2015/10/14(水) - 09:10
世界最大のバイクショー「EUROBIKE(ユーロバイク)」より、現地取材で見つけた数々のプロダクトの中からニューモデル&面白いアイテムを続々とピックアップして紹介していきます。第9弾ではクォータ、ウィリエール、シマノ、ヴィットリアの4ブランドをピックアップします。
クォータ(イタリア)
モデルチェンジを果たしたエンデュランス系のフラッグシップK-UNO
快適性の向上に貢献する臼式シートクランプ
KHAN譲りのスリムなフロントフォーク
イタリアンブランドのクォータは、エンデュランス系のフラッグシップ「K-UNO」をモデルチェンジ。従来モデルのフォルムを受け継ぎつつも、Team UKYOなどが使用するレース系フラッグシップ「KHAN」の振動吸収テクノロジーを取り入れることで、快適性の向上を図っている。
中でも最も変化したのがフロントフォークで、ブレード形状は大きくシェイプアップされている。一方でリアセクションにもアップデートがなされており、シートクランプはバンド式から、シートポストの変形量を大きくできる臼式に。そして、シートステーはより薄く、より曲率が大きくなった。
レース系フラッグシップモデルのKHAN
KHANにはアンドローニカラーもラインアップされる
エアロブレーキ採用によって空力性能を高めた新型KALIBUR
エアロ性能を追求したTT/トライアスロンバイクのフラッグシップモデルKT-5
TT/トライアスロンバイクの末弟モデルKT-3
TT/トライアスロンバイクでは、プロコンチームのアンドローニやTeam UKYOが使用する「KALIBUR」がモデルチェンジとなり、ブレーキのインテグレーテッド化と共に空力性能を向上を果たした。加えて、末弟モデルとして、同じくエアロブレーキ採用の新型「KT03」が登場している。
ウィリエール(イタリア)
シックなカラーリングも多い2016年のウィリエール
エアロ系フラッグシップのCento1 Air
エンデュランス系の新モデルGTR SL
マルコ・パンター二のバイクを彷彿とさせる様なカラーリングも
GTR SLと同じ形状を採用するカーボン違いの兄弟モデルGTR TEAM
ウィリエールのトピックスは、エンデュランス系の新モデル「GTR SL」だ。位置づけとしては「Cento1」シリーズと「Zero.7」に継ぐセカンドグレードにあたり、サポートチームのユナイテッド・ヘルスケアが石畳系レースで使用していた「Zero.9」の後継モデルである。
SLの名の通り、カーボン製のミドルグレード「GTR」が46TONカーボンのみを使用していたのに対し、「GTR SL」は46TONと60TONの2種類のカーボンを組み合わせることで、フレーム単体で160gの軽量化を果たし、剛性も向上。しかし単に軽量版というだけではなく、細身のシートステー、ハイエンドモデルよりもアップライトなジオメトリー、ワイドなタイヤクリアランスを採用したエンデュランス系の設計とされている。
GTR TEAMのディスクブレーキ仕様
ブレーキキャリパーの台座はフラットマウントだ
前後ともスルーアクスルを採用する
また、60TON/46TONの組み合わせにかわって、46TON/30TONとした同形状の「GTR TEAM」も登場。こちらには上位グレードには設定されていない、ディスクブレーキモデルがラインアップされている。設計はリムブレーキモデルとほぼ共通である一方、前後ともスルーアクスルに対応。キャリパ台座はフラットマウントとしている。
ヴィットリア(イタリア)
ホイールに続き、ナノ素材グラフェンを採用したタイヤが登場
新プロダクトを説明してくれたヴィットリア社代表のルディ・カンパーニュ氏
ヴィットリアのグラフェンを供給するDirecta Plus社の創業者でありCEOのジュリオ・セサレオ氏
老舗タイヤブランドのヴィットリアはロードタイヤの「CORSA」シリーズと「RUBINO」シリーズを刷新。共通する特徴は、炭素原子が六角形の蜂の巣状に結合した2次元構造の極めて薄い素材で、鋼鉄の200倍という脅威の強度を誇るナノ素材「グラフェン」をコンパウンドに使用したことにある。
ヴィットリアによれば「グラフェン」が添加されたコンパウンドは、荷重によって異なる性質を示すとのこと。舗装状態の良い道をまっすぐ走っている時、つまり荷重が少ない時は硬く、優れた転がり性能を発揮。一方で、コーナリング、加減速、荒れた路面を走る際などタイヤを変形させようとする力が大きくなると一転してソフトになり、グリップが高くなるという。
これまで多くのバリエーションを取り揃えていたCORSAシリーズは2モデルに絞られる
RUBINOもグラフェンと共にフルモデルチェンジとなった
グラフェン添加コンパウンドを採用するタイヤは、その分子構造に因んだ六角形のパッケージに入れられる
リムにグラフェンを採用したカーボンホイールのQURANO
