2015/05/22(金) - 00:58
山岳コースの南信州ステージを制したのはベンジャミン・プラデス(マトリックスタワータグ)。チーム結成10年目で初のTOJ優勝。総合はアダム・フェラン(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)に移り、2秒差でフランシスコ・マンセボ(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)が続く。
全7ステージのツアー・オブ・ジャパン。ちょうど真ん中の第4ステージが5月21日(木)、長野県飯田市で行なわれた。コースはパレードののち1周12.2kmを10周しフィニッシュまでの1.6kmを走る123.6km。当日は朝から好天に恵まれ沿道には子供たちや焼肉を楽しむ人たちがたくさん。
レースはJR飯田駅前をパレードスタート。総合の行方を占う山岳コースの周回に入るとともにアタックが活発に。1周目の下りで内間康平(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)がアタック、2周目には後方から8人が合流し9人の先頭集団ができる。最大で1分差をつけるが4周目にはメイン集団がこれを吸収。コントロールするのはリーダーチームのスカイダイブドバイ。
中盤から2人が逃げ続ける
4周目後半にヴァレリオ・コンティ(ランプレ・メリダ)とディラン・ガードルストーン(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)が抜け出す。この2人は最終的に先頭集団でフィニッシュする粘りを見せることに。ここでメイン集団のペースが落ち、差は最大4分近くにまで広がる。
6周目中ほどまでメイン集団をコントロールしていたのはスカイダイブドバイだったが、差を詰めるためにピシュガマン ジャイアントチームが5人で先頭に立ってペースを上げていく。7周目の後半で先頭から入部正太朗(シマノレーシング)がアタック、これに西薗良太(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)が反応しさらにサルバドール・グアルディオラも追いつき3人で先頭の2人を追走する。さらにNIPPO・ヴィーニファンティーニの山本元喜とアントニオ・ニーバリも追いついて追走集団は5人に。
しかしこの追走5人も8周目の上りで西薗が前に出て分裂、やがて5人とも各チームがペースを上げるメイン集団に吸収される。その先のKOMでラヒーム・エマミ(ピシュガマン ジャイアントチーム)がアタック。この時点で先頭2人とメイン集団の差は1分にまで縮まる。9周目に入り、先頭2人にエマミが、そしてメイン集団から抜け出したトマ・ルバ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)とイリヤ・ゴロドニチェフ(RTSサンティックレーシングチーム)が合流して先頭は5人に。
23人のゴールスプリントへ
さらにメイン集団からホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)が単独で先頭に合流し先頭は6人に。しかしこの6人も安定せず10周目の上りでメイン集団が吸収し振り出しに戻る。この時点で先頭は24人。KOMで抜け出したゴロドニチェフをホセイン・アスカリ(ピシュガマン ジャイアントチーム)がかわして単独先頭で下りに入る。今年のアジア選手権ロードとTTのダブルチャンピオンのアスカリは、集団との差を15秒でキープ。
しかし逃げるアスカリがここでなんとパンクのアクシデント。アスカリはこれが3km以内だったため先頭と同タイム扱いに。そして先頭は23人のままゴールスプリントへ。アダム・フェラン(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)が先行するがベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)が鋭くかわして優勝。プラデスは両手を挙げるがフェランも手を挙げかけるほどの僅差の勝利だった。
目だったピシュガマンの組織力
優勝したプラデスは2週間前まで開催のツール・ド・イジェン第2ステージで優勝。これで自身UCIレース2勝目に。マトリックスとしてはチーム結成10年で初めてツアー・オブ・ジャパンで勝利を収めた。ほかチームで統率の取れた動きをしたのはピシュガマンジャイアントチーム。メイン集団を引き上げ、そして最後はエースのアスカリを発射させた強さは明らかに格上のもの。パンクのアクシデントで水泡に帰したがアミール・ザルガリは上位に残っている。
今年の南信州ステージでは23人と大人数のスプリントで決着が付いたが、終盤の激しい展開で、アスカリを含めた24人はいずれも強者達。激戦となった第2ステージいなべで逃げた14人のうち、11人までがこの南信州でも先頭集団でフィニッシュした。この総合上位11人は紛れもなく強いメンバー。続く富士山ステージでも総合順位は入れ替わるだろうが、総合優勝の行方はこの11人に絞られた。
結果
第4ステージ南信州 123.6km
1位 ベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)3時間08分31秒
2位 アダム・フェラン(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)
3位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)
4位 ヴァレリオ・コンティ(ランプレ・メリダ)
5位 ルカ・ピベルニク(ランプレ・メリダ)
