2016/07/05(火) - 16:21
厳しいステージが2日続いたプロトンは休養を欲したようだ。平和な一日の締めのスプリントはハンドルの投げ合い。カヴがベルナール・イノーの記録に並ぶステージ28勝目を挙げた。
雨がちの冴えない天候が続いた数日間。今日はようやくの晴れ予報。青空が広がるわけでもなく肌寒いのに変わりはないが、雨の心配のない天候にほっとする。
スタートの港町グランヴィルでは日本絡みの2つのセレモニーが。ASOが日本で3度開催してきたツール・ド・フランスさいたまクリテリウムは、ジャパンカップと並びすでにお馴染みの大会になった。この日ヴィラージュでは、日本側の企画により市民やファンらの手によって折られた千羽鶴「鶴・ド・フランス」がさいたま市の関係者よりクリスティアン・プリュドム氏に贈呈された。昨年までさいたまクリテは年ごとの契約更新だったが、複数年契約を結んだという。また今ツールで活躍した選手が日本にやってきてくれる。
もうひとつはフォトジャーナリストの大前仁さんがツール取材20周年を表彰されたこと。雑誌への寄稿、チームユキヤとして新城幸也選手への広報支援、かつてはツール・ド・フランス速報(あるいはEX)という名のグラフ誌を私と一緒に8年間出版し続けた、日本のツール取材の先駆者のひとり。おめでとう大前先輩!
チームバスエリアは緊張感も無く穏やかな空気だった。今日は攻撃に出る選手も少ないはず。ローラーでウォームアップするのはミカエル・モルコフ(カチューシャ)。スタートアタックに備えるのではなく、落車で痛めた身体のバランスを確かめているのだとか。
アメリカンチームに馴染んできた感があるピエール・ロラン(キャノンデール)も早めにバスから出てきてファンサービス。ロランのバイクのチェーンは摩擦低減のパウダーが塗布されたものが取り付けられていた。通常は決戦日に使うものだが、山岳を前に早くも投入。ピレネーに向けての体力温存作戦は始まっている。
ジャイアント・アルペシンのバイクパンツはサイド部が落車の際も破れにくい素材になっていて、怪我を減らすことができるプロテクター付きのものだ。冬季の事故の悲劇からの復調に取り組んでいるチームならではの選択だ。
新城幸也(ランプレ・メリダ)もバスの前でリラックスした表情で、取材に対応してくれた。「昨日のシェルブールの上りフィニッシュは速すぎて前に上がれなかったですね。ランプレは僕以外4、5人が転んでいます。昨日転ばなかったのは運が良かった! まだ肩が回らないけど、日に日に良くなる感じがあります。ハンドル引いての全開走行はキツイんですが、巡航は問題無いです」。
サガンが集団内で危険な走行をする選手がいると警鐘を鳴らしたことについては、「お前もな! と言いたいところですが(笑)。テクニックがあるからって自由に動きまわるから(笑)。でもサガンの言うとおり確かに今年はちょっとおかしいですね。ひとりで急ブレーキかけたり、大声で騒いでいる選手がいたりと、慣れない選手が増えたのかもしれません。ノルマンディーの道は、あんなもの(危険)なんです」。
今日のユキヤの役割は、後半にかけてダヴィデ・チモライのスプリントの手伝いをすること。逃げ切れる可能性はないので動くことはない。
スタート直後にアタックを決めたアルマンド・フォンセカ(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)は、コース途中で通過するブルターニュの出身。チーム名こそフォルトゥネオに変わったが、チームは昨年ブルターニュセシュ・アンヴィロマンだった。もともとブルターニュとして結成されたチームは、今はフォンセカが唯一のブルターニュ出身者だ。
フォンセカを見送ったプロトンはさっそくスローペース走行に入る。30km/h前半のゆっくりしたスピードで走る集団では、おしゃべりを楽しむ姿が見受けられた。集団は長く伸び、ペースアップの心配もない。
