2015/10/21(水) - 14:20
オランダ南部のファルケンブルフで行われたUCIシクロクロスワールドカップ第2戦で小柄なラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)の力が炸裂。UCIワールドカップリーダーらを振り切って、ファンデルハールが3年連続同大会で勝利を収めた。
ファルケンブルフと言えば春先のアムステルゴールドレースの舞台となる街だ。UCIシクロクロスワールドカップ第2戦は、ファルケンブルフを見下ろす丘の上にあるオランダカジノの敷地内を駆け抜ける。
会場のすぐ隣りにはアムステルゴールドレースの名物坂であるカウベルグが通っており、カウベルグシクロクロスとも呼ばれる。丘の斜面を利用した起伏に富んだコースレイアウトが特徴で、バイクを担いで登る急勾配のキャンバーも登場する。
ホールショットを取ったのは初戦ラスベガス大会の優勝者でワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)。UCIワールドカップリーダージャージを着るファンアールトが1周目から先頭でレースを展開したのの、やがてラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)が先頭に合流する。
続いて攻勢に出たのはファンデルハールで、パワー区間とテクニカル区間の双方でファンアールトを引き離し始める。ファンアールトにはスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)とケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)が合流し、3名で追走パックを形成。しかし先頭ファンデルハールのリードは揺るがなかった。
「一つもミスを犯さなかったのにラルス(ファンデルハール)には届かなかった。勝負を決めたのはテクニックではなく登坂力。今日はラルスの独壇場だった」とファンアールト。
最終的にファンアールトはネイスを振り切ったもののファンデルハールには24秒届かず2位に。3年連続の勝利を示す3本指を立ててファンデルハールが先頭でフィニッシュラインを切った。
「このコースは誰かの後ろで走ることがアドバンテージにはならない。だから自分のラインで全力の走りをしたんだ。後続(ファンアールト)とのタイム差が広がらなかったので一つのミスも許されない状況がずっと続いた。3年連続の勝利だけど今までの中で一番厳しかったと思う」とUCIワールドカップで通算5勝目を飾った24歳は語る。
敗れたもののファンアールトはUCIワールドカップリーダーの座をキープ。10ポイント差でこの日の優勝者ファンデルハール、15ポイント差でこの日3位のネイスが続いている。
今季ヨーロッパで3戦目を迎えた竹之内悠(ベランクラシック・エコイ)はマイナス3ラップでフィニッシュ。竹之内は「1週目は何度も落車に巻き込まれそうになりましたが、切り替えて走り続けました。もう1周まであと少しでした。この苦手なコースで例年より少しはマシな走りができましたが、結果は良くない」と語っている。
今後、竹之内はUCIワールドカップやスーパープレスティージュ、BpostBankトロフェーを含む8戦をヨーロッパでこなし、10月下旬に一旦帰国する。UCIレースの野辺山シクロクロスと全日本選手権に出場後、再びヨーロッパで走る予定だ。
選手コメントはレース公式サイトならびにFacebookより。
UCIシクロクロスワールドカップ2015-2016第2戦結果
1位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン) 1h05’58”
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス) +24”
3位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク) +34”
4位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +59”
5位 ジュリアン・タラマルカス(スイス、エラリアルエステート) +1’40”
6位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +1’59”
7位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +2’05”
8位 クレモン・ヴァントゥリーニ(フランス、コフィディス) +2’06”
9位 ディエテル・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート) +2’13”
10位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート) +2’18”
46位 竹之内悠(日本、ベランクラシック・エコイ) -3LAP
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ファルケンブルフと言えば春先のアムステルゴールドレースの舞台となる街だ。UCIシクロクロスワールドカップ第2戦は、ファルケンブルフを見下ろす丘の上にあるオランダカジノの敷地内を駆け抜ける。
会場のすぐ隣りにはアムステルゴールドレースの名物坂であるカウベルグが通っており、カウベルグシクロクロスとも呼ばれる。丘の斜面を利用した起伏に富んだコースレイアウトが特徴で、バイクを担いで登る急勾配のキャンバーも登場する。
ホールショットを取ったのは初戦ラスベガス大会の優勝者でワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)。UCIワールドカップリーダージャージを着るファンアールトが1周目から先頭でレースを展開したのの、やがてラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)が先頭に合流する。
続いて攻勢に出たのはファンデルハールで、パワー区間とテクニカル区間の双方でファンアールトを引き離し始める。ファンアールトにはスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)とケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)が合流し、3名で追走パックを形成。しかし先頭ファンデルハールのリードは揺るがなかった。
「一つもミスを犯さなかったのにラルス(ファンデルハール)には届かなかった。勝負を決めたのはテクニックではなく登坂力。今日はラルスの独壇場だった」とファンアールト。
最終的にファンアールトはネイスを振り切ったもののファンデルハールには24秒届かず2位に。3年連続の勝利を示す3本指を立ててファンデルハールが先頭でフィニッシュラインを切った。
「このコースは誰かの後ろで走ることがアドバンテージにはならない。だから自分のラインで全力の走りをしたんだ。後続(ファンアールト)とのタイム差が広がらなかったので一つのミスも許されない状況がずっと続いた。3年連続の勝利だけど今までの中で一番厳しかったと思う」とUCIワールドカップで通算5勝目を飾った24歳は語る。
敗れたもののファンアールトはUCIワールドカップリーダーの座をキープ。10ポイント差でこの日の優勝者ファンデルハール、15ポイント差でこの日3位のネイスが続いている。
今季ヨーロッパで3戦目を迎えた竹之内悠(ベランクラシック・エコイ)はマイナス3ラップでフィニッシュ。竹之内は「1週目は何度も落車に巻き込まれそうになりましたが、切り替えて走り続けました。もう1周まであと少しでした。この苦手なコースで例年より少しはマシな走りができましたが、結果は良くない」と語っている。
今後、竹之内はUCIワールドカップやスーパープレスティージュ、BpostBankトロフェーを含む8戦をヨーロッパでこなし、10月下旬に一旦帰国する。UCIレースの野辺山シクロクロスと全日本選手権に出場後、再びヨーロッパで走る予定だ。
選手コメントはレース公式サイトならびにFacebookより。
UCIシクロクロスワールドカップ2015-2016第2戦結果
1位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン) 1h05’58”
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス) +24”
3位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク) +34”
4位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +59”
5位 ジュリアン・タラマルカス(スイス、エラリアルエステート) +1’40”
6位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +1’59”
7位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +2’05”
8位 クレモン・ヴァントゥリーニ(フランス、コフィディス) +2’06”
9位 ディエテル・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート) +2’13”
10位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート) +2’18”
46位 竹之内悠(日本、ベランクラシック・エコイ) -3LAP
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
Amazon.co.jp
サイクルスポーツ 2015年 12月号
八重洲出版
BICYCLENAVI 2015年 12 月号 [雑誌]
ボイス・パブリケーション