2016/11/25(金) - 19:13
市民レース最高峰のツール・ド・おきなわ市民210kmで2位になった井上亮さんによる参戦レポート。60kmを残した時点で落車し、大きく遅れて戦線離脱したはずが、奇跡的な追い上げにより2位を獲得したサプライズの裏側が今明らかになる。
今年もこのレースを迎えることになりました。ツール・ド・おきなわへは2013年から参戦し、これまでの戦績は以下の通りだ。
2013年 市民140km 優勝
2014年 市民210km 5位
2015年 市民210km 3位
成績は上がってきたので、当然今年は210kmの優勝を狙っていくしかないだろうと思っていました。しかし王者、高岡さんを含めた強力なライバルたちに勝つのは容易なことではないので、優勝を狙うとなると相当な準備をしなければならないことは分かっていました。仕事や家庭のことを考慮すると一年中トレーニングに大きな時間を割くわけにはいかないため、主に沖縄の前1.5ヶ月程前から集中的に練習量、質を高めるプランを立てました。
涼しくなってきた9月中旬あたりから週末に距離を乗ってしっかり練習できるようになり、9月下旬には沖縄家族旅行と名前を付けた(笑)3泊4日の旅行を敢行し、210kmコースを2回+α走ることでコースプロファイルもかなり把握することができました。その勢いで10月は平日メインのローラー(固定)練を含めて2500km以上乗ることができ、過去にないほど乗り込むことができました。もちろんそれは、家族のサポートや、いつも一緒に練習してくれる仲間、また新しく松木さん(今回5位)主催の北摂を中心とした練習に参加させてもらうことでできたことで、みなさまには本当に感謝です。
一方、フィジカル的な側面としては、10月末に平日早朝のローラー練でLTレベル20分の2本目で340wをこなした以外は特に目立った出力の向上や峠でのベストタイム更新などはなかったため、若干不安を抱えてはいました。かなり(急に)乗り込んで疲労が蓄積しているんだろうと納得させ、11/3に最後に200km以上乗り込んでからはやってきたことを信じて練習量をかなり落として主に回復させることに専念して本番を迎えました。
ウェイトコントロールの面では、今回は練習量をこなすなかで、節制しつつもしっかり食べることで自然に減っていき、9月中旬にはまだ65kg程ありましたがレース3日前には起床時59kg台(家庭用体重計で体脂肪5%程度)にまで絞れました。それからはかなり食べてカーボローディングしたのでおそらく62〜3kgぐらいで本番を迎えたと思われます。
とりあえずこんな感じで、短期集中的ですがしっかり練習することで良いコンディションで本番を迎えることができ、アクシデントがなければ少なくとも例年通り中盤以降までは先頭集団での戦いに残れるという自信はありました。
しかし今年は210kmに参戦するメンバーのレベルが相当高いと噂では聞いており、それに加えて、一緒の練習で強烈な強さを発揮していた選手もおり、展開次第では入賞すら厳しいだろうことも考えていました。
レース2日前の金曜日に沖縄入りし、久々に炭水化物を思う存分摂取できる幸せを噛み締めつつ(多少食い過ぎたかな?と後悔したが)、リラックスして過ごしレース当日を迎えた。
6時間ほどぐっすり寝て5:00に起床、5:30頃からホテルでがっつりパンを食べ(美味しくてクロワッサンを食べ過ぎ)、今回はスタート地点から3分のホテルだったので、女子50kmに出場する妻をスタート地点で見送ってから一旦ホテルへ戻り、直前まで待機して再度スタート地点へ。ゼッケン403なので遅く行っても最前列に並べるのはありがたいことだ。高岡さんが現れて、いざスタート(笑)。
例年いつの間にか位置を下げてしまいがちだが、毎年少しずつは上達してるのか、今年はあまり位置を下げずに集団前方を維持できた。とにかく最初はエネルギー消費を最小限に、かつ落車には細心の注意を払って避けるように。今年は前方でも何度か落車が発生し、50km地点ぐらいで森本誠さんが他の選手が飛ばしたカラーコーン(違っていたらすみません)に巻き込まれるというアクシデントが発生(これによってトップチューブが割れてしまうという…)。
私は特にあおりを食うことはなく進み、1回目の普久川ダムの登りへ。上り始め最初の方で前方へと進み、だいたい2〜5番手あたりをキープ。ひょっとすると1回目から誰か有力選手が上げていく可能性もあると思っていたのだが、皆1回目は様子見な雰囲気で、トライアスリートの篠崎友君がほぼ先頭固定で牽いていき、淡々と進む。
