賞
1位 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) 66pts
2位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット) 58pts
3位 アンドリー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) 55pts
山岳賞
1位 サンデル・アルメ(ベルギー、ロット・ソウダル) 39pts
2位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 24pts
3位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEアブダビ) 16pts
ヤングライダー賞
1位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) 12h40’32”
2位 ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ) +08"
3位 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・スコット) +11"
チーム総合成績
1位 モビスター 38h01’39”
2位 ロットNLユンボ +01"
3位 トレック・セガフレード +07"
text:So.Isobe
photo:CorVos,TDWsport
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