同時にトレッドパターンも一新されており、「CORSA」は4モデル通して、ヤスリ目や杉目がなく、円周方向に溝が入ったセミスリックパターンに。「RUBINO」は全5モデルを通してアーガイルパターンを採用している。恐らくコンパウンドの性質をバックアップするためのものだろう。
「CORSA」シリーズは、より転がり性能に優れる「CORSA SPEED」と、ベーシックモデルとなる「CORSA」の2種類をラインアップ。そして、「CORSA SPEED」には、コットンケーシングのタイヤとしては世界初となるチューブレスレディモデルも用意。現在一般に入手可能なロード用タイヤの中で最も転がり性能のよい製品との比較でも、同じパワーで50kmの距離を走行した際にCORSA SPEED(チューブレス状態)は32秒も早くゴールに到達できるとヴィットリアは謳っている。
シマノ(日本)
数多のブランドの中でも最も規模が大きいブースの1つがシマノ
クリス・フルーム(チームスカイ)のピナレロをはじめ、シマノサポートチームのバイクが多く展示された
ジョン・デゲンコルブ(ジャイアント・アルペシン)がパリ~ルーベを制した際のジャイアント
数多のブースの中でも最も規模が大きいブランドの1つがシマノ。その中でも、今回のユーロバイクで大きな注目を集めていたのがシューズだ。ロードとMTBの両ジャンルでビンディングペダルのスタンダードとなっている「SPD」の誕生25周年を受け、限定モデルや新モデルが多く登場し、ブースには歴代のSPDシューズを集めた展示も。
カスタムフィットに対応するRPシリーズのフラッグシップRP-9
ツーリング用ながらレースユースにも耐えるう高剛性なソールを採用する
RPシリーズは各グレードともホワイトとブラックの2色展開
ロード用シューズには、「RP(Road Performance)」というロングライドに最適化した新シリーズが登場。これまでもシマノは、ロードシューズのデザインにSPD用の2穴ソールを組み合わせたツーリングシューズを展開してきたが、RPシリーズではSPD-SLなどロード用ペダルに対応する3穴ソールが採用されている。
アッパー素材にシンセティックレザーを使用するなどソフトな質感に仕上がっており、レーシングシューズにはない落ち着いたデザインがルックス面での特徴だ。機能面では、レーシングシューズより多くのテクノロジーを採用する一方で、ソールの剛性をやや低めに設定し、ヒールカップを廃すなど、快適性を重視した仕様に。
歴代のSPDシューズを集めた展示も
SPD25周年記念モデルとして登場したシマノブルーのSH-R321
トライアスロン用の新型フラッグシップSH-TR9のシマノブルー仕様
シマノブルーをまとったPD-M9000
RPシリーズの流れを汲むカーボンソール採用のレディースモデルSH-WR84
カーボンソール採用のミドルグレードRP5
その他シューズ関連ではでは、「SH-R321」やトライアスロン用のフラッグシップ「TR9」、SP-9000に登場したSPD25周年記念のシマノブルーカラーや、RPシリーズの流れを汲むカーボンソール採用のレディースモデル「SH-WR84」なども展示されていた。
コンポーネントでは、105グレードの油圧ブレーキ対応STIレバー「ST-RS505」や新規格フラットマウント用のブレーキキャリパーに加え、春先にモデルチェンジが発表された4700系TIAGRAや、11速化を果たしたM8000系XTが集結。加えて、内装変速コンポ「Alfine Di2」との連携を強化したE-Bike用電動アシストユニット「STePS」に積極的にPRしていた。
105グレードのST-RS505が登場し、ロード用油圧ブレーキ対応STIは3グレード展開に
11速化を果たしたM8000系XT
E-Bike用電動アシストユニットSTePSを強力にアピールした
シマノが展示の目玉とした電動アシストユニットSTePS
国内未展開のMTBエンデューロ系ウェア
系列ブランドPROのホイール群。上段右は新発売のロードTT用バトンホイール
text&photo:Yuya.Yamamoto
クォータ(イタリア)
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イタリアンブランドのクォータは、エンデュランス系のフラッグシップ「K-UNO」をモデルチェンジ。従来モデルのフォルムを受け継ぎつつも、Team UKYOなどが使用するレース系フラッグシップ「KHAN」の振動吸収テクノロジーを取り入れることで、快適性の向上を図っている。
中でも最も変化したのがフロントフォークで、ブレード形状は大きくシェイプアップされている。一方でリアセクションにもアップデートがなされており、シートクランプはバンド式から、シートポストの変形量を大きくできる臼式に。そして、シートステーはより薄く、より曲率が大きくなった。
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TT/トライアスロンバイクでは、プロコンチームのアンドローニやTeam UKYOが使用する「KALIBUR」がモデルチェンジとなり、ブレーキのインテグレーテッド化と共に空力性能を向上を果たした。加えて、末弟モデルとして、同じくエアロブレーキ採用の新型「KT03」が登場している。