篠崎君はトライアスロンをやっていた頃からよく知っている非常にバイクパートが強い選手だ。大柄で強靭な肉体でガシガシと踏んでいく様は圧巻だが、さすがにガリガリにやせ細った我々(笑)にとっては気持ちのいいペース。何も起こらずに1回目を終了し、奥方面へ。
ここでも特に何もイベントは発生せずに淡々と進む。今回もレンタルさせていただいたGOKISOホイールの下りでの優位性は明らかだ。一度ポールさん(イナーメ信濃山形)と並走するような時があったけど、小柄な私の方が脚を止めていても速かったぐらいだった。
補給食をとったりしてリラックスしつつ、2回目の普久川ダムの上りへ。今度は上り口から先頭付近で、何かが起こった場合にすぐ対応できるように。
思い出されるのは2年前の普久川ダムの2回目、割と序盤から清宮さんがかなりのペースで上げていって、こんなペースで上まで行くのか!?と思ったけど、やはり流石にムリっぽくて落ちてきて、その代わりに今度は「山の神」森本さんがまた強烈なペースで牽いていき、危うく千切れるところだったこと。確か結局このペースアップで5人ぐらいに絞られたんだったと思う。
今回もそんな展開の可能性もあるなと思っていたのですが、序盤は何も起こらずに、再び篠崎君先頭で淡々と。中盤を過ぎても淡々と進み、我慢できなくなってきた私を含めた青い選手たち(笑)が少し上げてみたりしつつ進む。
私もここで無駄な力を使うべきでないことは知っていたけど、このままいくとかなりの人数を高江の上り口まで連れていくことになって嫌なので、ある程度は絞っておきたくて少しペースを上げてみた。
するとちょっと差が開いたようで、たぶんそんなマークされてないし、このまま差が開いたらしれっと逃げてみようかなどと考えつつ、適度なペースで上っていると高岡さんがジョインしてきてくれた。しめしめと思って、ひょっとしたらこのまま2人で…とか思ったけど、そんなこと起こるわけもなく、後ろからぞろぞろと来たので、まあここでは無理をせずに集団に戻り給水ボトルをもらって下りへ。適度には人数が絞られたかな。
今まで2回の経験上では、ここの下りで集団が分裂してさらに絞られることが多いので、ある程度人数を減らせるようにペースを上げていく。すると高岡さん、私、そして松木さんの3人で、後ろは少し開いてる様子。一緒に練習させてもらっていてその強さを知っている松木さんとの3人ならこれは最高な展開だと思ってしばし頑張って踏むものの、これも後続が許すことはなく程なくして後続と合流。むむ、私の下りの走りがイマイチだったかも…。
しかしこれでまた人数は減ったようで10人ちょいぐらい?で高江の学校坂へ。
昨年はここで高岡さんが強烈なダンシングで上げていき、危うく千切れるかと思うぐらいだったけどそれで4人に絞られた。今回もここで絞りにくる可能性が高いと思っていたので、上り手前の下りを利用してペースを上げてスピードに乗った状態で単独突入することにしてみた。コースプロファイルが記憶に新しく、どこから上り始めが出現するか詳細にわかっていたのがプラスになった。
アドバンテージを持った状態で上りに入り、適度なペースを維持してキツくない程度で上る。これでかなりパワーセーブできるはず。予想通り後ろから高岡さんが上げてきてるのが見えたので、私もそれに合わせてペースアップ。しかし昨年ほど強烈ではないので、どうやらまだ様子見の模様。代わりに森本さんがペースを上げていくのでそれについていき、しばらくして交代、私がまたそのペースを引き継ぐ。私もそれなりに脚が動いてる感じでキツくないのでそのままキツくならない範囲で頂上まで。ちょっと人数が減ったかな、という感じ。しかしある程度のダメージは与えたはず。
上りきってすぐの下りのところで、今度は高岡さんがペースアップ。なるほど、ここで上げてきたかと、後ろについていく。あわよくば数人のグループへ絞り込もうという感じか。
その後も武井さんや、高岡さんが代わる代わるペースを上げたりして、「なるほどこうやって徐々にダメージを与えていくのか、勉強になるし、ロードレースやってる感あるわ〜!」と楽しくなってきた(キツいけど)ところで、私の前輪が高岡さんにハスってしまい、私が落車。
やってしまった。どうやら落車したのは私だけで、高岡さんは大丈夫そうだが…。
とりあえずバイクを起こして側溝に落ちたボトルを回収し、曲がったハンドルの角度を手で整復、さらにブラケットも手で直そうと試みるも、両側とも内転した状態にまでしか整復できず。走れるかわからんけど、走ってみてダメだったらリタイア?
