10月30日(日)、第12回全国ジュニア自転車競技大会、通称「四日市ジュニア」が開催され、男子ジュニアは岐阜第一高の亀谷昌慈が優勝。2位も同校の松田祥位が入り、岐阜第一高がワン・ツーフィニッシュを達成した。男子アンダー17は日野泰静、女子は長石悠里が優勝した。



鈴鹿山脈を背に走る男子ジュニアの集団鈴鹿山脈を背に走る男子ジュニアの集団 photo:Satoru.Kato


「弱虫ペダル」とのコラボレーションも2年目「弱虫ペダル」とのコラボレーションも2年目 photo:Satoru.Kato昨年から全日本選手権出場資格獲得大会となった「四日市ジュニア」。今年も上位カテゴリー(男子ジュニア、男子アンダー17、女子ジュニア+アンダー17)は、20位以内に入ると来年の全日本選手権の出場権が獲得できる大会だ。

四日市ジュニア最大の特色は、ジュニアから未就学児までを対象とした公道レースである事。成人のクラスが無い反面、小学生以下のクラスは、学年別、自転車の種類別に細かなカテゴリー設定があり、カゴ付きの自転車でも出場できる敷居の低さがある。過去の勝者一覧を見ると、現在エリートで活躍する選手が小学生や中学生の時に出場していた記録もあり、競技者人口の底辺拡大につながっている事がうかがえる。

そして今年も「弱虫ペダル」がコラボレーション。大会のポスターやパンフレットなどに描かれたキャラクターが、「リアル弱虫ペダル世代」にエールを送った。

ジュニア 岐阜第一高が先輩・後輩でワン・ツーフィニッシュ

秋晴れの下、スタートする男子ジュニア秋晴れの下、スタートする男子ジュニア photo:Satoru.Kato
男子ジュニア アタックが散発するが決定的な動きは生まれない男子ジュニア アタックが散発するが決定的な動きは生まれない photo:Satoru.Kato男子ジュニア アタックが散発するが決定的な動きは生まれない男子ジュニア アタックが散発するが決定的な動きは生まれない photo:Satoru.Kato男子ジュニア 最終周回、追走集団を引く依田翔大(甲府工高)男子ジュニア 最終周回、追走集団を引く依田翔大(甲府工高) photo:Satoru.Kato最上位カテゴリーとなる男子ジュニアには122人が出走。1周9kmのコースを11周する99kmで争われた。

秋晴れの下、朝の寒さが和らいだ正午すぎスタートしたレースは、序盤からしばらくは集団のまま進行。何人かが飛び出しを図るものの、1周もたずに吸収される事が繰り返される。速いペースで進む集団は縦に長く伸ばされ、アップダウンが厳しいコースである事も手伝って集団の人数は徐々に減っていく。レース中盤までに先頭集団に残ったのは、スタート時の約4分の1になる35人。終盤にかけてさらに人数が減っていく。

残り3周となる9周目、依田翔大(甲府工高)が仕掛けたのをきっかけにレースが動く。依田の動きに反応した数名が先行。10周目、その中から、谷和也(堺高)、川嶋祐輔(暁高)、亀谷昌慈(岐阜第一高)の3名が抜け出す。さらに「自分が追いつけば先輩が楽になるだろうと思って行った」と言う松田祥位(岐阜第一高)が単独で追いかけ、最終周回の11周目に川嶋と入れ替わって新たな3人の先頭集団が形成される。残り2km、5人の追走集団が10秒差で迫り、その中から依田がゴール直前に先行する3人に追いつく。最後は4人でのスプリント勝負となり、亀谷がトップでゴール。松田が続いて岐阜第一高がワン・ツーフィニッシュを達成した。追いついた依田はわずかに届かず3位となった。

「登りでアタックしてみたけれど足がつってしまったので、最後まで勝てるとは思えなかったです。」と、レースを振り返る亀谷。「来週の全日本ジュニアロードは大学の受験日と重なって出場できないので、このレースが高校最後。勝てて本当に良かったです」と話す。そして、「松田のアシストが本当に心強かった」と、後輩に感謝する。

男子ジュニア スプリント勝負を制した亀谷昌慈(岐阜第一高)が優勝男子ジュニア スプリント勝負を制した亀谷昌慈(岐阜第一高)が優勝 photo:Satoru.Kato
男子ジュニア 2位に入った松田祥位(岐阜第一高)男子ジュニア 2位に入った松田祥位(岐阜第一高) photo:Satoru.Kato男子ジュニア 優勝した亀谷昌慈と2位の松田祥位(共に岐阜第一高)男子ジュニア 優勝した亀谷昌慈と2位の松田祥位(共に岐阜第一高) photo:Satoru.Kato


松田は先輩のお褒めの言葉に「何もしてませんが...」と首を振って謙遜するが、2年生ながら今年のインターハイの団体追抜きのメンバーに選ばれ、優勝に貢献した実力は亀谷も認めるところ。次週に迫ったジュニアの全日本選手権ロードについて聞くと「勝負所を見極めて、チャンスを狙いたい。」と語った。

