強風が吹き荒れたツアー・オブ・ターキーで、ロット・ソウダルが組織的に抜け出しチームTTを敢行。6対2という圧倒的な状況からアンドレ・グライペルが勝利し、ペッロ・ビルバオ(スペイン、カハルーラル)が総合首位に立っている。



24名の先頭集団がエシュロンを組んで突き進む24名の先頭集団がエシュロンを組んで突き進む photo:Tour of Turkey/Brian Hodes後方集団に取り残された総合リーダーのプリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)後方集団に取り残された総合リーダーのプリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ) photo:Tour of Turkey/Brian Hodes8名の先頭グループを率いるアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)8名の先頭グループを率いるアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) photo:Tour of Turkey/Brian Hodesここはカタールか昨年のヘント〜ウェヴェルヘムか。アクサレイからコンヤへと至る、一つの山岳ポイントも設定されない158.9kmの平坦コースで総合順位が大きく変動。平穏な一日になると思われたが一転、平野を吹き抜ける爆風が荒れた展開を生み出した。

軽い通り雨に見舞われつつスタートしたツアー・オブ・ターキー(UCI2.HC)第3ステージ。北西からの強風が吹きつける中、逃げも決まらぬままベルギーチームのロット・ソウダルが加速した。

真っ直ぐに立っていられないほどの強烈な向かい/横風の中、後方に総合リーダーのプリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)や総合10位シルヴェスタ・シュミット(ポーランド、CCCスプランディポルコウィチェ)らが取り残され、気づけば先頭グループはフルメンバーのロット・ソウダル(8名)を含む24名となっていた。

道幅いっぱいにエシュロンを組んで進む第1グループ。協調を組めない第2グループを徐々に引き離し続け、残り40km地点でタイム差は6分までに広がった。この中に総合2位ペッロ・ビルバオ(スペイン、カハルーラル)を含むカハルーラル勢も入っていたため、総合首位交代は確実なものとなる。

残り30kmを切ってロット・ソウダルが再びチーム一丸となって加速を行うと、分断と落車によって先頭グループは8名に。ロット・ソウダルは6名(グライペル、ヘンダーソン、ボックマンス、フリソン、ドックス、ブロックス)が入り、チームロスの2名と共にゴールを目指した。

ロット・ソウダルのチームタイムトライアル状態となった第1グループは第2グループを大きく引き離しつつ、コンヤ市街地へと到着。ヘンダーソンの完璧なリードアウトから飛び出したグライペルはアルベルト・チェッキン(イタリア、チームロス)を寄せ付けずにフィニッシュ。ロット・ソウダルの完璧なチームプレイが勝利を呼び寄せた。



完璧なリードアウトから勝利したアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)完璧なリードアウトから勝利したアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) photo:Tour of Turkey/Brian Hodes


リーダージャージに袖を通したペッロ・ビルバオ(スペイン、カハルーラル)リーダージャージに袖を通したペッロ・ビルバオ(スペイン、カハルーラル) photo:Tour of Turkey/Brian Hodes「完璧なチームワークに感謝している。表彰台を独占できなかったことが残念だけれど、彼らの働きはスーパーだった。24名で抜け出してからも後続とずっと見えない戦いが繰り広げられていたんだ。65〜70kmほどプッシュを続けて後続が諦めた。抜け出してから監督にチームメイトの誰かを勝たせたいと提案したけれど、朝の打ち合わせ通り自分でゴールを狙う指示は変わらなかった。残るステージでもまだチャンスを狙っていきたい」とグライペルはコメントする。

そしてニエミエツが25分差の後続グループに取り残され総合順位を大きく落としたため、首位ビルバオ、2位ホセ・ゴンサルべ(ポルトガル)、3位ダヴィ・アローヨ(スペイン)と総合上位陣はカハルーラル勢が独占する結果となった。

首位に立ったビルバオは「自分でもこのタイミングで総合首位に立つとは思っていなかった。警戒していたけれどまさかここまで厳しいステージになるとは思わなかったし、今日を見るに最終日まではなんだって起こり得る。明日と明後日のスプリントステージでは何事も起こらないことを祈りたい」と語っている。



ツアー・オブ・ターキー2016第3ステージ
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
2位 アルベルト・チェッキン(イタリア、チームロス)
3位 クリス・ボックマンス(ベルギー、ロット・ソウダル)
4位 ニコラ・トッファーリ(イタリア、チームロス)
5位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージランド、ロット・ソウダル)
6位 スティグ・ブロックス(ベルギー、ロット・ソウダル)
7位 ヘルト・ドックス(ベルギー、ロット・ソウダル)
8位 フレデリック・フリソン(ベルギー、ロット・ソウダル)
9位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
10位 リッカルド・スタッキオッティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
82位 窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)
108位 石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)
3h48’33”


+03”
+04”

+09”

+2’14”

+25’02”



個人総合成績
1位 ペッロ・ビルバオ(スペイン、カハルーラル)
2位 ホセ・ゴンサルべ(ポルトガル、カハルーラル)
3位 ダヴィ・アローヨ(スペイン、カハルーラル)
4位 ニキータ・スタルノフ(カザフスタン、アスタナシティ)
5位 ルイス・マス(スペイン、カハルーラル)
6位 アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)
7位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージランド、ロット・ソウダル)
8位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
9位 スティグ・ブロックス(ベルギー、ロット・ソウダル)
10位 ヘルト・ドックス(ベルギー、ロット・ソウダル)
11h20’12”
+05”
+13”
+22”
+1’14”
+2’22”
+3’21”
+5’41”
+7’34”
+8’34”


山岳賞
1位 レミ・ディグレゴリオ(フランス、デルコ・マルセイユ・プロヴァンスKTM)

スプリント賞
1位 ホセ・ゴンサルべ(ポルトガル、カハルーラル)

ビューティー・オブ・ターキー賞
1位 ルイス・マス(スペイン、カハルーラル)

text:So.Isobe
photo:Tour of Turkey/Brian Hodes
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