2015/11/08(日) - 03:20
サイクルモード東京の併催イベントとして、幕張副都心にてナイターCXレース「STARLIGHT CROSS」が開催された。最高峰カテゴリーのC1とCL1は、共に今季好調の小坂光と今井美穂がそれぞれ優勝。MTBエリミネーターは澤木紀雄(GIANT/MET/T-serv/重力技研)が制している。
昨年に引き続きの開催となったMTBエリミネーター photo:Yuya.Yamamoto
大盛況となった昨年に続き、サイクルモード開催中の幕張メッセに隣接する特設会場にて開催されたナイターCXレース「STARLIGHT CROSS」。今年は大人気の自転車漫画「弱虫ペダル」のサポートを受け、作者の渡辺航先生とファンが共に特設コースを走る「弱虫ペダル シクロクロスライド」が開催された。ポイントとなるコーナーや登りには弱虫ペダルに因んだ名前がつけられるなど、パワーアップを果たしている。
またコースも大幅に変更となり、ライダー達から「テクニカルなコース」という声が多く聞こえてきた。強烈なドロップオフと登り返しの難所「二曲坂」や、勢いをつけてようやくクリアできる短い急坂、逆キャンバーの連続したコブ、ハンドル操作と体重移動をフル動員してこなす連続タイトコーナー、インターバルを要する180°ターンなどがライダー達を苦しめた。
弱虫ペダル作者の渡辺航先生 photo:Yuya.Yamamoto
渡辺航先生、前田公平、中原義貴とコースを走る弱虫ペダル シクロクロスライド photo:Yuya.Yamamoto
会場では世界のビールやカクテルを楽しむことができた photo:Yuya.Yamamoto
来場者に翼を授けてくれたレッドブルガール photo:Yuya.Yamamoto
初日となった11月7日(土)は、10時50分からスタートしたC3を皮切りに、今季より新設されたC4、マスターズと各カテゴリーのCXレースが続く。そして、C2/ジュニアがゴールを迎えるには日もどっぷりと暮れ、CL1/CM1はスタートからナイトレースに。
13名がスタートラインに並んだ女子CL1は今井美穂(CycleClub.jp)が序盤から独走。一度落車を喫したものの、その後は安定した走りでトップをひた走り、結局1度も先頭を譲ることなく優勝。先月の宇都宮シクロクロスに続く、今シーズン2勝目を飾った。2位には後方から追い上げた與那嶺恵理(サクソバンクFX証券・YONEX)が、3位には坂口聖香(パナソニックレディース)が入っている。
C2 優勝の武末真和(Mile Post) photo:Yuya.Yamamoto
CJ 優勝の織田聖(Above Bike Store Cycle Club) photo:Yuya.Yamamoto
CL1 独走する今井美穂(CycleClub.jp) photo:Yuya.Yamamoto
CL1 與那嶺恵理(サクソバンクFX証券・YONEX)と坂口聖香(パナソニックレディース)による2・3位争い photo:Yuya.Yamamoto
CM1 優勝の渡辺誠一(andbicycleCC)。バイクはシングルスピード仕様だ photo:Yuya.Yamamoto
XCEプロクラス決勝 小笠原崇裕(THE BIKE JOURNAL)を先頭に優勝を争う3名 photo:Yuya.Yamamoto
CL1とC1の間には、クロスカントリーエリミネーターが開催された。1kmというショートコースで争われるこの競技は、4~6名出走で半数が勝ち抜きのトーナメント戦を行うというもので、瞬発力とテクニックに加えて些細なミスも許されないことから正確性も要求される。
プロカテゴリーには、MTBクロスカントリーの有力ライダーが複数参戦。決勝は3名での優勝争いとなり昨年準優勝の小笠原崇裕(THE BIKE JOURNAL)と同3位の門田基志(ジャイアント)を下した澤木紀雄(GIANT/MET/T-serv/重力技研)が優勝賞金8万円を獲得した。
C1 前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム)がホールショットを取る photo:Yuya.Yamamoto
C1 序盤から抜けだした小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)と前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム)の2人 photo:Kei.Tsuji
C1 二曲坂には多くの観客が集まった photo:Yuya.Yamamoto
C1 3位を走る中原義貴(弱虫ペダルシクロクロスチーム) photo:Yuya.Yamamoto
C1 4位の竹内遼(WESTBERG/ProRide)と5位の山田将輝(PAX PROJECT) photo:Yuya.Yamamoto
