2016/09/02(金) - 22:39
アタックが続いた第3ステージはラスト1kmですべての逃げが吸収され上りスプリント勝負へ。ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)が制し総合2位へ浮上。リーダーは増田成幸(宇都宮ブリッツェン)がキープした。
9月2日(金)の第3ステージは、序盤に今大会で最も標高差のある新見峠を越え、日本海を望み羊蹄山を1周してスタート地点へ戻る177.2kmのレース。前日に42秒差を獲得したリーダーの増田がいかにリーダーをキープするのか、逃げかスプリントかこのステージはどのような展開になるのかが注目された。
スタートから各チームによる攻撃が始まり、それらすべてを宇都宮ブリッツェン勢が対応していく。総合に影響する選手のアタックはすべて潰され、上り区間であっても集団前方は激しく伸び縮みする。最初の逃げが決まったのは15km地点。
5人で新見峠を越える
木村圭佑(シマノレーシング)と野中竜馬(キナンサイクリングチーム)が逃げてニセコパノラマラインを上っていく。メイン集団からも合計3人が抜け出しその後に先頭へ合流し新見峠KOMは5人で越え、下りでは4人になる。メイン集団のコントロールは上り区間で宇都宮ブリッツェンからNIPPOに代わる。
新見峠からのタイトな下り区間でメイン集団からNIPPOが攻撃に出て9人が抜け出す。しかしこの逃げは吸収され、逃げ4人とメイン集団の構図に戻る。しかし65km地点で4人は吸収されて集団は一つになる。ここでアタックがかかり早川朋宏(愛三工業レーシングチーム)、阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム)、山本大喜(鹿屋体育大学)そして佐野淳哉(マトリックスパワータグ)の4人が抜け出す。
中盤から佐野淳哉ら4人が逃げる
宇都宮ブリッツェンがコントロールするメイン集団はこの4人の逃げを容認しその差は5分に達する。残り距離が短くなる中、メイン集団のコントロールはジェリーベリーP/Bマキシスとなり、その中でも先頭固定で引くのは強豪選手のラクラン・モートンだ。
先頭4人は先頭交代して逃げ続けるがしだいにローテーションがうまく回らなくなると佐野が抜け出してしまう。これを早川と山本が追い上げて3人でふたたび先頭集団として戻る。メイン集団は変わらずジェリーベリーP/Bマキシスが強力に先頭を引く。ニセコ町内に入りフィニッシュまでの上り区間に入ってもジェリーベリーP/Bマキシスのコントロールは続く。
コントロールは宇都宮ブリッツェンからジェリーベリーへ
この上り区間でメイン集団からアタックしたのは木村圭佑(シマノレーシング)そして吉岡直哉(那須ブラーゼン)。大学同期の2人がアタックするがそれ以降のアタックは続かず、この2名が先頭の3人を追う。先頭の3人からは山本が下がりこれに吉岡が追いつく。木村はメイン集団に戻り、ラスト5kmでは先頭2人、追走2人、そしてメイン集団の構図に。
メイン集団も各チームが猛烈に追い上げ、ラスト1kmですべての逃げを吸収しひらふ坂600mの上りスプリント勝負へ。最初に先頭に出たのは吉岡。さらに後続から選手が上がりここで中根英登(愛三工業レーシングチーム)が先頭に立つ。しかしラスト30mでピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)が中根をかわし優勝。
このステージは攻撃を仕掛けて総合を逆転する動きとステージ狙いの動きが交錯することになった。各チームとも攻撃をするがそれぞれの思惑もあって連帯した動きにならず、いっぽうで宇都宮ブリッツェンは阿部嵩之と大久保陣でほぼすべてコントロールして攻撃に耐えた。宇都宮ブリッツェンの守りが堅固であり、他チームはステージ狙いの動きをせざるを得なかったのが実情だ。
ステージ優勝のピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)
昨日は増田選手が強かった。このレースはNIPPOにとって重要なレースなので、今日は少しでもタイム差を縮められるようにしていこうとミーティングで話した。後半60㎞の平坦区間で集団コントロールをして逃げを吸収し、最後の短い登りは得意なので、ある程度の集団で入れればなんとかなると思っていた。明日はチームとしては逃げに誰かをのせて行きたいが、距離が長いし、増田が強いので、やってみないとわからない。
リーダージャージキープの増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
一夜明けてこのリーダージャージを持ち帰らないといけなと強く思いました。今日はセオリー通り、総合に関係ない逃げを行かせ、他チームに頼らずに自分達でコントロールしていく方針でした。レース後半に新たな逃げが出来た後は、ステージ優勝狙いのチームがコントロールに協力してくれたので、ブリッツェンとしては良い展開になりました。途中うまくコントロールしきれなかったところもありましたが、結果としてジャージを守れたので良かったです。
明日は阿部嵩之選手がスタート出来ませんが、彼の分も引き継いで、ジャージを守るために出来る事はすべてやっていきたいと思っています。
第3ステージ結果(177.2km)
1位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 4時間34分42秒
2位 リカルド・ガルシア(キナンサイクリングチーム +00秒
3位 中根英登(愛三工業レーシングチーム)
4位 リカルド・スタキオッティ(NIPPOヴィーニファンティーニ)
