2015/07/20(月) - 09:51
「最初の山岳を生き残れれば勝つためにスプリントできると分かっていた。ステージ優勝を狙いにツールに来たが、今既に3勝目。夢のような気分さ」とは圧倒的な強さを誇るアンドレ・グライペル。落車の影響を隠せないジャンクリストフ・ペローや、その他活躍した選手のコメントでレースを振り返ります。
ステージ3勝目をマークしたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
スタートしてから3級山岳までの18.5kmは僕にとって非常に重要だった。もし生き残れれば勝つためにスプリントできると分かっていたから。でもその集団についていくことですら非常にキツかった。
今日はラルス(バク)が逃げに加わった。メイン集団ではカチューシャが素晴しい働きで逃げとの差を徹底的にコントロールしていたし、僕を囲んでサポートしてくれたチームメイトにも感謝しなくてはならない。ティム(ウェレンス)は僕の風上で体力の消耗を防いでくれ、スプリントまで最高の筋書きでサポートしてくれた。グレッグ(ヘンダーソン)とマルセル(シーベルグ)がいなかったので通常通りのスプリントでは無かったが、イェンス(デブシェール)らが最高の働きをしてくれたんだ。
今日は一日苦しめられたし実は膝にも若干トラブルを抱えていたんだ。でもフィニッシュラインが見えれば、いつだってもう一踏ん張りできる。ゴールまで250m地点で向かい風だと分かっていた。デゲンコルブとクリストフが迫っていたが、自分のタイミングが最高だった。ステージ優勝を狙いにツールに来たが、今既に3勝目。夢のような気分さ。残るチャンスはシャンゼリゼだが、その前にアルプスが控えている。それを乗り切ってまたチャンスを狙いたい。
3位に甘んじたアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
向かい風の中でグライペルは最高のスプリントを披露してみせた。自分は上手く最高速に乗せることができたが、勝利にはもうひと伸び足りなかった。今日のグライペルとデゲンコルブはただ単に僕よりも強かった。グライペルと同じ250mで仕掛けようと考えていたものの、彼のスプリントに反応できなかった。スプリンターにとって残るチャンスはシャンゼリゼだけ。でもグライペルにこんなようにスプリントされては、勝利は遠い。集団の先頭に立つのが少し早すぎたために、最終コーナーでは少しだけ番手を下げてしまった。チームの働きに報いることができずに残念だよ。
逃げに乗り、スプリントで4位に入ったペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
キツい山岳に始まり、クレイジーなスプリントに終わるステージだった。スプリントのために軽量なターマックから新型のヴェンジにバイクを交換したかったけれど、テレビクルーが僕とチームカーの間に割り込んでいたので交換のタイミングが遅くなってしまった。
集団のスピードが速かったが、チームメイトのサポートが本当に助けになった。最後のスプリントでは様々な動きが起こっていて混沌とした状況だったんだ。あんな状況で勝つのは宝くじに当たるようなもの。ステージ優勝が欲しい。今日は逃げ切りのチャンスがあったから逃げにも加わってみたけれど。。
攻めたエティックス・クイックステップ勢
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド)
最初に逃げを決めたのは27人。チームからは僕、リゴ(ウラン)、マッテオと3人が加わったが、人数が多すぎるとは分かっていた。そこから7人の抜け出しが決まったけれど、メンバーの中では上手く連携が取れていたよ。でも最後のカテゴリー山岳からゴールまで50km以上もあったので、誰も逃げ切れるとは思っていなかった。
集団ではカチューシャがペースアップを開始して、僕らもできる限りのことは尽くした。もし逃げ切れればマッテオがスプリントで、僕が早めに仕掛けるつもりだったんだ。でもこれが自転車競技。逃げに加わるのはギャンブルみたいなものさ。ときどき集団がミスすることがあるからね。今日は単純にトライしたことが良かったと思う。
ゼネク・シュティバル(チェコ)
トライしたが届かなかった。チャンスの匂いがしたので全てを尽くして踏み続けた。チームカーに乗るブライアン・ホルムが残り3.6km地点と無線で伝えてくれ、自分にとってはちょうど良い距離感だと思った。誰かアタックに同調して欲しかったが、結局一人だった。それに残り3kmは全て向かい風。コースが一直線だったことも僕には不利だったんだ。でもこれがツール。チャレンジしなければいつになったって勝つことはできない。
体調不良のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)
昨日は胃の不調で眠れなかった。スタートの時点でガス欠のような状態だった。ここ数日は良く走れていた分残念だ。マーク・レンショーとミカル・ゴラスがサポートしてくれたので集団復帰を狙っていたが、カチューシャの動きに阻まれてしまった。今日はもうチャンスが無いと分かったよ。自分たちにとってはキツい一日となったけれど、まだツールを走っているんだ。パリのゴールを狙っているし、病状が悪化しないことを祈っている。
グルペットでゴールしたジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
一日一日が本当に辛い。身体中が痛むし、振動が痛いし、脚もおかしな方向を向いている。何も良いことが無い。今日は様子を見るために走ったし、明日は身体と相談してどうするか決めなければいけない。このままであればもう続けられない。ツールが僕を飲み込もうとしている。擦過傷で肌もボロボロだ。応援はとても力になるけれど、リザルトがひどい。グルペットなんて残念だ。
各選手のコメントはチーム公式サイト、レース公式サイトより。