旧ユーロップカーのチームメイト同士で話し込むピエール・ロランとトマ・ヴォクレール。そしてマイヨ・ジョーヌのペーター・サガンと話をしながら走る新城幸也の姿も。緩いアップダウンが続く直線路を走るプロトンは、フォンセカとの差をすぐに大きく開くことに成功した。一人逃げは、プロトンにとってコントロールしやすい最高の条件だ。近づき過ぎるとまたアタックがかかるから、距離を置くのは都合がいい。
平均時速33km/h、各街の通過スケジュールはほぼ30分遅れ。今日ゆっくり走るのは紳士協定のようなもの。最初の2日間がハードすぎた。続く火曜のステージは237kmとさらに長く、水曜はアップダウンが多く厳しい。今日はその中日。アルベルト・コンタドールをはじめ、傷ついた選手たちにとっては回復の図れる日だ。
近年の長過ぎる平坦ステージは面白みにかけ、レース的にはいいことがない。しかし沿道で応援する観客たちにとってはツール観戦をのんびりと楽しむことができるので悪くないようだ。コースを通過しながら、レースが来るまで沿道で食事を楽しみながら、お祭り気分ではしゃぎながら待つ観客たちの姿はツールならでは。誰も飽きてアクビしては居ない。
通過する街々で、ブルターニュ出身のフォンセカへの応援は大きかった。そしてもうひとり、マンシュ県の選手ミカエル・シェレル(AG2Rラモンディアール)を応援する子どもたちの応援団に遭遇した。ちょうどレースの中間で通過するサン=ティレール=デュ=アルクエが出身地。ニックネームの「MIKA」と書いた応援旗で、子どもたちも声を張り上げて応援する。
淡々と逃げ続けたフォンセカにはラスト80kmからトマ・ヴォクレールが合流した。プロトンからひとり追いかけ、フォンセカも少し待ってからふたりで行くことを選んだ。ヴォクレールのディレクトエネルジーにはスプリンターのブライアン・コカールが居るが、最後のスプリントに向けての牽引があまり得意でないヴォクレールは、先に行くことで助けになる方法をとった。
前半が緩かったぶん、後半のスピードは激しさを増し、集団も長く伸びた。大会の計測業務をつとめるディメンションデータの計測によると、ラスト50kmでロット・ソウダルが先頭牽引をした割合は42%にのぼったという。大都市アンジェのフィニッシュはかすかな上り坂。そしてフィニッシュエリアの脇には今年も南アフリカからクベカ=ディメンションデータの応援団がやってきていた。
アンドレ・グライペルとマーク・カヴェンディッシュがフィニッシュラインに向けてバイクを投げ合った。自身の勝利を信じてアンドレ・グライペルが片手を挙げるが、そのすぐ後にマーク・カヴェンディッシュが勝利をアピールして小さくガッツポーズ。MCは先に手を挙げたグライペルの名前を連呼するが、フォトフィニッシュの判定までには長い時間がかかった。
走り終えるやいなやプロテインを飲み干し、結果が告げられると歓喜するカヴェンディッシュ。遅れて帰ってくるチームメイトの元へひとりひとり駆け寄り、抱き合って喜ぶ。
押し合いへし合いのメディア勢のスクラムもついて回るが、ちょうど帰ってきた大きなグルペットとタイミングが重なり、選手とメディアが絡み合って転ぶハプニングも。やはりスター選手としてのクラスがあるカヴェンディッシュの復調はメディアにとっても大ニュース。しかもこの勝利はベルナール・イノーのツールステージ28勝に並ぶタイ記録だ。
カヴの勝因は最後の最後までタイミングを待ったことと、ラインを通過する直前のハンドル投げがグライペルよりもうまかったこと。
「今日は最後の追い込みが勝利につながると思っていた。早めに仕掛けるであろうアンドレの後ろからスプリントするのが得策だと思っていた。その狙い通り、差し切る事が出来てよかったよ。今日はスプリントで勝ったのではなく、最後のハンドル投げで勝敗が分かれたんだ」。
