2016/02/13(土) - 06:21
ツアー・オブ・カタール最終ステージはアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)とマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)の接戦に。写真判定によってクリストフのステージ3勝目と、カヴの総合優勝が決まった。
ドーハの海岸通りを含む周回コースを10周してフィニッシュを迎えるツアー・オブ・カタール第5ステージ。この日もコースは真っ平らで、全長も114kmしかないが、総合変動の可能性を十分に秘めている。何と言っても総合1位カヴェンディッシュは総合2位グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)から2秒、総合3位マヌエル・クインツィアート(イタリア、BMCレーシング)から6秒、そして好調な総合4位クリストフから9秒のリードを得ておらず、ボーナスタイムの行方によって総合優勝者が決まる緊迫した状況が続いていた。
ドーハ南部のシーラインビーチリゾートをスタートしてすぐ、既報の通り、新城幸也(ランプレ・メリダ)が落車して救急車で搬送。左脚の大腿骨を骨折する重傷を負った新城はドーハの病院で治療を続けている。
先頭ではジェシー・サージェント(ニュージーランド、AG2Rラモンディアール)、フランスチャンピオンのスティヴン・トロネ(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)、ティム・デクレルク(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)の3名が逃げ、最大2分30秒のリードを稼ぎ出す。総合逆転を狙う立場のカチューシャやBMCレーシングは中間スプリントでのボーナスタイムに興味を示さず、この3名の逃げを容認した。
ディメンションデータが率いるメイン集団はドーハの周回コースで逃げとの間合いを詰め、残り10kmで逃げを吸収して集団スプリントへ。ステージ優勝者と総合優勝者を決める最終バトルに向けて各チームがトレインを組み、残り3kmを切ってからカチューシャの赤い列車が主導権を握った。
ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、カチューシャ)がリードアウトを終えると、その後ろからポイント賞ジャージのクリストフが加速を開始。同時にリーダージャージのカヴェンディッシュも腰を上げる。先行したクリストフと追撃したカヴェンディッシュが、両者横並びでハンドルを投げ込んでフィニッシュ。あまりの僅差に誰も手を挙げず、写真判定の結果、クリストフが1cmに満たない差で先着したことが判明した。
5ステージ中、3ステージで勝利したクリストフは「最後は様々なチームが集団先頭に上がる荒れた展開だったけど、チームは主導権を失わなかった。最終コーナーを好位置で抜けて、残り500mでディメンションデータが被せてきたけど、残り200mで再び先頭へ。カヴェンディッシュに並ばれて、正直負けたと思った。でも身長の分だけ先着したようだ」とコメントしている。
カヴェンディッシュはスプリント2勝目を逃したものの、ステージ2位でボーナスタイム6秒を獲得し、最終的にクリストフと5秒差で総合優勝。2013年に続く2度目のツアー・オブ・カタール制覇を果たした。「このカタールの最終ステージでは何度か勝っているし、チーム全体のモチベーションはとても高かった。風が吹きすさぶ一日で、楽に走れる場所なんてどこにもなかったけど、チームメイトがパーフェクトな走りでお膳立て。危険回避のために常に集団先頭をキープして、スプリントに持ち込んでくれた」と、最後の戦いを振り返る。
「黄金ジャージを着るのはもちろん嬉しい。でもこれはエドヴァルドの代わりに着ているだけ。UCIワールドチーム初年度に早速ステージレースで総合優勝を果たすことが出来て誇らしい気分だ」と、チームとしてつかんだ勝利を喜んだ。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
ツアー・オブ・カタール2016第5ステージ結果
1位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) 2h56’16”
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)
3位 ローイ・ヤンス(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
4位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)
5位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
6位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・アルゴン18)
7位 モレーノ・ホフランド(オランダ、ロットNLユンボ)
8位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)
9位 アンドレ・ローイ(オランダ、ルームポット・オラニエ)
10位 マルコ・カーノラ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
DNF 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ)
個人総合成績
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) 13h47’23”
2位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) +05”
3位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) +08”
4位 マヌエル・クインツィアート(イタリア、BMCレーシング) +12”
5位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) +25”
6位 ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、ジャイアント・アルペシン) +36”
7位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・アルゴン18) +47”
8位 スヴェンエリック・ビストロム(ノルウェー、カチューシャ) +55”
9位 ヴィチェスラフ・クズネツォフ(ロシア、カチューシャ) +56”
10位 ミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシング) +1’04”
ポイント賞
1位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) 57pts
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) 54pts
3位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) 32pts
ヤングライダー賞
1位 ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、ジャイアント・アルペシン)13h47’59”
2位 スヴェンエリック・ビストロム(ノルウェー、カチューシャ) +19”
3位 モレーノ・ホフランド(オランダ、ロットNLユンボ) +2’12”
チーム総合成績
1位 BMCレーシング 41h23’15”
2位 カチューシャ +57”
