2016/11/03(木) - 19:13
25周年記念大会として開催された今年のジャパンカップを走ったプロバイクを2編に分けて紹介。後編はトレック・セガフレード、オリカ・バイクエクスチェンジ、チームスカイ、ノボ ノルディスクの4チームに加え、クリテリウムスペシャルチームで参戦したボアッソンハーゲンのバイクをピックアップします。
トレック・セガフレード【トレック MADONE 9、EMONDA SLR】
昨年に続き、スペシャルペイントのバイクで今年のジャパンカップを戦ったトレック・セガフレード。視認されやすい色のバイクやウェアを使用し、サイクリスト自ら存在感を主張しようというトレックの安全啓蒙活動「ABCセーフティーキャンペーン」に基づき、ライダー達はビジビリティーイエローで彩られたバイクとウェアを使用。また、試走やクリテリウムの際には前後にデイライトを取り付け、昼間のライドにおけるライトの重要性をファンにアピールした。
バイクについては、クリテリウムを2連覇した別府史之や、偉大なるキャリアに終止符を打ったファビアン・カンチェラーラ(スイス)ら6名中5名が、エアロロード「MADONE9」をチョイス。前回大会覇者のバウク・モレマ(オランダ)のみ軽量クライミングモデル「EMONDA SLR」を駆った。
パーツアッセンブルは、ハンドル、ホイール、ステム、サドル、ボトルケージと、ほとんどがボントレガー製品でまとめられている。ホイ-ルはAeolusシリーズで、30mmハイトの「D3」と50mmハイトの「D5」を各ライダーの好みによって使い分けている。タイヤはサポートを受けておらず、自費購入してヴェロフレックスをメインに使用するが、モレマのバイクにはヴィットリアが取り付けられていた。
コンポーネントとペダルはシマノからサポート受け、9000系DURA-ACEを使用。大多数がDi2だが、もちろんカンチェラーラはメカニカルシフトを選択している。パワーメーターはプロチーム御用達のSRMだ。
オリカ・バイクエクスチェンジ【スコット Foil Team Issue、Addict Team Issue】
2012年以来となる4年ぶり2度目のジャパンカップ参戦を果たし、ロードレースでは2位と3位を獲得したオリカ・バイクエクスチェンジ。バイクサプライヤーはスコットが務める。来日メンバーの中では5名中4名がエアロロード「Foil Team Issue」を駆るほか、引退レースとなったクリスチャン・マイヤー(カナダ)のみ軽量クライミングモデルの「Addict Team Issue」をチョイスしている。
今回ピックアップするのはマシュー・ヘイマン(オーストラリア)のバイク。ジャパンカップで使用したバイクは、4月にパリ~ルーベを制した際に乗っていたバイクそのもので、メカニックによれば当時と異なるのはタイヤとインナーチェーンリングのみ。身長190cmと大柄で、ステムとシートポストの突き出しが驚くほど大きいが、アッセンブル自体はチームスポンサーに則ってまとめられている。
シマノからサポートを受け、アッセンブルされるパーツはほとんどがシマノとPROの製品で統一されている。コンポーネントはもちろんシマノDURA-ACE Di2。パワーメーターはDURA-ACE4アームタイプのSRMとしている。そしてペダルもDURA-ACE。ホイールも同じくDURA-ACEグレードのWH-9000シリーズとされており、クリテリウムでヘイマンは50mmハイトモデルを選択。組み合わせるタイヤは、コンチネンタルのプロ供給専用モデル「COMPETITION PROLTD」だ。
ハンドルはPROで、オーソドックスなエルゴノミックベンドを使用する。ステムとシートポストはフレーム専用品。サドルはフィジークの定番モデル「Antares」で、ヘイマンの体格とは裏腹にレールはカーボン仕様。ボトルおよびケージはエリートとしている。
チームスカイ【ピナレロ DOGMA F8】
4年連続のジャパンカップ参戦となったチームスカイは、ジャガーとの共同開発により誕生したピナレロのフラッグモデル「DOGMA F8」を全ライダーが駆った。今回はクライマーであるダビ・ロペスガルシア(スペイン)のマシンをピックアップ。なぜかトップチューブには、関西ヒルクライムのメッカの1つである大阪の「ぶどう坂」にある柏原ぶどう園のステッカーが貼られていた。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、ペダルまでフルセットで採用する。パワーメーターはクランク式のステージズパワーで、現在開発中とされている右クランク用が取り付けられたバイクも。ホイールはシマノWH-9000シリーズで、クリテリウムでは50mmハイトのWH-9000-C50-TUをチョイス。組み合わせるタイヤはコンチネンタルCOMPETITIONで、ロペスガルシアのバイクにはプロ供給専用の「PROLTD」が取り付けられていたが、市販モデルも併用されている。
ハンドルとステムはPROで、ハンドルにはチームスカイ供給モデルのVIBE 7Sを、ステムには1mmごとに長さが揃えられ、ハンドルのクランプボルトが4つあるプロ供給モデルをチョイス。サドルはフィジークARIANTE 00。ボトル及びケージはエリートで、ケージは新型の「Custom Race Plus」だ。
ノボ ノルディスク【コルナゴ V1-r】
