2017/01/29(日) - 11:54
ルクセンブルグでのCX世界選の第3レースは與那嶺恵理、今井美穂、武田和佳の3人の日本人選手が出場する女子エリート。7回の世界チャンピオンの女王、マリアンヌ・フォスとのデッドヒートを制したのはベルギーのサンヌ・カント(ベルギー) だった。
ジュニア、U23のレースに比べて路面の凍結は緩んだなかスタートする女子エリート。過去に2006年の勝利、2009〜2014年の6連覇で合計7回のCX世界女王に輝いているオランダのマリアンヌ・フォスの参戦に注目が集まる。フォスは今シーズン、CXレースへの参加は大きく絞り込み、先週のワールドカップのみへの参戦で優勝を飾り、その圧倒的な走りで優勝候補筆頭に挙げられた。また、地元ルクセンブルグからは50歳のスジー・ゴダールが出場、このレースを引退レースとして選んだ。
日本からの出場は與那嶺恵理(FDJヌーヴェルアキテーヌ・フュチュロスコープ) 、今井美穂、武田和佳(Liv)
の3人が出場。
スタートした選手たちは舗装路で舗装路の直線で高速に乗せてオフロードコースへと飛び込んでいく。エレン・ヴァンロイ(ベルギー)がホールショット、マリアンヌ・フォス、サンヌ・カント(ベルギー) が続くが、最初のテクニカルセクションで集団のなかばでクラッシュが発生、すぐ後ろにいた今井美穂らが足止めをくってしまう。與那嶺は再スタートする集団後方に位置してクリア。
フォス、ヴァンロイ、カント、地元ルクセンブルクのクリスティン・マジェラス、マーガリー・ロシェット(カナダ) 、エヴァ・リヒナー(イタリア)らを含む10人ほどのパックが先行し、テンポを刻む。常に上位に来る有力選手たちの中で遅れたのはカテリーナ・ナッシュ(チェコ) だ。
安定しない路面に手こずる選手がいる集団走行のリスクを感じたのか、マリアンヌ・フォスがアタックして先行する。カントが食い下がり、オランダのルシンダ・ブランドが続く。オランダ2人のベルギーひとりの3人が少し抜けた状態で周回を重ねる。
少し陽が射すなか3人のリードは安定的になる。カントを引き離せないことがわかったフォスに代わりナショナルメイトのブランドが前に出て、フォスはカントの後ろにつけて温存、アタックに備える走りに切り替える。牽制する3人に、チェコ期待のカテリーナ・ナッシュが追いつき、4人のパックに。
ドロップオフでブランドがスリップして激しく落車。しかし大きな差が付く前に復帰し、4人は残り2周の勝負に。優勝候補のひとり、ワールドカップ総合リーダーのソフィー・デボーア(オランダ)はトラブルでリタイアした。
先頭グループを率いる女王フォスが率き、登りで引き離そうと試みるがカントは食い下がる。
カントがキャンバーでスリップダウンしたのを見逃さなかったフォスがアタック、勝負に出た。カントとの差を開き余裕を持って最終周回に入ったフォスだったが、なんとチェーンジャムが襲う。
チェーンを掛けようと立ち止まるフォスの横をカントがパス。大きくは遅れずに再出走したフォスとカントとの一騎打ちとなった。抜き返すフォスを、再びカントが抜き返すデッドヒートに。下りキャンバーセクションに先行して入ったフォスだったが、カントはスピードを殺さないライン取りで肩を並べ、前に出た。
追従するフォスは得意のスプリントで勝負したいところだが、先行キープで最終コーナーをクリアしたカントは力強くスプリントに入ると、フォスの巻き返しを許さなかった。両手の拳を突き上げ、歓喜の叫びをあげながらフィニッシュするカント。シクロクロス専門の選手として走り続けた10年以上のキャリアで念願だった世界タイトルを手中に収め、ベルギーに女子エリート初となるアルカンシェルをもたらした。
失意の2位の女王フォスに続いたのは驚異的な追い上げを見せたナッシュ。ベルギー、オランダ、チェコがポディウムに立った。日本勢は與那嶺恵理の29位を最高順位に、30位で今井美穂、35位で武田和佳がフィニッシュしている。
日本人選手たちのコメントは入り次第本記事内で紹介する。
シクロクロス世界選手権2017女子エリート結果
1位 サンヌ・カント(ベルギー) 43’06”
2位 マリアンヌ・フォス(オランダ) +01”
3位 カテリーナ・ナッシュ(チェコ) +21”
4位 ルシンダ・ブランド(オランダ)
5位 マーガリー・ロシェット(カナダ) +36”
6位 エヴァ・リヒナー(イタリア) +53”
7位 クリスティン・マジェラス(ルクセンブルク) +1’21”
8位 エレン・ヴァンロイ(ベルギー) +1’25”
9位 ニッキー・ブラマイヤー(イギリス) +1’31”
10位 ケイトリン・アントノー(アメリカ) +1’46”
29位 與那嶺恵理(FDJヌーヴェルアキテーヌ・フュチュロスコープ) +8’15”
30位 今井美穂 -1Lap
35位 武田和佳(Liv) -1Lap
text:Makoto.AYANO
