いよいよ開幕した、日本最大級のスポーツバイクフェス「サイクルモード」。早速各ブースのレポートを紹介しましょう。第1弾はファウスト氏の来場で話題を呼んだピナレロ、ミズタニ自転車、GIRO、グロータック。
ピナレロ・ジャパン
ピナレロ社長であるファウスト・ピナレロ氏が来日。初日金曜日のみの滞在だと言う
大手ブランドが少ないなかで、一際大きくマイヨジョーヌを押し出したブースを展開したピナレロ・ジャパン。今年もチームスカイをメインテーマに、ブラドレー・ウィギンズがアワーレコードを記録した際のスペアバイク、世界選手権でTT王者に輝いたヴァシル・キリエンカが2016シーズンに使用するスペシャル塗装のTTバイク、BOLIDE、今年のジャパンカップ前にデビューを飾り話題をさらったジャガーFタイプのチームカーなどをブース前に展示。今年のツール・ド・フランスを制したブランドだけに、常に多くの来場者で賑わっていた。
やはり最注目はクリス・フルームを筆頭としてチームスカイの走りを支えたDOGMA F8シリーズだろう。ノーマルモデルのF8が全カラー(18台!)展示されたほか、ディスクモデルの「F8 DISK」、シートステーにサスペンションを搭載した「K8-S」など、その豊富なラインナップには圧倒されてしまいそう。
見渡す限りDOGMA F8!18カラーが全て集った
2016年から新たに追加されたディスクブレーキモデル「DOGMA F8 DISK」
ブラドレー・ウィギンズがアワーレコードを記録した際のスペアバイク、BOLIDE HR
ピナレロブースにはチームスカイ仕様のジャガーFタイプが展示され、大注目を浴びていた
特別展示されていたキリエンカのバイクについては、同じペイントの市販品が発売予定というアナウンスも。トップチューブにはベラルーシの国旗をイメージしたグラフィックや彼の戦歴があしらわれ、ヨーロッパ大陸王者と世界王者同時戴冠を現す欧州旗やアルカンシエルのグラフィックが美しい一台。ハンドルシステムとシートポストが付属し、フレームセット価格は税抜きで1,640,000円だという。
ちなみに展示車はTA製の58Tアウターギアや、改造が施されたハンドルなど、実戦機ならではのカスタムが見物。ウィギンズのトラックバイクも3Dプリンター製のワンオフチタンハンドル、極限まで絞り込まれたホイールとフォークのクリアランスなど、その完成度にほれぼれしてしまう。
TT世界王者であるヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)が来シーズン駆るピナレロ・BOLIDE
世界王者の証、アルカンシエルのストライプがあしらわれる
TA製チェーンリングは58T
ピナレロブースに揃った試乗車。最高級モデルが数多く用意されている
ピナレロブースではさまざまなピナレログッズの物販もあった
またピナレロの2016ラインナップは大きく変貌を遂げており、DOGMA F8の流れを汲むミドルグレードのGANシリーズなど、ピナレロのテクノロジーを比較的手頃に味わえるバイクはライトユーザーから注目を集める存在。今年は試乗車もDOGMAシリーズを筆頭に充実しており、常に行列が絶えることが無かった。
金曜日限定ではあったものの、イタリア本社からはファウスト・ピナレロ代表が来日し、日本マーケットの視察を行っていた。ファウスト氏曰く、「イタリアとアメリカ、そして日本という3国はピナレロにとってとても大切なマーケットであり、日本には熱心なピナレロユーザーが多くいることに感謝しています。今年はレースでの成績も、そしてマーケットからの需要も高く、ピナレロにとって良い年になりました。現在も新しいプロジェクトを進行中ですから楽しみにしていてくださいね。」
ミズタニ自転車
カラフルなディフィートのソックスラインアップが目を引くミズタニ自転車
タイヤのコンチネンタルやサドルのセラSMPなどを取り扱うミズタニ自転車。今回のサイクルモードでも大きな存在感を醸し出すブースを展開していた。目玉となるのは、今季よりフルラインアップでの取り扱いを開始したアパレルブランド、ディフィートだ。
色とりどりのソックスが並ぶ様子は圧巻。これまで取り扱いのあったオーソドックスなカラーに加え、様々なパターンや絵柄のモデルが揃えられており、最近のちょっと派手目なロング丈ソックスブームにおいても外せない存在として要注目だ。
