2016/05/18(水) - 18:43
超級山岳ジブラルタルロードで総合争いが勃発。昨年総合2位に甘んじたジュリアン・アラフィリップが鮮烈なアタックでステージ優勝を飾り、総合首位に躍り出た。
太平洋に面した西海岸を北上する photo:www.amgentourofcalifornia.com/Brian Hodes
ツアー・オブ・カリフォルニア2016第3ステージ コースプロフィール
ブラドレー・ウィギンス(イギリス、チームウィギンス)とマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)のマディソンコンビが談笑 photo:www.amgentourofcalifornia.com/Brian Hodes
メイン集団をコントロールするキャノンデールプロサイクリング photo:www.amgentourofcalifornia.com/Brian Hodes
序盤から逃げた7名 photo:www.amgentourofcalifornia.com/Doug Pensingerツアー・オブ・カリフォルニアは折り返しを待たずにクイーンステージへと直面。大会スポンサーのアムジェン社があるサウザンドオークスを出発し、超級山岳ジブラルタルロード山頂へと至る167.5kmがその舞台だ。
最後に控えるジブラルタルロードは登坂距離12kmで平均勾配は8%にも達する。そこに至るまではほとんど平坦路が続くため、有力選手による純粋なステージ=総合争いが繰り広げられるものと予測されていた。
逃げるピーター・ステティーナ(アメリカ、トレック・セガフレード)とラクラン・モートン(オーストラリア、ジェリーベリーp/bマキシス) photo:www.amgentourofcalifornia.com/Brian Hodes
単独でフィニッシュを目指すピーター・ステティーナ(アメリカ、トレック・セガフレード) photo:www.amgentourofcalifornia.com/Brian Hodesスタート直後の登りで飛び出したのは、前日にベンジャミン・キング(アメリカ、キャノンデールプロサイクリング)と逃げ切りを成功させ、山岳賞首位に立っているエヴァン・ハフマン(アメリカ、ラリーサイクリング)や、初日に逃げた同2位のオスカル・クラーク(アメリカ、ホロウェスコ)、ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・セガフレード)を含む7名。
山岳賞を狙ってハフマンとクラークは激しく競り合った結果、1つめの3級山岳はハフマン、2つめの2級山岳はクラーク、そして121km地点の3級山岳をハフマンがそれぞれ先着し、結果的に山岳賞の変動は無し。合計25ポイントを稼いだハフマンはフィニッシュを待たず、この日終了時点での山岳賞首位を決めている。
前日追い込みが遅れリーダージャージが動いたことで、この日キャノンデールプロサイクリングはタイム差3分ほどで終始レースをコントロール。ジブラルタルロード終盤のアタック合戦勃発までプロトンを牽ききった。
逃げグループをじわじわと追い詰める集団内ではブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)とピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)が絡む落車が発生し、激しく身体を打ち付けたケノーはその場でリタイアを選択。大きな怪我は見つからなかったものの、チームスカイにとってはジロ・デ・イタリアからのミケル・ランダ(スペイン)離脱と合わせ受難の1日となってしまう。
ジブラルタルロードの麓に到達する頃には逃げグループも分裂し、最後まで粘ったグレゴリー・ダニエル(アメリカ、アクセオン・ハーゲンス・ベルマン)も残り10kmで吸収。するとダニーロ・ウィス(スイス、BMCレーシング)とニールソン・パウエルス(アメリカ、アクセオン・ハーゲンス・ベルマン)が抜け出した。
今大会最年少、19歳のパウエルスは後方に戻るウィスを切り離して単独となり、テンポを上げて独走態勢を築きあげる。ハイケイデンスで登り続けるパウエルスに対しては、残り5kmでラクラン・モートン(オーストラリア、ジェリーベリーp/bマキシス)がメイン集団から追走を開始する。
そこに「総合を狙うチャンスがあるとしたら、最終盤のアタック合戦まで待っては分が悪い。だから早めに仕掛けて距離を稼いでおく必要があった。ライシー(モートン)はマークしておく必要がある選手と踏んでいたので、彼の動きに合わせて一緒に逃げた」と言うピーター・ステティーナ(アメリカ、トレック・セガフレード)が合流し、暫しの追走を経てパウエルスに追いついた。
やがて先頭からはステティーナが抜け出したものの、精鋭メンバーのみとなったメイン集団も間髪入れずに追い上げてくる。「向かい風で思うようにペースが上がらなかった」というステティーナには、ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)を千切った前回大会総合2位のジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)が単独で合流に成功する。
独走勝利を飾ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ) photo:www.amgentourofcalifornia.com/Ezra Shaw
ステージ表彰台 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)が中央に立つ photo:www.amgentourofcalifornia.com/Brian Hodes
リーダージャージに袖を通したジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ) photo:www.amgentourofcalifornia.com/Brian Hodesそして残り1km、息を整えたアラフィリップはゴール前で再び加速すると、ステティーナには打つ手無し。最終的にアラフィリップはステティーナを15秒、ベネットを25秒引き離してフィニッシュ。ボーナスタイムと合わせて一躍総合首位に浮上してみせた。