3位 ボーラ・アルゴン18 +2’03”
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ドーハの海岸通りを含む周回コースを10周してフィニッシュを迎えるツアー・オブ・カタール第5ステージ。この日もコースは真っ平らで、全長も114kmしかないが、総合変動の可能性を十分に秘めている。何と言っても総合1位カヴェンディッシュは総合2位グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)から2秒、総合3位マヌエル・クインツィアート(イタリア、BMCレーシング)から6秒、そして好調な総合4位クリストフから9秒のリードを得ておらず、ボーナスタイムの行方によって総合優勝者が決まる緊迫した状況が続いていた。
ドーハ南部のシーラインビーチリゾートをスタートしてすぐ、既報の通り、新城幸也(ランプレ・メリダ)が落車して救急車で搬送。左脚の大腿骨を骨折する重傷を負った新城はドーハの病院で治療を続けている。
先頭ではジェシー・サージェント(ニュージーランド、AG2Rラモンディアール)、フランスチャンピオンのスティヴン・トロネ(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)、ティム・デクレルク(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)の3名が逃げ、最大2分30秒のリードを稼ぎ出す。総合逆転を狙う立場のカチューシャやBMCレーシングは中間スプリントでのボーナスタイムに興味を示さず、この3名の逃げを容認した。
ディメンションデータが率いるメイン集団はドーハの周回コースで逃げとの間合いを詰め、残り10kmで逃げを吸収して集団スプリントへ。ステージ優勝者と総合優勝者を決める最終バトルに向けて各チームがトレインを組み、残り3kmを切ってからカチューシャの赤い列車が主導権を握った。
ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、カチューシャ)がリードアウトを終えると、その後ろからポイント賞ジャージのクリストフが加速を開始。同時にリーダージャージのカヴェンディッシュも腰を上げる。先行したクリストフと追撃したカヴェンディッシュが、両者横並びでハンドルを投げ込んでフィニッシュ。あまりの僅差に誰も手を挙げず、写真判定の結果、クリストフが1cmに満たない差で先着したことが判明した。
5ステージ中、3ステージで勝利したクリストフは「最後は様々なチームが集団先頭に上がる荒れた展開だったけど、チームは主導権を失わなかった。最終コーナーを好位置で抜けて、残り500mでディメンションデータが被せてきたけど、残り200mで再び先頭へ。カヴェンディッシュに並ばれて、正直負けたと思った。でも身長の分だけ先着したようだ」とコメントしている。
カヴェンディッシュはスプリント2勝目を逃したものの、ステージ2位でボーナスタイム6秒を獲得し、最終的にクリストフと5秒差で総合優勝。2013年に続く2度目のツアー・オブ・カタール制覇を果たした。「このカタールの最終ステージでは何度か勝っているし、チーム全体のモチベーションはとても高かった。風が吹きすさぶ一日で、楽に走れる場所なんてどこにもなかったけど、チームメイトがパーフェクトな走りでお膳立て。危険回避のために常に集団先頭をキープして、スプリントに持ち込んでくれた」と、最後の戦いを振り返る。
「黄金ジャージを着るのはもちろん嬉しい。でもこれはエドヴァルドの代わりに着ているだけ。UCIワールドチーム初年度に早速ステージレースで総合優勝を果たすことが出来て誇らしい気分だ」と、チームとしてつかんだ勝利を喜んだ。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
ツアー・オブ・カタール2016第5ステージ結果
1位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) 2h56’16”
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)
3位 ローイ・ヤンス(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
4位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)
5位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
6位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・アルゴン18)
7位 モレーノ・ホフランド(オランダ、ロットNLユンボ)
8位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)
9位 アンドレ・ローイ(オランダ、ルームポット・オラニエ)
10位 マルコ・カーノラ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
DNF 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ)
個人総合成績
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) 13h47’23”
2位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) +05”
3位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) +08”
4位 マヌエル・クインツィアート(イタリア、BMCレーシング) +12”
5位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) +25”
6位 ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、ジャイアント・アルペシン) +36”
7位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・アルゴン18) +47”
8位 スヴェンエリック・ビストロム(ノルウェー、カチューシャ) +55”
9位 ヴィチェスラフ・クズネツォフ(ロシア、カチューシャ) +56”
10位 ミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシング) +1’04”
ポイント賞
1位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) 57pts
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) 54pts
3位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) 32pts
ヤングライダー賞
1位 ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、ジャイアント・アルペシン)13h47’59”
2位 スヴェンエリック・ビストロム(ノルウェー、カチューシャ) +19”
3位 モレーノ・ホフランド(オランダ、ロットNLユンボ) +2’12”
チーム総合成績
1位 BMCレーシング 41h23’15”
2位 カチューシャ +57”
3位 ボーラ・アルゴン18 +2’03”
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
Amazon.co.jp
サイクルスポーツ 2016年 04 月号
八重洲出版