2017/01/26(木) - 20:10
UCIワールドツアー第2戦のカデルエヴァンス・グレートオーシャンロードレースに出場する選手たちがメルボルンのアルバートパークF1コースに集結。クリストファー・フルームも出場したクリテリウムレースでサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が勝利した。
サントス・ツアー・ダウンアンダーの翌週にメルボルン近郊のジーロングで開催されるカデルエヴァンス・グレートオーシャンロードレースに先立ち、木曜日にレースメルボルン・アルバートパークグランプリと題されたクリテリウムレースが開催された。
その名の通りレースの舞台はF1オーストラリアグランプリの開催地として知られるアルバートパークのサーキットだ。F1で使用する5.3kmコースをほぼそのまま使用する(数カ所コーナーのアールが異なる)。
普段サーキットは公園を一周する公道として使用されており、中央分離帯や白線、自転車道、路上駐車の枠などももちろんある。F1の大掛かりなフェンスや観客席も取り払われており、サーキットらしい縁石を除けばそこがF1コースであることを感じない。
なお、オーストラリアグランプリが1996年にメルボルンに移るまで、つまり1995年まで同大会はアデレードの市街地コースで開催されていた。同大会がメルボルンに移ったことを受け、代替イベントとしてアデレード市と南オーストラリア州が1999年に初開催したのが現在のサントス・ツアー・ダウンアンダーだ。
クリテリウムレースの出場選手は日曜日のUCIワールドツアーレースと共通。オーストラリアで個人トレーニングキャンプを行っていたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)がメルボルンでシーズンインを迎えた。ダウンアンダー覇者のリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)は本戦に向けてリスク回避を理由に欠場している。
15名の大きな逃げグループの先行で始まった5.3km周回x22周のレース。エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)らが逃げに乗ったものの、協調体制を築けずに7周足らずで吸収される。すると今後は16名が先行を開始し、メイン集団に対して1分リードを築いた。
イアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)やクーン・デコルト(オランダ、トレック・セガフレード)、そしてチャベスを含む逃げは6分30秒弱のラップタイムを刻みながら周回をこなしていく(ちなみにF1のレコードタイムは1分23秒)。
サンウェブやオリカ・スコットの集団牽引によって残り3周で逃げは吸収。残り2周に入るや否やフルームがアタックするシーンも見られたが、最終周回までに集団は大きな塊に戻った。
国民の祝日である「オーストラリアデー(1788年にイギリス艦隊がシドニーに到着した日)」を祝うべく、会場に詰めかけた多くの観客がオーストラリア・クリテリウム・チャンピオンジャージを着るカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)に視線を送ったが、連続コーナーを抜けて最終ストレートに入ってもその黄色いジャージが見えてこない。
リードアウトトレインが機能せずに後方に埋もれてしまったユアンに代わって、追い風に乗ってスプリントを開始したのはダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ)とサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)。周りを確認しながらフェンスぎりぎりを攻めたベネットが完全に抜け出した形でフィニッシュした。この日は序盤から絶えずハイペースが続いたため、平均スピードが49.4km/hに達している。
「シーズン1勝目を飾ることができて嬉しい。背負っているプレッシャーが軽くなった」と、ボーラ・ハンスグローエに1勝目をもたらしたベネットは語る。ダウンアンダーでペテル・サガン(スロバキア)のアシストを受けたベネットは第3ステージの3位が最高位だった。「チームはリラックスしてレースに挑んでいる。積極的に集団をコントロールする考えもなかった。でもただ単にリラックスして流しているのではなく、集団スプリントに持ち込まれるなら全力で勝ちに行こうと話していたんだ。最後の3つのコーナーを上手くクリアできたのはチームメイトのおかげだ」。
フルームは安全に81位でレースを終えている。レース後にフルームは全豪オープンの会場に直行し、カデル・エヴァンスとともにテニス観戦を楽しんだ。
レースメルボルン・アルバートパークグランプリ2017
1位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 2h21’39”
2位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ)
3位 スコット・サンダーランド(オーストラリア、イソホエイスポーツ)
4位 エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)
5位 カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)
6位 タイラー・ファラー(アメリカ、ディメンションデータ)
7位 ニキアス・アルント(ドイツ、サンウェブ)
8位 トム・ヴァンアスブロック(ベルギー、キャノンデール・ドラパック)
9位 マッテーオ・モンタグーティ(イタリア、アージェードゥーゼール)