6位 エドガル・ピント(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)
7位 トーマス・ディヴィソン(アヴァンティレーシングチーム)
8位 フランシスコ・マンセボ(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)
9位 ディディエール・チャパッロ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)
10位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)
個人総合順位 第4ステージ終了時点
1位 アダム・フェラン(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)9時間54分24秒
2位 フランシスコ・マンセボ(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)+02秒
3位 ルカ・ピベルニク(ランプレ・メリダ)+09秒
4位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)+14秒
5位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)+15秒
6位 ジャイ・クロフォード(キナンサイクリングチーム)+16秒
7位 ミルサマ・ポルセイエディゴラコール(タブリーズ ペトロケミカルチーム)+19秒
8位 アミール・ザルガリ(ピシュガマン ジャイアントチーム)+21秒
9位 イリヤ・ゴロドニチェフ(RTSサンティックレーシングチーム)
10位 ディディエール・チャパッロ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)+23秒
個人総合ポイント順位 第4ステージ終了時点
1位 フランシスコ・マンセボ(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)33点
2位 アダム・フェラン(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)
3位 ルカ・ピベルニク(ランプレ・メリダ)
個人総合山岳順位 第4ステージ終了時点
1位 マッティア・ポッツォ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)13点
2位 ディラン・ガードルストーン(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)12点
3位 フェン・チュンカイ(ランプレ・メリダ)11点
チーム総合順位 第4ステージ終了時点
1位 スカイダイブドバイプロサイクリングチーム 29時間44分47秒
2位 ランプレ・メリダ +19秒
3位 ブリヂストンアンカーサイクリングチーム +29秒
photo&text:Hideaki TAKAGI
全7ステージのツアー・オブ・ジャパン。ちょうど真ん中の第4ステージが5月21日(木)、長野県飯田市で行なわれた。コースはパレードののち1周12.2kmを10周しフィニッシュまでの1.6kmを走る123.6km。当日は朝から好天に恵まれ沿道には子供たちや焼肉を楽しむ人たちがたくさん。
レースはJR飯田駅前をパレードスタート。総合の行方を占う山岳コースの周回に入るとともにアタックが活発に。1周目の下りで内間康平(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)がアタック、2周目には後方から8人が合流し9人の先頭集団ができる。最大で1分差をつけるが4周目にはメイン集団がこれを吸収。コントロールするのはリーダーチームのスカイダイブドバイ。
中盤から2人が逃げ続ける
4周目後半にヴァレリオ・コンティ(ランプレ・メリダ)とディラン・ガードルストーン(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)が抜け出す。この2人は最終的に先頭集団でフィニッシュする粘りを見せることに。ここでメイン集団のペースが落ち、差は最大4分近くにまで広がる。
6周目中ほどまでメイン集団をコントロールしていたのはスカイダイブドバイだったが、差を詰めるためにピシュガマン ジャイアントチームが5人で先頭に立ってペースを上げていく。7周目の後半で先頭から入部正太朗(シマノレーシング)がアタック、これに西薗良太(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)が反応しさらにサルバドール・グアルディオラも追いつき3人で先頭の2人を追走する。さらにNIPPO・ヴィーニファンティーニの山本元喜とアントニオ・ニーバリも追いついて追走集団は5人に。
しかしこの追走5人も8周目の上りで西薗が前に出て分裂、やがて5人とも各チームがペースを上げるメイン集団に吸収される。その先のKOMでラヒーム・エマミ(ピシュガマン ジャイアントチーム)がアタック。この時点で先頭2人とメイン集団の差は1分にまで縮まる。9周目に入り、先頭2人にエマミが、そしてメイン集団から抜け出したトマ・ルバ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)とイリヤ・ゴロドニチェフ(RTSサンティックレーシングチーム)が合流して先頭は5人に。
23人のゴールスプリントへ
