2016/04/09(土) - 18:07
4月10日、フランス北部の石畳を舞台に第114回パリ〜ルーベ(UCIワールドツアー)が開催される。降雨の予報も出ている「クラシックの女王」のコースと注目選手をチェックしておこう。
泥レースになる?断続的な石畳が選手に襲いかかる
「クラシックの女王」またの名を「北の地獄」。近代オリンピックと同じ1896年に第1回大会が開催され、今年で第114回を迎えるパリ〜ルーベが今週日曜日(4月10日)に開催される。
パリ〜ルーベの特徴は何と言っても他のレースでは決して見ることが出来ない荒れたパヴェ(石畳)が連続して登場する異質のコースレイアウトだ。選手たちはバイクを抑え込みながら荒れたパヴェを突き進む。
パリ北部のコンピエーニュをスタートする257.5kmのコースには大きな登りが登場しない。平野部を縫うように蛇行しながらベルギー国境近くのルーベを目指す。フルフラットと言っても、レース前半には2〜3%ほどの細かいアップダウンが登場するため、獲得標高差は1200mに達する。
レース前半の約100kmは快適なアスファルト舗装路が続くが、後半は休むまもなくパヴェ区間(セクター)が登場。フィニッシュ地点ルーベに至るまでに登場するパヴェは合計27区間。その総延長は52.8kmに及び、最初の第27セクター(レースの進行とともに数字が減る)からフィニッシュまでのレース後半部の3分の1がパヴェに覆われている計算になる。
パヴェ区間のほとんどが握りこぶし大の石が敷き詰められた「悪路」だ。毎年補修が行われているものの、普段は巨大なトラクターが行き交う農道であり、石と石の間の土は風雨によって浸食されている。鋭く角の立った石や段差がパンクや落車を引き起こすため、チームは総力を挙げて選手をサポートする。荒れた路面が選手たちを苦しめ、ときに致命的なダメージを与える。これほどマシントラブルや落車の多いレースは他に類を見ないだろう。
そこで要求されるのは、荒れた石畳のラインを読む高度な走行テクニックと、振動をいなしながら踏み切る走力だ。雨が降って路面が濡れればトラブル続出の「泥地獄」になり、晴れて乾燥すれば砂埃により呼吸もままならない「砂埃地獄」になる。
数あるセクターの中でも特に有名なのが、難易度5つ星の「アランベール」と「モンサン・ぺヴェル」、そして「カルフール・ド・ラルブル」の3つだ。いずれも全長が2kmを超え、その路面の荒れ具合を見ると5つ星も納得だ。
「アランベールの森」を貫く直線的な第18セクター「アランベール」の全長は2400mで、その路面は荒れに荒れている。両脇が観戦用のフェンスで覆われているため、選手たちは荒れたパヴェの真ん中を走らなければならない。そしてここからレースは加速して行く。
難所の第10セクター「モンサン・ぺヴェル」を越えるとフィニッシュまで残り約45km。ここからのラスト1時間は一つのミスが命取りになる。
終盤にかけて大きな盛り上がりを見せるのが、難易度の高い3区間(第6aシソワン・ブルゲル、第6bブルゲル・ワヌエン、第5カンファナン・ぺヴェル)を越えた後に登場する第4セクター「カルフール・ド・ラルブル」だ。長さ2100mのこの難所を越えると、フィニッシュまで残り15km。その後の3区間の難易度は低く、この5つ星セクターで勝負が決まる可能性が高い。
そんなパヴェレースの最後を締めくくるのが、スムースな路面のルーベ・ヴェロドローム(トラック競技場)。先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた選手には、パヴェの石塊で作られたトロフィーが贈られる。
なお、レースの事前情報によると、第27セクターには土や泥が堆積している状態。現地の天気予報によると金曜日と土曜日が雨降りで、日曜日は曇り時々雨。雨量によっては2001年(クナーフェン勝利)以来となる泥レースになる可能性も有る。
2016年は史上初めてスタートからフィニッシュまでレース中継が行われる。日本ではJ-SPORTSが4月10日午後5時35分からJsports3にて放送。詳しくは番組ホームページにて。
登場するパヴェ27区間(セクターNo.・地点km・名称・長さ・難易度)
27 98.5km Troisvilles à Inchy 2200m ☆☆☆
26 105km Viesly à Quiévy 1800m ☆☆☆
25 107.5km Quiévy à Saint-Python 3700m ☆☆☆☆
24 112.5km Saint-Python 1500m ☆☆
