2016/05/30(月) - 12:19
21日間を戦い抜いた総合上位陣や、最終スプリントに絡んだ選手たちのコメントを紹介。ヴィンチェンツォ・ニーバリは「これまで走ったどのレースよりも手ごわい3週間だった」と振り返っています。
ステージ優勝のニキアス・アルント(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
ニッツォロの降格によりニキアス・アルント(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)がステージ優勝 photo:Kei Tsuji
先頭でスプリントするジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:Kei Tsuji
スプリントで競り合うジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)やニキアス・アルント(ドイツ、ジャイアント・アルペシン) photo:Kei Tsuji今日もハードな一日だったよ。最終周まではすごく簡単なレースだったものの、スプリントに向けた位置取り争いが激しくなり、極めてナーバスな雰囲気だった。その時点で逃げた2人も前に残っていて、チームメンバーは引き戻すのにものすごい働きをしてくれた。彼らのおかげで好ポジションをキープできたし、それがなかったらスプリントに加われていたかどうかもわからない。降格処分と繰り上げ優勝に関しては、決定は決定であり、僕は自分のスプリントをこなしただけ。ともかくチームとともにこの勝利を楽しみたいと思う。
サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
ニッツォロが斜行して僕のラインを塞いできた時、思わず汚い言葉を吐いてしまった。それに関しては謝らなければならない。勝てると思っていたのに、それを潰されてしまった。今日、そしてこれまで全てのステージで素晴らしい働きをしてくれたチームメイトに勝利をプレゼントできずに申し訳ない。彼らに勝利で返したかった。脚もコンディションも良かったけれど、勝てなかった。
降格となったジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)
チームは素晴らしい走りをし、僕は素晴らしいスプリントができた。降格処分となったが、今日最速だったのは僕だ。
総合優勝を果たしたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
ジロ総合優勝に輝いたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Kei Tsuji
これまで走ったどのレースよりも手ごわい3週間だった。でも、苦しんだ分だけ、今感じている喜びは大きいものになった。一番辛かったのは、山岳タイムトライアル(第15ステージ)。全く上手くいかなかったし、脚の調子も最悪だった。最終週は調子が上向いたんだ。そして、トリノにゴールした今日、僕は総合トップに立っている。チームの皆と共にこの表彰台に立てた事は奇跡みたいだ。この喜びは言葉では語りつくせない。
エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)がゴールを切る photo:CorVos総合2位のエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
夢は叶うんだと学んだよ。諦めなければきっと夢は叶う。それが僕、そしてチームがレース活動を続けている理由なんだ。チームメイトやスタッフ、全ての協力がなければ総合2位に立つことは不可能だった。サポートしてくれた全員に感謝しなければならない。ジロ終盤の数日間は、自分の人生の中で最高の日々だった。でもまだ全ては始まったばかりだ。
総合3位、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
総合トップスリー、2位チャベス、1位ニーバリ、3位バルベルデ photo:Kei Tsuji
モビスターにとって素晴らしいジロ・デ・イタリアとなった。アンドレイのマリアローザ着用、ステージ優勝、そして終盤の激しい戦いを経て総合3位に立つことができた。個人的にはとても嬉しく感じているし、今シーズンは序盤から全てうまくいっている。初めてのジロで総合表彰台に立ったことは喜ばしいことだ。チームメイトやスタッフはもちろん、家族、妻、子供たち、マローリやカストロビエホら落車が原因でジロに加わることができなかったメンバー、そしていつも天から見守ってくれるトンド。全てに感謝したい。
初めてのジロはとても素晴らしいものだったし、このレースが好きになった。ツール・ド・フランスよりもブエルタ・ア・エスパーニャに近く、ツール独特のプレッシャーも感じない。再び出場しない理由はどこにも無いよ。
次の大きな目標はリオ五輪だ。ツールではキンタナのサポートをするために走る。序盤に遅れておけば仕事をする上で動きやすくなる。山岳では全力でアシストするし、可能であれば逃げに乗ったりステージ優勝を目指したりしたい。ナイロをツールで勝たせ、そしてリオに乗り込みたい。