photo:Nobuhiko Tanabe,CorVos, Kei Tsuji/TDWsport
ジュニア、U23のレースに比べて路面の凍結は緩んだなかスタートする女子エリート。過去に2006年の勝利、2009〜2014年の6連覇で合計7回のCX世界女王に輝いているオランダのマリアンヌ・フォスの参戦に注目が集まる。フォスは今シーズン、CXレースへの参加は大きく絞り込み、先週のワールドカップのみへの参戦で優勝を飾り、その圧倒的な走りで優勝候補筆頭に挙げられた。また、地元ルクセンブルグからは50歳のスジー・ゴダールが出場、このレースを引退レースとして選んだ。
日本からの出場は與那嶺恵理(FDJヌーヴェルアキテーヌ・フュチュロスコープ) 、今井美穂、武田和佳(Liv)
の3人が出場。
スタートした選手たちは舗装路で舗装路の直線で高速に乗せてオフロードコースへと飛び込んでいく。エレン・ヴァンロイ(ベルギー)がホールショット、マリアンヌ・フォス、サンヌ・カント(ベルギー) が続くが、最初のテクニカルセクションで集団のなかばでクラッシュが発生、すぐ後ろにいた今井美穂らが足止めをくってしまう。與那嶺は再スタートする集団後方に位置してクリア。
フォス、ヴァンロイ、カント、地元ルクセンブルクのクリスティン・マジェラス、マーガリー・ロシェット(カナダ) 、エヴァ・リヒナー(イタリア)らを含む10人ほどのパックが先行し、テンポを刻む。常に上位に来る有力選手たちの中で遅れたのはカテリーナ・ナッシュ(チェコ) だ。
安定しない路面に手こずる選手がいる集団走行のリスクを感じたのか、マリアンヌ・フォスがアタックして先行する。カントが食い下がり、オランダのルシンダ・ブランドが続く。オランダ2人のベルギーひとりの3人が少し抜けた状態で周回を重ねる。
少し陽が射すなか3人のリードは安定的になる。カントを引き離せないことがわかったフォスに代わりナショナルメイトのブランドが前に出て、フォスはカントの後ろにつけて温存、アタックに備える走りに切り替える。牽制する3人に、チェコ期待のカテリーナ・ナッシュが追いつき、4人のパックに。
ドロップオフでブランドがスリップして激しく落車。しかし大きな差が付く前に復帰し、4人は残り2周の勝負に。優勝候補のひとり、ワールドカップ総合リーダーのソフィー・デボーア(オランダ)はトラブルでリタイアした。
先頭グループを率いる女王フォスが率き、登りで引き離そうと試みるがカントは食い下がる。
カントがキャンバーでスリップダウンしたのを見逃さなかったフォスがアタック、勝負に出た。カントとの差を開き余裕を持って最終周回に入ったフォスだったが、なんとチェーンジャムが襲う。
チェーンを掛けようと立ち止まるフォスの横をカントがパス。大きくは遅れずに再出走したフォスとカントとの一騎打ちとなった。抜き返すフォスを、再びカントが抜き返すデッドヒートに。下りキャンバーセクションに先行して入ったフォスだったが、カントはスピードを殺さないライン取りで肩を並べ、前に出た。
追従するフォスは得意のスプリントで勝負したいところだが、先行キープで最終コーナーをクリアしたカントは力強くスプリントに入ると、フォスの巻き返しを許さなかった。両手の拳を突き上げ、歓喜の叫びをあげながらフィニッシュするカント。シクロクロス専門の選手として走り続けた10年以上のキャリアで念願だった世界タイトルを手中に収め、ベルギーに女子エリート初となるアルカンシェルをもたらした。
失意の2位の女王フォスに続いたのは驚異的な追い上げを見せたナッシュ。ベルギー、オランダ、チェコがポディウムに立った。日本勢は與那嶺恵理の29位を最高順位に、30位で今井美穂、35位で武田和佳がフィニッシュしている。
日本人選手たちのコメントは入り次第本記事内で紹介する。
シクロクロス世界選手権2017女子エリート結果
1位 サンヌ・カント(ベルギー) 43’06”
2位 マリアンヌ・フォス(オランダ) +01”
3位 カテリーナ・ナッシュ(チェコ) +21”
4位 ルシンダ・ブランド(オランダ)
5位 マーガリー・ロシェット(カナダ) +36”
6位 エヴァ・リヒナー(イタリア) +53”
7位 クリスティン・マジェラス(ルクセンブルク) +1’21”
8位 エレン・ヴァンロイ(ベルギー) +1’25”
9位 ニッキー・ブラマイヤー(イギリス) +1’31”
10位 ケイトリン・アントノー(アメリカ) +1’46”
29位 與那嶺恵理(FDJヌーヴェルアキテーヌ・フュチュロスコープ) +8’15”
30位 今井美穂 -1Lap
35位 武田和佳(Liv) -1Lap
text:Makoto.AYANO
photo:Nobuhiko Tanabe,CorVos, Kei Tsuji/TDWsport
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