2016/01/22(金) - 00:11
アジア選手権2日目は、女子ジュニアと男女エリートのタイムトライアルが行われた。日本勢では女子エリートに出場した萩原麻由子(ウィグル・ハイファイブ)が優勝。男子エリートの増田成幸(宇都宮ブリッツェン)は4位、女子ジュニアの細谷夢菜(浦和工業高校)は5位に終わった。
雲間から時々晴れ間が見えた21日の伊豆大島 奥に見えるのは三原山 photo:Satoru.Kato
伊豆大島の北東部海岸線沿いに走る「サンセットパームライン」 photo:Satoru.Kato前日に続きタイムトライアルが行われた伊豆大島。天気は雲が多めながらも風がおさまり、波も静かな1日となった。
男子エリートは香港のチェン・キンローが優勝。増田成幸は14秒差の4位
男子エリート 優勝 チェン・キンロー(香港) photo:Hideaki.Takagi
男子エリート 最後にペースを落として2位のチェ・ヒョンミン(韓国) photo:Satoru.Katoコースを4周する男子エリートには14人が出走。多くの選手がオーバーペース気味に入って後半にペースを落とす中、11番目にスタートした香港のチェン・キンローは最終周回にペースを上げてくる。最後にスタートした韓国のチェ・ヒョンミンは序盤から快調に飛ばしたが、4周目に大きくペースダウン。結果、チェンが7秒上回って優勝した。
「今日の調子はとても良かったけれど、2周目を終えたところでチェーンを落として数秒ロスしてしまった。残り2周で取り返さねばならない難しいレースだったけれど、自分のベストを尽くして優勝する事が出来たので良かったと思う」と喜びを語るチェン。ロードレースにも出場するそうだが「きつい登りがあるコースなので、優勝するのは難しいと思う」と、2冠については控えめに語った。
増田成幸(宇都宮ブリッツェン)は8番目にスタート。4周をイーブンペースで走る事を考えて走ったと言うが、3周目に飛ばし過ぎた反動で4周目にペースを落とし、トップから14秒差の4位に終わった。
「形になるものが残らなかったので、この結果は悔しいです」と開口一番に話す増田。「4周のペースを平均してその限界ぎりぎりで走るようにしました。無線で他の選手が1周目のペースが速いと聞いたので、ちょっと焦りました。最終周回にタイムを落とす事が無ければ・・・3周目のラップを4周目も維持できればメダルに手が届いたなと、浅田監督にも言われました」と、ダウンのローラーを回しながら話す。
浅田監督は「ペース配分も良かったし、出来る事は出来たかなと思います。でも、巡航速度をもう一段階上げないと、アジア選手権のレベルでも安定的にメダルを取るのは難しいなと感じました」と、増田の結果について語った。
男子エリート 4位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) photo:Hideaki.Takagi
レース後、浅田監督とラップタイムを検証する増田成幸(宇都宮ブリッツェン) photo:Satoru.Kato
男子エリート 表彰 photo:Satoru.Kato
女子エリート スタート前のアップをする萩原麻由子(ウィグル・ハイファイブ) photo:Satoru.Kato
女子エリート 最後まで萩原を上回り続けたイ・ジュミ(韓国) photo:Satoru.Kato女子エリートは萩原麻由子が最終盤に逆転
コースを2周する女子エリートには12人が出走。10番目にスタートした韓国のイ・ジュミを、最後にスタートした萩原麻由子(ウィグル・ハイファイブ)が追いかける展開に。残り3km付近では萩原が5~6秒遅れる展開だったが、最後に萩原が逆転。0.21秒差という僅差で優勝した。
「序盤は練習の時よりもスピードが出ていると思っていたら、折り返しのところで10秒遅れていると聞かされました。そこから踏み始めたけれど、なかなかペースが上がりませんでした。最終周回で6秒差と聞いて、事前にここから差が開くと聞いていたのでとにかく踏み続けました」と、今日の走りを振り返る萩原。
2日後のロードレースに言及されると「我々は」という言葉を使い「優勝する事しか考えてません」と言い切った。「今日のタイムトライアルで体が"かかった"状態になったので、良い形でロードレースに臨みたいと思います。次が本番なので」と、気持ちを入れ替えた。
女子エリート 1秒未満の僅差で優勝した萩原麻由子(ウィグル・ハイファイブ photo:Hideaki.Takagi
女子エリート 6秒遅れで最終周回に突入した萩原麻由子(ウィグル・ハイファイブ) photo:Satoru.Kato
優勝が確定して安堵の表情を見せる萩原麻由子(ウィグル・ハイファイブ) photo:Satoru.Kato
女子エリート 表彰 photo:Satoru.Kato
女子ジュニア 細谷夢菜(浦和工業高校)はトップから約1分差の5位 photo:Hideaki.Takagi「1位と2位ではUCIポイントが3点違うので、優勝して12点を獲得できたのは萩原にとっても日本チームにとっても良かったと思います」と柿木コーチ。
「この2ヶ月間、(9月に骨折した)鎖骨のプレートを外したり、タイで走り込んだりと萩原自身も色々な努力をしてきました。それが今日の0.2秒差に繋がったと思います」と話す。2日後のロードレースについては「萩原のUCIポイントを1点でも多く積み上げてオリンピック出場枠を獲る事が目的なので、萩原を中心にして闘います」と、決意を語った。
女子ジュニア 細谷夢菜は5位
コースを1周するジュニア女子は8人が出走。台湾のチャン・ティンティンが優勝した。細谷夢菜は約1分遅れの5位に終わった。