白い壁に包まれたミズタニ自転車のブース
ブロンプトン用の輪行箱 専用品だけあってぴったりサイズ
スタンズの新ホイール
フィードバックの前輪固定型ローラー台
また、チューブレスレディリムのリーディングブランドであるスタンズの新型ホイールや、前輪固定型のローラー台をリリースしたフィードバックスポーツや、定番サドルの一つとして認知されるに至ったセラSMPの豊富なカラーラインアップ、ブロンプトン用の輪行ボックスなど幅広いアイテムが展示されていた。
ブースの右側ではパワーメーターの購入を考える参加者たちの熱い視線を集めるパイオニアのペダリングモニターのブースが設けられていた。ペダリングモニターは試乗もできるようになっており、多くの人が行列していた。中には担当者に踏み込んだ質問をする人も。
ジロ(ロータスインターナショナル)
オーガニックな雰囲気が漂うジロのブース
シェルの内側にもう一つのレイヤーがインサートされる
フラッグシップのシンセをはじめ多くのモデルにMipsを採用したジロ
高品質なヘルメットやシューズをリリースするジロは、オーガニックなイメージのブースを展開。プロトンの安全を守るという堅実なイメージと、サイクリストを彩ってくれるお洒落で華やかなデザインという二つの要素を持つ稀有なブランドである。
今年は、ジロのラインナップの中でもフラッグシップモデルである「シンセ」にヘルメットとして最も基本的で大切な要素である安全性をさらに高めたMIPSモデルが追加されたことが大きなトピック。シェルの内側に可動式のシェルが挿入されることで、落車時に脳が揺れることを防いでくれる新規格として、急速に採用が広まっているシステムをジロも採用するに至った。
アドベンチャー系ライダーに人気のアクションカメラマウント付きのモデル
アーバンスタイルなヘルメットも多くラインアップされていた
レース向けシューズからカジュアルモデルまで幅広いラインアップを持つジロ
全面に再帰反射材を使用したエンパイアACC
シンプルなデザインのグローブ
ソックスも主張しすぎない落ち着いたデザインだ
もう一つはリフレクト素材の導入。アーバン系ラインアップの後部に再帰反射素材を採用することで、後続車両へのアピールを増しているモデルが登場している。また、ヘルメットに並ぶジロのもう一つの柱であるシューズでも、フラッグシップの「エンパイア」にリフレクト素材を採用したモデルが登場。
アパレルも充実しており、シックでシンプルなデザインのウエアが多くラインアップされる。普段使いできるような落ち着いた色合いのものが多く揃えられ、来場者の注目を集めていた。
グロータック
開場まもなく、多くの人があつまったグロータック
さまざまな気づきをカタチに変えたパーツの発明が身上のグロータックがサイクルモードに出展。その高い実走感から、シリアスなサイクリストの熱い視線を集める前輪固定型ローラー台「GTローラー」の最新型「GT-Roller-FLEX3」の展示・試乗が行われていた。
そして、もう一つ、目玉となったのが完全新作の4本ローラー台「GT-Roller-FREEDOM」。従来の3本ローラーとは異なる4本のローラーを持つ新作は、随所にグロータックならではの工夫が施された一品。後輪が前後に動き、ペダリングムラを吸収してくれる一方、前輪をささえる2本のローラーの角度がフレキシブルに動くことで、ほぼ実走と変わりないフィーリングを実現している。
GT-Roller-FLEX3(右)と同FREEDOMに試乗する
グロータックの新作 GT-Roller-FREEDOM
後ろのローラーは前後に可動し、ペダリングのムラを吸収してくれる
前の2本のローラーはスイングして角度が変わる
これまでの3本ローラーとは異なり、低速でも安定し、安心してもがける、そして前輪をリフトアップすることでヒルクライムトレーニングにもぴったりという新モデル。筆者も実際に試乗してみたが、そのナチュラルなフィーリングと、職人魂ともいえる作りこみに圧倒されてしまった。このGT-Roller-FREEDOMにも多くの注目が集まり、試乗希望の列が途切れることはなかった。
text&photo:CW編集部
ピナレロ・ジャパン