23 120.5km Vertain à Saint-Martin-sur-Écaillon 2300m ☆☆☆
22 127km Capelle à Ruesnes 1700m ☆☆☆
21 137.5km Quérénaing à Maing 2500m ☆☆☆
20 141km Maing à Monchaux-sur-Écaillon 1600m ☆☆☆
19 154km Haveluy à Wallers 2500m ☆☆☆☆
18 162km Trouée d'Arenberg(アランベール) 2400m ☆☆☆☆☆
17 168km Wallers à Hélesmes 1600m ☆☆☆
16 175km Hornaing à Wandignies 3700m ☆☆☆☆
15 182.5km Warlaing à Brillon 2400m ☆☆☆
14 186km Tilloy à Sars-et-Rosières 2400m ☆☆☆☆
13 192.5km Beuvry-la-Forêt à Orchies 1400m ☆☆☆
12 197.5km Orchies 1700m ☆☆☆
11 203.5km Auchy-lez-Orchies à Bersée 2700m ☆☆☆☆
10 209km Mons-en-Pévèle(モンサン・ぺヴェル)3000m ☆☆☆☆☆
9 215km Mérignies à Avelin 700m ☆☆
8 218km Pont-Thibaut à Ennevelin 1400m ☆☆☆
7 224.5km Templeuve (Moulin de Vertain) 500m ☆☆
6a 231km Cysoing à Bourghelles 1300m ☆☆☆
6b 233.5km Bourghelles à Wannehain 1100m ☆☆☆
5 238km Camphin-en-Pévèle 1800m ☆☆☆☆
4 240.5km Carrefour de l’Arbre(カルフール・ド・ラルブル)2100m ☆☆☆☆☆
3 243km Gruson 1100m ☆☆
2 249.5km Willems à Hem 1400m ☆☆
1 252km Roubaix 300m ☆
ヘント=ロンド連勝のサガン包囲網 最後のルーベに挑むカンチェラーラ
1年前のルーベヴェロドロームで両手を突き上げたジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)はチームキャンプ中の事故で負った傷が完全に癒えず、まだレースに復帰していない。チームとしても結果を残せておらず、苦しいクラシックシーズンが続いている。
最も注目を集めているのは波に乗っている世界チャンピオンのペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)だろう。しかし意外にもサガンはパリ〜ルーベの表彰台には登ったことがない。トップ10フィニッシュは2014年の6位だけだ。
サガンは「北のクラシック」で2連勝中。ヘント〜ウェヴェルヘムとロンド・ファン・フラーンデレンを制したサガンが絶好調なのは間違いない。世界チャンピオンによるパリ〜ルーベ制覇は過去に4人が達成しており、サガンは歴史に名前を刻むことができるだろうか。なお、長い歴史の中でロンド=ルーベのダブル制覇は12回達成されている。
今シーズン限りでの引退を表明しているファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)は2006年、2010年、2013年の優勝者。カンチェラーラは前週のロンドで力を見せながらも2位に甘んじた。キャリアの最後に一花咲かせることができるだろうか。
ロジェ・デフラミンクに並ぶ世界最多パリ〜ルーベ4勝(2005年、2008年、2009年、2012年)のトム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)にとってもラストチャンスが近づいている。ともに35歳のカンチェラーラとボーネンは過去10年間のパリ〜ルーベで幾度となく死闘を繰り広げてきた。
ロンドでは不発に終わったが、エティックス・クイックステップのルフェーヴルGMは「ボーネンはパリ〜ルーベでは戦える」と自信を見せる。今シーズン、石畳のクラシックで毎戦勝負に絡みながらもまだ勝利がないベルギーチームは、2014年大会の覇者ニキ・テルプストラ(オランダ)や2015年大会2位のゼネク・スティバル(チェコ)も揃えており、戦力の面で他チームを凌駕する。
