2015/07/04(土) - 06:54
ツール・ド・フランスの山岳王に与えられるマイヨアポワ。2015年も指折りのクライマーたちが赤玉ジャージ獲得を狙ってアタックするだろう。ツール開幕を前に、ポイントシステムや注目選手をチェックしておこう。
ツール・ド・フランス山岳最強の証、それがマイヨブラン・ア・ポワ・ルージュ(略してマイヨアポワ)。他の3賞ジャージが単色であるのに対して、マイヨアポワはホワイトジャージに赤い水玉を配した奇抜なデザイン。プロトンの中でも判別は容易だ。
近年のツールの傾向として、カテゴリーの低い山岳での獲得ポイントが引き下げられている。例えば4級山岳25回先頭通過と、超級山岳1回先頭通過が同じポイント。つまり、マイヨアポワを狙うためには、単純に難易度の高いカテゴリー山岳でポイントを稼がなければならない。
中級山岳ステージで逃げてポイントを加算するのではなく、アルプスやピレネーの難関山岳でポイントを量産する真のクライマーがマイヨアポワの候補に挙がる。なお、山頂フィニッシュのポイントは通常の2倍。そのため総合上位の選手たちも必然的に山岳賞ランキングの上位に絡んでくる。
カテゴリー山岳のポイント配分
・超級山岳 25pts, 20pts, 16pts, 14pts, 12pts, 10pts, 8pts, 6pts, 4pts, 2pts
・1級山岳 10pts, 8pts, 6pts, 4pts, 2pts, 1pt
・2級山岳 5pts, 3pts, 2pts, 1pt
・3級山岳 2pts, 1pt
・4級山岳 1pt
総合上位陣が山岳賞も独占する?若手クライマーの奮起に期待
2014年は山岳ステージで2勝したラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)が総合優勝者ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)を13ポイント差で下してマイヨアポワを獲得。コンタドールのリタイアによってアシストの任務を解き放たれたマイカがチャンスを掴んだ。もちろん2015年はコンタドールのアシストが至上命令であり、マイヨアポワを狙った自由な動きは許されないだろう。
ツールで2010年山岳賞9位、2013年山岳賞4位、2014年山岳賞3位のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)は総合成績を狙うと同時に、山岳ステージでポイントを重ねるはず。同様に、タイムトライアルを含めた総合力でライバルに劣るクライマー系オールラウンダーたちは、目標を総合成績から山岳ステージでの勝利にスイッチし、その先にある山岳賞の獲得にフォーカスすることも考えられる。
ジロ・デ・イタリアの山岳ステージで活躍したライダー・ヘシェダル(カナダ、キャノンデール・ガーミン)やステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)らも、総合エースの許可を得ることが出来れば山岳ステージで勝利を狙ってくるはずだ。
若いピュアクライマーとしては、2014年ジロ山岳賞獲得者でツール初出場のジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)や、ブエルタの山岳ステージで2勝しているワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン)、ツアー・オブ・ターキー覇者クリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ)、ツアー・オブ・オマーン覇者ラファエル・バルス(スペイン、ランプレ・メリダ)らの名前が挙がる。
その他、2014年ツール・ド・ランカウイ総合2位メルハウィ・クドゥス(エリトリア、MTNキュベカ)やエドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、ブルターニュ・セシェ)をはじめ、ワイルドカード枠で出場するUCIプロコンチネンタルチームの選手たちが積極的にレースをかき回してくるだろう。特に序盤ステージではジャージ獲得のチャンスが大きいため、アタックの応酬を繰り広げるはず。
ツール・ド・フランス2014山岳賞ランキング
1位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) 181pts
2位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) 168pts
3位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 112pts
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr) 89pts
5位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール) 85pts
歴代のマイヨアポワ受賞者
2014年 ラファル・マイカ(ポーランド)
2013年 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
2012年 トマ・ヴォクレール(フランス)
2011年 サムエル・サンチェス(スペイン)
2010年 アントニー・シャルトー(フランス)
2009年 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア)※ドーピング違反により失格
2008年 ベルンハート・コール(オーストリア)※ドーピング違反により失格
2007年 マウリシオ・ソレール(コロンビア)
2006年 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク)
2005年 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク)
2004年 リシャール・ヴィランク(フランス)
2003年 リシャール・ヴィランク(フランス)
2002年 ローラン・ジャラベール(フランス)
2001年 ローラン・ジャラベール(フランス)
2000年 サンティアゴ・ボテーロ(コロンビア)
1999年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1998年 クリストフ・リネロ(フランス)
1997年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1996年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1995年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1994年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1993年 トニー・ロミンガー(スイス)
1992年 クラウディオ・キャプッチ(イタリア)
1991年 クラウディオ・キャプッチ(イタリア)
1990年 ティエリー・クラヴェロラ(フランス)