昨年のツールで1勝しかできかったのは、勝ちを焦りすぎたから。早めにかけたスプリントで、自らの加速力を生かせずに失敗するケースが続いた。円熟味を増したカヴがイノーの記録を上回る29勝目を挙げるチャンスは明日やってくる。
レース後半をどのチームよりも必勝体制で臨んだロット・ソウダルの努力は、わずか数センチで実らず。グライペルは言う。「最後はミスを犯した。最大のギアにシフトアップしたけれど、フィニッシュラインは少しだけ遠かった。違いはほんの少しだったんだ。結果に結びつかなかったのはほんとうに悔しい」。昨年は最速スプリンターとして君臨したグライペル。第1ステージで3位、第2ステージで2位、次は1位だ。「明日もただ同じようにトライするさ」。
今日は子どもたち2人と一緒にステージ表彰に登壇したカヴェンディッシュ。愛娘デリラグレースちゃんはマスコット集めにご執心。マイヨヴェール表彰でもらえるシュコダのマスコットをパパからトスしてもらい、しっかりキャッチしてごきげんだ。
ステージを難なく走り終えたアルベルト・コンタドール(ティンコフ)。今日はフィニッシュエリアでメディア対応をこなした。回復にあてた一日を終えて話す言葉は強いが、表情が冴えないのは気がかりだ。
「今日は安全に乗り切った。でも脚に痛みがあるのでペダルに強い力を込めることができずにいる。昨日の落車で痛めた左脚が一番の問題。何よりもまず早くホテルに戻って、明日に向けてリカバリーしたい。今年のツールは今のところ厳しいものになっているが、21ステージのうち3ステージが終わっただけ。落車続きだったけど気持ちは切れていない」。
今日はGoProを取り付けて動画を撮りながら走った新城幸也。「長い1日だったが、集団の中でたくさんの選手と話せた。『日本に来たい』と言う選手もいた(笑) 。今年のツールは天気が悪かったこともあり、なんだか落ち着かない気分だったが、今日はリラックスした日だった。 でも、 ゴールに向けた1時間はとっても速かった……。 チモライのアシストをしようとずっと一緒にいたが、5kmではぐれてしまって、そのままゴールとなった。日に日に調子が良くなっているのを感じる。 1週目はとにかく我慢、怪我を2週目までにしっかり治すようにしないとね」。
明日の第4ステージは今大会最長の237.5km。ユキヤにとって総合優勝の経験もあるツール・ド・リムザンの舞台、リモージュにフィニッシュする。しかしまったくの平坦で「僕の好きな(起伏に富んだ)リムザンじゃないんです」とユキヤ。
距離の長いスプリントステージ。明日も同じような展開になりそうな気配だ。
photo&text:Makoto.AYANO in Manche, France.
雨がちの冴えない天候が続いた数日間。今日はようやくの晴れ予報。青空が広がるわけでもなく肌寒いのに変わりはないが、雨の心配のない天候にほっとする。
スタートの港町グランヴィルでは日本絡みの2つのセレモニーが。ASOが日本で3度開催してきたツール・ド・フランスさいたまクリテリウムは、ジャパンカップと並びすでにお馴染みの大会になった。この日ヴィラージュでは、日本側の企画により市民やファンらの手によって折られた千羽鶴「鶴・ド・フランス」がさいたま市の関係者よりクリスティアン・プリュドム氏に贈呈された。昨年までさいたまクリテは年ごとの契約更新だったが、複数年契約を結んだという。また今ツールで活躍した選手が日本にやってきてくれる。
もうひとつはフォトジャーナリストの大前仁さんがツール取材20周年を表彰されたこと。雑誌への寄稿、チームユキヤとして新城幸也選手への広報支援、かつてはツール・ド・フランス速報(あるいはEX)という名のグラフ誌を私と一緒に8年間出版し続けた、日本のツール取材の先駆者のひとり。おめでとう大前先輩!
