ツアー・オブ・カリフォルニア(UCI2.HC)の総合成績を大きく左右する第6ステージ、ソルバングの個人タイムトライアル。24.1kmを最速タイムで駆け抜けたリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)が3年連続の優勝、ならびに大会3連覇に大きく前進した。

ステージ5位に入ったイェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)ステージ5位に入ったイェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク) photo:CorVosツアー・オブ・カリフォルニアが個人タイムトライアル(以下個人TT)の舞台に選んだのは、3年連続でソルバング。デンマークの街を再現した街を駆け抜ける24.1kmのコースは前年度と全く同じで、前半上り、後半下りだ。中盤に勾配のあるバラード・キャニオン・ロードの上りが1kmほど続く。

晴天に恵まれた2月20日、この日もコース沿道には大勢の観客が詰めかけた。これも「アームストロング効果」といったところ。

トップから22秒遅れで4位のマイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア)トップから22秒遅れで4位のマイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア) photo:CorVos注目の総合争いは、第5ステージを終えた時点でライプハイマーがトップに君臨しており、24秒遅れで3度の世界TTチャンピオンのマイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア)、28秒遅れで3度のアメリカTTチャンピオンのデーヴィット・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン)が続いている。

総合成績1分以内に16名がひしめき合う混戦状態で、いくら過去2年間ソルバング個人TTを制しているライプハイマーと言えど、決して気の抜けない状況だ。

アメリカTTチャンピオンジャージを着て走るデーヴィット・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン)アメリカTTチャンピオンジャージを着て走るデーヴィット・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン) photo:CorVos大会3連覇を狙うライプハイマーの牙城を崩すべく、ロジャースとザブリスキーは快走してみせた。オーストラリアTTチャンピオンジャージを着るロジャースは、31分02秒の好タイムでゴール。そして頭を丸めたザブリスキーは中間計測ポイントで最速タイムを更新すると、30分48秒で暫定トップに立った。

しかし全身イエロージャージで決めた最終走者ライプハイマーは、これらをさらに上回った。ザブリスキーの中間計測トップタイムを3秒更新したライプハイマーは、1年前に自身が樹立したコースレコードを7秒上回る30分40秒でゴール。

今も昔も変わらないランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)の力溢れるポジション今も昔も変わらないランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)の力溢れるポジション photo:CorVosソルバング最速の称号を守るとともに、総合ライバルたちを突き放すことに成功したライプハイマーは、「もちろんまだ厳しい山岳ステージが2日も残っているけど、今日稼ぎ出したタイム差の意味は大きい。世界屈指のTTスペシャリストであるザブリスキーを破ったことで、3年連続勝利の価値はさらに上がった。本当にこの勝利はスペシャルだ」とコメントしている。

これら総合トップスリーに割り込んだのが、北欧を代表するTTスペシャリストのグスタフエリック・ラーション(スウェーデン、サクソバンク)。一時はケースデパーニュとの契約が報じられながらも、最終的にサクソバンクを選んだラーションのタイムは30分57秒。最終的にステージ3位に食い込んだ。

全身イエロージャージのリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)が独特のポジションで駆け抜ける全身イエロージャージのリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)が独特のポジションで駆け抜ける photo:CorVos会場の注目を最も受けていたランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)は、盗難に遭いながらも無事に発見されたTTバイクで勝負。かつての王者の走りは影を潜めたものの、31分56秒とまずまずのタイムでゴール。ステージ14位でレースを終えている。

ホワイトジャージを着るロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)は、アームストロングを1秒上回る31分55秒でステージ13位。新人賞トップの座を守るとともに、TT能力の改善、そしてオールラウンダーとしての資質を見せつけた。

すでに総合で遅れているシュレク兄弟(ルクセンブルク)に代わって、サクソバンクのエースを務めるベテランのイェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)は、奮起してステージ5位。総合4位に浮上した。

ステージトップスリー、左から2位デーヴィット・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン)、優勝リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)、3位グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、サクソバンク)ステージトップスリー、左から2位デーヴィット・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン)、優勝リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)、3位グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、サクソバンク) photo:CorVos昨年ステージ8位のトム・ジーベル(アメリカ、ビッセル)は、順位を一つ上げて7位に。その他の注目選手は、ジョージ・ヒンカピー(アメリカ、チームコロンビア)が31分16秒で6位、クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン)が31分49秒で12位、フロイド・ランディス(アメリカ、OUCHマキシス)が33分23秒で54位。

この日の結果を受けて、総合トップから1分以内の選手は16名から3名に絞り込まれた。

総合13位につけていたイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)は、試走で膝を痛め、スタートしなかった。「右膝をハンドルバーに打ち付けたため」とフランスのレキップ紙は伝えている。

レース公式サイトより

ツアー・オブ・カリフォルニア2009第6ステージ結果
1位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)30'40"
2位 デーヴィット・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン)+08"
3位 グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、サクソバンク)+17"
4位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア)+22"
5位 イェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)+30"
6位 ジョージ・ヒンカピー(アメリカ、チームコロンビア)+36"
7位 トム・ジーベル(アメリカ、ビッセル)+39"
8位 ジェイソン・マッカートニー(アメリカ、サクソバンク)+41"
9位 スタフ・クレメント(オランダ、ラボバンク)+43"
10位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームコロンビア)+51"

個人総合成績
1位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)24h12'00"
2位 デーヴィット・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン)+36"
3位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア)+46"
4位 イェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)+1'10"
5位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームコロンビア)+1'29"
6位 ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)+1'46"
7位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)+1'54"
8位 ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ)+1'59"
9位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、アスタナ)+2'13"
10位 フランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング)+2'13"

山岳賞
フランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング)

スプリント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)

新人賞
ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)

チーム総合成績
アスタナ

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