2015/09/17(木) - 09:34
ツール・ド・フランスを走った全22チームのバイクを、2チームごとに11回にわけて紹介。第10弾ではロットNLユンボとジャイアント・アルペシンのバイクをピックアップします。
ロットNLユンボ【ビアンキ Specialissima CV、Ortre XR2、Infinito CV、Aqula CV(TTバイク)】
オランダ籍のロットNLユンボのバイクサプライヤーは世界最古の自転車メーカー・ビアンキで、ツールに合わせて軽量志向の新型モデル「Specialissima CV」を投入した。円断面のチューブをメインとしたフレーム形状は非常にシンプルで一見して新規性を感じないものの、NASAとの共同開発によって誕生した振動吸収テクノロジー「カウンターベイル」を取り入れ、快適性と軽さを両立。なお、エンデュランスモデル「Infinito CV」やTTバイク「Aqula CV」にも共通の振動吸収テクノロジーを取り入れている。
今ツールでは、クライマーのロベルト・ヘーシンク(オランダ)らが山岳ステージで「Specialissima CV」を使用した以外は、継続して「Ortre XR2」をメインバイクとしている。また、パヴェが登場した第4ステージで「Infinito CV」を全ライダーが使用した。
コンポーネントはシマノのサポートを受け、DURA-ACE Di2をフルセットで採用。ペダルもDURA-ACEとしている。パワーメーターは、パイオニアのペダリングモニターで、モニターとチェーンリング側の計測ユニットはチームカラーであるイエローとされ、モニターのマウントはK-Edgeとしている。
ホイールもシマノDURA-ACEのWH-9000シリーズで、35mmと50mmの2種類のハイトをメインにコースやライダーの好みに応じて使い分けた。タイヤサプライヤーはヴィットリアで、継続してアメサイドの「CORSA SC」を使い続ける。もちろん幅は25mmだ。
FSA及びヴィジョンのハンドル、ステム、シートポスト、そしてサンマルコのサドルは、フレームカラーとあわせてチェレステでほぼほぼ揃えられている。ボトルケージにはタックスの新たなスタンダードモデルDevaを採用する。
TTバイクは、昨年のツールでデビューを果たした「Acura CV」。エアロダイナミクスに加え、振動吸収性を高め、運動性能やトラクション性能をも向上させたことが特徴の1台だ。昨年はエースクラスの1部ライダーのみだったものの、今年は全ライダーが使用している。
そして、注目したいのがスペアバイクに付けられていたホイール。「SHIMANO」とだけ書かれたホイールはハブやスポーキングはWH-9000系と共通であるものの、リムが異なることからプロトタイプのよう。その真意は不明だが、シマノのモデルチェンジ周期を鑑みれば、そろそろ新しいDURA-ACEのプロトタイプが出てきても不思議でない。
ジャイアント・アルペシン【ジャイアント TCR Advanced SL、PROPEL Advanced SL、DEFY Advanced SL、TRNITY Advanced SL(TTバイク)】
ジャイアントのトピックスは、春のクラシックよりテストされ、ツールで本格的に実戦配備された新型の「TCR Advanced SL」だ。フレームセット状態で従来モデルより大幅な軽量化を果たすと同時に快適性を高め、そのオールラウンド性能を追求した1台である。
もう一つのメインバイクであるエアロロードの「PROPEL Advanced SL」との使用比率は、TCRのほうがやや上回っている印象。どのライダーも上り下りに富むステージではTCR、フラットなステージではPROPELと使い分けていた。また、パヴェが登場した第4ステージでは、今年のパリ~ルーベのチャンピオンバイクであるエンデュランスモデル「DEFY Advanced SL」を投入。現行モデルはディスクブレーキ仕様のみのラインアップのため、旧型を使用しつづけている。
パーツアッセンブルは、昨年シマノがタイトルスポンサーに就いていてというだけあり、シマノとPROが大多数を占める。コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、ペダルを含めフルセットで採用。なお、PROPEL専用設計のエアロブレーキはジャイアント純正ではなく、フォーリアーズという台湾のパーツメーカーのものとしている。パワーメーターはパイオニアのペダリングモニターだ。
ホイールもシマノDURA-ACEのWH-9000シリーズで、35mmをメインに、24mmと50mmをあわせた3種類のハイトをコースや好みに応じて使い分けた。タイヤサプライヤーはヴィットリアで、ジャイアント・アルペシンはアメサイドの「CORSA SC」をチョイスしている。幅は25mmだ。
ハンドル、ステム、サドル、ブランドロゴがぎっしりとあしらわれたバーテープはPROで統一。ステムは、ジャイアントの1-1/4インチコラムに対応する国内未展開仕様のVIBE CARBONとしている。ボトルケージはエリートの定番モデル「CUSTOM」だ。
TTバイクは、TCRと同じくフルモデルチェンジを果たし、今ツールより本格的に実戦配備された新型の「TRINITY Advanced SL」。基本的な設計コンセプトを従来モデルより踏襲しつつ、トップチューブがスローピングとなり、特にヘッドチューブ周りの設計が洗練された印象だ。
ブレーキは前作が前後ともキャリパータイプだったのに対して、新型はフロントをPROPELと同じくVブレーキとしている。シートポストは非ISP仕様に。ハンドルバーは専用設計とされており、ベースバーとステムのクランプ部分はオーバル断面としている。
ホイールは前後ともPRO。なお、フロントの3スポークバトンは2016モデルとして発売されることが決定している。ブレーキは前後ともフォーリアーズ製。ボトルケージは、表面にディンプルを設けエアロ性能を高めたエリートKIT CHRONOだ。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