5位 シリル・ティエリー(ヴェロクラブ・メンドリシオ)
6位 ジャイ・クロフォード(キナンサイクリングチーム)
7位 岡本隼(日本大学)
8位 ベンジャミン・プラデス(チーム右京) +05秒
9位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +07秒
10位 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン) +09秒
個人総合時間順位(第3ステージ終了時)
1位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) 7時間16分05秒
2位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ) +27秒
3位 リカルド・ガルシア(キナンサイクリングチーム)
4位 中根英登(愛三工業レーシングチーム) +29秒
5位 シリル・ティエリー(ヴェロクラブ・メンドリシオ) +30秒
6位 ジャイ・クロフォード(キナンサイクリングチーム) +33秒
7位 ベンジャミン・プラデス(チーム右京) +35秒
8位 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン) +40秒
9位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +45秒
10位 マッテオ・バディラッティ(ヴェロクラブ・メンドリシオ) +50秒
個人総合ポイント賞(第3ステージ終了時)
1位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 32p
2位 ティエリー・シリル(ヴェロクラブ・メンドリシオ) 24p
3位 リカルド・スタキオッティ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 22p
個人総合山岳賞(第3ステージ終了時)
1位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) 16p
2位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 11p
3位 アレクサンダー・ブライコ(ジェリーベリーP/Bマキシス) 6p
チーム総合順位(第3ステージ終了時)
1位 宇都宮ブリッツェン 21時間55分55秒
2位 キナンサイクリングチーム +29秒
3位 ヴェロクラブ・メンドリシオ +54秒
U26チーム総合順位(第2ステージ終了時)
1位 ヴェロクラブ・メンドリシオ 22時間03分46秒
2位 那須ブラーゼン +31秒
3位 鹿屋体育大学 +5分16秒
photo&text:Hideaki TAKAGI、Satoru KATO
9月2日(金)の第3ステージは、序盤に今大会で最も標高差のある新見峠を越え、日本海を望み羊蹄山を1周してスタート地点へ戻る177.2kmのレース。前日に42秒差を獲得したリーダーの増田がいかにリーダーをキープするのか、逃げかスプリントかこのステージはどのような展開になるのかが注目された。
スタートから各チームによる攻撃が始まり、それらすべてを宇都宮ブリッツェン勢が対応していく。総合に影響する選手のアタックはすべて潰され、上り区間であっても集団前方は激しく伸び縮みする。最初の逃げが決まったのは15km地点。
5人で新見峠を越える
木村圭佑(シマノレーシング)と野中竜馬(キナンサイクリングチーム)が逃げてニセコパノラマラインを上っていく。メイン集団からも合計3人が抜け出しその後に先頭へ合流し新見峠KOMは5人で越え、下りでは4人になる。メイン集団のコントロールは上り区間で宇都宮ブリッツェンからNIPPOに代わる。
新見峠からのタイトな下り区間でメイン集団からNIPPOが攻撃に出て9人が抜け出す。しかしこの逃げは吸収され、逃げ4人とメイン集団の構図に戻る。しかし65km地点で4人は吸収されて集団は一つになる。ここでアタックがかかり早川朋宏(愛三工業レーシングチーム)、阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム)、山本大喜(鹿屋体育大学)そして佐野淳哉(マトリックスパワータグ)の4人が抜け出す。
中盤から佐野淳哉ら4人が逃げる
宇都宮ブリッツェンがコントロールするメイン集団はこの4人の逃げを容認しその差は5分に達する。残り距離が短くなる中、メイン集団のコントロールはジェリーベリーP/Bマキシスとなり、その中でも先頭固定で引くのは強豪選手のラクラン・モートンだ。
先頭4人は先頭交代して逃げ続けるがしだいにローテーションがうまく回らなくなると佐野が抜け出してしまう。これを早川と山本が追い上げて3人でふたたび先頭集団として戻る。メイン集団は変わらずジェリーベリーP/Bマキシスが強力に先頭を引く。ニセコ町内に入りフィニッシュまでの上り区間に入ってもジェリーベリーP/Bマキシスのコントロールは続く。
コントロールは宇都宮ブリッツェンからジェリーベリーへ
この上り区間でメイン集団からアタックしたのは木村圭佑(シマノレーシング)そして吉岡直哉(那須ブラーゼン)。大学同期の2人がアタックするがそれ以降のアタックは続かず、この2名が先頭の3人を追う。先頭の3人からは山本が下がりこれに吉岡が追いつく。木村はメイン集団に戻り、ラスト5kmでは先頭2人、追走2人、そしてメイン集団の構図に。
