2016/06/13(月) - 08:25
奈良県下で初となるJプロツアー奈良クリテリウムは、宇都宮ブリッツェンの完全なコントロールのもと、小野寺玲が優勝。大久保陣も続いてチームはワン・ツーフィニッシュを達成した。
6月12日(日)に行われたJプロツアー奈良クリテリウム。奈良県下では今までツアー・オブ・ジャパン奈良ステージや各種団体によるクリテリウム、ロードレースは行われてきたが、JBCFとしては初となる大会だ。地元のシエルヴォ奈良 MIYATA-MERIDA レーシングチーム(横山光太郎GM)がホストチームとして開催にこぎつけた。
小野寺玲、大久保陣で宇都宮ブリッツェンがワン・ツーフィニッシュ photo:Hideaki TAKAGI
1周2.8kmのテクニカルコース
会場は大和郡山市の奈良県浄化センター内。コースはセンター内の管理用道路で2車線幅員が半分弱、大半は1車線ほどと狭く後半はコーナーが組み合わさる1周2.8kmのテクニカルなコース。しかし一列棒状となり抜きどころが少ないため、おおむねドライ路面だったP1クラスタまでは落車が少なかった。そのP1クラスタはコースを12周する33.6kmで行われた。
スタートからアタックがかかり1周目で4人が、2周目には3人が逃げる。メンバーはホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)、山下貴宏(シエルヴォ奈良 MIYATA-MERIDA レーシングチーム)そしてブルノ・ゲゼ(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)。6周目にはホセ・ビセンテと山下の2人で逃げる。メイン集団は宇都宮ブリッツェンがコントロールし10秒前後でタイム差をキープする。
3周目、メイン集団は宇都宮ブリッツェンがコントロール photo:Hideaki TAKAGI
9周目、逃げ続ける山下貴宏(シエルヴォ奈良 MIYATA-MERIDA レーシングチーム)とホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) photo:Hideaki TAKAGI
小野寺、大久保のワン・ツー
10周目に逃げの2人は吸収され、小渡健悟(シエルヴォ奈良 MIYATA-MERIDA レーシングチーム)やオスカル・プジョル(チーム右京)らが動くが先頭にまでは至らない。宇都宮ブリッツェンが高速でコントロールしたまま最終周回となり、鈴木譲、増田成幸そしてラスト1kmで阿部嵩之が先頭に立つ。そしてラスト250mのホームストレートで小野寺が先頭に出るともがききって1位に。2位には1/100秒差で大久保が入った。
11周目、オスカル・プジョル(チーム右京)が前へ上がる photo:Hideaki TAKAGI
2位の大久保陣(宇都宮ブリッツェン)がワン・ツーを喜ぶ photo:Hideaki TAKAGI
「有力チームすべてが揃った逃げなら追うが、強いホセを含む3名だったのでむしろ行かせたく、集団をコントロール。最後は譲、増田そしてアベタカが最終コーナー手前まで引いて玲そして陣で勝つ作戦でしたがそのとおりにできました。シミュレーションした通りで完璧です」と清水裕輔監督。唯一違ったのは、阿部がホームストレートに出るまで引いたこと。そのため距離が短く全開でもがき切った小野寺が先着することに。
「このチームで走れて本当にうれしい」小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
Pクラスタ 表彰 photo:Hideaki TAKAGI「まさか自分が勝つとはと思いましたが。チームメイトがコントロールして最後はミーティングで話したその通りに入れました。僕がリードアウトして陣さんが勝つという作戦でしたが、ストレートが短くて。僕が勝っちゃってよかったのかなと思ったのですが(笑)。このチームで走れて本当にうれしいです」と小野寺。
作新学院高からブラウブリッツェン、那須ブラーゼンそして今シーズンから同チームで走る小野寺はまだ20歳。2006年から始まったJプロツアー(Jツアー)の歴代2位に相当する20歳9か月での優勝だ。ちなみに最年少優勝は福田真平(当時ブリヂストンアンカー)の20歳7か月、3番目は畑中勇介(当時ブリヂストンアンカー)の20歳11か月。
「来年は2日間開催を」横山光太郎GM(シエルヴォ奈良 MIYATA-MERIDA レーシングチーム)
開催を支えたシエルヴォ奈良 MIYATA-MERIDA レーシングチーム photo:Hideaki TAKAGI大会の開催にあたって奔走した横山GMは「奈良でのレースをなんとかやりたいという気持ちで、皆さんのご支援のもと開催にこぎつけました。これほど大変なこととは思っていなかったのが実感です。レースはもちろん勝ちたかったですが結果がすべて。でも山下と小渡が魅せるレースをしてくれました。今回が成功なのかどうかはまだわかりませんが、来年は公道のロードレースとクリテリウムの2日間開催したく構想中です」と語る。来年の奈良に期待だ。
Fクラスタのスターターは奈良県選出の奥野信亮衆議院議員 photo:Hideaki TAKAGI
F 吉川美穂(Live GARDEN BICI STELLE)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
E1 1組 松木健治(クラブシルベスト)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
E1 2組 設楽彗斗(ネクストリーム・うどん棒)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
結果 P1クラスタ 33.6km