ロットNLユンボ【ビアンキ Specialissima CV、Ortre XR2、Infinito CV、Aqula CV(TTバイク)】
オランダ籍のロットNLユンボのバイクサプライヤーは世界最古の自転車メーカー・ビアンキで、ツールに合わせて軽量志向の新型モデル「Specialissima CV」を投入した。円断面のチューブをメインとしたフレーム形状は非常にシンプルで一見して新規性を感じないものの、NASAとの共同開発によって誕生した振動吸収テクノロジー「カウンターベイル」を取り入れ、快適性と軽さを両立。なお、エンデュランスモデル「Infinito CV」やTTバイク「Aqula CV」にも共通の振動吸収テクノロジーを取り入れている。
今ツールでは、クライマーのロベルト・ヘーシンク(オランダ)らが山岳ステージで「Specialissima CV」を使用した以外は、継続して「Ortre XR2」をメインバイクとしている。また、パヴェが登場した第4ステージで「Infinito CV」を全ライダーが使用した。
コンポーネントはシマノのサポートを受け、DURA-ACE Di2をフルセットで採用。ペダルもDURA-ACEとしている。パワーメーターは、パイオニアのペダリングモニターで、モニターとチェーンリング側の計測ユニットはチームカラーであるイエローとされ、モニターのマウントはK-Edgeとしている。
ホイールもシマノDURA-ACEのWH-9000シリーズで、35mmと50mmの2種類のハイトをメインにコースやライダーの好みに応じて使い分けた。タイヤサプライヤーはヴィットリアで、継続してアメサイドの「CORSA SC」を使い続ける。もちろん幅は25mmだ。
FSA及びヴィジョンのハンドル、ステム、シートポスト、そしてサンマルコのサドルは、フレームカラーとあわせてチェレステでほぼほぼ揃えられている。ボトルケージにはタックスの新たなスタンダードモデルDevaを採用する。
TTバイクは、昨年のツールでデビューを果たした「Acura CV」。エアロダイナミクスに加え、振動吸収性を高め、運動性能やトラクション性能をも向上させたことが特徴の1台だ。昨年はエースクラスの1部ライダーのみだったものの、今年は全ライダーが使用している。
そして、注目したいのがスペアバイクに付けられていたホイール。「SHIMANO」とだけ書かれたホイールはハブやスポーキングはWH-9000系と共通であるものの、リムが異なることからプロトタイプのよう。その真意は不明だが、シマノのモデルチェンジ周期を鑑みれば、そろそろ新しいDURA-ACEのプロトタイプが出てきても不思議でない。
ジャイアント・アルペシン【ジャイアント TCR Advanced SL、PROPEL Advanced SL、DEFY Advanced SL、TRNITY Advanced SL(TTバイク)】
ジャイアントのトピックスは、春のクラシックよりテストされ、ツールで本格的に実戦配備された新型の「TCR Advanced SL」だ。フレームセット状態で従来モデルより大幅な軽量化を果たすと同時に快適性を高め、そのオールラウンド性能を追求した1台である。
もう一つのメインバイクであるエアロロードの「PROPEL Advanced SL」との使用比率は、TCRのほうがやや上回っている印象。どのライダーも上り下りに富むステージではTCR、フラットなステージではPROPELと使い分けていた。また、パヴェが登場した第4ステージでは、今年のパリ~ルーベのチャンピオンバイクであるエンデュランスモデル「DEFY Advanced SL」を投入。現行モデルはディスクブレーキ仕様のみのラインアップのため、旧型を使用しつづけている。
パーツアッセンブルは、昨年シマノがタイトルスポンサーに就いていてというだけあり、シマノとPROが大多数を占める。コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、ペダルを含めフルセットで採用。なお、PROPEL専用設計のエアロブレーキはジャイアント純正ではなく、フォーリアーズという台湾のパーツメーカーのものとしている。パワーメーターはパイオニアのペダリングモニターだ。
ホイールもシマノDURA-ACEのWH-9000シリーズで、35mmをメインに、24mmと50mmをあわせた3種類のハイトをコースや好みに応じて使い分けた。タイヤサプライヤーはヴィットリアで、ジャイアント・アルペシンはアメサイドの「CORSA SC」をチョイスしている。幅は25mmだ。
ハンドル、ステム、サドル、ブランドロゴがぎっしりとあしらわれたバーテープはPROで統一。ステムは、ジャイアントの1-1/4インチコラムに対応する国内未展開仕様のVIBE CARBONとしている。ボトルケージはエリートの定番モデル「CUSTOM」だ。
TTバイクは、TCRと同じくフルモデルチェンジを果たし、今ツールより本格的に実戦配備された新型の「TRINITY Advanced SL」。基本的な設計コンセプトを従来モデルより踏襲しつつ、トップチューブがスローピングとなり、特にヘッドチューブ周りの設計が洗練された印象だ。
ブレーキは前作が前後ともキャリパータイプだったのに対して、新型はフロントをPROPELと同じくVブレーキとしている。シートポストは非ISP仕様に。ハンドルバーは専用設計とされており、ベースバーとステムのクランプ部分はオーバル断面としている。
ホイールは前後ともPRO。なお、フロントの3スポークバトンは2016モデルとして発売されることが決定している。ブレーキは前後ともフォーリアーズ製。ボトルケージは、表面にディンプルを設けエアロ性能を高めたエリートKIT CHRONOだ。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
Amazon.co.jp
Tour De France (2009 Remastered Version)
Parlophone UK
Buff(バフ) ヘルメットライナー HELMET LINER (LE TOUR DE FRANCE) YPRES ツール・ド・フランス
HIGH UV PROTECTION Buff(R) YPRES
¥ 3,456