2016/11/01(火) - 18:12
25周年記念大会として開催された今年のジャパンカップを走ったプロバイクを2編に分けて紹介。前編はキャノンデール・ドラパック、ランプレ・メリダ、BMCレーシング、NIPPOヴィーニファンティーニ、ブリヂストン・アンカー、チーム右京の6チームをピックアップします。
キャノンデール・ドラパック【キャノンデール SUPERSIX EVO Hi-MOD】
キャノンデール・ドラパックからは、「25」周年のジャパンカップで「25」番のナンバープレートを着けてキャリア初優勝を果たした「25」歳のダヴィデ・ヴィッレッラ(イタリア)のバイクをピックアップ。ヴィッレッラが駆るのは「A Whole New Balance Of Power」をコンセプトにあらゆる性能を高め、それらを高次元でバランスさせたフラッグシップモデル「SUPERSIX EVO Hi-MOD」だ。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、BB30専用設計のアルミ製クランク「Hollowgram SiSL2」とFSA製チェーンリングを組み合わせる。サイクルコンピューターはサポートを受けるガーミンの「Edge」シリーズで、ヴィッレッラは大きなディスプレイを備える「Edge1000」を使用。パワーメーターはSRMとしている。
ホイールは、スポークまでカーボン製のマヴィック「COSMIC ULTIMATE」。チームに供給されているのは新型で、タイヤのトレンドに合わせてリム幅を25mmに拡げ、リム断面形状を改良することで横風に対する安定性を高めたもの。またカーボン素材を変更し、ブレーキ面にレーザーを照射してレジンを焼き付け耐熱性を向上させる「iTgMax」テクノロジーを採用することで、制動力を強化している。タイヤにはマヴィックのロゴが表示されていたものの、トラディショナルな構造やトレッドパターンは、現行ラインアップに存在しないものである。
ハンドル、ステム、シートポストはFSAで統一され、ヴィッレッラはトラディショナルなシャローベンドのハンドルを選択していた。サドルとバーテープはフィジークで、バーテープは途中で材質が変わるスプリット仕様。ボトルケージは本来アランデールから供給を受けるが、何故かヴィッレッラのバイクに取り付けられていたのはタックスのDeva。ボトルはチームカラーのキャメルバッグだ。
ランプレ・メリダ【メリダ REACTO TEAM-E、SCULTURA TEAM】
ジャパンカップ常連の海外プロチームであるランプレ・メリダからは、今大会をエースとした戦った新城幸也のバイクをピックアップする。新城が駆ったのは、メリダのエアロロード「REACTO TEAM-E」のスペシャルペイントモデル。グラフィックデザインには新城本人の意向が存分に取り入れられており、フレーム各所で彩る桜の花びらやヘッドチューブにそびえる富士山によって日本を表現している。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、ローターのクランク&チェーンリングを組み合わせる。クランクは左右それぞれの出力を計測できる新型パワーメーター「2INPOWER」で、新城は楕円形状の「Q-Rings」ではなく真円形状の「NoQ」チェーンリングをチョイスしている。なお、BBには独自のチューニングが施されていたようで、その回転は異様に軽く滑らかであった。
ホイールはフルクラムの「SPEED」シリーズで、クリテリウムの際には55mmハイトを使用。組み合わせるタイヤはコンチネンタルのプロ供給専用モデル「COMPETITION PROLTD」。ハンドルはFSAのステム一体型モデル「PLASMA」で、REC-MOUNTのマウントを用いてガーミンのサイクルコンピューター「Edge520」を固定。サドルはプロロゴ「NAGO EVO TR」としている。
BMCレーシング【BMC teammachine SLR01】
2年連続のジャパンカップ参戦となったBMCレーシング。今大会では全ライダーがオールラウンドモデル「teammachine SLR01」を使用。ファンから貰った餃子たんステッカーをフロントフォークに貼ったテイラー・フィニー(アメリカ)のバイクをピックアップして紹介しよう。
コンポーネントはシマノからサポートを受け、ペダルまでDURA-ACE Di2で統一される。パワーメーターはプロチームにおいて絶対的なシェアを誇るSRMだ。ホイールもDURA-ACEシリーズで、登りの厳しいロードレースのコースでも、フィニーは50mmハイトの「WH-9000-C50-TU」をチョイス。組み合わせるタイヤはコンチネンタルのプロ供給専用モデル「PROLTD」だ。
ハンドルとステムは、3Tのスタンダードグレード「TEAM」で揃えられる。197cmと身長が高いだけに手も大きいのか、バーテープが厚く巻かれていたのが特徴的。サドルはフィジークが本来のサプライヤーだが、フィニーはスペシャライズPOWERを使用する。ボトルとケージはエリート。ケージはスタンダードモデル「CUSTOM」で、内側に紙やすりを貼り付けるカスタムにより、固定力を高めている。
