2017/01/02(月) - 09:33
新年の恒例レース「GPスヴェンネイス」でトーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)が独走勝利。チームワークで世界王者ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)を振り切り、ビッグレースでの嬉しい勝利を挙げた。
年明け早々、1月1日の恒例レースとして開催されている「GPスヴェンネイス」。開催地であるベルギーのバールは、現在テレネット・フィデアを率いるスヴェン・ネイス(ベルギー)が住居を構える場所。偉大な王者の名を冠したこのレースは毎年、新体制のチームや、新機材、新デザインのジャージが披露される場としてもお馴染みだ。
今年のトピックは絶好調の世界王者ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)がスポンサー変更に伴い、フェルトのバイクに乗り換えたこと。そしてラース・ファンデルハール(オランダ)がジャイアント・アルペシンからテレネット・フィデアへと移籍し、ジャージ姿を披露したこと。
欧州遠征最後のレースとした弱虫ペダルサイクリングチームのメンバーと、小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)も並んだ男子エリートレースは、前列一番右から加速したトーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)のホールショットで動き出す。
すると「今日ワウト(ファンアールト)は新車だったし、凍った轍のあるコーナーで慎重になりすぎていたのが分かった」と言うトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)が猛烈にペースアップを行い、チームメイトであるアールツを引き連れていく。ファンアールトは3番手で追走を続けたものの、逆にマイケル・ファントーレンハウトやケヴィン・パウエルス(共にベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)らのグループにキャッチされてしまう。
協力してハイペースを維持するアールツとメーウセンは徐々に3位グループを引き離し、レース中盤でリードは20秒ほどまでに広がった。低圧タイヤのバイクに乗り換え、次なる一手を繰り出したいファンアールトだったが、4周目に木製の柵に脚をぶつけてしまうなど、マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)不在にも今ひとつ波に乗り切れない。
先頭では献身的にアールツをサポートしたメーウセンが脱落し、ここからアールツの独走が幕開ける。「ずっと実況を聞きながら走っていた。ここ数戦はいつもトラブルに見舞われていたが、今日は1周目にトムのラインを見定めて走ることができたので落ち着けていた」とヨーロッパ王者はレースを振り返る。
その後ろではファントーレンハウトが追走に回ったものの、その差は20秒から縮まらない。残り2周回でファンアールトが追いつきアールツを追ったが、最終周回突入時のタイム差は19秒。アールツは徐々に追い上げてきたファンアールトに詰め寄られながら、リードを8秒守りきりフィニッシュ。最後は力強いガッツポーズがライン上で決まった。
アールツにとって、ビッグレースでの勝利は2か月前のヨーロッパ選手権以来2度目のこと。ファンアールトとファンデルポールの2強状態となっている現在のプロサーキットに名乗りを上げる勝利だ。
2位に終わったファンアールトは「序盤は慎重になりすぎて出遅れてしまった。凍った轍ではリスクを冒すべきではないと考えてしまったんだ。低圧のタイヤに交換したら感触は良くなったが、今度はフェンスにぶつかってしまった。タフデイだったよ」と語っている。
また、前田公平と小坂光は途中共にレースを進めていたが、共に80%ルールによってDNF。前田は「凍った無数の轍と不磨されるレイアウトでとても難しくキツかった」とコメント。もう1戦レースを残している小坂は「難しいコンディションでしたが、そこそこ対応できて良いリズムで走れた」と好感触を掴んだようだ。
また、U23に出走した織田聖はトップと同一周回の24位でフィニッシュ。唐見実世子は試走中の落車によって未出走となった。選手コメントはsporzaと選手SNSより。
DVVフェルゼクリンゲン・トロフェー2016-2017第7戦結果
1位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) 1h02’51”
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) +08”
3位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス) +13”
4位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス) +31”
5位 ワイツ・ボスマンス(ベルギー、ベオバンク・コレンドン) +50”
6位 ティム・メルリエ(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) +1’29”
7位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +1’41”
8位 イェンス・アダムス(ベルギー、ヴェランダス・ヴィレムス・クレラン) +1’41”
9位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス) +2’08”
10位 ジャンニ・フェルメールシュ(ベルギー、チームステイラーツ) +2’11”
DNF 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)
DNF 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)
U23
1位 エリ・イゼルビッド(ベルギー、テレネット・フィデア) 49’03”
2位 タイス・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) +02”
3位 クインティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・フィデア) +26”
24位 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) +5’07”
text:So.Isobe
photo:CorVos
年明け早々、1月1日の恒例レースとして開催されている「GPスヴェンネイス」。開催地であるベルギーのバールは、現在テレネット・フィデアを率いるスヴェン・ネイス(ベルギー)が住居を構える場所。偉大な王者の名を冠したこのレースは毎年、新体制のチームや、新機材、新デザインのジャージが披露される場としてもお馴染みだ。
今年のトピックは絶好調の世界王者ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)がスポンサー変更に伴い、フェルトのバイクに乗り換えたこと。そしてラース・ファンデルハール(オランダ)がジャイアント・アルペシンからテレネット・フィデアへと移籍し、ジャージ姿を披露したこと。
欧州遠征最後のレースとした弱虫ペダルサイクリングチームのメンバーと、小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)も並んだ男子エリートレースは、前列一番右から加速したトーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)のホールショットで動き出す。
すると「今日ワウト(ファンアールト)は新車だったし、凍った轍のあるコーナーで慎重になりすぎていたのが分かった」と言うトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)が猛烈にペースアップを行い、チームメイトであるアールツを引き連れていく。ファンアールトは3番手で追走を続けたものの、逆にマイケル・ファントーレンハウトやケヴィン・パウエルス(共にベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)らのグループにキャッチされてしまう。
協力してハイペースを維持するアールツとメーウセンは徐々に3位グループを引き離し、レース中盤でリードは20秒ほどまでに広がった。低圧タイヤのバイクに乗り換え、次なる一手を繰り出したいファンアールトだったが、4周目に木製の柵に脚をぶつけてしまうなど、マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)不在にも今ひとつ波に乗り切れない。
先頭では献身的にアールツをサポートしたメーウセンが脱落し、ここからアールツの独走が幕開ける。「ずっと実況を聞きながら走っていた。ここ数戦はいつもトラブルに見舞われていたが、今日は1周目にトムのラインを見定めて走ることができたので落ち着けていた」とヨーロッパ王者はレースを振り返る。
その後ろではファントーレンハウトが追走に回ったものの、その差は20秒から縮まらない。残り2周回でファンアールトが追いつきアールツを追ったが、最終周回突入時のタイム差は19秒。アールツは徐々に追い上げてきたファンアールトに詰め寄られながら、リードを8秒守りきりフィニッシュ。最後は力強いガッツポーズがライン上で決まった。
アールツにとって、ビッグレースでの勝利は2か月前のヨーロッパ選手権以来2度目のこと。ファンアールトとファンデルポールの2強状態となっている現在のプロサーキットに名乗りを上げる勝利だ。
2位に終わったファンアールトは「序盤は慎重になりすぎて出遅れてしまった。凍った轍ではリスクを冒すべきではないと考えてしまったんだ。低圧のタイヤに交換したら感触は良くなったが、今度はフェンスにぶつかってしまった。タフデイだったよ」と語っている。
また、前田公平と小坂光は途中共にレースを進めていたが、共に80%ルールによってDNF。前田は「凍った無数の轍と不磨されるレイアウトでとても難しくキツかった」とコメント。もう1戦レースを残している小坂は「難しいコンディションでしたが、そこそこ対応できて良いリズムで走れた」と好感触を掴んだようだ。
また、U23に出走した織田聖はトップと同一周回の24位でフィニッシュ。唐見実世子は試走中の落車によって未出走となった。選手コメントはsporzaと選手SNSより。
DVVフェルゼクリンゲン・トロフェー2016-2017第7戦結果
1位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) 1h02’51”
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) +08”
3位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス) +13”
4位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス) +31”
5位 ワイツ・ボスマンス(ベルギー、ベオバンク・コレンドン) +50”
6位 ティム・メルリエ(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) +1’29”
7位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +1’41”
8位 イェンス・アダムス(ベルギー、ヴェランダス・ヴィレムス・クレラン) +1’41”
9位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス) +2’08”
10位 ジャンニ・フェルメールシュ(ベルギー、チームステイラーツ) +2’11”
DNF 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)
DNF 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)
U23
1位 エリ・イゼルビッド(ベルギー、テレネット・フィデア) 49’03”
2位 タイス・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) +02”
3位 クインティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・フィデア) +26”
24位 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) +5’07”
text:So.Isobe
photo:CorVos
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