1型糖尿病を患っている選手たちによって構成されるUCIプロコンチネンタルチームのノボノルディスク。今季よりバイクサプライヤーをコルナゴへとスイッチしている。来日メンバーは全員が、フェラーリとの共同開発によって誕生したブランド最軽量モデル「V1-r」を駆った。
コンポーネントはメカニカルシフトのシマノ9000系DURA-ACEで、ペダルもDURA-ACE。パワーメーターはパイオニアのペダリングモニターを採用する。ホイールはシマノWH-9000シリーズで、組み合わせるタイヤはアメリカンブランドのマキシス。ステファン・クランシー(アイルランド)のバイクは、前後でタイヤの銘柄が異なり、フロントにはデュアルコンパウンドの「FORZA」、リアにはトリプルコンパウンドの「CAMPIONE」を履かせていた。
ハンドルとステムはPRO VIBEのアルミ製モデルで揃えられるが、中にはトムソンのステムが取り付けられたバイクも。サドルとバーテープはセライタリアだ。
クリテリウムスペシャル【サーヴェロ S5】
クリテリウムスペシャルチームからは、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)のマシンをピックアップ。バイクはサーヴェロのフラッグシップエアロロード「S5」だ。ツール・ド・フランスでは、ノルウェーナショナルチャンピオン仕様のバイクを使用していたが、今回のジャパンカップで駆ったバイクはマットブラックのチームカラーであった。
コンポーネントは、シマノDURA-ACE Di2をメインに、ローターのクランク&チェーンリングやKMCのチェーン、セラミックスピードのBB&プーリーを組み合わせる。パワーメーターは左右それぞれの出力を計測できるクランク式の新型モデル「2INPOWER」。チェーンリングが真円形状の「noQ」を選択する。
ホイールサプライヤーはエンヴィで、前後別設計で空力性能を追求した「SES」シリーズより、フロント48mm/リア56mmの「4.5」をチョイス。なお、ハブはDTスイス240Sであった。タイヤにはコンチネンタルのプロ供給専用モデル「COMPETITION PROLTD」を組み合わせる。
ハンドルとステムもエンヴィから供給を受ける。サイズや形状のバリエーションが少ないことから、ディメンションデータでは多くのライダーがエンヴィ以外の製品を使用するが、ボアッソンハーゲンのバイクのハンドル周りはサプライヤーの製品で統一。サドルはフィジークAntares VERSUSをベースとした特別仕様で、先端から後端まで溝が貫かれた市販品とは異なり、溝が先端から中央付近までとなっている。その他、ペダルはスピードプレイZERO、ボトル&ケージはタックス、バーテープはリザードスキンだ。
text&photo:Yuya.Yamamoto
トレック・セガフレード【トレック MADONE 9、EMONDA SLR】
昨年に続き、スペシャルペイントのバイクで今年のジャパンカップを戦ったトレック・セガフレード。視認されやすい色のバイクやウェアを使用し、サイクリスト自ら存在感を主張しようというトレックの安全啓蒙活動「ABCセーフティーキャンペーン」に基づき、ライダー達はビジビリティーイエローで彩られたバイクとウェアを使用。また、試走やクリテリウムの際には前後にデイライトを取り付け、昼間のライドにおけるライトの重要性をファンにアピールした。
バイクについては、クリテリウムを2連覇した別府史之や、偉大なるキャリアに終止符を打ったファビアン・カンチェラーラ(スイス)ら6名中5名が、エアロロード「MADONE9」をチョイス。前回大会覇者のバウク・モレマ(オランダ)のみ軽量クライミングモデル「EMONDA SLR」を駆った。
パーツアッセンブルは、ハンドル、ホイール、ステム、サドル、ボトルケージと、ほとんどがボントレガー製品でまとめられている。ホイ-ルはAeolusシリーズで、30mmハイトの「D3」と50mmハイトの「D5」を各ライダーの好みによって使い分けている。タイヤはサポートを受けておらず、自費購入してヴェロフレックスをメインに使用するが、モレマのバイクにはヴィットリアが取り付けられていた。
コンポーネントとペダルはシマノからサポート受け、9000系DURA-ACEを使用。大多数がDi2だが、もちろんカンチェラーラはメカニカルシフトを選択している。パワーメーターはプロチーム御用達のSRMだ。
オリカ・バイクエクスチェンジ【スコット Foil Team Issue、Addict Team Issue】
2012年以来となる4年ぶり2度目のジャパンカップ参戦を果たし、ロードレースでは2位と3位を獲得したオリカ・バイクエクスチェンジ。バイクサプライヤーはスコットが務める。来日メンバーの中では5名中4名がエアロロード「Foil Team Issue」を駆るほか、引退レースとなったクリスチャン・マイヤー(カナダ)のみ軽量クライミングモデルの「Addict Team Issue」をチョイスしている。
今回ピックアップするのはマシュー・ヘイマン(オーストラリア)のバイク。ジャパンカップで使用したバイクは、4月にパリ~ルーベを制した際に乗っていたバイクそのもので、メカニックによれば当時と異なるのはタイヤとインナーチェーンリングのみ。身長190cmと大柄で、ステムとシートポストの突き出しが驚くほど大きいが、アッセンブル自体はチームスポンサーに則ってまとめられている。