C1 先頭の小坂を追う前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム) photo:Yuya.Yamamotoそして、最注目のC1は10周で争われた。煌々と光る大光量ライトの群れから飛び出し、ホールショットを奪ったのは、弱虫ペダルの冠レースで是が非でも勝利したい前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム)。後方からは、ここまで出場したレースで5連勝中の小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)が続き、先頭2人は3位以下より5秒~10秒ほど速いラップタイムで後続を突き放す。
互いに様子を見合いながら周回を重ねる先頭2名では、まず前田が仕掛けるも小坂がこれを冷静に処理。替わって6周目の二曲坂で小坂がペースアップ。これに前田は付いて行くことができず、小坂はこの周だけでも12秒のタイム差を稼ぎだすことに成功。以後9周目完了まで1周あたり20秒以上ずつタイム差を拡大していく。
全ての動作を確実にこなし、ミス無く勝利へと突き進む小坂は、最終的に1分のタイム差を持ってホームストレートへ。最後は沿道に詰めかけたファンとハイタッチをしながらフィニッシュし、宇都宮シクロクロスのエキシビジョンレースから出場レースでは負けなしの6連勝を達成。2位には前田が入った。
後続は竹内遼(WESTBERG/ProRide) とのスプリント制した中原義貴(弱虫ペダルシクロクロスチーム)が3位を獲得。弱虫ペダルの冠レースで、弱虫ペダルのサポートチームが表彰台を独占する結果となった。
「体調を崩していたが、いざレースになると身体がよく動いてくれた。後ろにいた方が前が明るく有利なので、(前田)公平と一緒に走っていた時はお互いに前に出し合っていた。6周目のペースアップは様子見だったが、ピットが1つしかなく1つのミスが命取りになるので、可能な限り先行しておくべきだと考え、そのまま突き放しにかかった」とレースを振り返る小坂。
加えて「春先からウェイトトレーニングを重視してやってきた効果が出てきており、上半身を強化できたことが結果につながっている」と好調の理由を説明。「現状は少し調子が落ちている段階だが、今後のUCIレースと全日本選手権に向けて調子をもう一段上げていきたい」と最後は今後の抱負で締めた。
一方で「ドロップオフからの登り返しの押しで差がついてしまった」と語るのは、またしても小坂に後塵を拝す結果となった前田。しかし、表彰式では「ここまで2位や3位が多く、もう飽きた。だから次こそは絶対に勝ちたい」と念願の今シーズン初優勝へ意欲を見せた。
C1 独走する小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム) photo:Yuya.Yamamoto
C1 表彰台には渡辺航先生も登場 photo:Yuya.Yamamoto
弱虫ペダル STARLIGHT CROSS in CYCLE MODE結果
C1
1位 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム) 1h01’03”
2位 前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム) +58”
3位 中原義貴(弱虫ペダルシクロクロスチーム) +01’41”
4位 竹内遼(WESTBERG/ProRide) +01’42”
5位 山田将輝(PAX PROJECT) +02’45”
6位 斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT) +03’31”
7位 丸山厚(BOMA RACING) +03’37”
8位 鈴木禄徳(PAX PROJECT) +03’59”
9位 鬼形博之(OCi) +04’01”
10位 宮津旭(PAX PROJECT) +04’15”
CL1
1位 今井美穂(CycleClub.jp) 41’29”
2位 與那嶺恵理(サクソバンクFX証券・YONEX) +20”
3位 坂口聖香(パナソニックレディース) +38”
4位 武田和佳(Liv) +39”
5位 豊岡英子(パナソニックレディース) +3’51”
CM1
1位 渡辺誠一(andbicycleCC) 43’39”
2位 マイケル・ライス(NEILPRYDEニールプライド) +1’24”
3位 松村晃秀(CLUB viento ) +2’45”
C2
1位 武末真和(Mile Post) 39’49”
2位 岡部祐太(日本体育大学) +49”
3位 斉藤豊(SNEL) +1’08”
4位 高柴元(Maidservant Subject) +1’31”
5位 江川樹一郎(Team Dirty Wheels) +1’42”
6位 磯部聡(多摩湖朝練部) +1’43”
CJ
1位 織田聖(Above Bike Store Cycle Club) 38’53”