もう先頭グループは遥か先へと行ってしまった。その後も先頭グループからこぼれた数人にパスされていったような気がする。絶望感...。
するとちょうど大きめの後続の集団が来たのでそこに合流させてもらうことに。走り出してとりあえず最後尾で自分の様子を見させてもらう。機材的には一番心配だった、お借りしたGOKISOホイールはとりあえず大丈夫だ。目視ではフレもなくスムーズに走っている。変速も問題なさそうだ。
自分の身体は…左側に擦過傷があるっぽいけど、打撲による筋肉のダメージはそれほどなさそうな雰囲気だ。問題なく動いてるっぽい。
一番心配なのは高岡さんだ、これが原因で先頭から落ちてきてたりしたら何と詫びればいいのか…。
これはバチが当たったわ。この1ヶ月ちょい、家族にも負担をかけて練習をかなりさせてもらってた。それなのに妻との会話で適当に返事してることも多かったし、息子のことはだいたい押し付けて、家事もロクにせず、自分のことばかり考えてたと。しっかり反省しろという訳か…。このままここで走らせてもらっていいのだろうか?私の勝負は終わってしまったのだが…。
1年間、これのためにトレーニングを積んできて、この1ヶ月半はかなり頑張って、それで一番面白いところ手前で自爆してこのザマだ…。などとネガテイブな様々なことを考えつつ、ローテーションに加わって走らせてもらう。
しかし走っていると次第にポジティブな気持ちになってくる。とりあえずよくわからないけど、この集団で走れば50位以内には入れそうだ。そうすれば来年に繋がるか。しかし今回はせっかくレース後に遅い夏休みで2日も休みが貰えてるのに、そんな適当な走りをして、レース後に自己嫌悪で不機嫌になったりしてたら最悪やな、そういえばレース前にとりあえず出し切ってこようとブログに書いた気が…。順位はよくわからんけど、とりあえずこの状態でベストを尽くして、ある程度気分が晴れた状態にはしておきたいところだ…。
などと、自分で書いててもポジティブなのかネガテイブなのかよくわからん精神状態で走っていると、そういえばいつの間にか小畑さんがいるし、森本さんが路側帯に止まってたな、やっぱり落車の影響でメカトラブルなのか…?他にもさっき先頭集団で割と元気だった選手がいるな…。と、非常に申し訳ないことですが、先頭集団から落ちてきた選手がいることで意外と順位的に悪くないことに気付いてさらに上向きな気持ちになってきた。
恐る恐る、雑賀さんに、これって第何集団なんですかね?と聞くと「第2のはずだ」と。まあよく考えりゃ落車で5分も止まってた訳じゃないからそりゃそうか。ふむふむ、ということはこの集団の頭をとれば一桁順位ぐらいなら狙えるかもしれんな、とやる気モードに。
慶佐次の2段の上りで試しに少しだけ上げてみると、集団から先行してしまう雰囲気。そんな折に奈良さんが、もう少し人数を絞りたい云々という話を雑賀さんにしていたような気がしたので、ちょっと絞りますかと提案して次の有銘の上りで上げてみる。過去2年、ここで千切れて、対策のために前回の家族旅行でも3回試走、加えて前日試走で4分380wで気持ちよく走ってコースプロファイルは完全に頭に入っている場所だ。
上げてくと、落車して肝心の勝負所をこなしていないおかげで脚はよく回りすぐに先行する形となった。ついてきたのは奈良さんと雑賀さんと佐藤さん。
適度にペースを落としてこの4人で走れるように調整して下ってから有銘の3段目も適度なペースで。どう考えても私が一番脚が残っているので、主に下りや平坦は私がかなり長めに牽くようにして4人でうまく走れるように。この間に先頭集団から落ちてきた野口さんや、新井さん(一旦は合流)をパス。こんな調子でどんどん落ちてきてくれんかなと願いつつも、まだこの時点では一桁順位にひょっとしたらいけるかもぐらいの気持ちで。
いよいよ羽地ダムへの上りへと差し掛かり、落車した私を救っていただいた皆様には申し訳ないけど、1人で行かせてもらうことにしてペースアップ。ここまで一緒に走らせてもらったおかげで脚は残っている。どこまでいけるかわからんけどあとは1人TTで残る力を出し尽くすのみ。
軽いギア、高めのケイデンスでくるくると回していく。過去2年よりも脚が残っていていいペースで上れているのは明らか。上りきって、下りでもあまり脚を止めずに回せるところは回して、最速になるように進む。
ダムを下って平坦へ。前腕をハンドルへと預けてTTポジションで走る。イメージは2016フランドルの、最終盤のサガンの走り。エアロポジションでもペダリングが非常にスムーズでよくローラーしながら見て参考にしてた。
するとオレンジ色のゼッケンを発見。清宮さんだ。どうやら気づかれてはいない。道路がかなり広いので、若干スピードを上げて大外から抜いていく。しばらくして後ろを確認、ついてきてはいない、しめしめ…。
頭を下げ、エアロポジションを崩さないようにして走る。さらにもう1人オレンジゼッケンを発見。中尾さんかな?次も大外一杯からスピードをあげて忍び寄り…気付かれた!
もがいて着いてこようとしている気配を感じたのでラインを一気に左に変更してTTポジションのまま踏んでいく。しばらくして後方確認し、ついてきていないことを確認。このスピード差に追いつくのは千切れた後の最終盤では厳しいだろう。しめしめ…。
淡々と回すのを意識して、残り1kmを切りあと少し。もしかしてスプリント争いでお見合いとかしてないかな…とか、そんな都合のいいことなんてあるはずな…
ん? オレンジが3人?
あれは…若緑のジャージだからウォークライドの青木さんか、あと青赤白のトリコロールのシルベストジャージは松木さんか!? あともう1人はわからんけど…。まじか、これいっちゃっていいのかな? まあ、いくけど。
と、外から忍び寄って、50m手前ぐらいから踏み始めてあとはもう踏み切るのみ。抜いてしばらくしてからちょっと後ろを振り返る。
死に物狂いで追ってきてる!