ウィリエール(イタリア)
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ウィリエールのトピックスは、エンデュランス系の新モデル「GTR SL」だ。位置づけとしては「Cento1」シリーズと「Zero.7」に継ぐセカンドグレードにあたり、サポートチームのユナイテッド・ヘルスケアが石畳系レースで使用していた「Zero.9」の後継モデルである。
SLの名の通り、カーボン製のミドルグレード「GTR」が46TONカーボンのみを使用していたのに対し、「GTR SL」は46TONと60TONの2種類のカーボンを組み合わせることで、フレーム単体で160gの軽量化を果たし、剛性も向上。しかし単に軽量版というだけではなく、細身のシートステー、ハイエンドモデルよりもアップライトなジオメトリー、ワイドなタイヤクリアランスを採用したエンデュランス系の設計とされている。
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また、60TON/46TONの組み合わせにかわって、46TON/30TONとした同形状の「GTR TEAM」も登場。こちらには上位グレードには設定されていない、ディスクブレーキモデルがラインアップされている。設計はリムブレーキモデルとほぼ共通である一方、前後ともスルーアクスルに対応。キャリパ台座はフラットマウントとしている。
ヴィットリア(イタリア)
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ヴィットリアによれば「グラフェン」が添加されたコンパウンドは、荷重によって異なる性質を示すとのこと。舗装状態の良い道をまっすぐ走っている時、つまり荷重が少ない時は硬く、優れた転がり性能を発揮。一方で、コーナリング、加減速、荒れた路面を走る際などタイヤを変形させようとする力が大きくなると一転してソフトになり、グリップが高くなるという。
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同時にトレッドパターンも一新されており、「CORSA」は4モデル通して、ヤスリ目や杉目がなく、円周方向に溝が入ったセミスリックパターンに。「RUBINO」は全5モデルを通してアーガイルパターンを採用している。恐らくコンパウンドの性質をバックアップするためのものだろう。
「CORSA」シリーズは、より転がり性能に優れる「CORSA SPEED」と、ベーシックモデルとなる「CORSA」の2種類をラインアップ。そして、「CORSA SPEED」には、コットンケーシングのタイヤとしては世界初となるチューブレスレディモデルも用意。現在一般に入手可能なロード用タイヤの中で最も転がり性能のよい製品との比較でも、同じパワーで50kmの距離を走行した際にCORSA SPEED(チューブレス状態)は32秒も早くゴールに到達できるとヴィットリアは謳っている。
シマノ(日本)
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数多のブースの中でも最も規模が大きいブランドの1つがシマノ。その中でも、今回のユーロバイクで大きな注目を集めていたのがシューズだ。ロードとMTBの両ジャンルでビンディングペダルのスタンダードとなっている「SPD」の誕生25周年を受け、限定モデルや新モデルが多く登場し、ブースには歴代のSPDシューズを集めた展示も。
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アッパー素材にシンセティックレザーを使用するなどソフトな質感に仕上がっており、レーシングシューズにはない落ち着いたデザインがルックス面での特徴だ。機能面では、レーシングシューズより多くのテクノロジーを採用する一方で、ソールの剛性をやや低めに設定し、ヒールカップを廃すなど、快適性を重視した仕様に。
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コンポーネントでは、105グレードの油圧ブレーキ対応STIレバー「ST-RS505」や新規格フラットマウント用のブレーキキャリパーに加え、春先にモデルチェンジが発表された4700系TIAGRAや、11速化を果たしたM8000系XTが集結。加えて、内装変速コンポ「Alfine Di2」との連携を強化したE-Bike用電動アシストユニット「STePS」に積極的にPRしていた。
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text&photo:Yuya.Yamamoto
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