CM3
1位 佐々木正(CICADA UNITED) 28’55”
2位 岡田修一(MORNING STAR) +49”
3位 小堺猛弘(taiki☆works)
CL2
1位 広瀬由紀(PAX PROJECT) 23’35”
2位 後口沙織(ARAI) +1’30”
3位 山本貴子 +1’46”
C3
1位 小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM) 27’49”
2位 高倉剛(GRYLLOTALPA/12So) +27”
3位 積田連(Team CHAINRING) +49”
C4-1
1位 大谷栄(HARP Raicing Club) 28’31”
2位 成田義靖(無所属) +55”
3位 中嶋新司(TEAM輪工房) +56”
C4-2
1位 上野悠佑太(Team MOMO ) 28’09”
2位 後藤大地(バイクルームシン&MOMO ) +43”
3位 由谷友孝(BOMBTRACK / W-LINE) +53”
XCEプロクラス
1位 澤木紀雄(GIANT/MET/T-serv/重力技研)
2位 小笠原崇裕(THE BIKE JOURNAL)
3位 門田基志(ジャイアント)
XCE一般クラス
1位 塩見学(B・B・Q)
2位 野中秀樹(セオレーシング
3位 小嶋太郎(日本ろう自転車競技協会)
text&photo:Yuya.Yamamoto
photo:Kei.Tsuji
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大盛況となった昨年に続き、サイクルモード開催中の幕張メッセに隣接する特設会場にて開催されたナイターCXレース「STARLIGHT CROSS」。今年は大人気の自転車漫画「弱虫ペダル」のサポートを受け、作者の渡辺航先生とファンが共に特設コースを走る「弱虫ペダル シクロクロスライド」が開催された。ポイントとなるコーナーや登りには弱虫ペダルに因んだ名前がつけられるなど、パワーアップを果たしている。
またコースも大幅に変更となり、ライダー達から「テクニカルなコース」という声が多く聞こえてきた。強烈なドロップオフと登り返しの難所「二曲坂」や、勢いをつけてようやくクリアできる短い急坂、逆キャンバーの連続したコブ、ハンドル操作と体重移動をフル動員してこなす連続タイトコーナー、インターバルを要する180°ターンなどがライダー達を苦しめた。
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13名がスタートラインに並んだ女子CL1は今井美穂(CycleClub.jp)が序盤から独走。一度落車を喫したものの、その後は安定した走りでトップをひた走り、結局1度も先頭を譲ることなく優勝。先月の宇都宮シクロクロスに続く、今シーズン2勝目を飾った。2位には後方から追い上げた與那嶺恵理(サクソバンクFX証券・YONEX)が、3位には坂口聖香(パナソニックレディース)が入っている。
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プロカテゴリーには、MTBクロスカントリーの有力ライダーが複数参戦。決勝は3名での優勝争いとなり昨年準優勝の小笠原崇裕(THE BIKE JOURNAL)と同3位の門田基志(ジャイアント)を下した澤木紀雄(GIANT/MET/T-serv/重力技研)が優勝賞金8万円を獲得した。
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互いに様子を見合いながら周回を重ねる先頭2名では、まず前田が仕掛けるも小坂がこれを冷静に処理。替わって6周目の二曲坂で小坂がペースアップ。これに前田は付いて行くことができず、小坂はこの周だけでも12秒のタイム差を稼ぎだすことに成功。以後9周目完了まで1周あたり20秒以上ずつタイム差を拡大していく。
全ての動作を確実にこなし、ミス無く勝利へと突き進む小坂は、最終的に1分のタイム差を持ってホームストレートへ。最後は沿道に詰めかけたファンとハイタッチをしながらフィニッシュし、宇都宮シクロクロスのエキシビジョンレースから出場レースでは負けなしの6連勝を達成。2位には前田が入った。
後続は竹内遼(WESTBERG/ProRide) とのスプリント制した中原義貴(弱虫ペダルシクロクロスチーム)が3位を獲得。弱虫ペダルの冠レースで、弱虫ペダルのサポートチームが表彰台を独占する結果となった。
「体調を崩していたが、いざレースになると身体がよく動いてくれた。後ろにいた方が前が明るく有利なので、(前田)公平と一緒に走っていた時はお互いに前に出し合っていた。6周目のペースアップは様子見だったが、ピットが1つしかなく1つのミスが命取りになるので、可能な限り先行しておくべきだと考え、そのまま突き放しにかかった」とレースを振り返る小坂。