NIPPOヴィーニファンティーニ【デローザ SK Pininfarina、PROTOS】
NIPPOヴィーニファンティーニからは、ダミアーノ・クネゴ(イタリア)のバイクをピックアップする。2度のジャパンカップ覇者が駆るのは、デローザとピニンファリーナが共同開発したエアロロード「SK Pininfarina」。他メンバーは紺とオレンジのチームカラーだが、クネゴのバイクにはピニンファリーナ社の水素燃料レーシングカー「H2 SPEED」をモチーフとした特別なグラフィックがあしらわれている。
コンポーネントはカンパニョーロのフラッグシップSUPRERECORD EPS。今やプロバイクの標準仕様と言っても過言ではないパワーメーターは装着されていなかった。ホイールはカンパニョーロBORA ULTRAシリーズで、ロードレースでクネゴが選択したのは35mmハイト。タイヤはスポンサー外製品で、ロゴが黒く塗りつぶされていた。なお、他のメンバーはIRCのチューブラー(プロトタイプ)を使用し、スペアバイクにはチューブレスモデルのFOMULA PROシリーズが装着されていた。
ハンドルとステムはFSAから供給を受ける。サドルはセライタリアがチームサプライヤーながら、クネゴのバイクにアッセンブルされるのは、こだわりの旧型フィジークARIONE。ボトル及びケージはエリート、ペダルはタイムExpressoとしている。
ブリヂストン・アンカー【アンカー RS9】
ロードとTTの両全日本王者を擁するブリヂストンアンカーが使用するのは、「ブランド史上最も進むフレーム」を謳うフラッグシップモデル「RS9」。今回のジャパンカップでは、スペシャルグラフィックのバイクを投入した。レッドからイエローへと変化するグラデーションをトップチューブとチェーンステーにあしらったことが特徴で、ロード全日本王者の初山翔らがこれを駆った。
チーム右京【ガノー GENNIX A1、GENNIX R1】
今シーズンよりカナディアンブランドのガノーから供給を受けるチーム右京。ロードレースで5位に入ったオスカル・プジョル(スペイン)ら多くのメンバーをオールラウンドモデル「GENNIX R1」を駆る中、住吉宏太はエアロロード「GENNIX A1」を駆った。GENNIX A1についてはブランド側から既にリリースがアナウンスされているが、住吉が使用するフレームには一切のロゴがなく、どうやらプロトタイプの様子。インナーチェーンリングは楕円のバロックギアを使用し、リアメカにはトライピーク社の大径プーリー&ケージセットが取り付けられていた。
text&photo:Yuya.Yamamoto
キャノンデール・ドラパック【キャノンデール SUPERSIX EVO Hi-MOD】
キャノンデール・ドラパックからは、「25」周年のジャパンカップで「25」番のナンバープレートを着けてキャリア初優勝を果たした「25」歳のダヴィデ・ヴィッレッラ(イタリア)のバイクをピックアップ。ヴィッレッラが駆るのは「A Whole New Balance Of Power」をコンセプトにあらゆる性能を高め、それらを高次元でバランスさせたフラッグシップモデル「SUPERSIX EVO Hi-MOD」だ。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、BB30専用設計のアルミ製クランク「Hollowgram SiSL2」とFSA製チェーンリングを組み合わせる。サイクルコンピューターはサポートを受けるガーミンの「Edge」シリーズで、ヴィッレッラは大きなディスプレイを備える「Edge1000」を使用。パワーメーターはSRMとしている。
ホイールは、スポークまでカーボン製のマヴィック「COSMIC ULTIMATE」。チームに供給されているのは新型で、タイヤのトレンドに合わせてリム幅を25mmに拡げ、リム断面形状を改良することで横風に対する安定性を高めたもの。またカーボン素材を変更し、ブレーキ面にレーザーを照射してレジンを焼き付け耐熱性を向上させる「iTgMax」テクノロジーを採用することで、制動力を強化している。タイヤにはマヴィックのロゴが表示されていたものの、トラディショナルな構造やトレッドパターンは、現行ラインアップに存在しないものである。
ハンドル、ステム、シートポストはFSAで統一され、ヴィッレッラはトラディショナルなシャローベンドのハンドルを選択していた。サドルとバーテープはフィジークで、バーテープは途中で材質が変わるスプリット仕様。ボトルケージは本来アランデールから供給を受けるが、何故かヴィッレッラのバイクに取り付けられていたのはタックスのDeva。ボトルはチームカラーのキャメルバッグだ。
ランプレ・メリダ【メリダ REACTO TEAM-E、SCULTURA TEAM】