「今シーズン初勝利ということもあって、とても嬉しい。登りでは終盤になるにつれて全員の緊張感が高まっていて、誰もが仕掛けるタイミングを待っていた」とは、23歳のアラフィリップ。「調子良く感じていたし、ゴールに向けて全力でアタックした。ステージ前の目標としては、最終盤に良いポジションにつけていることだった。実際にうまくいったわけだが、1日を通してアシストしてくれたチームメイトに感謝したい。毎日リーダージャージを獲るために準備を重ねてきたが、今日は全てがうまく働いた」とレースを振り返った。
クイーンステージを終えてアラフィリップの総合リードは19秒。1分差以内に未だ9名がつけており、TTを得意とするローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)は58秒差の8位。しかし第6ステージの個人TTは20kmと短距離であるため、アラフィリップ有利であることには変わりない。
翌第4ステージはモロ・ベイをスタートし、世界的に有名なサーキットコース「ラグナ・セカ」を走りフィニッシュする217kmだ。
ツアー・オブ・カリフォルニア2016第3ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)
山岳賞
1位 エヴァン・ハフマン(アメリカ、ラリーサイクリング)
ヤングライダー賞
1位 ニールソン・パウエルス(アメリカ、アクセオン・ハーゲンス・ベルマン)
チーム総合成績
1位 BMCレーシング
text:So.Isobe
photo:www.amgentourofcalifornia.com/Brian Hodes
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最後に控えるジブラルタルロードは登坂距離12kmで平均勾配は8%にも達する。そこに至るまではほとんど平坦路が続くため、有力選手による純粋なステージ=総合争いが繰り広げられるものと予測されていた。
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山岳賞を狙ってハフマンとクラークは激しく競り合った結果、1つめの3級山岳はハフマン、2つめの2級山岳はクラーク、そして121km地点の3級山岳をハフマンがそれぞれ先着し、結果的に山岳賞の変動は無し。合計25ポイントを稼いだハフマンはフィニッシュを待たず、この日終了時点での山岳賞首位を決めている。
前日追い込みが遅れリーダージャージが動いたことで、この日キャノンデールプロサイクリングはタイム差3分ほどで終始レースをコントロール。ジブラルタルロード終盤のアタック合戦勃発までプロトンを牽ききった。
逃げグループをじわじわと追い詰める集団内ではブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)とピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)が絡む落車が発生し、激しく身体を打ち付けたケノーはその場でリタイアを選択。大きな怪我は見つからなかったものの、チームスカイにとってはジロ・デ・イタリアからのミケル・ランダ(スペイン)離脱と合わせ受難の1日となってしまう。
ジブラルタルロードの麓に到達する頃には逃げグループも分裂し、最後まで粘ったグレゴリー・ダニエル(アメリカ、アクセオン・ハーゲンス・ベルマン)も残り10kmで吸収。するとダニーロ・ウィス(スイス、BMCレーシング)とニールソン・パウエルス(アメリカ、アクセオン・ハーゲンス・ベルマン)が抜け出した。
今大会最年少、19歳のパウエルスは後方に戻るウィスを切り離して単独となり、テンポを上げて独走態勢を築きあげる。ハイケイデンスで登り続けるパウエルスに対しては、残り5kmでラクラン・モートン(オーストラリア、ジェリーベリーp/bマキシス)がメイン集団から追走を開始する。
そこに「総合を狙うチャンスがあるとしたら、最終盤のアタック合戦まで待っては分が悪い。だから早めに仕掛けて距離を稼いでおく必要があった。ライシー(モートン)はマークしておく必要がある選手と踏んでいたので、彼の動きに合わせて一緒に逃げた」と言うピーター・ステティーナ(アメリカ、トレック・セガフレード)が合流し、暫しの追走を経てパウエルスに追いついた。
やがて先頭からはステティーナが抜け出したものの、精鋭メンバーのみとなったメイン集団も間髪入れずに追い上げてくる。「向かい風で思うようにペースが上がらなかった」というステティーナには、ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)を千切った前回大会総合2位のジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)が単独で合流に成功する。
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「今シーズン初勝利ということもあって、とても嬉しい。登りでは終盤になるにつれて全員の緊張感が高まっていて、誰もが仕掛けるタイミングを待っていた」とは、23歳のアラフィリップ。「調子良く感じていたし、ゴールに向けて全力でアタックした。ステージ前の目標としては、最終盤に良いポジションにつけていることだった。実際にうまくいったわけだが、1日を通してアシストしてくれたチームメイトに感謝したい。毎日リーダージャージを獲るために準備を重ねてきたが、今日は全てがうまく働いた」とレースを振り返った。
クイーンステージを終えてアラフィリップの総合リードは19秒。1分差以内に未だ9名がつけており、TTを得意とするローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)は58秒差の8位。しかし第6ステージの個人TTは20kmと短距離であるため、アラフィリップ有利であることには変わりない。
翌第4ステージはモロ・ベイをスタートし、世界的に有名なサーキットコース「ラグナ・セカ」を走りフィニッシュする217kmだ。