シマノからサポートを受け、アッセンブルされるパーツはほとんどがシマノとPROの製品で統一されている。コンポーネントはもちろんシマノDURA-ACE Di2。パワーメーターはDURA-ACE4アームタイプのSRMとしている。そしてペダルもDURA-ACE。ホイールも同じくDURA-ACEグレードのWH-9000シリーズとされており、クリテリウムでヘイマンは50mmハイトモデルを選択。組み合わせるタイヤは、コンチネンタルのプロ供給専用モデル「COMPETITION PROLTD」だ。
ハンドルはPROで、オーソドックスなエルゴノミックベンドを使用する。ステムとシートポストはフレーム専用品。サドルはフィジークの定番モデル「Antares」で、ヘイマンの体格とは裏腹にレールはカーボン仕様。ボトルおよびケージはエリートとしている。
チームスカイ【ピナレロ DOGMA F8】
4年連続のジャパンカップ参戦となったチームスカイは、ジャガーとの共同開発により誕生したピナレロのフラッグモデル「DOGMA F8」を全ライダーが駆った。今回はクライマーであるダビ・ロペスガルシア(スペイン)のマシンをピックアップ。なぜかトップチューブには、関西ヒルクライムのメッカの1つである大阪の「ぶどう坂」にある柏原ぶどう園のステッカーが貼られていた。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、ペダルまでフルセットで採用する。パワーメーターはクランク式のステージズパワーで、現在開発中とされている右クランク用が取り付けられたバイクも。ホイールはシマノWH-9000シリーズで、クリテリウムでは50mmハイトのWH-9000-C50-TUをチョイス。組み合わせるタイヤはコンチネンタルCOMPETITIONで、ロペスガルシアのバイクにはプロ供給専用の「PROLTD」が取り付けられていたが、市販モデルも併用されている。
ハンドルとステムはPROで、ハンドルにはチームスカイ供給モデルのVIBE 7Sを、ステムには1mmごとに長さが揃えられ、ハンドルのクランプボルトが4つあるプロ供給モデルをチョイス。サドルはフィジークARIANTE 00。ボトル及びケージはエリートで、ケージは新型の「Custom Race Plus」だ。
ノボ ノルディスク【コルナゴ V1-r】
1型糖尿病を患っている選手たちによって構成されるUCIプロコンチネンタルチームのノボノルディスク。今季よりバイクサプライヤーをコルナゴへとスイッチしている。来日メンバーは全員が、フェラーリとの共同開発によって誕生したブランド最軽量モデル「V1-r」を駆った。
コンポーネントはメカニカルシフトのシマノ9000系DURA-ACEで、ペダルもDURA-ACE。パワーメーターはパイオニアのペダリングモニターを採用する。ホイールはシマノWH-9000シリーズで、組み合わせるタイヤはアメリカンブランドのマキシス。ステファン・クランシー(アイルランド)のバイクは、前後でタイヤの銘柄が異なり、フロントにはデュアルコンパウンドの「FORZA」、リアにはトリプルコンパウンドの「CAMPIONE」を履かせていた。
ハンドルとステムはPRO VIBEのアルミ製モデルで揃えられるが、中にはトムソンのステムが取り付けられたバイクも。サドルとバーテープはセライタリアだ。
クリテリウムスペシャル【サーヴェロ S5】
クリテリウムスペシャルチームからは、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)のマシンをピックアップ。バイクはサーヴェロのフラッグシップエアロロード「S5」だ。ツール・ド・フランスでは、ノルウェーナショナルチャンピオン仕様のバイクを使用していたが、今回のジャパンカップで駆ったバイクはマットブラックのチームカラーであった。
コンポーネントは、シマノDURA-ACE Di2をメインに、ローターのクランク&チェーンリングやKMCのチェーン、セラミックスピードのBB&プーリーを組み合わせる。パワーメーターは左右それぞれの出力を計測できるクランク式の新型モデル「2INPOWER」。チェーンリングが真円形状の「noQ」を選択する。
ホイールサプライヤーはエンヴィで、前後別設計で空力性能を追求した「SES」シリーズより、フロント48mm/リア56mmの「4.5」をチョイス。なお、ハブはDTスイス240Sであった。タイヤにはコンチネンタルのプロ供給専用モデル「COMPETITION PROLTD」を組み合わせる。
ハンドルとステムもエンヴィから供給を受ける。サイズや形状のバリエーションが少ないことから、ディメンションデータでは多くのライダーがエンヴィ以外の製品を使用するが、ボアッソンハーゲンのバイクのハンドル周りはサプライヤーの製品で統一。サドルはフィジークAntares VERSUSをベースとした特別仕様で、先端から後端まで溝が貫かれた市販品とは異なり、溝が先端から中央付近までとなっている。その他、ペダルはスピードプレイZERO、ボトル&ケージはタックス、バーテープはリザードスキンだ。
text&photo:Yuya.Yamamoto
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