来るな〜!と、あとはTTポジションのまま踏み抜いてゴール。その写真がまさにこれ。
ブラケットが両側に内転している。余談ですが、落車後にこの位置が意外と持ちやすいことに気付き、かつエアロダイナミクス的にも優れているはずなので、最近cyclowiredに掲載されていたアダム・ハンセン氏の記事を思い出して、沖縄が終わったら狭いハンドルバーを試してみようかなとか走りながら考えていました(笑)。
抜いてもうた、悪いことしたかな、でもこれで5位ぐらいにはなったんちゃうかな? 高岡さんは優勝したんやろうか?もし優勝してなかったらどうしよ? とか思ってたら、ゴールしてきた青木さんが驚きの表情で、「落車しましたよね?」と信じられないという様子。
そりゃそうだ、自分だって落車してからここまで追い上げられたことが信じられない。
「2位ですよ!」と。
「2位?」
「2位です。僕らの前には高岡さんしかいないはずです。」
「まじで?」
と、全て実話です。
ゴールしてきた松木さんも、信じられないという様子で健闘を称えあう。抜いたのが私であることに気付くのに時間がかかって、追走したけどそれで脚を使ってしまってスプリントできなかったと。松木さんのスプリント力はよく知っているので、私が来なかったらと考えると…うーむ、日頃練習を一緒にしていただいたにも関わらず恩を仇で返してしまった気が…。
結局この集団の頭をとったのはオッティモの河合さん。なんと私の駄ブログも見ていただいているようで、今回も昨年の補給食の記事を参考にして塩おにぎりとスポーツようかんプラス(井村屋)にしましたとのこと。いやあ、「実は塩おにぎりはやめて、ほとんどスポーツようかんプラスになったんです」などと話させてもらいまいました。しょうもないブログですがありがとうございます。今シーズンは塩おにぎりは食べやすさの観点から廃止してメインはスポーツようかんプラスになったのです。
で、一番気になっていた高岡さんのもとへ向かうと、ダメージは私の前輪が左下腿に当たってできた傷で、走っていた時はほぼ問題なく5分差以上をつけて圧勝したとのこと。流石!という気持ちとともにダメージの影響はあまりなかったみたいで安心しました(現在も傷が疼いてるとのことで誠にすみません!m(_ _)m)
武井さんとあの後抜け出したけど、次第に武井さんが厳しくなって独走になったと。そういえば武井さんをどこで抜いたのかわからなかった、それも順位がわからなかった一つの理由だったのだけども。
今回、こうして漁夫の利的に2位になったわけですが、レースにタラレバはないですが、もし落車せずに走ってたら最後千切れてスプリント争いの集団でズブズブに刺されてもっと低い順位だった可能性が大いにあったと思います。さらに落車した後でも、2位集団に追いつくタイミングが遅ければ先にスプリントが始まって追いつけなかっただろうし、早過ぎたら3人に追いつかれていた可能性が高いと思います。そう考えると、今回の結果は運が良かったとしか言いようがないです。
ただ、しっかり練習を積んできたおかげで落車にても脚が動いて運をものにする力はあったのかなと。あと、落車してからすぐ諦めないポジティブな気持ちで走ってたかっていうとそんなことはなくて、一旦はほぼ完全に順位的には諦めてて、極めて人間臭い精神の動きで徐々にポジティブな気持ちになって諦めずに走れるようになったのだけども、今回のようにレースって何があるかわからないので最後まで諦めないことが重要だな、と身をもって感じました。
そう、レース中にも頭に浮かびましたが、かの有名な「あきらめたらそこで試合終了」なんです。
表彰式に登壇する時、息子はグズりまくっており、どうしようか迷ったものの、まあもともと表彰台に上げるのを一つの目標にしていたので、親のエゴで連れて行くことに。しかし泣き止む気配なく、気を遣って頂きすみません。みなさま表彰式にご迷惑をおかけしましたが、ちゃんとひとつは目標達成できました。
どうやら王者は来年3連覇を狙ってくるとの噂です。王者との差は大きいですが、5→3→2位と数字的には徐々に迫ってきているのは確かですし、まだまだ私には特にレースでのテクニックや戦術など伸び代は十分にあると思います。来年の勤務状況などにもよりますが、やれんるんだったらさらに入念に準備をして優勝を目指して頑張ろうと思います。サポートしてくれた家族には感謝でいっぱいです。
井上 亮 プロフィール
1984年生まれ 愛知県名古屋市出身(現在は大阪府在住)
所属:Magellan Systems Japan(義父の会社です。http://magellan.jp/)
競技歴など:
1996〜2001 水泳
平凡な選手で全く戦績なし
2003〜2010 ボート(漕艇)
2010
全日本選手権大学選手権 シングルスカル 4位
全日本選手権 シングルスカル 4位