ツアー・オブ・カリフォルニア2016第3ステージ結果
1位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
2位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、トレック・セガフレード)
3位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)
4位 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング)
5位 ニールソン・パウエルス(アメリカ、アクセオン・ハーゲンス・ベルマン)
6位 ローレンス・テンダム(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
7位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ジェリーベリーp/bマキシス)
8位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)
9位 サミュエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
10位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、キャノンデールプロサイクリング)
2位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、トレック・セガフレード)
3位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)
4位 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング)
5位 ニールソン・パウエルス(アメリカ、アクセオン・ハーゲンス・ベルマン)
6位 ローレンス・テンダム(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
7位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ジェリーベリーp/bマキシス)
8位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)
9位 サミュエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
10位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、キャノンデールプロサイクリング)
4h36’59”
+15”
+25”
+27”
+30”
+33”
+35”
+48”
+59”
+15”
+25”
+27”
+30”
+33”
+35”
+48”
+59”
個人総合成績
1位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
2位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、トレック・セガフレード)
3位 ジョージ・ベネット(オーストラリア、ロットNLユンボ)
4位 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング)
5位 ニールソン・パウエルス(アメリカ、アクセオン・ハーゲンス・ベルマン)
6位 ローレンス・テンダム(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
7位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ジェリーベリーp/bマキシス)
8位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)
9位 サミュエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
10位 アイマル・スベルディア(スペイン、トレック・セガフレード)
2位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、トレック・セガフレード)
3位 ジョージ・ベネット(オーストラリア、ロットNLユンボ)
4位 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング)
5位 ニールソン・パウエルス(アメリカ、アクセオン・ハーゲンス・ベルマン)
6位 ローレンス・テンダム(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
7位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ジェリーベリーp/bマキシス)
8位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)
9位 サミュエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
10位 アイマル・スベルディア(スペイン、トレック・セガフレード)
12h49’47”
+19”
+31”
+37”
+40”
+43”
+45”
+58”
+1’09”
+19”
+31”
+37”
+40”
+43”
+45”
+58”
+1’09”
ポイント賞
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)
山岳賞
1位 エヴァン・ハフマン(アメリカ、ラリーサイクリング)
ヤングライダー賞
1位 ニールソン・パウエルス(アメリカ、アクセオン・ハーゲンス・ベルマン)
チーム総合成績
1位 BMCレーシング
text:So.Isobe
photo:www.amgentourofcalifornia.com/Brian Hodes
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