A-J男子ジュニア 結果(99km)
1位 亀谷昌慈(岐阜第一高) 2時間30分29秒 39.46km/h
2位 松田祥位(岐阜第一高) +1秒
3位 依田翔大(甲府工高)
4位 谷 和也(堺高)
5位 松本大志(高松工芸高) +11秒
6位 浜田大雅(藤井寺工科高) +12秒



男子アンダー17 序盤から逃げ続けた日野泰静が優勝

男子アンダー17 逃げ続ける日野泰静(松山城南高)と小野寺慶(真岡工高)男子アンダー17 逃げ続ける日野泰静(松山城南高)と小野寺慶(真岡工高) photo:Satoru.Kato男子アンダー17 逃げる2人を追うメイン集団だが、差は広がる一方男子アンダー17 逃げる2人を追うメイン集団だが、差は広がる一方 photo:Satoru.Kato

男子アンダー17 日野泰静(松山城南高)が小野寺慶(真岡工高)を下して優勝男子アンダー17 日野泰静(松山城南高)が小野寺慶(真岡工高)を下して優勝 photo:Satoru.Kato
6周54kmで争われた男子アンダー17には133人が出走。スタート直後から日野泰静(松山城南高)と、小野寺慶(真岡工高)の2人が飛び出して逃げ続ける。メイン集団との差は4周目には1分まで開き、その後も差は広がり続ける。結局ほぼ6周回を2人で逃げ切り、最後は日野がスプリントで小野寺を下して優勝した。

A-Y男子アンダー17 結果(54km)
1位 日野泰静(松山城南高) 1時間21分6秒39.94km/h
2位 小野寺 慶(真岡工高) +0秒
3位 塩崎隼秀(松山城南高) +1分34秒
4位 高木英行(高槻高)
5位 犬塚貴之(松山城南高) +1分35秒
6位 日野凌羽(松山城南高)



女子 長石悠里が優勝

スタートする女子スタートする女子 photo:Satoru.Kato女子 長石悠里(倉吉西高)が石上夢乃(横浜横浜創学館高)を下して優勝女子 長石悠里(倉吉西高)が石上夢乃(横浜横浜創学館高)を下して優勝 photo:Satoru.Kato


女子ジュニア+女子アンダー17のレースは4周。7人になった先頭集団から、最終周回に長石悠里(倉吉西高)と、石上夢乃(横浜創学館高)の2人が先行。最後は長石がスプリントで石上を下して優勝した。

A-F女子ジュニア+女子アンダー17 結果(36km)
1位 長石悠里(倉吉西高) 1時間1分58秒 34.84km/h
2位 石上夢乃(横浜創学館高)★ +0秒
3位 成海綾香(南大隅高)★ +15秒
4位 酒井美有(中京大附中京高)
5位 平尾愛菜(岐阜第一高)★ +45秒
6位 片岡十萌(暁高) +1分4秒
★印はアンダー17



高校生男子  河野史瑛呂(衣台高)が優勝高校生男子  河野史瑛呂(衣台高)が優勝 photo:Satoru.Kato高校生女子 筒井二千夏(春日井商高)が優勝高校生女子 筒井二千夏(春日井商高)が優勝 photo:Satoru.Kato

中学生男子 寺田吉騎(周南中)が優勝中学生男子 寺田吉騎(周南中)が優勝 photo:Satoru.Kato中学生女子 スタート直後から単独で逃げ切った渡部春雅(はるひ野中)中学生女子 スタート直後から単独で逃げ切った渡部春雅(はるひ野中) photo:Satoru.Kato

「弱虫ペダル」の総北高校のジャージで走る小学生クラス参加者「弱虫ペダル」の総北高校のジャージで走る小学生クラス参加者 photo:Satoru.Kato小学生クラスはカゴ付きの自転車でもOK小学生クラスはカゴ付きの自転車でもOK photo:Satoru.Kato


その他結果
B-9 高校生男子(36km)
1位 河野史瑛呂(衣台高) 57分57秒 37.26㎞
2位 山田大司(中部大学第一高) +0秒
3位 加藤功也(津田学園高) +52秒
4位 中川修一(洛星高) +3分12秒
5位 荒木哉大(近畿情報高専) +4分6秒
6位 蜂谷 涼(三好高等) +4分8秒

B-10高校生女子(18km)
1位 筒井二千夏(春日井商高) 37分30秒 28.78km/h
2位 三谷咲月(鈴鹿工高専) +2分38秒
3位 鈴木ほのか(名城大学付高) +7分31秒

中学生男子(36km)
1位 寺田吉騎(周南中) 57分36秒
2位 津田悠義(守山中) +0秒
3位 竹中勇登(落合中) +1秒
4位 篠原輝利(名港中)
5位 竹内 成(さぬき南中) +2秒
6位 阿部賢明(大島中) +8秒

B-8 中学生女子(18km)
1位 渡部春雅(はるひ野中) 31分34秒 34.2㎞/h
2位 大蔵こころ(赤穂中) +2分37秒
3位 奥居あかり(港南中) +4分12秒
4位 保崎実智子(青葉中) +5分21秒
5位 奥居鈴歌(港南中) +6分28秒
6位 今西瑠花(京成中)  +7分52秒

tet&photo:Satoru.Kato