メイン集団も各チームが猛烈に追い上げ、ラスト1kmですべての逃げを吸収しひらふ坂600mの上りスプリント勝負へ。最初に先頭に出たのは吉岡。さらに後続から選手が上がりここで中根英登(愛三工業レーシングチーム)が先頭に立つ。しかしラスト30mでピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)が中根をかわし優勝。
このステージは攻撃を仕掛けて総合を逆転する動きとステージ狙いの動きが交錯することになった。各チームとも攻撃をするがそれぞれの思惑もあって連帯した動きにならず、いっぽうで宇都宮ブリッツェンは阿部嵩之と大久保陣でほぼすべてコントロールして攻撃に耐えた。宇都宮ブリッツェンの守りが堅固であり、他チームはステージ狙いの動きをせざるを得なかったのが実情だ。
ステージ優勝のピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)
昨日は増田選手が強かった。このレースはNIPPOにとって重要なレースなので、今日は少しでもタイム差を縮められるようにしていこうとミーティングで話した。後半60㎞の平坦区間で集団コントロールをして逃げを吸収し、最後の短い登りは得意なので、ある程度の集団で入れればなんとかなると思っていた。明日はチームとしては逃げに誰かをのせて行きたいが、距離が長いし、増田が強いので、やってみないとわからない。
リーダージャージキープの増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
一夜明けてこのリーダージャージを持ち帰らないといけなと強く思いました。今日はセオリー通り、総合に関係ない逃げを行かせ、他チームに頼らずに自分達でコントロールしていく方針でした。レース後半に新たな逃げが出来た後は、ステージ優勝狙いのチームがコントロールに協力してくれたので、ブリッツェンとしては良い展開になりました。途中うまくコントロールしきれなかったところもありましたが、結果としてジャージを守れたので良かったです。
明日は阿部嵩之選手がスタート出来ませんが、彼の分も引き継いで、ジャージを守るために出来る事はすべてやっていきたいと思っています。
第3ステージ結果(177.2km)
1位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 4時間34分42秒
2位 リカルド・ガルシア(キナンサイクリングチーム +00秒
3位 中根英登(愛三工業レーシングチーム)
4位 リカルド・スタキオッティ(NIPPOヴィーニファンティーニ)
5位 シリル・ティエリー(ヴェロクラブ・メンドリシオ)
6位 ジャイ・クロフォード(キナンサイクリングチーム)
7位 岡本隼(日本大学)
8位 ベンジャミン・プラデス(チーム右京) +05秒
9位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +07秒
10位 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン) +09秒
個人総合時間順位(第3ステージ終了時)
1位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) 7時間16分05秒
2位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ) +27秒
3位 リカルド・ガルシア(キナンサイクリングチーム)
4位 中根英登(愛三工業レーシングチーム) +29秒
5位 シリル・ティエリー(ヴェロクラブ・メンドリシオ) +30秒
6位 ジャイ・クロフォード(キナンサイクリングチーム) +33秒
7位 ベンジャミン・プラデス(チーム右京) +35秒
8位 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン) +40秒
9位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +45秒
10位 マッテオ・バディラッティ(ヴェロクラブ・メンドリシオ) +50秒
個人総合ポイント賞(第3ステージ終了時)
1位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 32p
2位 ティエリー・シリル(ヴェロクラブ・メンドリシオ) 24p
3位 リカルド・スタキオッティ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 22p
個人総合山岳賞(第3ステージ終了時)
1位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) 16p
2位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 11p
3位 アレクサンダー・ブライコ(ジェリーベリーP/Bマキシス) 6p
チーム総合順位(第3ステージ終了時)
1位 宇都宮ブリッツェン 21時間55分55秒
2位 キナンサイクリングチーム +29秒
3位 ヴェロクラブ・メンドリシオ +54秒
U26チーム総合順位(第2ステージ終了時)
1位 ヴェロクラブ・メンドリシオ 22時間03分46秒
2位 那須ブラーゼン +31秒
3位 鹿屋体育大学 +5分16秒
photo&text:Hideaki TAKAGI、Satoru KATO
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