2015/10/16(金) - 17:25
ジャパンカップ開幕を控える宇都宮で新城幸也のランプレ・メリダ移籍会見が開催された。心機一転、伝統のイタリアンチームへと活躍の場を移す新城は「グランツールで日本人初ステージ優勝を狙いたい」とコメント。また「脚はフレッシュな状態」と語り、ジャパンカップでの久しぶりとなる日本人優勝に意欲をみせた。
ランプレ・メリダ移籍会見に臨む新城幸也 photo:Makoto.AYANO
スーツの下に、ランプレのチームカラーであるピンクのシャツを着て会見場へと姿を現した新城幸也。会見にはブルーノ・ヴィチーノ監督、メリダの国内輸入代理店を務めるミヤタサイクルの高谷信一郎代表が同席し、チームと契約に至った経緯や理由、来シーズンの展望が明らかにされた。
ランプレ・メリダと新城幸也の記者会見には多くの記者が集まった photo:Makoto.AYANO
移籍の経緯と心境を語る新城幸也 photo:Makoto.AYANO
ランプレ・メリダのブルーノ・ヴィチーノ監督が挨拶 photo:Makoto.AYANO
ミヤタサイクル社長の高谷信一郎氏が新城獲得の経緯を語る photo:Makoto.AYANO会見の冒頭では、新城の広報アシスタントを務める飯島美和さんから、ランプレ・メリダと新城幸也が契約に至った経緯が説明された。今シーズン、ツール・ド・フランスの出場メンバーから外れたことや、プロコンチネンタル登録であるために自身が得意とするアムステルゴールドレースにチームとして出場できなかったことが、7年間所属したチームを離れる大きな理由になった。また、チームの継続が不透明な状況が続いた影響で仲の良いピエール・ロラン(フランス)が移籍したこと、新スポンサーが決まったものの活動予算が大幅に縮小されたことも新城の移籍へと繋がったという。
複数チームからオファーを受けた中でランプレ・メリダを選んだ理由について、新城は次のように語った。「成績が狙えそうなレースにより多く出場できるチームを探していました。現存するワールドツアーチームの中でもっと歴史があるランプレ・メリダであれば、自身のステップアップにも繋がりますし、これまでとは違う国のチームで走りたいと思いもあり契約に至りました。」
アマチュア時代を含め13年間を過ごしてきたフランスを離れ、イタリア籍チームへの加入。新城はチームの国籍が変わることについては「問題ない」と周囲の懸念を否定した。「フランス人に言わせれば、フランス語が話せれば、イタリア語も話せるようになると。時間がかかるかもしれないが、この冬はしっかりとイタリア語を身に着けたい。しかし、重要なのは言語などの環境ではなく、どのレースを走れるのか、そしてどんな運営をしているのかなのです。」
また、運営体制に好印象を持ったことも契約の大きな理由になったという。「実際にチームの中に入ってみないと分からないこともありますが、フランス語を喋ることのできるフォリップ・モデュイ監督に、チームについて事前にヒアリングしました。その中で、ドクターやマッサーの体制、渡される自転車の台数など、運営体制に良い印象を持ちました。そして何より、むやみにレースを走らせるのでは無く、選手を第一にしている点が良いと思いました。」
また、チームメイトとなる選手陣については「ブエルタでのイメージが強いですね。自分が逃げた2ステージはどちらともランプレ・メリダの選手にやられてしまった。つまりは、それだけ脚のある選手が揃っているということ。ルイ・コスタ(ポルトガル)はレースでよく会うし、彼も小さなチワワを飼っていることもあり、仲のよい選手の一人です」と語った。
最終的な契約に至ったのはわずか2日前とのことで、来季のレーススケジュール等については未定。しかし新城はオリンピックとツール・ド・フランスを大きな目標に掲げた。「来年はオリンピックもありますし、今年出場できなかった分、ツールには強い思いで臨み、日本人初のステージ優勝を実現したい。イタリアやスペインでのレース、ドバイやオマーンの中東系レース、そしてダウンアンダーなど出場した経験のないレースに出場してみたい。また、2014年に上位でフィニッシュしたアムステルゴールドレースでは、再び良い成績を残すために走りたいですね。」
また、ツアー・オブ・ジャパンの出場については「ジロ・デ・イタリアと時期が重なることもあり、またクリテリウム・ドゥ・ドーフィネの1週間前に開催されることを考えると現実的には厳しい。もちろん、ランプレ・メリダのジャージを着てTOJを走りたいという思いはある」という。2016シーズンのレーススケジュールは、チームキャンプが開催される12月までに決定となる見通しだ。
ランプレ・メリダと契約した新城幸也 photo:Makoto.AYANO
最後に明日開幕するジャパンカップについては「昨年よりもレース数が少なく、脚はフレッシュな状態。昨晩帰国したばかりで時差ボケもあるが、日曜日にあわせてコンディションを上げていきたい」とコメント。「アブダビツアーで好調だったディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)に注目している。僕自身はナショナルチームでの参加になるが、願わくばランプレ・メリダのトレインに乗せてほしい」と記者たちを笑わせた。