ヘント2位、ロンド3位と、相変わらず石畳クラシックで高い能力を見せるセプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ)は2013年の2位が最高位。2015年3位のグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)がロンドでの鎖骨骨折で欠場するため、エティックス勢と並んでベルギーの期待を背負う存在となる。
1年前の絶好調ぶりは影を潜めているが、調子を戻しつつあるアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)はロンドで集団スプリントを制して4位。ルーベでは2013年9位、2015年10位という成績を残しており、ヴェロドロームでのスプリント勝負に残ることができればチャンスが巡ってくる。
チームスカイは着実に石畳クラシックで存在感を増しているルーク・ロウ(イギリス)とイアン・スタナード(イギリス)の二枚看板。スティバル同様に元シクロクロッサーのラース・ボーム(オランダ、アスタナ)も荒れた石畳の走り方を心得ており、レースを動かす存在になるだろう。
歴代パリ〜ルーベ優勝者
2015年 1位 デゲンコルブ、2位 スティバル、3位 ファンアフェルマート
2014年 1位 テルプストラ、2位 デゲンコルブ、3位 カンチェラーラ
2013年 2位 カンチェラーラ、2位 ファンマルク、3位 テルプストラ
2012年 1位 ボーネン、2位 テュルゴー、3位 バッラン
2011年 1位 ファンスーメレン、2位 カンチェラーラ、3位 チャリンギ
2010年 1位 カンチェラーラ、2位 フースホフト、3位 フレチャ
2009年 1位 ボーネン、2位 ポッツァート、3位 フースホフト
2008年 1位 ボーネン、2位 カンチェラーラ、3位 バッラン
2007年 1位 オグレディ、2位 フレチャ、3位 ウェーゼマン
2006年 1位 カンチェラーラ、2位 ボーネン、3位 バッラン
2005年 1位 ボーネン、2位 ヒンカピー、3位 フレチャ
text:Kei Tsuji
泥レースになる?断続的な石畳が選手に襲いかかる
「クラシックの女王」またの名を「北の地獄」。近代オリンピックと同じ1896年に第1回大会が開催され、今年で第114回を迎えるパリ〜ルーベが今週日曜日(4月10日)に開催される。
パリ〜ルーベの特徴は何と言っても他のレースでは決して見ることが出来ない荒れたパヴェ(石畳)が連続して登場する異質のコースレイアウトだ。選手たちはバイクを抑え込みながら荒れたパヴェを突き進む。
パリ北部のコンピエーニュをスタートする257.5kmのコースには大きな登りが登場しない。平野部を縫うように蛇行しながらベルギー国境近くのルーベを目指す。フルフラットと言っても、レース前半には2〜3%ほどの細かいアップダウンが登場するため、獲得標高差は1200mに達する。
レース前半の約100kmは快適なアスファルト舗装路が続くが、後半は休むまもなくパヴェ区間(セクター)が登場。フィニッシュ地点ルーベに至るまでに登場するパヴェは合計27区間。その総延長は52.8kmに及び、最初の第27セクター(レースの進行とともに数字が減る)からフィニッシュまでのレース後半部の3分の1がパヴェに覆われている計算になる。
パヴェ区間のほとんどが握りこぶし大の石が敷き詰められた「悪路」だ。毎年補修が行われているものの、普段は巨大なトラクターが行き交う農道であり、石と石の間の土は風雨によって浸食されている。鋭く角の立った石や段差がパンクや落車を引き起こすため、チームは総力を挙げて選手をサポートする。荒れた路面が選手たちを苦しめ、ときに致命的なダメージを与える。これほどマシントラブルや落車の多いレースは他に類を見ないだろう。
そこで要求されるのは、荒れた石畳のラインを読む高度な走行テクニックと、振動をいなしながら踏み切る走力だ。雨が降って路面が濡れればトラブル続出の「泥地獄」になり、晴れて乾燥すれば砂埃により呼吸もままならない「砂埃地獄」になる。
数あるセクターの中でも特に有名なのが、難易度5つ星の「アランベール」と「モンサン・ぺヴェル」、そして「カルフール・ド・ラルブル」の3つだ。いずれも全長が2kmを超え、その路面の荒れ具合を見ると5つ星も納得だ。
