2015/07/20(月) - 08:15
スペインのコンポーネントメーカー・ローターより新型クランク式パワーメーター「INPOWER」が登場。その名の通りセンサーをアクスルに内蔵したことが特徴で、外気温の変化や変速によるショックなどのノイズを低減することで優れた計測精度を実現し、雨や落車などの外部からのダメージに対する耐性を高めている。
今シーズン序盤よりプロのレースシーンに投入され、機材フリークの間で話題となってきた「INPOWER」。今季よりローターがサポートを行うMTNキュベカからのフィードバックを取り入れ開発された新型のクランク式パワーメーターで、現在開催中のツール・ド・フランスでは同じくサポートチームのランプレ・メリダも使用している。
その最大の特徴は、パワーを計測する歪みセンサーをクランクアクスル内に搭載したこと。この構造により、外気温の変化や変速ショックなどのノイズが計測データに及ぼす影響を最小限に抑えることに成功。スペインを代表するエレクトロニクスメーカーのindra社が製造するセンサーユニットとあわせて、スパイダー式やアーム式よりも優れた計測精度を実現した。
さらに、転倒した際にダメージを受けにくくなったことも特徴の1つ。センサー自体の周りを密封性の高い構造としていることから雨、泥、洗車時の洗剤によって故障する可能性が低くなったという。ロードはもちろんのこと、MTBやシクロクロスといったオフロード系種目でも天候などのコンディションを気にせずにパワーメーターを使用することが可能だ。
そして歪みセンサーのレイアウト変更と共に、新たな2つの計測項目が追加となっている。中でもトピックスなのが、左クランクに掛かるペダリングパワーの大きさと方向(=トルク)を、クランク1回転ごとにモニタリングできる「TORQUE360°」である。
「TORQUE360°」の計測結果は円グラフで表示され、グラフ上には直近2回転分のデータが反映される(赤線が最新のデータで、青線その1回転前)。大小2つの円はそれぞれ正方向と負方向のデータであり、大きな円は真円に近づくほど綺麗なペダリングであることを、小さな円は面積が小さいほどにパワーロスが少ないことを示す。
もう1つの新しい計測項目はクランクが1周する中で、最もトルクが大きかったクランク角を示す「OCa°」である。このデータが円グラフ上に緑の矢印で表示され、Q-Rings及びQ-XLのユーザーであれば、OCPポジションを決定する際の有効な指標となる(最適なOCPポジションは別途数字で表示される)。加えて、ROTOR POWERの特徴であるトルクエフェクティブやペダルスムーズネス、ケイデンスの計測にも対応した。
重量はロード用の3D+モデルで562gと、クランク式パワーメーターとしては軽量クラスで、ベースモデルからの重量増はわずかに100g強。同社の軽量パワーメーター「ROTOR POWER LT」との比較でも27g増に抑えられている。またクランクの回転中心に位置するため重量増の影響が少なく、フレームで最も地面と近いBBにマウントされるとあって低重心化にも貢献している。
バッテリーはコンビニなどで簡単に入手できる単3電池で、ランタイムは300時間。左クランクの中心に位置するキャップを取り外すだけで電池を交換でき、また工具なしで作業することができるため、万が一出先で電池切れとなった際にも素早く再使用することが可能だ。
もちろん通信規格はANT+で、ガーミンEdgeを始めとしたパワー(W)を表示できるサイクルコンピューターを使用してデータ/表示収集が可能。収集したデータはパソコン用の専用ソフトウェアに加え、今後リリース予定のスマートフォン用アプリ、各社の解析ソフトを使用してさらに細かなデータ分析ができる。
INPOWERのラインアップは6種類。ロード用は「3D+」、「3D30」、そしてより細かく楕円チェーンリングのセットアップを行うことができるMASシステム採用の「FLOW」という3種類。シクロクロス用はフロントシングルに最適化したシクロクロス用の「3D+CX1」の1種類。MTB用はフロントダブル仕様の「REX1.1」とフロントダブル仕様の「REX1.2」という2種類の展開となる。
また、ロード用の「3D+」と「FLOW」、MTB用の「REX1.1」では左クランクの単体販売も行われ、すでにこれらのクランクを使用しているという方であれば、比較的リーズナブルにパワーメーターを導入できる。いずれもシャフトの直径は30mmとされ、ローターがリリースしている各種BBと組み合わせることで、スレッド式と圧入式を問わずさまざまな規格のフレームに取り付け可能だ。取り扱いはダイアテックプロダクツ。
ローター INPOWER
アクスル:アルミニウム製、直径30mm
使用電池:単3電池
ランタイム:300時間
FLOW(クランクセット、左側クランクのみ)
PCD:110MAS、130MAS
クランク長:165(片側のみ)、170、172.5、175
重量:597g、347g(左クランク)
価格:129,000円(税抜、クランクセット)、100,000円(左側クランクのみ)
3D+(クランクセット、左側クランクのみ)
PCD:110
クランク長:165(片側のみ)、170、172.5、175
重量:562g、324.5g(左クランク)
価格:126,000円(税抜、クランクセット)、96,000円(税抜、左側クランクのみ)
3D+CX1(クランクセットのみ)
PCD:110
クランク長:170、172.5、175
重量:562g
価格:126,000円(税抜、クランクセット)、96,000円(税抜、左側クランクのみ)
3D30(クランクセット)
PCD:110
クランク長:170、172.5、175
重量:562g、323g(左クランク)
価格:114,000円(税抜)
REX1.1(クランクセット、左側クランクのみ)
PCD:76BCD
クランク長:170、172.5、175
重量:549g、343g(左クランク)
価格:126,000円(税抜、クランクセット)、96,000円(税抜、左側クランクのみ)
REX1.2(クランクセット)
PCD:110/60BCD
クランク長:170、172.5、175