1位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)48分14秒
2位 大久保陣(宇都宮ブリッツェン)
3位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
4位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
5位 小橋勇利(シマノレーシング)+01秒
6位 横山航太(シマノレーシング)
Jプロツアーリーダー ジョン・アベラストゥリ(チーム右京)
U23リーダー 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
結果 Fクラスタ 14.0km
1位 吉川美穂(Live GARDEN BICI STELLE)22分43秒
2位 坂口聖香(パナソニックレディース)
3位 福本千佳(Toyo Frame)+01秒
Jフェミニンツアーリーダー 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)
photo&text:高木秀彰
6月12日(日)に行われたJプロツアー奈良クリテリウム。奈良県下では今までツアー・オブ・ジャパン奈良ステージや各種団体によるクリテリウム、ロードレースは行われてきたが、JBCFとしては初となる大会だ。地元のシエルヴォ奈良 MIYATA-MERIDA レーシングチーム(横山光太郎GM)がホストチームとして開催にこぎつけた。
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1周2.8kmのテクニカルコース
会場は大和郡山市の奈良県浄化センター内。コースはセンター内の管理用道路で2車線幅員が半分弱、大半は1車線ほどと狭く後半はコーナーが組み合わさる1周2.8kmのテクニカルなコース。しかし一列棒状となり抜きどころが少ないため、おおむねドライ路面だったP1クラスタまでは落車が少なかった。そのP1クラスタはコースを12周する33.6kmで行われた。
スタートからアタックがかかり1周目で4人が、2周目には3人が逃げる。メンバーはホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)、山下貴宏(シエルヴォ奈良 MIYATA-MERIDA レーシングチーム)そしてブルノ・ゲゼ(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)。6周目にはホセ・ビセンテと山下の2人で逃げる。メイン集団は宇都宮ブリッツェンがコントロールし10秒前後でタイム差をキープする。
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小野寺、大久保のワン・ツー
10周目に逃げの2人は吸収され、小渡健悟(シエルヴォ奈良 MIYATA-MERIDA レーシングチーム)やオスカル・プジョル(チーム右京)らが動くが先頭にまでは至らない。宇都宮ブリッツェンが高速でコントロールしたまま最終周回となり、鈴木譲、増田成幸そしてラスト1kmで阿部嵩之が先頭に立つ。そしてラスト250mのホームストレートで小野寺が先頭に出るともがききって1位に。2位には1/100秒差で大久保が入った。
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「このチームで走れて本当にうれしい」小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
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作新学院高からブラウブリッツェン、那須ブラーゼンそして今シーズンから同チームで走る小野寺はまだ20歳。2006年から始まったJプロツアー(Jツアー)の歴代2位に相当する20歳9か月での優勝だ。ちなみに最年少優勝は福田真平(当時ブリヂストンアンカー)の20歳7か月、3番目は畑中勇介(当時ブリヂストンアンカー)の20歳11か月。
「来年は2日間開催を」横山光太郎GM(シエルヴォ奈良 MIYATA-MERIDA レーシングチーム)
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結果 P1クラスタ 33.6km
1位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)48分14秒
2位 大久保陣(宇都宮ブリッツェン)
3位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
4位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
5位 小橋勇利(シマノレーシング)+01秒
6位 横山航太(シマノレーシング)
Jプロツアーリーダー ジョン・アベラストゥリ(チーム右京)
U23リーダー 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
結果 Fクラスタ 14.0km
1位 吉川美穂(Live GARDEN BICI STELLE)22分43秒
2位 坂口聖香(パナソニックレディース)
3位 福本千佳(Toyo Frame)+01秒
Jフェミニンツアーリーダー 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)
photo&text:高木秀彰
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