大手ブランドが少ないなかで、一際大きくマイヨジョーヌを押し出したブースを展開したピナレロ・ジャパン。今年もチームスカイをメインテーマに、ブラドレー・ウィギンズがアワーレコードを記録した際のスペアバイク、世界選手権でTT王者に輝いたヴァシル・キリエンカが2016シーズンに使用するスペシャル塗装のTTバイク、BOLIDE、今年のジャパンカップ前にデビューを飾り話題をさらったジャガーFタイプのチームカーなどをブース前に展示。今年のツール・ド・フランスを制したブランドだけに、常に多くの来場者で賑わっていた。
やはり最注目はクリス・フルームを筆頭としてチームスカイの走りを支えたDOGMA F8シリーズだろう。ノーマルモデルのF8が全カラー(18台!)展示されたほか、ディスクモデルの「F8 DISK」、シートステーにサスペンションを搭載した「K8-S」など、その豊富なラインナップには圧倒されてしまいそう。




特別展示されていたキリエンカのバイクについては、同じペイントの市販品が発売予定というアナウンスも。トップチューブにはベラルーシの国旗をイメージしたグラフィックや彼の戦歴があしらわれ、ヨーロッパ大陸王者と世界王者同時戴冠を現す欧州旗やアルカンシエルのグラフィックが美しい一台。ハンドルシステムとシートポストが付属し、フレームセット価格は税抜きで1,640,000円だという。
ちなみに展示車はTA製の58Tアウターギアや、改造が施されたハンドルなど、実戦機ならではのカスタムが見物。ウィギンズのトラックバイクも3Dプリンター製のワンオフチタンハンドル、極限まで絞り込まれたホイールとフォークのクリアランスなど、その完成度にほれぼれしてしまう。





またピナレロの2016ラインナップは大きく変貌を遂げており、DOGMA F8の流れを汲むミドルグレードのGANシリーズなど、ピナレロのテクノロジーを比較的手頃に味わえるバイクはライトユーザーから注目を集める存在。今年は試乗車もDOGMAシリーズを筆頭に充実しており、常に行列が絶えることが無かった。
金曜日限定ではあったものの、イタリア本社からはファウスト・ピナレロ代表が来日し、日本マーケットの視察を行っていた。ファウスト氏曰く、「イタリアとアメリカ、そして日本という3国はピナレロにとってとても大切なマーケットであり、日本には熱心なピナレロユーザーが多くいることに感謝しています。今年はレースでの成績も、そしてマーケットからの需要も高く、ピナレロにとって良い年になりました。現在も新しいプロジェクトを進行中ですから楽しみにしていてくださいね。」
ミズタニ自転車

タイヤのコンチネンタルやサドルのセラSMPなどを取り扱うミズタニ自転車。今回のサイクルモードでも大きな存在感を醸し出すブースを展開していた。目玉となるのは、今季よりフルラインアップでの取り扱いを開始したアパレルブランド、ディフィートだ。
色とりどりのソックスが並ぶ様子は圧巻。これまで取り扱いのあったオーソドックスなカラーに加え、様々なパターンや絵柄のモデルが揃えられており、最近のちょっと派手目なロング丈ソックスブームにおいても外せない存在として要注目だ。




また、チューブレスレディリムのリーディングブランドであるスタンズの新型ホイールや、前輪固定型のローラー台をリリースしたフィードバックスポーツや、定番サドルの一つとして認知されるに至ったセラSMPの豊富なカラーラインアップ、ブロンプトン用の輪行ボックスなど幅広いアイテムが展示されていた。
ブースの右側ではパワーメーターの購入を考える参加者たちの熱い視線を集めるパイオニアのペダリングモニターのブースが設けられていた。ペダリングモニターは試乗もできるようになっており、多くの人が行列していた。中には担当者に踏み込んだ質問をする人も。
ジロ(ロータスインターナショナル)



高品質なヘルメットやシューズをリリースするジロは、オーガニックなイメージのブースを展開。プロトンの安全を守るという堅実なイメージと、サイクリストを彩ってくれるお洒落で華やかなデザインという二つの要素を持つ稀有なブランドである。
今年は、ジロのラインナップの中でもフラッグシップモデルである「シンセ」にヘルメットとして最も基本的で大切な要素である安全性をさらに高めたMIPSモデルが追加されたことが大きなトピック。シェルの内側に可動式のシェルが挿入されることで、落車時に脳が揺れることを防いでくれる新規格として、急速に採用が広まっているシステムをジロも採用するに至った。






もう一つはリフレクト素材の導入。アーバン系ラインアップの後部に再帰反射素材を採用することで、後続車両へのアピールを増しているモデルが登場している。また、ヘルメットに並ぶジロのもう一つの柱であるシューズでも、フラッグシップの「エンパイア」にリフレクト素材を採用したモデルが登場。
アパレルも充実しており、シックでシンプルなデザインのウエアが多くラインアップされる。普段使いできるような落ち着いた色合いのものが多く揃えられ、来場者の注目を集めていた。
グロータック

さまざまな気づきをカタチに変えたパーツの発明が身上のグロータックがサイクルモードに出展。その高い実走感から、シリアスなサイクリストの熱い視線を集める前輪固定型ローラー台「GTローラー」の最新型「GT-Roller-FLEX3」の展示・試乗が行われていた。
そして、もう一つ、目玉となったのが完全新作の4本ローラー台「GT-Roller-FREEDOM」。従来の3本ローラーとは異なる4本のローラーを持つ新作は、随所にグロータックならではの工夫が施された一品。後輪が前後に動き、ペダリングムラを吸収してくれる一方、前輪をささえる2本のローラーの角度がフレキシブルに動くことで、ほぼ実走と変わりないフィーリングを実現している。




これまでの3本ローラーとは異なり、低速でも安定し、安心してもがける、そして前輪をリフトアップすることでヒルクライムトレーニングにもぴったりという新モデル。筆者も実際に試乗してみたが、そのナチュラルなフィーリングと、職人魂ともいえる作りこみに圧倒されてしまった。このGT-Roller-FREEDOMにも多くの注目が集まり、試乗希望の列が途切れることはなかった。
text&photo:CW編集部
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