など
2010〜2013 トライアスロン
2011
日本選手権(お台場) 12位
2012
日本学生デュアスロン選手権 優勝
世界大学選手権(ユニバーシアード)日本代表
ぎふ清流国体 7位
日本選手権(お台場) 14位
2013
ロングディスタンス日本選手権 2位
日本学生選手権(インカレ) 2位
その他
2015 京都マラソン 9位 2:29:44
■バイク LOOK595+GOKISOホイール(レンタル)
■持参した補給食
スポーツようかんプラス8本、Mag-onジェル1つ、PowerBarジェル1つ、ClifBar1つ、モンスターエナジードリンク缶2本を入れたボトル750ml1本を背中に。バイクのボトル750ml2本はただの水とお茶です。スポーツようかんプラスはさらに食べやすいように上端をギリギリでカットしてあります。
今年もこのレースを迎えることになりました。ツール・ド・おきなわへは2013年から参戦し、これまでの戦績は以下の通りだ。
2013年 市民140km 優勝
2014年 市民210km 5位
2015年 市民210km 3位
成績は上がってきたので、当然今年は210kmの優勝を狙っていくしかないだろうと思っていました。しかし王者、高岡さんを含めた強力なライバルたちに勝つのは容易なことではないので、優勝を狙うとなると相当な準備をしなければならないことは分かっていました。仕事や家庭のことを考慮すると一年中トレーニングに大きな時間を割くわけにはいかないため、主に沖縄の前1.5ヶ月程前から集中的に練習量、質を高めるプランを立てました。
涼しくなってきた9月中旬あたりから週末に距離を乗ってしっかり練習できるようになり、9月下旬には沖縄家族旅行と名前を付けた(笑)3泊4日の旅行を敢行し、210kmコースを2回+α走ることでコースプロファイルもかなり把握することができました。その勢いで10月は平日メインのローラー(固定)練を含めて2500km以上乗ることができ、過去にないほど乗り込むことができました。もちろんそれは、家族のサポートや、いつも一緒に練習してくれる仲間、また新しく松木さん(今回5位)主催の北摂を中心とした練習に参加させてもらうことでできたことで、みなさまには本当に感謝です。
一方、フィジカル的な側面としては、10月末に平日早朝のローラー練でLTレベル20分の2本目で340wをこなした以外は特に目立った出力の向上や峠でのベストタイム更新などはなかったため、若干不安を抱えてはいました。かなり(急に)乗り込んで疲労が蓄積しているんだろうと納得させ、11/3に最後に200km以上乗り込んでからはやってきたことを信じて練習量をかなり落として主に回復させることに専念して本番を迎えました。
ウェイトコントロールの面では、今回は練習量をこなすなかで、節制しつつもしっかり食べることで自然に減っていき、9月中旬にはまだ65kg程ありましたがレース3日前には起床時59kg台(家庭用体重計で体脂肪5%程度)にまで絞れました。それからはかなり食べてカーボローディングしたのでおそらく62〜3kgぐらいで本番を迎えたと思われます。
とりあえずこんな感じで、短期集中的ですがしっかり練習することで良いコンディションで本番を迎えることができ、アクシデントがなければ少なくとも例年通り中盤以降までは先頭集団での戦いに残れるという自信はありました。
しかし今年は210kmに参戦するメンバーのレベルが相当高いと噂では聞いており、それに加えて、一緒の練習で強烈な強さを発揮していた選手もおり、展開次第では入賞すら厳しいだろうことも考えていました。
レース2日前の金曜日に沖縄入りし、久々に炭水化物を思う存分摂取できる幸せを噛み締めつつ(多少食い過ぎたかな?と後悔したが)、リラックスして過ごしレース当日を迎えた。
6時間ほどぐっすり寝て5:00に起床、5:30頃からホテルでがっつりパンを食べ(美味しくてクロワッサンを食べ過ぎ)、今回はスタート地点から3分のホテルだったので、女子50kmに出場する妻をスタート地点で見送ってから一旦ホテルへ戻り、直前まで待機して再度スタート地点へ。ゼッケン403なので遅く行っても最前列に並べるのはありがたいことだ。高岡さんが現れて、いざスタート(笑)。
例年いつの間にか位置を下げてしまいがちだが、毎年少しずつは上達してるのか、今年はあまり位置を下げずに集団前方を維持できた。とにかく最初はエネルギー消費を最小限に、かつ落車には細心の注意を払って避けるように。今年は前方でも何度か落車が発生し、50km地点ぐらいで森本誠さんが他の選手が飛ばしたカラーコーン(違っていたらすみません)に巻き込まれるというアクシデントが発生(これによってトップチューブが割れてしまうという…)。