2016年アジア自転車競技選手権大会 2日目結果
男子エリート(44.8㎞)
1位 チェン・キンロー(香港) 1時間0分15秒50 44.60㎞/h
2位 チェ・ヒョンミン(韓国) +7秒
3位 アリレザ・ハギ(イラン) +10秒
4位 増田成幸 +14秒
5位 エウゲン・ワッケル(キルギスタン) +17秒
6位 バーサンクー・ミヤグマルサウレン(モンゴル) +35秒
女子エリート(22.4km)
1位 萩原麻由子 32分25秒17 41.45km/h
2位 イ・ジュミ(韓国) +0秒21
3位 パン・ヤオ(香港) +1分40秒
4位 プー・イーシェン(中国) +2分17秒
5位 テヴシンジャラガル・エンヒジャガル(モンゴル)+2分41秒
6位 ナタリャー・ソコブニナ(カザフスタン) +2分42秒
女子ジュニア(11.2㎞)
1位 チャン・ティンティン(台湾) 17分15秒30 38.94㎞/h
2位 マー・インユー(香港) +11秒
3位 チャニポーン・バットリア(タイ) +39秒
4位 リナタ・アフメトチャ(カザフスタン) +57秒
5位 細谷夢菜 +1分3秒
6位 オリガ・ジャントゥガノワ(ウズベキスタン) +1分29秒
text&photo:Satoru.Kato
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男子エリートは香港のチェン・キンローが優勝。増田成幸は14秒差の4位
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「今日の調子はとても良かったけれど、2周目を終えたところでチェーンを落として数秒ロスしてしまった。残り2周で取り返さねばならない難しいレースだったけれど、自分のベストを尽くして優勝する事が出来たので良かったと思う」と喜びを語るチェン。ロードレースにも出場するそうだが「きつい登りがあるコースなので、優勝するのは難しいと思う」と、2冠については控えめに語った。
増田成幸(宇都宮ブリッツェン)は8番目にスタート。4周をイーブンペースで走る事を考えて走ったと言うが、3周目に飛ばし過ぎた反動で4周目にペースを落とし、トップから14秒差の4位に終わった。
「形になるものが残らなかったので、この結果は悔しいです」と開口一番に話す増田。「4周のペースを平均してその限界ぎりぎりで走るようにしました。無線で他の選手が1周目のペースが速いと聞いたので、ちょっと焦りました。最終周回にタイムを落とす事が無ければ・・・3周目のラップを4周目も維持できればメダルに手が届いたなと、浅田監督にも言われました」と、ダウンのローラーを回しながら話す。
浅田監督は「ペース配分も良かったし、出来る事は出来たかなと思います。でも、巡航速度をもう一段階上げないと、アジア選手権のレベルでも安定的にメダルを取るのは難しいなと感じました」と、増田の結果について語った。
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コースを2周する女子エリートには12人が出走。10番目にスタートした韓国のイ・ジュミを、最後にスタートした萩原麻由子(ウィグル・ハイファイブ)が追いかける展開に。残り3km付近では萩原が5~6秒遅れる展開だったが、最後に萩原が逆転。0.21秒差という僅差で優勝した。
「序盤は練習の時よりもスピードが出ていると思っていたら、折り返しのところで10秒遅れていると聞かされました。そこから踏み始めたけれど、なかなかペースが上がりませんでした。最終周回で6秒差と聞いて、事前にここから差が開くと聞いていたのでとにかく踏み続けました」と、今日の走りを振り返る萩原。
2日後のロードレースに言及されると「我々は」という言葉を使い「優勝する事しか考えてません」と言い切った。「今日のタイムトライアルで体が"かかった"状態になったので、良い形でロードレースに臨みたいと思います。次が本番なので」と、気持ちを入れ替えた。
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女子ジュニア 細谷夢菜は5位
コースを1周するジュニア女子は8人が出走。台湾のチャン・ティンティンが優勝した。細谷夢菜は約1分遅れの5位に終わった。
2016年アジア自転車競技選手権大会 2日目結果
男子エリート(44.8㎞)
1位 チェン・キンロー(香港) 1時間0分15秒50 44.60㎞/h
2位 チェ・ヒョンミン(韓国) +7秒
3位 アリレザ・ハギ(イラン) +10秒
4位 増田成幸 +14秒
5位 エウゲン・ワッケル(キルギスタン) +17秒
6位 バーサンクー・ミヤグマルサウレン(モンゴル) +35秒
女子エリート(22.4km)
1位 萩原麻由子 32分25秒17 41.45km/h
2位 イ・ジュミ(韓国) +0秒21
3位 パン・ヤオ(香港) +1分40秒
4位 プー・イーシェン(中国) +2分17秒
5位 テヴシンジャラガル・エンヒジャガル(モンゴル)+2分41秒
6位 ナタリャー・ソコブニナ(カザフスタン) +2分42秒
女子ジュニア(11.2㎞)
1位 チャン・ティンティン(台湾) 17分15秒30 38.94㎞/h
2位 マー・インユー(香港) +11秒
3位 チャニポーン・バットリア(タイ) +39秒
4位 リナタ・アフメトチャ(カザフスタン) +57秒
5位 細谷夢菜 +1分3秒
6位 オリガ・ジャントゥガノワ(ウズベキスタン) +1分29秒
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