ジャパンカップ常連の海外プロチームであるランプレ・メリダからは、今大会をエースとした戦った新城幸也のバイクをピックアップする。新城が駆ったのは、メリダのエアロロード「REACTO TEAM-E」のスペシャルペイントモデル。グラフィックデザインには新城本人の意向が存分に取り入れられており、フレーム各所で彩る桜の花びらやヘッドチューブにそびえる富士山によって日本を表現している。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、ローターのクランク&チェーンリングを組み合わせる。クランクは左右それぞれの出力を計測できる新型パワーメーター「2INPOWER」で、新城は楕円形状の「Q-Rings」ではなく真円形状の「NoQ」チェーンリングをチョイスしている。なお、BBには独自のチューニングが施されていたようで、その回転は異様に軽く滑らかであった。
ホイールはフルクラムの「SPEED」シリーズで、クリテリウムの際には55mmハイトを使用。組み合わせるタイヤはコンチネンタルのプロ供給専用モデル「COMPETITION PROLTD」。ハンドルはFSAのステム一体型モデル「PLASMA」で、REC-MOUNTのマウントを用いてガーミンのサイクルコンピューター「Edge520」を固定。サドルはプロロゴ「NAGO EVO TR」としている。
BMCレーシング【BMC teammachine SLR01】
2年連続のジャパンカップ参戦となったBMCレーシング。今大会では全ライダーがオールラウンドモデル「teammachine SLR01」を使用。ファンから貰った餃子たんステッカーをフロントフォークに貼ったテイラー・フィニー(アメリカ)のバイクをピックアップして紹介しよう。
コンポーネントはシマノからサポートを受け、ペダルまでDURA-ACE Di2で統一される。パワーメーターはプロチームにおいて絶対的なシェアを誇るSRMだ。ホイールもDURA-ACEシリーズで、登りの厳しいロードレースのコースでも、フィニーは50mmハイトの「WH-9000-C50-TU」をチョイス。組み合わせるタイヤはコンチネンタルのプロ供給専用モデル「PROLTD」だ。
ハンドルとステムは、3Tのスタンダードグレード「TEAM」で揃えられる。197cmと身長が高いだけに手も大きいのか、バーテープが厚く巻かれていたのが特徴的。サドルはフィジークが本来のサプライヤーだが、フィニーはスペシャライズPOWERを使用する。ボトルとケージはエリート。ケージはスタンダードモデル「CUSTOM」で、内側に紙やすりを貼り付けるカスタムにより、固定力を高めている。
NIPPOヴィーニファンティーニ【デローザ SK Pininfarina、PROTOS】
NIPPOヴィーニファンティーニからは、ダミアーノ・クネゴ(イタリア)のバイクをピックアップする。2度のジャパンカップ覇者が駆るのは、デローザとピニンファリーナが共同開発したエアロロード「SK Pininfarina」。他メンバーは紺とオレンジのチームカラーだが、クネゴのバイクにはピニンファリーナ社の水素燃料レーシングカー「H2 SPEED」をモチーフとした特別なグラフィックがあしらわれている。
コンポーネントはカンパニョーロのフラッグシップSUPRERECORD EPS。今やプロバイクの標準仕様と言っても過言ではないパワーメーターは装着されていなかった。ホイールはカンパニョーロBORA ULTRAシリーズで、ロードレースでクネゴが選択したのは35mmハイト。タイヤはスポンサー外製品で、ロゴが黒く塗りつぶされていた。なお、他のメンバーはIRCのチューブラー(プロトタイプ)を使用し、スペアバイクにはチューブレスモデルのFOMULA PROシリーズが装着されていた。
ハンドルとステムはFSAから供給を受ける。サドルはセライタリアがチームサプライヤーながら、クネゴのバイクにアッセンブルされるのは、こだわりの旧型フィジークARIONE。ボトル及びケージはエリート、ペダルはタイムExpressoとしている。
ブリヂストン・アンカー【アンカー RS9】
ロードとTTの両全日本王者を擁するブリヂストンアンカーが使用するのは、「ブランド史上最も進むフレーム」を謳うフラッグシップモデル「RS9」。今回のジャパンカップでは、スペシャルグラフィックのバイクを投入した。レッドからイエローへと変化するグラデーションをトップチューブとチェーンステーにあしらったことが特徴で、ロード全日本王者の初山翔らがこれを駆った。
チーム右京【ガノー GENNIX A1、GENNIX R1】
今シーズンよりカナディアンブランドのガノーから供給を受けるチーム右京。ロードレースで5位に入ったオスカル・プジョル(スペイン)ら多くのメンバーをオールラウンドモデル「GENNIX R1」を駆る中、住吉宏太はエアロロード「GENNIX A1」を駆った。GENNIX A1についてはブランド側から既にリリースがアナウンスされているが、住吉が使用するフレームには一切のロゴがなく、どうやらプロトタイプの様子。インナーチェーンリングは楕円のバロックギアを使用し、リアメカにはトライピーク社の大径プーリー&ケージセットが取り付けられていた。
text&photo:Yuya.Yamamoto
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