2016/05/02(月) - 10:36
8日間で1265.7kmを走るツアー・オブ・ターキー最終日。集団スプリントでヤコブ・マレツコが勝利し、ホセ・ゴンサルべが総合優勝。窪木一茂と石橋学も8日間の戦いを終えた。
8日間を走るツアー・オブ・ターキー(UCI2.HC)はいよいよ最終日。エーゲ海に面したマルマリスとセルチュクという2つの歴史ある街を繋ぐ201.7kmが長い戦いを締めくくる。
リアルスタートが切られるや激しいアタック合戦が繰り広げられ、その末にヤン・ハート(ポーランド、CCCスプランディポルコウィチェ)やアレッサンドロ・マラグーティ(イタリア、ユニユーロ・ウィリエール)を含む4名がおよそ3分差を持って逃げ始めた。
メイン集団はスプリントを狙うサウスイーストや、ホセ・ゴンサルべ(ポルトガル)を総合優勝一歩手前まで運んだカハルーラルがコントロール。定石通りのペーシングでタイム差を削り取っていたが、逃げ切りを狙う先頭グループが残り40kmを切ったタイミングで動いた。
1名を切り離し3名となった先頭グループは強風を逆手に加速し、残り29km地点でタイム差を一気に5分51秒まで広げてみせる。しかし集団もNIPPOヴィーニファンティーニを含む複数のチームが強調して怒涛のペースアップ。通常なら逃げ切りが決定的となるタイム差をひっくり返し、残り15kmで1分差までに詰め寄った。
勢いを緩めないメイン集団は人数を減らしつつ、ゴール前最後の丘で2名となっていた逃げグループをキャッチする。ここからクェンティン・パシェ(フランス、デルコ・マルセイユ・プロヴァンスKTM)やダニエーレ・コッリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)がアタックを繰り返したが、いずれもロット・ソウダルが強力に率いるメイン集団に引き戻される。
しかし追走に力を使ったロットトレインはゴール前までに人数を減らし、代わってサウスイーストが先頭に立ち残り1km。どのチームも人数を揃えることができない状態の中、クリス・ボックマンス(ベルギー、ロット・ソウダル)の発進をきっかけに最終スプリントが始まった。
早掛けしたボックマンスを3勝目が欲しいサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)が追撃したが、ゴール直前で伸びたのは、集団内に埋もれた中から鮮やかに抜け出したヤコブ・マレツコ(イタリア、サウスイースト)。一際低い姿勢でゴールまで踏み抜くと、第5ステージに続く大会2勝目のガッツポーズを繰り出した。
「今日は山岳で苦しんだけれど、チームメイトが遅れないように手助けしてくれた。最後はモードロの番手から踏み抜いたよ。山がちなターキーで2勝を収めることができてとても満足している」と言うマレツコ。イタリアの期待を背負う22歳の若手スプリンターが今シーズン5勝目を掴んだ。
そして総合首位のゴンサルべはチームメイトに守られながら無難にステージを走りきり、総合優勝を確定させる。山岳での強みを遺憾なく発揮したカハルーラルは総合1、2、4位とビューティー・オブ・ターキー賞、チーム総合成績をさらうなど圧勝だった。
「自分が総合優勝することになるとは思っていなかった。レース中に日に日にコンディションが上がっていくのがわかっていたけれど、風による分断があった大会序盤には、もはや総合がどうなるかすら分からなかった。山岳では登りが20kmもあったら脱落していただろうし、コースが自分向きだったと言える。好調なのにジロに出場ないことが残念だが、ブエルタではビルバオと共に結果を求めていきたい」とはゴンサルべ。ワールドツアーチームへのステップアップを狙う27歳が大きな勝利を手に入れた。
この日集団牽引に尽力した窪木一茂と石橋学はそれぞれ67位と81位でフィニッシュし、8日間の戦いを終えている。
ツアー・オブ・ターキー2016第8ステージ結果
個人総合成績
山岳賞
1位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)
スプリント賞
1位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、サウスイースト)
ビューティー・オブ・ターキー賞
1位 ルイス・マス(スペイン、カハルーラル)
チーム総合成績
1位 カハルーラル
text:So.Isobe
photo:Tour of Turkey/Brian Hod
8日間を走るツアー・オブ・ターキー(UCI2.HC)はいよいよ最終日。エーゲ海に面したマルマリスとセルチュクという2つの歴史ある街を繋ぐ201.7kmが長い戦いを締めくくる。
リアルスタートが切られるや激しいアタック合戦が繰り広げられ、その末にヤン・ハート(ポーランド、CCCスプランディポルコウィチェ)やアレッサンドロ・マラグーティ(イタリア、ユニユーロ・ウィリエール)を含む4名がおよそ3分差を持って逃げ始めた。
メイン集団はスプリントを狙うサウスイーストや、ホセ・ゴンサルべ(ポルトガル)を総合優勝一歩手前まで運んだカハルーラルがコントロール。定石通りのペーシングでタイム差を削り取っていたが、逃げ切りを狙う先頭グループが残り40kmを切ったタイミングで動いた。
1名を切り離し3名となった先頭グループは強風を逆手に加速し、残り29km地点でタイム差を一気に5分51秒まで広げてみせる。しかし集団もNIPPOヴィーニファンティーニを含む複数のチームが強調して怒涛のペースアップ。通常なら逃げ切りが決定的となるタイム差をひっくり返し、残り15kmで1分差までに詰め寄った。
勢いを緩めないメイン集団は人数を減らしつつ、ゴール前最後の丘で2名となっていた逃げグループをキャッチする。ここからクェンティン・パシェ(フランス、デルコ・マルセイユ・プロヴァンスKTM)やダニエーレ・コッリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)がアタックを繰り返したが、いずれもロット・ソウダルが強力に率いるメイン集団に引き戻される。
しかし追走に力を使ったロットトレインはゴール前までに人数を減らし、代わってサウスイーストが先頭に立ち残り1km。どのチームも人数を揃えることができない状態の中、クリス・ボックマンス(ベルギー、ロット・ソウダル)の発進をきっかけに最終スプリントが始まった。
早掛けしたボックマンスを3勝目が欲しいサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)が追撃したが、ゴール直前で伸びたのは、集団内に埋もれた中から鮮やかに抜け出したヤコブ・マレツコ(イタリア、サウスイースト)。一際低い姿勢でゴールまで踏み抜くと、第5ステージに続く大会2勝目のガッツポーズを繰り出した。