長年在籍したフレンチチームから、伝統のイタリアンチームへと活躍の場を移す新城幸也。現在、決定的なエースを抱えていないランプレ・メリダにおいて、新城がエースとして出場するレースはこれまでよりも格段に増えることになるだろう。より一層の新城の活躍に注目したい。
動画で見る記者会見(フルバージョン)
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO
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スーツの下に、ランプレのチームカラーであるピンクのシャツを着て会見場へと姿を現した新城幸也。会見にはブルーノ・ヴィチーノ監督、メリダの国内輸入代理店を務めるミヤタサイクルの高谷信一郎代表が同席し、チームと契約に至った経緯や理由、来シーズンの展望が明らかにされた。
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複数チームからオファーを受けた中でランプレ・メリダを選んだ理由について、新城は次のように語った。「成績が狙えそうなレースにより多く出場できるチームを探していました。現存するワールドツアーチームの中でもっと歴史があるランプレ・メリダであれば、自身のステップアップにも繋がりますし、これまでとは違う国のチームで走りたいと思いもあり契約に至りました。」
アマチュア時代を含め13年間を過ごしてきたフランスを離れ、イタリア籍チームへの加入。新城はチームの国籍が変わることについては「問題ない」と周囲の懸念を否定した。「フランス人に言わせれば、フランス語が話せれば、イタリア語も話せるようになると。時間がかかるかもしれないが、この冬はしっかりとイタリア語を身に着けたい。しかし、重要なのは言語などの環境ではなく、どのレースを走れるのか、そしてどんな運営をしているのかなのです。」
また、運営体制に好印象を持ったことも契約の大きな理由になったという。「実際にチームの中に入ってみないと分からないこともありますが、フランス語を喋ることのできるフォリップ・モデュイ監督に、チームについて事前にヒアリングしました。その中で、ドクターやマッサーの体制、渡される自転車の台数など、運営体制に良い印象を持ちました。そして何より、むやみにレースを走らせるのでは無く、選手を第一にしている点が良いと思いました。」
また、チームメイトとなる選手陣については「ブエルタでのイメージが強いですね。自分が逃げた2ステージはどちらともランプレ・メリダの選手にやられてしまった。つまりは、それだけ脚のある選手が揃っているということ。ルイ・コスタ(ポルトガル)はレースでよく会うし、彼も小さなチワワを飼っていることもあり、仲のよい選手の一人です」と語った。
最終的な契約に至ったのはわずか2日前とのことで、来季のレーススケジュール等については未定。しかし新城はオリンピックとツール・ド・フランスを大きな目標に掲げた。「来年はオリンピックもありますし、今年出場できなかった分、ツールには強い思いで臨み、日本人初のステージ優勝を実現したい。イタリアやスペインでのレース、ドバイやオマーンの中東系レース、そしてダウンアンダーなど出場した経験のないレースに出場してみたい。また、2014年に上位でフィニッシュしたアムステルゴールドレースでは、再び良い成績を残すために走りたいですね。」
また、ツアー・オブ・ジャパンの出場については「ジロ・デ・イタリアと時期が重なることもあり、またクリテリウム・ドゥ・ドーフィネの1週間前に開催されることを考えると現実的には厳しい。もちろん、ランプレ・メリダのジャージを着てTOJを走りたいという思いはある」という。2016シーズンのレーススケジュールは、チームキャンプが開催される12月までに決定となる見通しだ。
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最後に明日開幕するジャパンカップについては「昨年よりもレース数が少なく、脚はフレッシュな状態。昨晩帰国したばかりで時差ボケもあるが、日曜日にあわせてコンディションを上げていきたい」とコメント。「アブダビツアーで好調だったディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)に注目している。僕自身はナショナルチームでの参加になるが、願わくばランプレ・メリダのトレインに乗せてほしい」と記者たちを笑わせた。
長年在籍したフレンチチームから、伝統のイタリアンチームへと活躍の場を移す新城幸也。現在、決定的なエースを抱えていないランプレ・メリダにおいて、新城がエースとして出場するレースはこれまでよりも格段に増えることになるだろう。より一層の新城の活躍に注目したい。
動画で見る記者会見(フルバージョン)
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO
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