私は特にあおりを食うことはなく進み、1回目の普久川ダムの登りへ。上り始め最初の方で前方へと進み、だいたい2〜5番手あたりをキープ。ひょっとすると1回目から誰か有力選手が上げていく可能性もあると思っていたのだが、皆1回目は様子見な雰囲気で、トライアスリートの篠崎友君がほぼ先頭固定で牽いていき、淡々と進む。
篠崎君はトライアスロンをやっていた頃からよく知っている非常にバイクパートが強い選手だ。大柄で強靭な肉体でガシガシと踏んでいく様は圧巻だが、さすがにガリガリにやせ細った我々(笑)にとっては気持ちのいいペース。何も起こらずに1回目を終了し、奥方面へ。
ここでも特に何もイベントは発生せずに淡々と進む。今回もレンタルさせていただいたGOKISOホイールの下りでの優位性は明らかだ。一度ポールさん(イナーメ信濃山形)と並走するような時があったけど、小柄な私の方が脚を止めていても速かったぐらいだった。
補給食をとったりしてリラックスしつつ、2回目の普久川ダムの上りへ。今度は上り口から先頭付近で、何かが起こった場合にすぐ対応できるように。
思い出されるのは2年前の普久川ダムの2回目、割と序盤から清宮さんがかなりのペースで上げていって、こんなペースで上まで行くのか!?と思ったけど、やはり流石にムリっぽくて落ちてきて、その代わりに今度は「山の神」森本さんがまた強烈なペースで牽いていき、危うく千切れるところだったこと。確か結局このペースアップで5人ぐらいに絞られたんだったと思う。
今回もそんな展開の可能性もあるなと思っていたのですが、序盤は何も起こらずに、再び篠崎君先頭で淡々と。中盤を過ぎても淡々と進み、我慢できなくなってきた私を含めた青い選手たち(笑)が少し上げてみたりしつつ進む。
私もここで無駄な力を使うべきでないことは知っていたけど、このままいくとかなりの人数を高江の上り口まで連れていくことになって嫌なので、ある程度は絞っておきたくて少しペースを上げてみた。
するとちょっと差が開いたようで、たぶんそんなマークされてないし、このまま差が開いたらしれっと逃げてみようかなどと考えつつ、適度なペースで上っていると高岡さんがジョインしてきてくれた。しめしめと思って、ひょっとしたらこのまま2人で…とか思ったけど、そんなこと起こるわけもなく、後ろからぞろぞろと来たので、まあここでは無理をせずに集団に戻り給水ボトルをもらって下りへ。適度には人数が絞られたかな。
今まで2回の経験上では、ここの下りで集団が分裂してさらに絞られることが多いので、ある程度人数を減らせるようにペースを上げていく。すると高岡さん、私、そして松木さんの3人で、後ろは少し開いてる様子。一緒に練習させてもらっていてその強さを知っている松木さんとの3人ならこれは最高な展開だと思ってしばし頑張って踏むものの、これも後続が許すことはなく程なくして後続と合流。むむ、私の下りの走りがイマイチだったかも…。
しかしこれでまた人数は減ったようで10人ちょいぐらい?で高江の学校坂へ。
昨年はここで高岡さんが強烈なダンシングで上げていき、危うく千切れるかと思うぐらいだったけどそれで4人に絞られた。今回もここで絞りにくる可能性が高いと思っていたので、上り手前の下りを利用してペースを上げてスピードに乗った状態で単独突入することにしてみた。コースプロファイルが記憶に新しく、どこから上り始めが出現するか詳細にわかっていたのがプラスになった。
アドバンテージを持った状態で上りに入り、適度なペースを維持してキツくない程度で上る。これでかなりパワーセーブできるはず。予想通り後ろから高岡さんが上げてきてるのが見えたので、私もそれに合わせてペースアップ。しかし昨年ほど強烈ではないので、どうやらまだ様子見の模様。代わりに森本さんがペースを上げていくのでそれについていき、しばらくして交代、私がまたそのペースを引き継ぐ。私もそれなりに脚が動いてる感じでキツくないのでそのままキツくならない範囲で頂上まで。ちょっと人数が減ったかな、という感じ。しかしある程度のダメージは与えたはず。
上りきってすぐの下りのところで、今度は高岡さんがペースアップ。なるほど、ここで上げてきたかと、後ろについていく。あわよくば数人のグループへ絞り込もうという感じか。
その後も武井さんや、高岡さんが代わる代わるペースを上げたりして、「なるほどこうやって徐々にダメージを与えていくのか、勉強になるし、ロードレースやってる感あるわ〜!」と楽しくなってきた(キツいけど)ところで、私の前輪が高岡さんにハスってしまい、私が落車。
やってしまった。どうやら落車したのは私だけで、高岡さんは大丈夫そうだが…。
とりあえずバイクを起こして側溝に落ちたボトルを回収し、曲がったハンドルの角度を手で整復、さらにブラケットも手で直そうと試みるも、両側とも内転した状態にまでしか整復できず。走れるかわからんけど、走ってみてダメだったらリタイア?