チームバスエリアは緊張感も無く穏やかな空気だった。今日は攻撃に出る選手も少ないはず。ローラーでウォームアップするのはミカエル・モルコフ(カチューシャ)。スタートアタックに備えるのではなく、落車で痛めた身体のバランスを確かめているのだとか。
アメリカンチームに馴染んできた感があるピエール・ロラン(キャノンデール)も早めにバスから出てきてファンサービス。ロランのバイクのチェーンは摩擦低減のパウダーが塗布されたものが取り付けられていた。通常は決戦日に使うものだが、山岳を前に早くも投入。ピレネーに向けての体力温存作戦は始まっている。
ジャイアント・アルペシンのバイクパンツはサイド部が落車の際も破れにくい素材になっていて、怪我を減らすことができるプロテクター付きのものだ。冬季の事故の悲劇からの復調に取り組んでいるチームならではの選択だ。
新城幸也(ランプレ・メリダ)もバスの前でリラックスした表情で、取材に対応してくれた。「昨日のシェルブールの上りフィニッシュは速すぎて前に上がれなかったですね。ランプレは僕以外4、5人が転んでいます。昨日転ばなかったのは運が良かった! まだ肩が回らないけど、日に日に良くなる感じがあります。ハンドル引いての全開走行はキツイんですが、巡航は問題無いです」。
サガンが集団内で危険な走行をする選手がいると警鐘を鳴らしたことについては、「お前もな! と言いたいところですが(笑)。テクニックがあるからって自由に動きまわるから(笑)。でもサガンの言うとおり確かに今年はちょっとおかしいですね。ひとりで急ブレーキかけたり、大声で騒いでいる選手がいたりと、慣れない選手が増えたのかもしれません。ノルマンディーの道は、あんなもの(危険)なんです」。
今日のユキヤの役割は、後半にかけてダヴィデ・チモライのスプリントの手伝いをすること。逃げ切れる可能性はないので動くことはない。
スタート直後にアタックを決めたアルマンド・フォンセカ(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)は、コース途中で通過するブルターニュの出身。チーム名こそフォルトゥネオに変わったが、チームは昨年ブルターニュセシュ・アンヴィロマンだった。もともとブルターニュとして結成されたチームは、今はフォンセカが唯一のブルターニュ出身者だ。
フォンセカを見送ったプロトンはさっそくスローペース走行に入る。30km/h前半のゆっくりしたスピードで走る集団では、おしゃべりを楽しむ姿が見受けられた。集団は長く伸び、ペースアップの心配もない。
旧ユーロップカーのチームメイト同士で話し込むピエール・ロランとトマ・ヴォクレール。そしてマイヨ・ジョーヌのペーター・サガンと話をしながら走る新城幸也の姿も。緩いアップダウンが続く直線路を走るプロトンは、フォンセカとの差をすぐに大きく開くことに成功した。一人逃げは、プロトンにとってコントロールしやすい最高の条件だ。近づき過ぎるとまたアタックがかかるから、距離を置くのは都合がいい。
平均時速33km/h、各街の通過スケジュールはほぼ30分遅れ。今日ゆっくり走るのは紳士協定のようなもの。最初の2日間がハードすぎた。続く火曜のステージは237kmとさらに長く、水曜はアップダウンが多く厳しい。今日はその中日。アルベルト・コンタドールをはじめ、傷ついた選手たちにとっては回復の図れる日だ。
近年の長過ぎる平坦ステージは面白みにかけ、レース的にはいいことがない。しかし沿道で応援する観客たちにとってはツール観戦をのんびりと楽しむことができるので悪くないようだ。コースを通過しながら、レースが来るまで沿道で食事を楽しみながら、お祭り気分ではしゃぎながら待つ観客たちの姿はツールならでは。誰も飽きてアクビしては居ない。
通過する街々で、ブルターニュ出身のフォンセカへの応援は大きかった。そしてもうひとり、マンシュ県の選手ミカエル・シェレル(AG2Rラモンディアール)を応援する子どもたちの応援団に遭遇した。ちょうどレースの中間で通過するサン=ティレール=デュ=アルクエが出身地。ニックネームの「MIKA」と書いた応援旗で、子どもたちも声を張り上げて応援する。
淡々と逃げ続けたフォンセカにはラスト80kmからトマ・ヴォクレールが合流した。プロトンからひとり追いかけ、フォンセカも少し待ってからふたりで行くことを選んだ。ヴォクレールのディレクトエネルジーにはスプリンターのブライアン・コカールが居るが、最後のスプリントに向けての牽引があまり得意でないヴォクレールは、先に行くことで助けになる方法をとった。