「アランベールの森」を貫く直線的な第18セクター「アランベール」の全長は2400mで、その路面は荒れに荒れている。両脇が観戦用のフェンスで覆われているため、選手たちは荒れたパヴェの真ん中を走らなければならない。そしてここからレースは加速して行く。
難所の第10セクター「モンサン・ぺヴェル」を越えるとフィニッシュまで残り約45km。ここからのラスト1時間は一つのミスが命取りになる。
終盤にかけて大きな盛り上がりを見せるのが、難易度の高い3区間(第6aシソワン・ブルゲル、第6bブルゲル・ワヌエン、第5カンファナン・ぺヴェル)を越えた後に登場する第4セクター「カルフール・ド・ラルブル」だ。長さ2100mのこの難所を越えると、フィニッシュまで残り15km。その後の3区間の難易度は低く、この5つ星セクターで勝負が決まる可能性が高い。
そんなパヴェレースの最後を締めくくるのが、スムースな路面のルーベ・ヴェロドローム(トラック競技場)。先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた選手には、パヴェの石塊で作られたトロフィーが贈られる。
なお、レースの事前情報によると、第27セクターには土や泥が堆積している状態。現地の天気予報によると金曜日と土曜日が雨降りで、日曜日は曇り時々雨。雨量によっては2001年(クナーフェン勝利)以来となる泥レースになる可能性も有る。
2016年は史上初めてスタートからフィニッシュまでレース中継が行われる。日本ではJ-SPORTSが4月10日午後5時35分からJsports3にて放送。詳しくは番組ホームページにて。
登場するパヴェ27区間(セクターNo.・地点km・名称・長さ・難易度)
27 98.5km Troisvilles à Inchy 2200m ☆☆☆
26 105km Viesly à Quiévy 1800m ☆☆☆
25 107.5km Quiévy à Saint-Python 3700m ☆☆☆☆
24 112.5km Saint-Python 1500m ☆☆
23 120.5km Vertain à Saint-Martin-sur-Écaillon 2300m ☆☆☆
22 127km Capelle à Ruesnes 1700m ☆☆☆
21 137.5km Quérénaing à Maing 2500m ☆☆☆
20 141km Maing à Monchaux-sur-Écaillon 1600m ☆☆☆
19 154km Haveluy à Wallers 2500m ☆☆☆☆
18 162km Trouée d'Arenberg(アランベール) 2400m ☆☆☆☆☆
17 168km Wallers à Hélesmes 1600m ☆☆☆
16 175km Hornaing à Wandignies 3700m ☆☆☆☆
15 182.5km Warlaing à Brillon 2400m ☆☆☆
14 186km Tilloy à Sars-et-Rosières 2400m ☆☆☆☆
13 192.5km Beuvry-la-Forêt à Orchies 1400m ☆☆☆
12 197.5km Orchies 1700m ☆☆☆
11 203.5km Auchy-lez-Orchies à Bersée 2700m ☆☆☆☆
10 209km Mons-en-Pévèle(モンサン・ぺヴェル)3000m ☆☆☆☆☆
9 215km Mérignies à Avelin 700m ☆☆
8 218km Pont-Thibaut à Ennevelin 1400m ☆☆☆
7 224.5km Templeuve (Moulin de Vertain) 500m ☆☆
6a 231km Cysoing à Bourghelles 1300m ☆☆☆
6b 233.5km Bourghelles à Wannehain 1100m ☆☆☆
5 238km Camphin-en-Pévèle 1800m ☆☆☆☆
4 240.5km Carrefour de l’Arbre(カルフール・ド・ラルブル)2100m ☆☆☆☆☆
3 243km Gruson 1100m ☆☆
2 249.5km Willems à Hem 1400m ☆☆
1 252km Roubaix 300m ☆
ヘント=ロンド連勝のサガン包囲網 最後のルーベに挑むカンチェラーラ