10位 トラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
text:Kei Tsuji
サントス・ツアー・ダウンアンダーの翌週にメルボルン近郊のジーロングで開催されるカデルエヴァンス・グレートオーシャンロードレースに先立ち、木曜日にレースメルボルン・アルバートパークグランプリと題されたクリテリウムレースが開催された。
その名の通りレースの舞台はF1オーストラリアグランプリの開催地として知られるアルバートパークのサーキットだ。F1で使用する5.3kmコースをほぼそのまま使用する(数カ所コーナーのアールが異なる)。
普段サーキットは公園を一周する公道として使用されており、中央分離帯や白線、自転車道、路上駐車の枠などももちろんある。F1の大掛かりなフェンスや観客席も取り払われており、サーキットらしい縁石を除けばそこがF1コースであることを感じない。
なお、オーストラリアグランプリが1996年にメルボルンに移るまで、つまり1995年まで同大会はアデレードの市街地コースで開催されていた。同大会がメルボルンに移ったことを受け、代替イベントとしてアデレード市と南オーストラリア州が1999年に初開催したのが現在のサントス・ツアー・ダウンアンダーだ。
クリテリウムレースの出場選手は日曜日のUCIワールドツアーレースと共通。オーストラリアで個人トレーニングキャンプを行っていたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)がメルボルンでシーズンインを迎えた。ダウンアンダー覇者のリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)は本戦に向けてリスク回避を理由に欠場している。
15名の大きな逃げグループの先行で始まった5.3km周回x22周のレース。エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)らが逃げに乗ったものの、協調体制を築けずに7周足らずで吸収される。すると今後は16名が先行を開始し、メイン集団に対して1分リードを築いた。
イアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)やクーン・デコルト(オランダ、トレック・セガフレード)、そしてチャベスを含む逃げは6分30秒弱のラップタイムを刻みながら周回をこなしていく(ちなみにF1のレコードタイムは1分23秒)。
サンウェブやオリカ・スコットの集団牽引によって残り3周で逃げは吸収。残り2周に入るや否やフルームがアタックするシーンも見られたが、最終周回までに集団は大きな塊に戻った。
国民の祝日である「オーストラリアデー(1788年にイギリス艦隊がシドニーに到着した日)」を祝うべく、会場に詰めかけた多くの観客がオーストラリア・クリテリウム・チャンピオンジャージを着るカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)に視線を送ったが、連続コーナーを抜けて最終ストレートに入ってもその黄色いジャージが見えてこない。
リードアウトトレインが機能せずに後方に埋もれてしまったユアンに代わって、追い風に乗ってスプリントを開始したのはダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ)とサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)。周りを確認しながらフェンスぎりぎりを攻めたベネットが完全に抜け出した形でフィニッシュした。この日は序盤から絶えずハイペースが続いたため、平均スピードが49.4km/hに達している。
「シーズン1勝目を飾ることができて嬉しい。背負っているプレッシャーが軽くなった」と、ボーラ・ハンスグローエに1勝目をもたらしたベネットは語る。ダウンアンダーでペテル・サガン(スロバキア)のアシストを受けたベネットは第3ステージの3位が最高位だった。「チームはリラックスしてレースに挑んでいる。積極的に集団をコントロールする考えもなかった。でもただ単にリラックスして流しているのではなく、集団スプリントに持ち込まれるなら全力で勝ちに行こうと話していたんだ。最後の3つのコーナーを上手くクリアできたのはチームメイトのおかげだ」。
フルームは安全に81位でレースを終えている。レース後にフルームは全豪オープンの会場に直行し、カデル・エヴァンスとともにテニス観戦を楽しんだ。
レースメルボルン・アルバートパークグランプリ2017
1位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 2h21’39”
2位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ)
3位 スコット・サンダーランド(オーストラリア、イソホエイスポーツ)
4位 エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)
5位 カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)
6位 タイラー・ファラー(アメリカ、ディメンションデータ)
7位 ニキアス・アルント(ドイツ、サンウェブ)
8位 トム・ヴァンアスブロック(ベルギー、キャノンデール・ドラパック)
9位 マッテーオ・モンタグーティ(イタリア、アージェードゥーゼール)
10位 トラヴィス・マケイブ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
text:Kei Tsuji
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