前半が緩かったぶん、後半のスピードは激しさを増し、集団も長く伸びた。大会の計測業務をつとめるディメンションデータの計測によると、ラスト50kmでロット・ソウダルが先頭牽引をした割合は42%にのぼったという。大都市アンジェのフィニッシュはかすかな上り坂。そしてフィニッシュエリアの脇には今年も南アフリカからクベカ=ディメンションデータの応援団がやってきていた。
アンドレ・グライペルとマーク・カヴェンディッシュがフィニッシュラインに向けてバイクを投げ合った。自身の勝利を信じてアンドレ・グライペルが片手を挙げるが、そのすぐ後にマーク・カヴェンディッシュが勝利をアピールして小さくガッツポーズ。MCは先に手を挙げたグライペルの名前を連呼するが、フォトフィニッシュの判定までには長い時間がかかった。
走り終えるやいなやプロテインを飲み干し、結果が告げられると歓喜するカヴェンディッシュ。遅れて帰ってくるチームメイトの元へひとりひとり駆け寄り、抱き合って喜ぶ。
押し合いへし合いのメディア勢のスクラムもついて回るが、ちょうど帰ってきた大きなグルペットとタイミングが重なり、選手とメディアが絡み合って転ぶハプニングも。やはりスター選手としてのクラスがあるカヴェンディッシュの復調はメディアにとっても大ニュース。しかもこの勝利はベルナール・イノーのツールステージ28勝に並ぶタイ記録だ。
カヴの勝因は最後の最後までタイミングを待ったことと、ラインを通過する直前のハンドル投げがグライペルよりもうまかったこと。
「今日は最後の追い込みが勝利につながると思っていた。早めに仕掛けるであろうアンドレの後ろからスプリントするのが得策だと思っていた。その狙い通り、差し切る事が出来てよかったよ。今日はスプリントで勝ったのではなく、最後のハンドル投げで勝敗が分かれたんだ」。
昨年のツールで1勝しかできかったのは、勝ちを焦りすぎたから。早めにかけたスプリントで、自らの加速力を生かせずに失敗するケースが続いた。円熟味を増したカヴがイノーの記録を上回る29勝目を挙げるチャンスは明日やってくる。
レース後半をどのチームよりも必勝体制で臨んだロット・ソウダルの努力は、わずか数センチで実らず。グライペルは言う。「最後はミスを犯した。最大のギアにシフトアップしたけれど、フィニッシュラインは少しだけ遠かった。違いはほんの少しだったんだ。結果に結びつかなかったのはほんとうに悔しい」。昨年は最速スプリンターとして君臨したグライペル。第1ステージで3位、第2ステージで2位、次は1位だ。「明日もただ同じようにトライするさ」。
今日は子どもたち2人と一緒にステージ表彰に登壇したカヴェンディッシュ。愛娘デリラグレースちゃんはマスコット集めにご執心。マイヨヴェール表彰でもらえるシュコダのマスコットをパパからトスしてもらい、しっかりキャッチしてごきげんだ。
ステージを難なく走り終えたアルベルト・コンタドール(ティンコフ)。今日はフィニッシュエリアでメディア対応をこなした。回復にあてた一日を終えて話す言葉は強いが、表情が冴えないのは気がかりだ。
「今日は安全に乗り切った。でも脚に痛みがあるのでペダルに強い力を込めることができずにいる。昨日の落車で痛めた左脚が一番の問題。何よりもまず早くホテルに戻って、明日に向けてリカバリーしたい。今年のツールは今のところ厳しいものになっているが、21ステージのうち3ステージが終わっただけ。落車続きだったけど気持ちは切れていない」。
今日はGoProを取り付けて動画を撮りながら走った新城幸也。「長い1日だったが、集団の中でたくさんの選手と話せた。『日本に来たい』と言う選手もいた(笑) 。今年のツールは天気が悪かったこともあり、なんだか落ち着かない気分だったが、今日はリラックスした日だった。 でも、 ゴールに向けた1時間はとっても速かった……。 チモライのアシストをしようとずっと一緒にいたが、5kmではぐれてしまって、そのままゴールとなった。日に日に調子が良くなっているのを感じる。 1週目はとにかく我慢、怪我を2週目までにしっかり治すようにしないとね」。
明日の第4ステージは今大会最長の237.5km。ユキヤにとって総合優勝の経験もあるツール・ド・リムザンの舞台、リモージュにフィニッシュする。しかしまったくの平坦で「僕の好きな(起伏に富んだ)リムザンじゃないんです」とユキヤ。
距離の長いスプリントステージ。明日も同じような展開になりそうな気配だ。
photo&text:Makoto.AYANO in Manche, France.
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