1年前のルーベヴェロドロームで両手を突き上げたジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)はチームキャンプ中の事故で負った傷が完全に癒えず、まだレースに復帰していない。チームとしても結果を残せておらず、苦しいクラシックシーズンが続いている。
最も注目を集めているのは波に乗っている世界チャンピオンのペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)だろう。しかし意外にもサガンはパリ〜ルーベの表彰台には登ったことがない。トップ10フィニッシュは2014年の6位だけだ。
サガンは「北のクラシック」で2連勝中。ヘント〜ウェヴェルヘムとロンド・ファン・フラーンデレンを制したサガンが絶好調なのは間違いない。世界チャンピオンによるパリ〜ルーベ制覇は過去に4人が達成しており、サガンは歴史に名前を刻むことができるだろうか。なお、長い歴史の中でロンド=ルーベのダブル制覇は12回達成されている。
今シーズン限りでの引退を表明しているファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)は2006年、2010年、2013年の優勝者。カンチェラーラは前週のロンドで力を見せながらも2位に甘んじた。キャリアの最後に一花咲かせることができるだろうか。
ロジェ・デフラミンクに並ぶ世界最多パリ〜ルーベ4勝(2005年、2008年、2009年、2012年)のトム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)にとってもラストチャンスが近づいている。ともに35歳のカンチェラーラとボーネンは過去10年間のパリ〜ルーベで幾度となく死闘を繰り広げてきた。
ロンドでは不発に終わったが、エティックス・クイックステップのルフェーヴルGMは「ボーネンはパリ〜ルーベでは戦える」と自信を見せる。今シーズン、石畳のクラシックで毎戦勝負に絡みながらもまだ勝利がないベルギーチームは、2014年大会の覇者ニキ・テルプストラ(オランダ)や2015年大会2位のゼネク・スティバル(チェコ)も揃えており、戦力の面で他チームを凌駕する。
ヘント2位、ロンド3位と、相変わらず石畳クラシックで高い能力を見せるセプ・ファンマルク(ベルギー、ロットNLユンボ)は2013年の2位が最高位。2015年3位のグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)がロンドでの鎖骨骨折で欠場するため、エティックス勢と並んでベルギーの期待を背負う存在となる。
1年前の絶好調ぶりは影を潜めているが、調子を戻しつつあるアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)はロンドで集団スプリントを制して4位。ルーベでは2013年9位、2015年10位という成績を残しており、ヴェロドロームでのスプリント勝負に残ることができればチャンスが巡ってくる。
チームスカイは着実に石畳クラシックで存在感を増しているルーク・ロウ(イギリス)とイアン・スタナード(イギリス)の二枚看板。スティバル同様に元シクロクロッサーのラース・ボーム(オランダ、アスタナ)も荒れた石畳の走り方を心得ており、レースを動かす存在になるだろう。
歴代パリ〜ルーベ優勝者
2015年 1位 デゲンコルブ、2位 スティバル、3位 ファンアフェルマート
2014年 1位 テルプストラ、2位 デゲンコルブ、3位 カンチェラーラ
2013年 2位 カンチェラーラ、2位 ファンマルク、3位 テルプストラ
2012年 1位 ボーネン、2位 テュルゴー、3位 バッラン
2011年 1位 ファンスーメレン、2位 カンチェラーラ、3位 チャリンギ
2010年 1位 カンチェラーラ、2位 フースホフト、3位 フレチャ
2009年 1位 ボーネン、2位 ポッツァート、3位 フースホフト
2008年 1位 ボーネン、2位 カンチェラーラ、3位 バッラン
2007年 1位 オグレディ、2位 フレチャ、3位 ウェーゼマン
2006年 1位 カンチェラーラ、2位 ボーネン、3位 バッラン
2005年 1位 ボーネン、2位 ヒンカピー、3位 フレチャ
text:Kei Tsuji
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