さらにメイン集団からホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)が単独で先頭に合流し先頭は6人に。しかしこの6人も安定せず10周目の上りでメイン集団が吸収し振り出しに戻る。この時点で先頭は24人。KOMで抜け出したゴロドニチェフをホセイン・アスカリ(ピシュガマン ジャイアントチーム)がかわして単独先頭で下りに入る。今年のアジア選手権ロードとTTのダブルチャンピオンのアスカリは、集団との差を15秒でキープ。
しかし逃げるアスカリがここでなんとパンクのアクシデント。アスカリはこれが3km以内だったため先頭と同タイム扱いに。そして先頭は23人のままゴールスプリントへ。アダム・フェラン(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)が先行するがベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)が鋭くかわして優勝。プラデスは両手を挙げるがフェランも手を挙げかけるほどの僅差の勝利だった。
目だったピシュガマンの組織力
優勝したプラデスは2週間前まで開催のツール・ド・イジェン第2ステージで優勝。これで自身UCIレース2勝目に。マトリックスとしてはチーム結成10年で初めてツアー・オブ・ジャパンで勝利を収めた。ほかチームで統率の取れた動きをしたのはピシュガマンジャイアントチーム。メイン集団を引き上げ、そして最後はエースのアスカリを発射させた強さは明らかに格上のもの。パンクのアクシデントで水泡に帰したがアミール・ザルガリは上位に残っている。
今年の南信州ステージでは23人と大人数のスプリントで決着が付いたが、終盤の激しい展開で、アスカリを含めた24人はいずれも強者達。激戦となった第2ステージいなべで逃げた14人のうち、11人までがこの南信州でも先頭集団でフィニッシュした。この総合上位11人は紛れもなく強いメンバー。続く富士山ステージでも総合順位は入れ替わるだろうが、総合優勝の行方はこの11人に絞られた。
結果
第4ステージ南信州 123.6km
1位 ベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)3時間08分31秒
2位 アダム・フェラン(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)
3位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)
4位 ヴァレリオ・コンティ(ランプレ・メリダ)
5位 ルカ・ピベルニク(ランプレ・メリダ)
6位 エドガル・ピント(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)
7位 トーマス・ディヴィソン(アヴァンティレーシングチーム)
8位 フランシスコ・マンセボ(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)
9位 ディディエール・チャパッロ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)
10位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)
個人総合順位 第4ステージ終了時点
1位 アダム・フェラン(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)9時間54分24秒
2位 フランシスコ・マンセボ(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)+02秒
3位 ルカ・ピベルニク(ランプレ・メリダ)+09秒
4位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)+14秒
5位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)+15秒
6位 ジャイ・クロフォード(キナンサイクリングチーム)+16秒
7位 ミルサマ・ポルセイエディゴラコール(タブリーズ ペトロケミカルチーム)+19秒
8位 アミール・ザルガリ(ピシュガマン ジャイアントチーム)+21秒
9位 イリヤ・ゴロドニチェフ(RTSサンティックレーシングチーム)
10位 ディディエール・チャパッロ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)+23秒
個人総合ポイント順位 第4ステージ終了時点
1位 フランシスコ・マンセボ(スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)33点
2位 アダム・フェラン(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)
3位 ルカ・ピベルニク(ランプレ・メリダ)
個人総合山岳順位 第4ステージ終了時点
1位 マッティア・ポッツォ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)13点
2位 ディラン・ガードルストーン(ドラパック プロフェッショナルサイクリング)12点
3位 フェン・チュンカイ(ランプレ・メリダ)11点
チーム総合順位 第4ステージ終了時点
1位 スカイダイブドバイプロサイクリングチーム 29時間44分47秒
2位 ランプレ・メリダ +19秒
3位 ブリヂストンアンカーサイクリングチーム +29秒
photo&text:Hideaki TAKAGI
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