「今日は山岳で苦しんだけれど、チームメイトが遅れないように手助けしてくれた。最後はモードロの番手から踏み抜いたよ。山がちなターキーで2勝を収めることができてとても満足している」と言うマレツコ。イタリアの期待を背負う22歳の若手スプリンターが今シーズン5勝目を掴んだ。
そして総合首位のゴンサルべはチームメイトに守られながら無難にステージを走りきり、総合優勝を確定させる。山岳での強みを遺憾なく発揮したカハルーラルは総合1、2、4位とビューティー・オブ・ターキー賞、チーム総合成績をさらうなど圧勝だった。
「自分が総合優勝することになるとは思っていなかった。レース中に日に日にコンディションが上がっていくのがわかっていたけれど、風による分断があった大会序盤には、もはや総合がどうなるかすら分からなかった。山岳では登りが20kmもあったら脱落していただろうし、コースが自分向きだったと言える。好調なのにジロに出場ないことが残念だが、ブエルタではビルバオと共に結果を求めていきたい」とはゴンサルべ。ワールドツアーチームへのステップアップを狙う27歳が大きな勝利を手に入れた。
この日集団牽引に尽力した窪木一茂と石橋学はそれぞれ67位と81位でフィニッシュし、8日間の戦いを終えている。
ツアー・オブ・ターキー2016第8ステージ結果
1位 ヤコブ・マレツコ(イタリア、サウスイースト)
2位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
3位 フランシスコ・チャモッロ(アルゼンチン、ファンヴィック・ソウルサイクル)
4位 クリス・ボックマンス(ベルギー、ロット・ソウダル)
5位 アメット・オルケン(トルコ、トルクケセルスポーツ)
6位 ダニエーレ・コッリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
7位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、サウスイースト)
8位 グレゴリス・ステプニアック(ポーランド、CCCスプランディポルコウィチェ)
9位 マルコ・ザノッティ(イタリア、パークホテル・ファルケンブルク)
10位 エデュアルド・グロース(ルーマニア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
67位 窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)
81位 石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)
2位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
3位 フランシスコ・チャモッロ(アルゼンチン、ファンヴィック・ソウルサイクル)
4位 クリス・ボックマンス(ベルギー、ロット・ソウダル)
5位 アメット・オルケン(トルコ、トルクケセルスポーツ)
6位 ダニエーレ・コッリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
7位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、サウスイースト)
8位 グレゴリス・ステプニアック(ポーランド、CCCスプランディポルコウィチェ)
9位 マルコ・ザノッティ(イタリア、パークホテル・ファルケンブルク)
10位 エデュアルド・グロース(ルーマニア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
67位 窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)
81位 石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)
5h46’24”
+20”
+2’22”
+20”
+2’22”
個人総合成績
1位 ホセ・ゴンサルべ(ポルトガル、カハルーラル)
2位 ダヴィ・アローヨ(スペイン、カハルーラル)
3位 ニキータ・スタルノフ(カザフスタン、アスタナシティ)
4位 ルイス・マス(スペイン、カハルーラル)
5位 アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)
6位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージランド、ロット・ソウダル)
7位 スティグ・ブロックス(ベルギー、ロット・ソウダル)
8位 ヘルト・ドックス(ベルギー、ロット・ソウダル)
9位 ハイメ・ロソン(スペイン、カハルーラル)
10位 マウロ・フィネット(イタリア、ユニユーロ・ウィリエール)
2位 ダヴィ・アローヨ(スペイン、カハルーラル)
3位 ニキータ・スタルノフ(カザフスタン、アスタナシティ)
4位 ルイス・マス(スペイン、カハルーラル)
5位 アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)
6位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージランド、ロット・ソウダル)
7位 スティグ・ブロックス(ベルギー、ロット・ソウダル)
8位 ヘルト・ドックス(ベルギー、ロット・ソウダル)
9位 ハイメ・ロソン(スペイン、カハルーラル)
10位 マウロ・フィネット(イタリア、ユニユーロ・ウィリエール)
32h31’35”
+18”
+46”
+2’13””
+4’46”
+6’46”
+9’22”
+12’46”
+12’58”
+13’08”
+18”
+46”
+2’13””
+4’46”
+6’46”
+9’22”
+12’46”
+12’58”
+13’08”
山岳賞
1位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)
スプリント賞
1位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、サウスイースト)
ビューティー・オブ・ターキー賞
1位 ルイス・マス(スペイン、カハルーラル)
チーム総合成績
1位 カハルーラル
text:So.Isobe
photo:Tour of Turkey/Brian Hod
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