もう先頭グループは遥か先へと行ってしまった。その後も先頭グループからこぼれた数人にパスされていったような気がする。絶望感...。
するとちょうど大きめの後続の集団が来たのでそこに合流させてもらうことに。走り出してとりあえず最後尾で自分の様子を見させてもらう。機材的には一番心配だった、お借りしたGOKISOホイールはとりあえず大丈夫だ。目視ではフレもなくスムーズに走っている。変速も問題なさそうだ。
自分の身体は…左側に擦過傷があるっぽいけど、打撲による筋肉のダメージはそれほどなさそうな雰囲気だ。問題なく動いてるっぽい。
一番心配なのは高岡さんだ、これが原因で先頭から落ちてきてたりしたら何と詫びればいいのか…。
これはバチが当たったわ。この1ヶ月ちょい、家族にも負担をかけて練習をかなりさせてもらってた。それなのに妻との会話で適当に返事してることも多かったし、息子のことはだいたい押し付けて、家事もロクにせず、自分のことばかり考えてたと。しっかり反省しろという訳か…。このままここで走らせてもらっていいのだろうか?私の勝負は終わってしまったのだが…。
1年間、これのためにトレーニングを積んできて、この1ヶ月半はかなり頑張って、それで一番面白いところ手前で自爆してこのザマだ…。などとネガテイブな様々なことを考えつつ、ローテーションに加わって走らせてもらう。
しかし走っていると次第にポジティブな気持ちになってくる。とりあえずよくわからないけど、この集団で走れば50位以内には入れそうだ。そうすれば来年に繋がるか。しかし今回はせっかくレース後に遅い夏休みで2日も休みが貰えてるのに、そんな適当な走りをして、レース後に自己嫌悪で不機嫌になったりしてたら最悪やな、そういえばレース前にとりあえず出し切ってこようとブログに書いた気が…。順位はよくわからんけど、とりあえずこの状態でベストを尽くして、ある程度気分が晴れた状態にはしておきたいところだ…。
などと、自分で書いててもポジティブなのかネガテイブなのかよくわからん精神状態で走っていると、そういえばいつの間にか小畑さんがいるし、森本さんが路側帯に止まってたな、やっぱり落車の影響でメカトラブルなのか…?他にもさっき先頭集団で割と元気だった選手がいるな…。と、非常に申し訳ないことですが、先頭集団から落ちてきた選手がいることで意外と順位的に悪くないことに気付いてさらに上向きな気持ちになってきた。
恐る恐る、雑賀さんに、これって第何集団なんですかね?と聞くと「第2のはずだ」と。まあよく考えりゃ落車で5分も止まってた訳じゃないからそりゃそうか。ふむふむ、ということはこの集団の頭をとれば一桁順位ぐらいなら狙えるかもしれんな、とやる気モードに。
慶佐次の2段の上りで試しに少しだけ上げてみると、集団から先行してしまう雰囲気。そんな折に奈良さんが、もう少し人数を絞りたい云々という話を雑賀さんにしていたような気がしたので、ちょっと絞りますかと提案して次の有銘の上りで上げてみる。過去2年、ここで千切れて、対策のために前回の家族旅行でも3回試走、加えて前日試走で4分380wで気持ちよく走ってコースプロファイルは完全に頭に入っている場所だ。
上げてくと、落車して肝心の勝負所をこなしていないおかげで脚はよく回りすぐに先行する形となった。ついてきたのは奈良さんと雑賀さんと佐藤さん。
適度にペースを落としてこの4人で走れるように調整して下ってから有銘の3段目も適度なペースで。どう考えても私が一番脚が残っているので、主に下りや平坦は私がかなり長めに牽くようにして4人でうまく走れるように。この間に先頭集団から落ちてきた野口さんや、新井さん(一旦は合流)をパス。こんな調子でどんどん落ちてきてくれんかなと願いつつも、まだこの時点では一桁順位にひょっとしたらいけるかもぐらいの気持ちで。
いよいよ羽地ダムへの上りへと差し掛かり、落車した私を救っていただいた皆様には申し訳ないけど、1人で行かせてもらうことにしてペースアップ。ここまで一緒に走らせてもらったおかげで脚は残っている。どこまでいけるかわからんけどあとは1人TTで残る力を出し尽くすのみ。
軽いギア、高めのケイデンスでくるくると回していく。過去2年よりも脚が残っていていいペースで上れているのは明らか。上りきって、下りでもあまり脚を止めずに回せるところは回して、最速になるように進む。
ダムを下って平坦へ。前腕をハンドルへと預けてTTポジションで走る。イメージは2016フランドルの、最終盤のサガンの走り。エアロポジションでもペダリングが非常にスムーズでよくローラーしながら見て参考にしてた。
するとオレンジ色のゼッケンを発見。清宮さんだ。どうやら気づかれてはいない。道路がかなり広いので、若干スピードを上げて大外から抜いていく。しばらくして後ろを確認、ついてきてはいない、しめしめ…。
頭を下げ、エアロポジションを崩さないようにして走る。さらにもう1人オレンジゼッケンを発見。中尾さんかな?次も大外一杯からスピードをあげて忍び寄り…気付かれた!
もがいて着いてこようとしている気配を感じたのでラインを一気に左に変更してTTポジションのまま踏んでいく。しばらくして後方確認し、ついてきていないことを確認。このスピード差に追いつくのは千切れた後の最終盤では厳しいだろう。しめしめ…。
淡々と回すのを意識して、残り1kmを切りあと少し。もしかしてスプリント争いでお見合いとかしてないかな…とか、そんな都合のいいことなんてあるはずな…
ん? オレンジが3人?
あれは…若緑のジャージだからウォークライドの青木さんか、あと青赤白のトリコロールのシルベストジャージは松木さんか!? あともう1人はわからんけど…。まじか、これいっちゃっていいのかな? まあ、いくけど。
と、外から忍び寄って、50m手前ぐらいから踏み始めてあとはもう踏み切るのみ。抜いてしばらくしてからちょっと後ろを振り返る。
死に物狂いで追ってきてる!
