2016/04/29(金) - 14:07
ツール・ド・ロマンディ第2ステージは、別府史之がエスケープを敢行。終盤には総合争いが勃発し、ナイロ・キンタナとイルヌール・ザッカリンが飛び出す展開に。最後のスプリントで先着したものの、進路妨害による降格処分を受けたザッカリンに代わって、キンタナがステージ優勝を飾った。
風光明媚なスイス西部のロマンディ地方を駆け抜けるメイン集団 photo:Bettini
ツール・ド・ロマンディ2016第2ステージ コースプロフィール
別府史之(日本、トレック・セガフレード)が入った6名の逃げグループ photo:Bettini
ダウンヒルをこなす別府史之(日本、トレック・セガフレード) photo:Bettini
終盤にかけてハイペースでメイン集団を牽引したFDJ photo:www.tourderomandie.ch
鋭い加速でメイン集団から飛び出したナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Bettini
イルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)が残り50mで先頭に立つ photo:www.tourderomandie.chスイス西部を舞台に開催中のツール・ド・ロマンディ。第2ステージは、中盤に2級山岳を通過し、終盤に2級山岳と1級山岳モルジャンの頂上ゴールが連続する、173.9kmの山岳コースで争われる。なお、今大会の優勝候補の1人と目されていたリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)は、胃腸の不調と発熱によりリタイアとなった。
今大会初の本格的な山岳ステージは、強力な6名の逃げから始まる。先頭集団に入ったのは別府史之(日本、トレック・セガフレード)、エゴール・シリン(ロシア、カチューシャ)、ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)、ダニーロ・ウィス(スイス、IAMサイクリング)、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)、ジャコ・ヴェンター(南アフリカ、ディメンションデータ)。順調にローテーションを回しながら、最大5分のタイム差を得て、快晴のロマンディ地方を駆け抜けていく。
実は、別府が2007年のツール・ド・ロマンディ第3ステージで2位に入り、日本人初のUCIプロツアーポイントを獲得した時と同じく、ムードンをスタートとするこのステージだったが、7年前の再現は叶わず。2つめの2級山岳の麓で、FDJが牽引するメイン集団に別府は吸収されてしまう。しかし、別府は「最終的には捕まってしまったけれど、平均300wattsで4時間半を走り続けたハードな1日だった。ロンドン五輪で逃げた時はもっと数値は高かったけどそれ以来かな。」と語っており、調子の良さに手応えを感じているようだ。
本格的な総合争いを前にハイテンポを刻むメイン集団では、クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)がパンクによりストップ。すぐに、チームメイトのミケル・二エべ(スペイン)からホイールを受け取り、再スタートを切る。しかし、一度は集団復帰したものの、その際に脚を使ったことが影響してか、FDJの牽引によって再びペースが上がったメイン集団から遅れ、フルームは総合優勝争いから脱落することに。
残り17km地点では、ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、キャノンデール)を発射台にピエール・ロラン(フランス、キャノンデール)がメイン集団を飛び出す。ロランは先頭に残っていたインピーと協調し、逃げ切りを目指すも、積極的に展開するFDJの追走には敵わず。モルジャンへの登りを前に、総合勢は再び1つとなる。
ティボー・ピノ(フランス)のために、FDJがハイペースでメイン集団を引き続ける中、残る6.5km地点で総合争いの火蓋を切ったのはナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)で、鋭い加速で後続を突き放す。そして、この動きに対して反応できたのは前回大会で総合優勝を飾っているイルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)のみ。2人の若手オールラウンダーは協調しながら、後続に対して25秒ほどのアドバンテージを稼ぐことに成功する。
ハイペースを保ちながらモルジャンの頂上へと到達した先頭2名は、そのままの勢いでスプリントを開始。番手から残り50mでキンタナを追い抜いたザッカリンが先着し、その後方ではキンタナが進路妨害を訴えながらフィニッシュラインを通過。一旦はザッカリンのステージ優勝が発表されたものの、その後キンタナの訴えが認められ、進路妨害を行ったとしてザッカリンには2位への降格処分が課された。26秒遅れの後続集団はルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)を先頭にフィニッシュしている。
第2ステージの結果を受け、総合順位は大きく変動。ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)から引き継ぐ形で、キンタナがリーダーを獲得。同時に、キンタナは山岳賞ジャージにも袖を通している。
両手を挙げるイルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)と抗議するナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Bettini
リーダージャージを獲得したナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:CorVos
降格処分が課されたイルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ) photo:CorVosキンタナは「素晴らしい結果だ。昨日に引き続き、チームが常に前方で仕事をしてくれたおかげで、完璧な状態で最後の登りに臨むことができた。(モルジャンの)麓付近からアタックすれば、ステージ優勝できる可能性があるとわかっていたし、タイム差を稼ぐことができると考えていた。ライバルは皆手強いけど、自ら動きたかったし、実際には良い展開に転がってくれたね。」とレースを振り返る。
また、ザッカリンについては「彼が強力なのが明らかで、最後のスプリントまでは2人で協調して後続とのタイム差を広げることに専念した。ただ、最後のスプリントで先着したい考えは理解できるけど、あの動きは許されない。」とコメント。
一方、降格処分が課されたザッカリンは「この結果にはがっかりしているし、納得がいかないが、この状況が明日へのモチベーションを駆り立ててくれる。自分が今できることは、明日へむけて準備すること。明日の個人TTは良い結果が残せるはずだ」と語っている。
翌日の第3ステージは、15.11kmの個人タイムトライアル。コースの途中には獲得標高280mの登りが用意されており、オールラウンダーと純粋なTTスペシャリストどちらにもチャンスがありそうだ。
選手コメントはチーム公式サイトとツイッターより。
ツール・ド・ロマンディ2016第2ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
1位 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
山岳賞
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
ヤングライダー賞
ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)
チーム総合成績
キャノンデール
text:Yuya.Yamamoto
photo:www.tourderomandie.ch, CorVos,Bettini
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今大会初の本格的な山岳ステージは、強力な6名の逃げから始まる。先頭集団に入ったのは別府史之(日本、トレック・セガフレード)、エゴール・シリン(ロシア、カチューシャ)、ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)、ダニーロ・ウィス(スイス、IAMサイクリング)、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)、ジャコ・ヴェンター(南アフリカ、ディメンションデータ)。順調にローテーションを回しながら、最大5分のタイム差を得て、快晴のロマンディ地方を駆け抜けていく。
実は、別府が2007年のツール・ド・ロマンディ第3ステージで2位に入り、日本人初のUCIプロツアーポイントを獲得した時と同じく、ムードンをスタートとするこのステージだったが、7年前の再現は叶わず。2つめの2級山岳の麓で、FDJが牽引するメイン集団に別府は吸収されてしまう。しかし、別府は「最終的には捕まってしまったけれど、平均300wattsで4時間半を走り続けたハードな1日だった。ロンドン五輪で逃げた時はもっと数値は高かったけどそれ以来かな。」と語っており、調子の良さに手応えを感じているようだ。