総合4位、ステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)
フィニッシュするステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ) photo:CorVos
マリアビアンカを獲得したボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) photo:Kei Tsuji第14ステージでマリアローザを手に入れ、ライバルたちに打ち勝った時が僕のこのジロでのハイライトだった。あの日はとても調子が良くて、もともと山岳タイムトライアルに備えて脚を温存しておこうと思っていたけれど、状況的にも噛み合っていたしアタックすることにした。
このジロで僕が選んだ戦い方は間違ってなかったと思っている。マリアローザはいろいろな喜びをもたらしてくれる。皆がマリアローザに注目し、それを奪おうと挑んでくる。ライバルたちに打ち勝ち、注目を浴びながら走ることに勝る喜びはなかった。
そして第19ステージで僕はミスを犯した。ニーバリが下りでとてつもなく速いということは知っていたから、出来るだけ彼から離れないようにしたかった。でも、雪のせいで見通しが悪く、雪壁に突っ込んでしまうことになったんだ。このジロが始まる前に、総合4位という成績を収めることを聞いたらとっても幸せだっただろう。でも、チャンスがあればそれを掴まないといけないんだ。大きなチャンスを掴み損ねたことがとても残念だ。
総合6位、マリアビアンカのボブ・ユンヘルス(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
今の時点では、このマリアビアンカが競技人生にどのような意味を持つのか語るのは難しい。理解しているのは、マリアビアンカを獲るために全力を尽くしてきたこと。今の気持ちを言葉にできるのは少し先になりそうだ。自分の結果が誇らしい。このまま次に繋げていきたい。
ジロ・デ・イタリアを走りぬいた山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)
周回遅れになったが、無事に完走した山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji
最後は短縮によるゴールという事で若干味気なかったが無事に完走することが出来て良かった。落車で打ち付けた腰は痛むが、日にちが経てば治ると思う。
落車した原因だが、どうやら道路にオイルが撒かれていたらしい。もし故意に撒かれていたのだとすれば、どういう思考回路をしていればそんなことが出来るのか分からないし、そういうことをする人間はクズだと思う。そこに怒ったところでどうしようも無いのは分かっているので今は回復させることを最優先で考えたい。
ジロ・デ・イタリアを完走することが出来たという事でほっとしている部分もあるが、まだまだ足りないところばかり。ここから成長しなければ経験を積んでいる意味が無いのでそのことを忘れず、これからも強くなる為に頑張り続けたいと思う。もっとも、まずは一旦休憩したいと思う。3週間走り続けたわけだし、しっかりと疲れを抜いてリフレッシュして次に気持ちを切り替えていきたい。(本人ブログ「Genki一杯」より抜粋)
※各コメントはレース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。
text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
ステージ優勝のニキアス・アルント(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
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サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
ニッツォロが斜行して僕のラインを塞いできた時、思わず汚い言葉を吐いてしまった。それに関しては謝らなければならない。勝てると思っていたのに、それを潰されてしまった。今日、そしてこれまで全てのステージで素晴らしい働きをしてくれたチームメイトに勝利をプレゼントできずに申し訳ない。彼らに勝利で返したかった。脚もコンディションも良かったけれど、勝てなかった。
降格となったジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)
チームは素晴らしい走りをし、僕は素晴らしいスプリントができた。降格処分となったが、今日最速だったのは僕だ。
総合優勝を果たしたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