来るな〜!と、あとはTTポジションのまま踏み抜いてゴール。その写真がまさにこれ。
ブラケットが両側に内転している。余談ですが、落車後にこの位置が意外と持ちやすいことに気付き、かつエアロダイナミクス的にも優れているはずなので、最近cyclowiredに掲載されていたアダム・ハンセン氏の記事を思い出して、沖縄が終わったら狭いハンドルバーを試してみようかなとか走りながら考えていました(笑)。
抜いてもうた、悪いことしたかな、でもこれで5位ぐらいにはなったんちゃうかな? 高岡さんは優勝したんやろうか?もし優勝してなかったらどうしよ? とか思ってたら、ゴールしてきた青木さんが驚きの表情で、「落車しましたよね?」と信じられないという様子。
そりゃそうだ、自分だって落車してからここまで追い上げられたことが信じられない。
「2位ですよ!」と。
「2位?」
「2位です。僕らの前には高岡さんしかいないはずです。」
「まじで?」
と、全て実話です。
ゴールしてきた松木さんも、信じられないという様子で健闘を称えあう。抜いたのが私であることに気付くのに時間がかかって、追走したけどそれで脚を使ってしまってスプリントできなかったと。松木さんのスプリント力はよく知っているので、私が来なかったらと考えると…うーむ、日頃練習を一緒にしていただいたにも関わらず恩を仇で返してしまった気が…。
結局この集団の頭をとったのはオッティモの河合さん。なんと私の駄ブログも見ていただいているようで、今回も昨年の補給食の記事を参考にして塩おにぎりとスポーツようかんプラス(井村屋)にしましたとのこと。いやあ、「実は塩おにぎりはやめて、ほとんどスポーツようかんプラスになったんです」などと話させてもらいまいました。しょうもないブログですがありがとうございます。今シーズンは塩おにぎりは食べやすさの観点から廃止してメインはスポーツようかんプラスになったのです。
で、一番気になっていた高岡さんのもとへ向かうと、ダメージは私の前輪が左下腿に当たってできた傷で、走っていた時はほぼ問題なく5分差以上をつけて圧勝したとのこと。流石!という気持ちとともにダメージの影響はあまりなかったみたいで安心しました(現在も傷が疼いてるとのことで誠にすみません!m(_ _)m)
武井さんとあの後抜け出したけど、次第に武井さんが厳しくなって独走になったと。そういえば武井さんをどこで抜いたのかわからなかった、それも順位がわからなかった一つの理由だったのだけども。
今回、こうして漁夫の利的に2位になったわけですが、レースにタラレバはないですが、もし落車せずに走ってたら最後千切れてスプリント争いの集団でズブズブに刺されてもっと低い順位だった可能性が大いにあったと思います。さらに落車した後でも、2位集団に追いつくタイミングが遅ければ先にスプリントが始まって追いつけなかっただろうし、早過ぎたら3人に追いつかれていた可能性が高いと思います。そう考えると、今回の結果は運が良かったとしか言いようがないです。
ただ、しっかり練習を積んできたおかげで落車にても脚が動いて運をものにする力はあったのかなと。あと、落車してからすぐ諦めないポジティブな気持ちで走ってたかっていうとそんなことはなくて、一旦はほぼ完全に順位的には諦めてて、極めて人間臭い精神の動きで徐々にポジティブな気持ちになって諦めずに走れるようになったのだけども、今回のようにレースって何があるかわからないので最後まで諦めないことが重要だな、と身をもって感じました。
そう、レース中にも頭に浮かびましたが、かの有名な「あきらめたらそこで試合終了」なんです。
表彰式に登壇する時、息子はグズりまくっており、どうしようか迷ったものの、まあもともと表彰台に上げるのを一つの目標にしていたので、親のエゴで連れて行くことに。しかし泣き止む気配なく、気を遣って頂きすみません。みなさま表彰式にご迷惑をおかけしましたが、ちゃんとひとつは目標達成できました。
どうやら王者は来年3連覇を狙ってくるとの噂です。王者との差は大きいですが、5→3→2位と数字的には徐々に迫ってきているのは確かですし、まだまだ私には特にレースでのテクニックや戦術など伸び代は十分にあると思います。来年の勤務状況などにもよりますが、やれんるんだったらさらに入念に準備をして優勝を目指して頑張ろうと思います。サポートしてくれた家族には感謝でいっぱいです。
井上 亮 プロフィール
1984年生まれ 愛知県名古屋市出身(現在は大阪府在住)
所属:Magellan Systems Japan(義父の会社です。http://magellan.jp/)
競技歴など:
1996〜2001 水泳
平凡な選手で全く戦績なし
2003〜2010 ボート(漕艇)
2010
全日本選手権大学選手権 シングルスカル 4位
全日本選手権 シングルスカル 4位
など
2010〜2013 トライアスロン
2011
日本選手権(お台場) 12位
2012
日本学生デュアスロン選手権 優勝
世界大学選手権(ユニバーシアード)日本代表
ぎふ清流国体 7位
日本選手権(お台場) 14位
2013
ロングディスタンス日本選手権 2位
日本学生選手権(インカレ) 2位
その他
2015 京都マラソン 9位 2:29:44
■バイク LOOK595+GOKISOホイール(レンタル)
■持参した補給食
スポーツようかんプラス8本、Mag-onジェル1つ、PowerBarジェル1つ、ClifBar1つ、モンスターエナジードリンク缶2本を入れたボトル750ml1本を背中に。バイクのボトル750ml2本はただの水とお茶です。スポーツようかんプラスはさらに食べやすいように上端をギリギリでカットしてあります。
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