加えて「春先からウェイトトレーニングを重視してやってきた効果が出てきており、上半身を強化できたことが結果につながっている」と好調の理由を説明。「現状は少し調子が落ちている段階だが、今後のUCIレースと全日本選手権に向けて調子をもう一段上げていきたい」と最後は今後の抱負で締めた。
一方で「ドロップオフからの登り返しの押しで差がついてしまった」と語るのは、またしても小坂に後塵を拝す結果となった前田。しかし、表彰式では「ここまで2位や3位が多く、もう飽きた。だから次こそは絶対に勝ちたい」と念願の今シーズン初優勝へ意欲を見せた。
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弱虫ペダル STARLIGHT CROSS in CYCLE MODE結果
C1
1位 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム) 1h01’03”
2位 前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム) +58”
3位 中原義貴(弱虫ペダルシクロクロスチーム) +01’41”
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5位 山田将輝(PAX PROJECT) +02’45”
6位 斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT) +03’31”
7位 丸山厚(BOMA RACING) +03’37”
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CL1
1位 今井美穂(CycleClub.jp) 41’29”
2位 與那嶺恵理(サクソバンクFX証券・YONEX) +20”
3位 坂口聖香(パナソニックレディース) +38”
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5位 豊岡英子(パナソニックレディース) +3’51”
CM1
1位 渡辺誠一(andbicycleCC) 43’39”
2位 マイケル・ライス(NEILPRYDEニールプライド) +1’24”
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C2
1位 武末真和(Mile Post) 39’49”
2位 岡部祐太(日本体育大学) +49”
3位 斉藤豊(SNEL) +1’08”
4位 高柴元(Maidservant Subject) +1’31”
5位 江川樹一郎(Team Dirty Wheels) +1’42”
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CJ
1位 織田聖(Above Bike Store Cycle Club) 38’53”
CM3
1位 佐々木正(CICADA UNITED) 28’55”
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3位 小堺猛弘(taiki☆works)
CL2
1位 広瀬由紀(PAX PROJECT) 23’35”
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3位 山本貴子 +1’46”
C3
1位 小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM) 27’49”
2位 高倉剛(GRYLLOTALPA/12So) +27”
3位 積田連(Team CHAINRING) +49”
C4-1
1位 大谷栄(HARP Raicing Club) 28’31”
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3位 中嶋新司(TEAM輪工房) +56”
C4-2
1位 上野悠佑太(Team MOMO ) 28’09”
2位 後藤大地(バイクルームシン&MOMO ) +43”
3位 由谷友孝(BOMBTRACK / W-LINE) +53”
XCEプロクラス
1位 澤木紀雄(GIANT/MET/T-serv/重力技研)
2位 小笠原崇裕(THE BIKE JOURNAL)
3位 門田基志(ジャイアント)
XCE一般クラス
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2位 野中秀樹(セオレーシング
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text&photo:Yuya.Yamamoto
photo:Kei.Tsuji
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