重量:562g、343g(左クランク)
価格:126,000円(税抜、クランクセット)、96,000円(税抜、左側クランクのみ)
今シーズン序盤よりプロのレースシーンに投入され、機材フリークの間で話題となってきた「INPOWER」。今季よりローターがサポートを行うMTNキュベカからのフィードバックを取り入れ開発された新型のクランク式パワーメーターで、現在開催中のツール・ド・フランスでは同じくサポートチームのランプレ・メリダも使用している。
その最大の特徴は、パワーを計測する歪みセンサーをクランクアクスル内に搭載したこと。この構造により、外気温の変化や変速ショックなどのノイズが計測データに及ぼす影響を最小限に抑えることに成功。スペインを代表するエレクトロニクスメーカーのindra社が製造するセンサーユニットとあわせて、スパイダー式やアーム式よりも優れた計測精度を実現した。
さらに、転倒した際にダメージを受けにくくなったことも特徴の1つ。センサー自体の周りを密封性の高い構造としていることから雨、泥、洗車時の洗剤によって故障する可能性が低くなったという。ロードはもちろんのこと、MTBやシクロクロスといったオフロード系種目でも天候などのコンディションを気にせずにパワーメーターを使用することが可能だ。
そして歪みセンサーのレイアウト変更と共に、新たな2つの計測項目が追加となっている。中でもトピックスなのが、左クランクに掛かるペダリングパワーの大きさと方向(=トルク)を、クランク1回転ごとにモニタリングできる「TORQUE360°」である。
「TORQUE360°」の計測結果は円グラフで表示され、グラフ上には直近2回転分のデータが反映される(赤線が最新のデータで、青線その1回転前)。大小2つの円はそれぞれ正方向と負方向のデータであり、大きな円は真円に近づくほど綺麗なペダリングであることを、小さな円は面積が小さいほどにパワーロスが少ないことを示す。
もう1つの新しい計測項目はクランクが1周する中で、最もトルクが大きかったクランク角を示す「OCa°」である。このデータが円グラフ上に緑の矢印で表示され、Q-Rings及びQ-XLのユーザーであれば、OCPポジションを決定する際の有効な指標となる(最適なOCPポジションは別途数字で表示される)。加えて、ROTOR POWERの特徴であるトルクエフェクティブやペダルスムーズネス、ケイデンスの計測にも対応した。
重量はロード用の3D+モデルで562gと、クランク式パワーメーターとしては軽量クラスで、ベースモデルからの重量増はわずかに100g強。同社の軽量パワーメーター「ROTOR POWER LT」との比較でも27g増に抑えられている。またクランクの回転中心に位置するため重量増の影響が少なく、フレームで最も地面と近いBBにマウントされるとあって低重心化にも貢献している。
バッテリーはコンビニなどで簡単に入手できる単3電池で、ランタイムは300時間。左クランクの中心に位置するキャップを取り外すだけで電池を交換でき、また工具なしで作業することができるため、万が一出先で電池切れとなった際にも素早く再使用することが可能だ。
もちろん通信規格はANT+で、ガーミンEdgeを始めとしたパワー(W)を表示できるサイクルコンピューターを使用してデータ/表示収集が可能。収集したデータはパソコン用の専用ソフトウェアに加え、今後リリース予定のスマートフォン用アプリ、各社の解析ソフトを使用してさらに細かなデータ分析ができる。
INPOWERのラインアップは6種類。ロード用は「3D+」、「3D30」、そしてより細かく楕円チェーンリングのセットアップを行うことができるMASシステム採用の「FLOW」という3種類。シクロクロス用はフロントシングルに最適化したシクロクロス用の「3D+CX1」の1種類。MTB用はフロントダブル仕様の「REX1.1」とフロントダブル仕様の「REX1.2」という2種類の展開となる。
また、ロード用の「3D+」と「FLOW」、MTB用の「REX1.1」では左クランクの単体販売も行われ、すでにこれらのクランクを使用しているという方であれば、比較的リーズナブルにパワーメーターを導入できる。いずれもシャフトの直径は30mmとされ、ローターがリリースしている各種BBと組み合わせることで、スレッド式と圧入式を問わずさまざまな規格のフレームに取り付け可能だ。取り扱いはダイアテックプロダクツ。
ローター INPOWER
アクスル:アルミニウム製、直径30mm
使用電池:単3電池
ランタイム:300時間
FLOW(クランクセット、左側クランクのみ)
PCD:110MAS、130MAS
クランク長:165(片側のみ)、170、172.5、175
重量:597g、347g(左クランク)
価格:129,000円(税抜、クランクセット)、100,000円(左側クランクのみ)
3D+(クランクセット、左側クランクのみ)
PCD:110
クランク長:165(片側のみ)、170、172.5、175
重量:562g、324.5g(左クランク)
価格:126,000円(税抜、クランクセット)、96,000円(税抜、左側クランクのみ)
3D+CX1(クランクセットのみ)
PCD:110
クランク長:170、172.5、175
重量:562g
価格:126,000円(税抜、クランクセット)、96,000円(税抜、左側クランクのみ)
3D30(クランクセット)
PCD:110
クランク長:170、172.5、175
重量:562g、323g(左クランク)
価格:114,000円(税抜)
REX1.1(クランクセット、左側クランクのみ)
PCD:76BCD
クランク長:170、172.5、175
重量:549g、343g(左クランク)
価格:126,000円(税抜、クランクセット)、96,000円(税抜、左側クランクのみ)
REX1.2(クランクセット)
PCD:110/60BCD
クランク長:170、172.5、175
重量:562g、343g(左クランク)
価格:126,000円(税抜、クランクセット)、96,000円(税抜、左側クランクのみ)
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