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これまで走ったどのレースよりも手ごわい3週間だった。でも、苦しんだ分だけ、今感じている喜びは大きいものになった。一番辛かったのは、山岳タイムトライアル(第15ステージ)。全く上手くいかなかったし、脚の調子も最悪だった。最終週は調子が上向いたんだ。そして、トリノにゴールした今日、僕は総合トップに立っている。チームの皆と共にこの表彰台に立てた事は奇跡みたいだ。この喜びは言葉では語りつくせない。
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夢は叶うんだと学んだよ。諦めなければきっと夢は叶う。それが僕、そしてチームがレース活動を続けている理由なんだ。チームメイトやスタッフ、全ての協力がなければ総合2位に立つことは不可能だった。サポートしてくれた全員に感謝しなければならない。ジロ終盤の数日間は、自分の人生の中で最高の日々だった。でもまだ全ては始まったばかりだ。
総合3位、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
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モビスターにとって素晴らしいジロ・デ・イタリアとなった。アンドレイのマリアローザ着用、ステージ優勝、そして終盤の激しい戦いを経て総合3位に立つことができた。個人的にはとても嬉しく感じているし、今シーズンは序盤から全てうまくいっている。初めてのジロで総合表彰台に立ったことは喜ばしいことだ。チームメイトやスタッフはもちろん、家族、妻、子供たち、マローリやカストロビエホら落車が原因でジロに加わることができなかったメンバー、そしていつも天から見守ってくれるトンド。全てに感謝したい。
初めてのジロはとても素晴らしいものだったし、このレースが好きになった。ツール・ド・フランスよりもブエルタ・ア・エスパーニャに近く、ツール独特のプレッシャーも感じない。再び出場しない理由はどこにも無いよ。
次の大きな目標はリオ五輪だ。ツールではキンタナのサポートをするために走る。序盤に遅れておけば仕事をする上で動きやすくなる。山岳では全力でアシストするし、可能であれば逃げに乗ったりステージ優勝を目指したりしたい。ナイロをツールで勝たせ、そしてリオに乗り込みたい。
総合4位、ステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)
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このジロで僕が選んだ戦い方は間違ってなかったと思っている。マリアローザはいろいろな喜びをもたらしてくれる。皆がマリアローザに注目し、それを奪おうと挑んでくる。ライバルたちに打ち勝ち、注目を浴びながら走ることに勝る喜びはなかった。
そして第19ステージで僕はミスを犯した。ニーバリが下りでとてつもなく速いということは知っていたから、出来るだけ彼から離れないようにしたかった。でも、雪のせいで見通しが悪く、雪壁に突っ込んでしまうことになったんだ。このジロが始まる前に、総合4位という成績を収めることを聞いたらとっても幸せだっただろう。でも、チャンスがあればそれを掴まないといけないんだ。大きなチャンスを掴み損ねたことがとても残念だ。
総合6位、マリアビアンカのボブ・ユンヘルス(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
今の時点では、このマリアビアンカが競技人生にどのような意味を持つのか語るのは難しい。理解しているのは、マリアビアンカを獲るために全力を尽くしてきたこと。今の気持ちを言葉にできるのは少し先になりそうだ。自分の結果が誇らしい。このまま次に繋げていきたい。
ジロ・デ・イタリアを走りぬいた山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)
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最後は短縮によるゴールという事で若干味気なかったが無事に完走することが出来て良かった。落車で打ち付けた腰は痛むが、日にちが経てば治ると思う。
落車した原因だが、どうやら道路にオイルが撒かれていたらしい。もし故意に撒かれていたのだとすれば、どういう思考回路をしていればそんなことが出来るのか分からないし、そういうことをする人間はクズだと思う。そこに怒ったところでどうしようも無いのは分かっているので今は回復させることを最優先で考えたい。
ジロ・デ・イタリアを完走することが出来たという事でほっとしている部分もあるが、まだまだ足りないところばかり。ここから成長しなければ経験を積んでいる意味が無いのでそのことを忘れず、これからも強くなる為に頑張り続けたいと思う。もっとも、まずは一旦休憩したいと思う。3週間走り続けたわけだし、しっかりと疲れを抜いてリフレッシュして次に気持ちを切り替えていきたい。(本人ブログ「Genki一杯」より抜粋)
※各コメントはレース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。
text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka