2016/12/27(火) - 12:09
ラース・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)とラース・ボーム(オランダ、アスタナ)の参戦が話題となったワールドカップ第7戦。序盤に遅れたマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)を尻目に世界王者が圧巻の独走勝利を飾った。
UCIシクロクロスワールドカップ第7戦は、昨年にシクロクロス世界戦の舞台にもなったベルギー・フランダース東部のリンブルフ州ヒュースデンゾルダー近郊、テラーメンの森に設営されている起伏に富んだサーキットだ。CXワールドカップの常連開催地であり、コースとしてはもはやお馴染み、格式ある別名「テラーメン・サーキット」で高速レースが繰り広げられた。
水分を含み硬くスリッピーになったコースへと真っ先に駆け出したのは、前戦のスーパープレスティージュ第6戦ディーゲムで競り負けたワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)。ヨーロッパ王者のトーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)がここに続いたが、ライバルのマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)はスタート直後に行き場を失いポジションを落としてしまう。
またこのレースには、脚の怪我から復帰したラース・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)と、2008年のCX世界王者であるラース・ボーム(オランダ、アスタナ)が参戦。ボームはブランクを感じさせない走りを先頭付近で展開したが、まだ調子を上げている段階のファンデルハールは最終的に5分遅れの31位でレースを終えている。
後方の様子を伺いながら先頭を行くファンアールト。「ここ数戦はいつも最終周回で負けていたので、序盤からカードを切っていきたいと思っていた」と段階的にペースアップを行い、2周目にはアールツを千切って独走態勢を築く。一方ファンデルポールはボームらセカンドパックから抜け出しを試みていたが、シューズのトラブルでピットインを強いられ、レースに復帰したときには先頭との差はおよそ1分に開いた。
ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス)が単独追走を試みたものの、登りでも、テクニカルな下りでも勢いの止まらないファンアールトとの差は開くばかり。勢いを失ったファンデルポールは3位グループに埋もれ、表彰台の一角を狙いアタックした最終周にはさらなるメカトラで完全にストップ。世界戦を見据える21歳のオランダ王者は最終的に2分49秒遅れの14位に終わった。
その一方、調子の良さを見せながらも毎戦ファンデルポールの後塵を拝していた世界王者は危なげなく残り周回を走りきり、最後は胸元のアルカンシエルをアピールしながらフィニッシュ。追走を続けたスウィークを1分以上引き離す圧勝だった。
「最高の気分だ。ゾルダーは世界選手権で勝つまで得意だと感じていなかったが、これでこのコースは今年2勝目。相手のトラブルに助けられるのは僕のスタイルではないけれど」とファンアールトはコメントする。
一方思わぬ結果に終わったファンデルポールは「良いスタートを切ることができたが、直後にファンスへと押しやられてしまった。全く笑えないし、誰がやったかよく覚えている。最後も表彰台争いをしている最中にパンク。アンラッキーを乗り越えるのは本当に難しいことだ。100%のコンディションでないこともあるし、早く調子を整える必要がある」と語った。
次なるUCIワールドカップは1月15日にイタリア、フィウッジにて開催される。
UCIシクロクロスワールドカップ2016-2017第7戦結果
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)
2位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス)
3位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)
4位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)
5位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)
6位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)
7位 ティム・メルリエ(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)
8位 イェンス・アダムス(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)
9位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア)
10位 デーヴィッド・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)
text:So.Isobe
photo:CorVos
UCIシクロクロスワールドカップ第7戦は、昨年にシクロクロス世界戦の舞台にもなったベルギー・フランダース東部のリンブルフ州ヒュースデンゾルダー近郊、テラーメンの森に設営されている起伏に富んだサーキットだ。CXワールドカップの常連開催地であり、コースとしてはもはやお馴染み、格式ある別名「テラーメン・サーキット」で高速レースが繰り広げられた。
水分を含み硬くスリッピーになったコースへと真っ先に駆け出したのは、前戦のスーパープレスティージュ第6戦ディーゲムで競り負けたワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)。ヨーロッパ王者のトーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)がここに続いたが、ライバルのマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)はスタート直後に行き場を失いポジションを落としてしまう。
またこのレースには、脚の怪我から復帰したラース・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)と、2008年のCX世界王者であるラース・ボーム(オランダ、アスタナ)が参戦。ボームはブランクを感じさせない走りを先頭付近で展開したが、まだ調子を上げている段階のファンデルハールは最終的に5分遅れの31位でレースを終えている。
後方の様子を伺いながら先頭を行くファンアールト。「ここ数戦はいつも最終周回で負けていたので、序盤からカードを切っていきたいと思っていた」と段階的にペースアップを行い、2周目にはアールツを千切って独走態勢を築く。一方ファンデルポールはボームらセカンドパックから抜け出しを試みていたが、シューズのトラブルでピットインを強いられ、レースに復帰したときには先頭との差はおよそ1分に開いた。
ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス)が単独追走を試みたものの、登りでも、テクニカルな下りでも勢いの止まらないファンアールトとの差は開くばかり。勢いを失ったファンデルポールは3位グループに埋もれ、表彰台の一角を狙いアタックした最終周にはさらなるメカトラで完全にストップ。世界戦を見据える21歳のオランダ王者は最終的に2分49秒遅れの14位に終わった。
その一方、調子の良さを見せながらも毎戦ファンデルポールの後塵を拝していた世界王者は危なげなく残り周回を走りきり、最後は胸元のアルカンシエルをアピールしながらフィニッシュ。追走を続けたスウィークを1分以上引き離す圧勝だった。
「最高の気分だ。ゾルダーは世界選手権で勝つまで得意だと感じていなかったが、これでこのコースは今年2勝目。相手のトラブルに助けられるのは僕のスタイルではないけれど」とファンアールトはコメントする。
一方思わぬ結果に終わったファンデルポールは「良いスタートを切ることができたが、直後にファンスへと押しやられてしまった。全く笑えないし、誰がやったかよく覚えている。最後も表彰台争いをしている最中にパンク。アンラッキーを乗り越えるのは本当に難しいことだ。100%のコンディションでないこともあるし、早く調子を整える必要がある」と語った。
次なるUCIワールドカップは1月15日にイタリア、フィウッジにて開催される。
UCIシクロクロスワールドカップ2016-2017第7戦結果
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)
2位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス)
3位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)
4位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)
5位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)
6位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)
7位 ティム・メルリエ(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)
8位 イェンス・アダムス(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)
9位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア)
10位 デーヴィッド・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)
text:So.Isobe
photo:CorVos
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