本格的な総合争いを前にハイテンポを刻むメイン集団では、クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)がパンクによりストップ。すぐに、チームメイトのミケル・二エべ(スペイン)からホイールを受け取り、再スタートを切る。しかし、一度は集団復帰したものの、その際に脚を使ったことが影響してか、FDJの牽引によって再びペースが上がったメイン集団から遅れ、フルームは総合優勝争いから脱落することに。
残り17km地点では、ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、キャノンデール)を発射台にピエール・ロラン(フランス、キャノンデール)がメイン集団を飛び出す。ロランは先頭に残っていたインピーと協調し、逃げ切りを目指すも、積極的に展開するFDJの追走には敵わず。モルジャンへの登りを前に、総合勢は再び1つとなる。
ティボー・ピノ(フランス)のために、FDJがハイペースでメイン集団を引き続ける中、残る6.5km地点で総合争いの火蓋を切ったのはナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)で、鋭い加速で後続を突き放す。そして、この動きに対して反応できたのは前回大会で総合優勝を飾っているイルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)のみ。2人の若手オールラウンダーは協調しながら、後続に対して25秒ほどのアドバンテージを稼ぐことに成功する。
ハイペースを保ちながらモルジャンの頂上へと到達した先頭2名は、そのままの勢いでスプリントを開始。番手から残り50mでキンタナを追い抜いたザッカリンが先着し、その後方ではキンタナが進路妨害を訴えながらフィニッシュラインを通過。一旦はザッカリンのステージ優勝が発表されたものの、その後キンタナの訴えが認められ、進路妨害を行ったとしてザッカリンには2位への降格処分が課された。26秒遅れの後続集団はルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)を先頭にフィニッシュしている。
第2ステージの結果を受け、総合順位は大きく変動。ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)から引き継ぐ形で、キンタナがリーダーを獲得。同時に、キンタナは山岳賞ジャージにも袖を通している。
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また、ザッカリンについては「彼が強力なのが明らかで、最後のスプリントまでは2人で協調して後続とのタイム差を広げることに専念した。ただ、最後のスプリントで先着したい考えは理解できるけど、あの動きは許されない。」とコメント。
一方、降格処分が課されたザッカリンは「この結果にはがっかりしているし、納得がいかないが、この状況が明日へのモチベーションを駆り立ててくれる。自分が今できることは、明日へむけて準備すること。明日の個人TTは良い結果が残せるはずだ」と語っている。
翌日の第3ステージは、15.11kmの個人タイムトライアル。コースの途中には獲得標高280mの登りが用意されており、オールラウンダーと純粋なTTスペシャリストどちらにもチャンスがありそうだ。
選手コメントはチーム公式サイトとツイッターより。
ツール・ド・ロマンディ2016第2ステージ結果
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
2位 イルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)
3位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
4位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール)
5位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
6位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
7位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ)
8位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
9位 ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール)
10位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
2位 イルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)
3位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
4位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール)
5位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
6位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
7位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ)
8位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
9位 ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール)
10位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
4h28'40"
+26"
+26"
個人総合成績
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
2位 イルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)
3位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
5位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
6位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
7位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
8位 ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール)
9位 バウク・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
10位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール)
2位 イルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)
3位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
5位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
6位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
7位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
8位 ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール)
9位 バウク・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
10位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール)
7h02'05"
+18"
+20"
+32"
+36"
+37"
+42"
+43"
+44"
+46"
+18"
+20"
+32"
+36"
+37"
+42"
+43"
+44"
+46"
ポイント賞
1位 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
山岳賞
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
ヤングライダー賞
ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)
チーム総合成績
キャノンデール
text:Yuya.Yamamoto
photo:www.tourderomandie.ch, CorVos,Bettini
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