text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano,Kei.Tsuji,CorVos,Tim de Waele
ステージ3勝目をマークしたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
スタートしてから3級山岳までの18.5kmは僕にとって非常に重要だった。もし生き残れれば勝つためにスプリントできると分かっていたから。でもその集団についていくことですら非常にキツかった。
今日はラルス(バク)が逃げに加わった。メイン集団ではカチューシャが素晴しい働きで逃げとの差を徹底的にコントロールしていたし、僕を囲んでサポートしてくれたチームメイトにも感謝しなくてはならない。ティム(ウェレンス)は僕の風上で体力の消耗を防いでくれ、スプリントまで最高の筋書きでサポートしてくれた。グレッグ(ヘンダーソン)とマルセル(シーベルグ)がいなかったので通常通りのスプリントでは無かったが、イェンス(デブシェール)らが最高の働きをしてくれたんだ。
今日は一日苦しめられたし実は膝にも若干トラブルを抱えていたんだ。でもフィニッシュラインが見えれば、いつだってもう一踏ん張りできる。ゴールまで250m地点で向かい風だと分かっていた。デゲンコルブとクリストフが迫っていたが、自分のタイミングが最高だった。ステージ優勝を狙いにツールに来たが、今既に3勝目。夢のような気分さ。残るチャンスはシャンゼリゼだが、その前にアルプスが控えている。それを乗り切ってまたチャンスを狙いたい。
3位に甘んじたアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
向かい風の中でグライペルは最高のスプリントを披露してみせた。自分は上手く最高速に乗せることができたが、勝利にはもうひと伸び足りなかった。今日のグライペルとデゲンコルブはただ単に僕よりも強かった。グライペルと同じ250mで仕掛けようと考えていたものの、彼のスプリントに反応できなかった。スプリンターにとって残るチャンスはシャンゼリゼだけ。でもグライペルにこんなようにスプリントされては、勝利は遠い。集団の先頭に立つのが少し早すぎたために、最終コーナーでは少しだけ番手を下げてしまった。チームの働きに報いることができずに残念だよ。
逃げに乗り、スプリントで4位に入ったペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
キツい山岳に始まり、クレイジーなスプリントに終わるステージだった。スプリントのために軽量なターマックから新型のヴェンジにバイクを交換したかったけれど、テレビクルーが僕とチームカーの間に割り込んでいたので交換のタイミングが遅くなってしまった。
集団のスピードが速かったが、チームメイトのサポートが本当に助けになった。最後のスプリントでは様々な動きが起こっていて混沌とした状況だったんだ。あんな状況で勝つのは宝くじに当たるようなもの。ステージ優勝が欲しい。今日は逃げ切りのチャンスがあったから逃げにも加わってみたけれど。。
攻めたエティックス・クイックステップ勢
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド)
最初に逃げを決めたのは27人。チームからは僕、リゴ(ウラン)、マッテオと3人が加わったが、人数が多すぎるとは分かっていた。そこから7人の抜け出しが決まったけれど、メンバーの中では上手く連携が取れていたよ。でも最後のカテゴリー山岳からゴールまで50km以上もあったので、誰も逃げ切れるとは思っていなかった。
集団ではカチューシャがペースアップを開始して、僕らもできる限りのことは尽くした。もし逃げ切れればマッテオがスプリントで、僕が早めに仕掛けるつもりだったんだ。でもこれが自転車競技。逃げに加わるのはギャンブルみたいなものさ。ときどき集団がミスすることがあるからね。今日は単純にトライしたことが良かったと思う。
ゼネク・シュティバル(チェコ)
トライしたが届かなかった。チャンスの匂いがしたので全てを尽くして踏み続けた。チームカーに乗るブライアン・ホルムが残り3.6km地点と無線で伝えてくれ、自分にとってはちょうど良い距離感だと思った。誰かアタックに同調して欲しかったが、結局一人だった。それに残り3kmは全て向かい風。コースが一直線だったことも僕には不利だったんだ。でもこれがツール。チャレンジしなければいつになったって勝つことはできない。
体調不良のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)
昨日は胃の不調で眠れなかった。スタートの時点でガス欠のような状態だった。ここ数日は良く走れていた分残念だ。マーク・レンショーとミカル・ゴラスがサポートしてくれたので集団復帰を狙っていたが、カチューシャの動きに阻まれてしまった。今日はもうチャンスが無いと分かったよ。自分たちにとってはキツい一日となったけれど、まだツールを走っているんだ。パリのゴールを狙っているし、病状が悪化しないことを祈っている。
グルペットでゴールしたジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
一日一日が本当に辛い。身体中が痛むし、振動が痛いし、脚もおかしな方向を向いている。何も良いことが無い。今日は様子を見るために走ったし、明日は身体と相談してどうするか決めなければいけない。このままであればもう続けられない。ツールが僕を飲み込もうとしている。擦過傷で肌もボロボロだ。応援はとても力になるけれど、リザルトがひどい。グルペットなんて残念だ。
各選手のコメントはチーム公式サイト、レース公式サイトより。
text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano,Kei.Tsuji,CorVos,Tim de Waele
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