text:Kei Tsuji in Utrecht, Netherlands
ツール・ド・フランス山岳最強の証、それがマイヨブラン・ア・ポワ・ルージュ(略してマイヨアポワ)。他の3賞ジャージが単色であるのに対して、マイヨアポワはホワイトジャージに赤い水玉を配した奇抜なデザイン。プロトンの中でも判別は容易だ。
近年のツールの傾向として、カテゴリーの低い山岳での獲得ポイントが引き下げられている。例えば4級山岳25回先頭通過と、超級山岳1回先頭通過が同じポイント。つまり、マイヨアポワを狙うためには、単純に難易度の高いカテゴリー山岳でポイントを稼がなければならない。
中級山岳ステージで逃げてポイントを加算するのではなく、アルプスやピレネーの難関山岳でポイントを量産する真のクライマーがマイヨアポワの候補に挙がる。なお、山頂フィニッシュのポイントは通常の2倍。そのため総合上位の選手たちも必然的に山岳賞ランキングの上位に絡んでくる。
カテゴリー山岳のポイント配分
・超級山岳 25pts, 20pts, 16pts, 14pts, 12pts, 10pts, 8pts, 6pts, 4pts, 2pts
・1級山岳 10pts, 8pts, 6pts, 4pts, 2pts, 1pt
・2級山岳 5pts, 3pts, 2pts, 1pt
・3級山岳 2pts, 1pt
・4級山岳 1pt
総合上位陣が山岳賞も独占する?若手クライマーの奮起に期待
2014年は山岳ステージで2勝したラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)が総合優勝者ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)を13ポイント差で下してマイヨアポワを獲得。コンタドールのリタイアによってアシストの任務を解き放たれたマイカがチャンスを掴んだ。もちろん2015年はコンタドールのアシストが至上命令であり、マイヨアポワを狙った自由な動きは許されないだろう。
ツールで2010年山岳賞9位、2013年山岳賞4位、2014年山岳賞3位のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)は総合成績を狙うと同時に、山岳ステージでポイントを重ねるはず。同様に、タイムトライアルを含めた総合力でライバルに劣るクライマー系オールラウンダーたちは、目標を総合成績から山岳ステージでの勝利にスイッチし、その先にある山岳賞の獲得にフォーカスすることも考えられる。
ジロ・デ・イタリアの山岳ステージで活躍したライダー・ヘシェダル(カナダ、キャノンデール・ガーミン)やステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)らも、総合エースの許可を得ることが出来れば山岳ステージで勝利を狙ってくるはずだ。
若いピュアクライマーとしては、2014年ジロ山岳賞獲得者でツール初出場のジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)や、ブエルタの山岳ステージで2勝しているワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン)、ツアー・オブ・ターキー覇者クリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ)、ツアー・オブ・オマーン覇者ラファエル・バルス(スペイン、ランプレ・メリダ)らの名前が挙がる。
その他、2014年ツール・ド・ランカウイ総合2位メルハウィ・クドゥス(エリトリア、MTNキュベカ)やエドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、ブルターニュ・セシェ)をはじめ、ワイルドカード枠で出場するUCIプロコンチネンタルチームの選手たちが積極的にレースをかき回してくるだろう。特に序盤ステージではジャージ獲得のチャンスが大きいため、アタックの応酬を繰り広げるはず。
ツール・ド・フランス2014山岳賞ランキング
1位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) 181pts
2位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) 168pts
3位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 112pts
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr) 89pts
5位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール) 85pts
歴代のマイヨアポワ受賞者
2014年 ラファル・マイカ(ポーランド)
2013年 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
2012年 トマ・ヴォクレール(フランス)
2011年 サムエル・サンチェス(スペイン)
2010年 アントニー・シャルトー(フランス)
2009年 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア)※ドーピング違反により失格
2008年 ベルンハート・コール(オーストリア)※ドーピング違反により失格
2007年 マウリシオ・ソレール(コロンビア)
2006年 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク)
2005年 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク)
2004年 リシャール・ヴィランク(フランス)
2003年 リシャール・ヴィランク(フランス)
2002年 ローラン・ジャラベール(フランス)
2001年 ローラン・ジャラベール(フランス)
2000年 サンティアゴ・ボテーロ(コロンビア)
1999年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1998年 クリストフ・リネロ(フランス)
1997年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1996年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1995年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1994年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1993年 トニー・ロミンガー(スイス)
1992年 クラウディオ・キャプッチ(イタリア)
1991年 クラウディオ・キャプッチ(イタリア)
1990年 ティエリー・クラヴェロラ(フランス)
text:Kei Tsuji in Utrecht, Netherlands
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